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ベルナデッタの恋
二話 祝福という名の刃
____ガチャン!と勢いよく扉の開く音がして、扉の方へ振り向く。
「ベルナデッタ! あぁ、なんて美しいの……!」
「まるで若い頃の母さんを見ているような気分だ。立派に成長して……」
ベルナデッタは、他でもない私の名前だ。
部屋に入ってきたのは、ビアンカと同じく既に涙を浮かべている両親だった。
「もう……お母様とお父様まで! 気が早いですわ。まだ式が始まってすらいませんのに……」
「まぁお姉さま、仕方のないことですわよ! だって、こんなに綺麗なお姉さまを見たら自然と涙が流れてしまいますもの」
「全くビアンカったら、褒めすぎよ」
「そんなことはありません! きっと、ユージン様も見惚れてしまうことまちがいなしですわ」
____そんなわけ、ないわ。もしユージン様が見惚れることがあるとするなら、それは私ではなくて……。
そんなことを思いながら、私はビアンカを見つめる。
可愛らしいピンク色の髪色、ピンクダイヤモンドのように輝く瞳、陶器のようにすべすべで白い肌……。
そして、今日のため……いいえ、私のために施された控えめな化粧に、淡いピンク色のドレス。
ビアンカを構成する全てが可愛らしく、美しかった。
きっと、ユージン様は私ではなくビアンカに見惚れるのだわ。
なぜならいつだってユージン様は、決まってビアンカを先に褒めるのよ。
もちろん優しい彼だから、その後に私のことも褒めてくれたけれど……。
きっと彼にとっては、私なんてビアンカのついでなのだわ。
だって、ビアンカのことはいつも笑顔で目を見て褒めるのに……。
私のことは少しぶっきらぼうな褒め方をするし、毎回目だって合わせてくれないもの。
____コンコンコン、と再びノックの音。
「失礼いたします。これから新婦様と新郎様のお二人で、顔合わせのお時間となります」
……あぁ、遂に来てしまったのね。
でも、覚悟を決めなくては。
「じゃあ、私達はこれで失礼するわね。式、とても楽しみにしているわ」
「お姉さま、またあとで!」
そう言って、両親とビアンカが退出する。
そしてその直後、ガチャリ……と扉がゆっくりと開かれた。
「ベルナデッタ! あぁ、なんて美しいの……!」
「まるで若い頃の母さんを見ているような気分だ。立派に成長して……」
ベルナデッタは、他でもない私の名前だ。
部屋に入ってきたのは、ビアンカと同じく既に涙を浮かべている両親だった。
「もう……お母様とお父様まで! 気が早いですわ。まだ式が始まってすらいませんのに……」
「まぁお姉さま、仕方のないことですわよ! だって、こんなに綺麗なお姉さまを見たら自然と涙が流れてしまいますもの」
「全くビアンカったら、褒めすぎよ」
「そんなことはありません! きっと、ユージン様も見惚れてしまうことまちがいなしですわ」
____そんなわけ、ないわ。もしユージン様が見惚れることがあるとするなら、それは私ではなくて……。
そんなことを思いながら、私はビアンカを見つめる。
可愛らしいピンク色の髪色、ピンクダイヤモンドのように輝く瞳、陶器のようにすべすべで白い肌……。
そして、今日のため……いいえ、私のために施された控えめな化粧に、淡いピンク色のドレス。
ビアンカを構成する全てが可愛らしく、美しかった。
きっと、ユージン様は私ではなくビアンカに見惚れるのだわ。
なぜならいつだってユージン様は、決まってビアンカを先に褒めるのよ。
もちろん優しい彼だから、その後に私のことも褒めてくれたけれど……。
きっと彼にとっては、私なんてビアンカのついでなのだわ。
だって、ビアンカのことはいつも笑顔で目を見て褒めるのに……。
私のことは少しぶっきらぼうな褒め方をするし、毎回目だって合わせてくれないもの。
____コンコンコン、と再びノックの音。
「失礼いたします。これから新婦様と新郎様のお二人で、顔合わせのお時間となります」
……あぁ、遂に来てしまったのね。
でも、覚悟を決めなくては。
「じゃあ、私達はこれで失礼するわね。式、とても楽しみにしているわ」
「お姉さま、またあとで!」
そう言って、両親とビアンカが退出する。
そしてその直後、ガチャリ……と扉がゆっくりと開かれた。
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