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一話 元公爵令嬢……のはずだれど、私は一体誰なの!?
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私はセラフィーナ・レノックス。
レノックス公爵家の一人娘として生まれ、何不自由ない生活を送っていた。
十歳の頃に王太子の婚約者になってからは、厳しい王妃教育を課されるようになった。それでも、未来の王国を支えるためだと思うとどんなに辛いレッスンも乗り越えられた。
王太子との間に、愛や恋という感情はなかったと思う。私達はあくまで国を支えるためのパートナー。
でも、良い関係を築けていると思っていた。
しかし十八歳の時、学園の卒業パーティーで王太子に突然婚約破棄を言い渡されてしまったのだ。
理由は単純、「運命の人に出会ってしまったから」ですって。
しかも私はその運命の人とかいう男爵令嬢に散々嫌がらせをし、挙句の果てには殺人未遂を犯した……なんて謂れのない罪を被せられて……。
最終的には処刑されてしまった。あぁ、私の人生ってなんの意味もなかったんだわ、なんてことを思いながら。
そう、そこで私の人生は終わったはず……だったのだけれど……。
***
「お嬢様、起きてください。いつまで寝ているおつもりですか?」
「……え?」
「全く、本当にだらしのない方ですね。さっさと起き上がってください」
なぜか私は、処刑翌日の朝も目を覚ましてしまった。
しかも、全く見覚えのない侍女に起こされて、だ。
そもそも、ここはどこなの?
どうして私は生きているの!?
混乱しながらも、私はベッドから飛び起きた。公爵令嬢にあるまじき所作だけれど、今はそんなことに構っていられない。
見覚えのない部屋に置いてあった鏡の前まで移動して、自分の姿を確認する。
そこに……映っていた……のは……。
「だ、だれ…………?」
薄紫の長い髪、少しつり目だけれど美しい紫の瞳。陶器のように白い肌。
____私ではない『誰か』が、そこには映っていた。
呆然とする私に、侍女が呆れたように声をかけてきた。
「はぁ……。セシリア様、今度は記憶喪失のフリでもしているんですか?」
「セ、セシリア……?」
「? 遂に自分のお名前までわからなくなってしまったんですか? 貴女はランカスター伯爵令嬢のセシリア様でしょう」
侍女が嫌味っぽく私の名前を呼んだ、その瞬間。
存在しないはずの記憶____いや、この身体に刻まれた記憶が脳内を駆け巡った。
……そうだわ、私の名前はセシリア・ランカスター!
ワガママで、教育もまともに受けずに甘やかされて育った結果、やりたい放題で侍女達から疎まれているルピナス王国の伯爵令嬢!
マナーは最悪、品位なんてどこへやら、男好きの最悪な令嬢が、私……。
……なんだけど……ほんとに一体、これはどういうことなの!?
というか、『ルピナス王国』なんて国の名前、聞いたことがないわ!!
ルピナスって花の名前よね!? 花の名前を国名にするなんて……お花畑すぎないかしら……?
それこそ、まるでファンタジー小説の世界のような……。
……待って、そうだとしたら、私____
「もしかして……異世界、いや……物語の世界に迷い込んじゃったの……?」
もう、本当にどうなっちゃうのよ!!
レノックス公爵家の一人娘として生まれ、何不自由ない生活を送っていた。
十歳の頃に王太子の婚約者になってからは、厳しい王妃教育を課されるようになった。それでも、未来の王国を支えるためだと思うとどんなに辛いレッスンも乗り越えられた。
王太子との間に、愛や恋という感情はなかったと思う。私達はあくまで国を支えるためのパートナー。
でも、良い関係を築けていると思っていた。
しかし十八歳の時、学園の卒業パーティーで王太子に突然婚約破棄を言い渡されてしまったのだ。
理由は単純、「運命の人に出会ってしまったから」ですって。
しかも私はその運命の人とかいう男爵令嬢に散々嫌がらせをし、挙句の果てには殺人未遂を犯した……なんて謂れのない罪を被せられて……。
最終的には処刑されてしまった。あぁ、私の人生ってなんの意味もなかったんだわ、なんてことを思いながら。
そう、そこで私の人生は終わったはず……だったのだけれど……。
***
「お嬢様、起きてください。いつまで寝ているおつもりですか?」
「……え?」
「全く、本当にだらしのない方ですね。さっさと起き上がってください」
なぜか私は、処刑翌日の朝も目を覚ましてしまった。
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そもそも、ここはどこなの?
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見覚えのない部屋に置いてあった鏡の前まで移動して、自分の姿を確認する。
そこに……映っていた……のは……。
「だ、だれ…………?」
薄紫の長い髪、少しつり目だけれど美しい紫の瞳。陶器のように白い肌。
____私ではない『誰か』が、そこには映っていた。
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「はぁ……。セシリア様、今度は記憶喪失のフリでもしているんですか?」
「セ、セシリア……?」
「? 遂に自分のお名前までわからなくなってしまったんですか? 貴女はランカスター伯爵令嬢のセシリア様でしょう」
侍女が嫌味っぽく私の名前を呼んだ、その瞬間。
存在しないはずの記憶____いや、この身体に刻まれた記憶が脳内を駆け巡った。
……そうだわ、私の名前はセシリア・ランカスター!
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……なんだけど……ほんとに一体、これはどういうことなの!?
というか、『ルピナス王国』なんて国の名前、聞いたことがないわ!!
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それこそ、まるでファンタジー小説の世界のような……。
……待って、そうだとしたら、私____
「もしかして……異世界、いや……物語の世界に迷い込んじゃったの……?」
もう、本当にどうなっちゃうのよ!!
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