獣人王とイヌ

gooneone(ごーわんわん)

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 いつかここから逃げ出したいとイヌは思っている。けれど、それが叶わないことも知っていた。そして逃げたとしても生きる術などないことも――。
 借金を返せなくなった両親に売られ、ここへきて八年が経つ。借金の理由も知らなければ、両親と主の関係も知らない。ただ、小学校から帰宅したときには家のなかは空っぽで、主の側近だという男が待っていただけだ。
 側近だという男は何も説明してはくれなかった。ただ、「君の両親は君を売った。君は買われた」と、それだけ。しかしながらその言葉は十歳のイヌの心を打ち砕いた。
 応援している野球チームが負けたからと父に殴られ、買ったばかりの玉ねぎが腐っていたからと母に殴られても、それでも両親といたかった。いつか頭を撫でてくれる日が、抱き締めてくれる日が、愛していると言ってくれる日が来ると信じていた。
 側近に乗せられた車で走ること数時間。この屋敷に連れてこられてまず最初にされたことは直腸の洗浄だった。裸にされ、風呂に連れ込まれ、尻にホースを突っ込まれ、排泄させられた。排泄した水の色が透明になる頃には尻はヒリヒリと痛んでいた。しかし十歳のイヌには直腸の洗浄が意味することなど微塵もわからなかった。
 それから主に首輪をつけられ、ペット用シーツの敷かれたトイレを教えられた。四つん這いでの移動に慣れず、トイレシーツまで辿り着く前に粗相をしてしまったときは尿道にカテーテルを挿され、しばらくの間主に排泄を管理され、自分の意思とは関係なく勝手に排泄させられることに羞恥で泣いた。しかし今やカテーテルを挿入されるときの激痛もなく、感じるのは気が狂いそうになるほどの快感だけだ。おしっこの穴が気持ちいいです、と素直に言えば主は喜ぶ。
「いつかおちんちんが壊れてしまっても、カテーテルでおしっこをさせてあげるよ」と言われたときは気持ちのいいカテーテルが入りっぱなしになると想像だけで射精した。
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