処刑された元公爵令嬢ですが、どうやら乙女ゲームの悪役令嬢に転生したみたいです 〜そもそも乙女ゲームって何ですか?〜

音芽 心

文字の大きさ
7 / 26

七話 元公爵令嬢、運命の出会いをする……?

しおりを挟む
「私達、全員同じクラスで良かったですね~!」
「えぇ、本当にね」
「ふふ、エドナったら『クラスが離れちゃったらどうしよう~!』て式の途中に何度も耳打ちしてきたんですよ」
「ちょっとソフィア! それは言わない約束でしょ!?」

 入学式が無事終わって、私達三人は振り分けられた教室に向かって歩いていた。

 ……その途中、気分が悪そうに廊下の隅で座り込んでいる少女がいることに気付く。
 皆見て見ぬふりをしているけれど……元王妃候補として、困っている方を見過ごすことは出来ないわ。

 私は早歩きで少女の元に近付く。
 すると、その少女は驚いたように「セシリア様……?」と小さく呟いた。

 ____この子も、私の名前を知っているのね。
 セシリアの記憶にこの子はないけれど……私の名を知っているということは、過去に何かしらやらかした可能性が高い。

 ならば、ここは一人で対応させていただくのが一番ね。

「ソフィア、エドナ。二人は先に教室に行っていてくださる? 私も後から追いかけるから」
「は、はい! わかりました」
「……セシリア様お一人で大丈夫なのですか? もし心配でしたら、私が保険医を呼びに行っても……」
「ありがとう。でも、大丈夫よ。動けなそうだったら私が運ぶし、こう見えて医学も履修済みだから」

 ソフィアからの提案を断って、再び少女の顔を覗き込む。
 すると少女は、真っ白な顔色で再び独り言を話し出した。

「……おかしいな。本当ならここで攻略対象の誰かが来てくれるはずなのに……。どうして悪役令嬢のセシリア様が……? しかも、格好も全然違うし……」

 ____攻略対象? 悪役令嬢?

 この少女が言っている言葉の意味が理解できなくて、私は思わず固まる。
 けれど……少なくとも、一つだけ私の中で"ある仮説"が浮かび上がった。

「……ねぇあなた、もしかして……この世界のこと、何か知っているの?」

 私の言葉に、少女は目をまん丸に見開いた。
 それから、突然立ち上がって大きな声でこう叫んだのだ。

「もしかして……セシリア様も私と同じなのですか!?」

 ……なんて返事をしようか迷っていると、少女はいきなり立ち上がったことで立ちくらみを起こしたらしい。
 ふらりと体勢を崩したのをなんとか支えてから、意識を失ってしまった少女を保健室まで運ぶことにした。

「……この子には、詳しくお話を聞かないといけないわね」

 ____この子が味方なのか、それとも敵なのか……それはわからないけれど。

 でもきっと、この子と出会ったことで私の運命は大きく変わり始める。
 なぜだか、そんな予感がしていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

10日後に婚約破棄される公爵令嬢

雨野六月(旧アカウント)
恋愛
公爵令嬢ミシェル・ローレンは、婚約者である第三王子が「卒業パーティでミシェルとの婚約を破棄するつもりだ」と話しているのを聞いてしまう。 「そんな目に遭わされてたまるもんですか。なんとかパーティまでに手を打って、婚約破棄を阻止してみせるわ!」「まあ頑張れよ。それはそれとして、課題はちゃんとやってきたんだろうな? ミシェル・ローレン」「先生ったら、今それどころじゃないって分からないの? どうしても提出してほしいなら先生も協力してちょうだい」 これは公爵令嬢ミシェル・ローレンが婚約破棄を阻止するために(なぜか学院教師エドガーを巻き込みながら)奮闘した10日間の備忘録である。

【完結済】監視される悪役令嬢、自滅するヒロイン

curosu
恋愛
【書きたい場面だけシリーズ】 タイトル通り

乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?

シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。 ……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

攻略対象の王子様は放置されました

蛇娥リコ
恋愛
……前回と違う。 お茶会で公爵令嬢の不在に、前回と前世を思い出した王子様。 今回の公爵令嬢は、どうも婚約を避けたい様子だ。 小説家になろうにも投稿してます。

私は《悪役令嬢》の役を降りさせて頂きます

・めぐめぐ・
恋愛
公爵令嬢であるアンティローゼは、婚約者エリオットの想い人であるルシア伯爵令嬢に嫌がらせをしていたことが原因で婚約破棄され、彼に突き飛ばされた拍子に頭をぶつけて死んでしまった。 気が付くと闇の世界にいた。 そこで彼女は、不思議な男の声によってこの世界の真実を知る。 この世界が恋愛小説であり《読者》という存在の影響下にあることを。 そしてアンティローゼが《悪役令嬢》であり、彼女が《悪役令嬢》である限り、断罪され死ぬ運命から逃れることができないことを―― 全てを知った彼女は決意した。 「……もう、あなたたちの思惑には乗らない。私は、《悪役令嬢》の役を降りさせて頂くわ」 ※全12話 約15,000字。完結してるのでエタりません♪ ※よくある悪役令嬢設定です。 ※頭空っぽにして読んでね! ※ご都合主義です。 ※息抜きと勢いで書いた作品なので、生暖かく見守って頂けると嬉しいです(笑)

悪役令嬢は断罪の舞台で笑う

由香
恋愛
婚約破棄の夜、「悪女」と断罪された侯爵令嬢セレーナ。 しかし涙を流す代わりに、彼女は微笑んだ――「舞台は整いましたわ」と。 聖女と呼ばれる平民の少女ミリア。 だがその奇跡は偽りに満ち、王国全体が虚構に踊らされていた。 追放されたセレーナは、裏社会を動かす商会と密偵網を解放。 冷徹な頭脳で王国を裏から掌握し、真実の舞台へと誘う。 そして戴冠式の夜、黒衣の令嬢が玉座の前に現れる――。 暴かれる真実。崩壊する虚構。 “悪女”の微笑が、すべての終幕を告げる。

処理中です...