世界は地球の手のひらで踊る

文月美森

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戦闘態勢

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 ◇◆◇


 ユウトが遭遇した彼らは、教授の話していた五人組に違いなかった。
 こんな五つ子、他に捜したってなかなか見つからない。


「樫木教授にお会いになった方々ですよね。あの、どうしてこんなことになっているんでしょうか……」

 五人が一緒の牢屋に詰められている状態が、ユウトは気になって仕方がなかった。

「おお、君も樫木教授に会ったのか!」

「罠に掛かったのだ、五人いっぺんにな」

「五つ子なんで、きっと思考が似ているんだな」

「非常に情けない話なんだが」

「それにしても狭いな」

 みんなそれぞれに話すのだが、誰が誰だか区別が付かない程に五人はそっくりだった。

「それより、ここから早く出して貰いたいのだが」

「いや早くと言っても鍵が……」

「そこだ、君の後ろ」

「え?」

 見ると、チビが何やら口にくわえている。
 明らかに牢屋の鍵だと分かった。

「何処で見つけたんだ? と言うか、何でその辺に落ちてたりすんだよ」

「我々を騙したあの男が適当に放り投げていたからな。しかし我々ではどうにもならなかった。礼を言うぞ、チビくん!」 

「あの男って、あいつか……」

 アキラを連れ去った、あの女の兄。
 早く居場所を掴まなければいけない。
 気持ちだけが焦る。

「あの、皆さんも女性を捜してここへ来たんですよね? その方は今何処に?」

「その前にだ、鍵を頼む……」

 脂汗を滲ませながら言う。
 相当窮屈で早く出たかったらしい。

「ああ、そうでした。すみません」

 鍵を開けると、ドドドっと五人が弾き出されるように外へ出てきた。
 ユウトとチビは、危うくその波に巻き込まれる所だった。

「おお! やっと自由になれた。ありがとう君たち」

「かれこれ何時間だ? ずっとあの状態のままだったのでな」

 五人はそれぞれユウトに礼を言うと、縮こまった筋肉をほぐそうとストレッチを始めた。

「あの、さっきの質問なんですが。キャサリンさんの居場所は――」

「うむ、これから捜すのだよ」

「……は?」

「ここへ来て早々、罠に掛かってしまったのでな。この牢屋の奥に音声が仕掛けられていた。キャシーの声だったのだ」

「我々は、何も考えずに飛び込んでしまった。いやあ、迂闊だった」

「はは……そう、ですか……」

 ユウトは地味にショックを受けた。 
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