世界は地球の手のひらで踊る

文月美森

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救出

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「もしかして、あなたがユウちゃん?」

 この女性は確かにアキラとは面識があるらしい。

「ユウちゃんて……いや、そんなことはどうでもいい! キャシーさん、アキラは……」

「アキラちゃん! そうよ、早く助けに行ってあげて! あんなひどい怪我してるのに、あの男に無理矢理連れて行かれたのよ!」

 ドクン! ユウトの鼓動が高鳴った。
 連れて行かれた? 寸での所で間に合わなかったというのか?

「そんな……ひ、ひどい怪我って……? アキラは一体あいつに何されて……」

「それにあの娘、処女だってばれちゃったの! それを知った途端にあいつ……とにかく早く見つけないと、もっと大変なことになるわよ!」

「え……」

 ユウトの表情が凍り付く。
 よりによってあんな男に――

 一番恐れていた事態に、ユウトは愕然となった。

 いや、連れて行かれてから、そんなに時間は経っていないはず。
 今ならきっと間に合う。

 ガッと、勢い良くキャシーの両肩を掴むと、激しく揺さぶってユウトは聞いた。

「それで! アキラは何処へ連れて行かれたんですか!?」

「ご、ごめんなさい、私もそこまでは――」

「そんな、何でだよ!? くそ……アキラ……ッ!」

 ユウトはいてもたってもいられずに、部屋から飛び出していた。

「あ、ちょっと! そんな一人で……」

 キャシーの声を無視して、とりあえず自分たちが来た方とは反対側へ駆けていく。

 冷静ではいられない。
 そんな状態では頭も働かない。
 今はただ、闇雲に走っているだけだった。

 そんな時、ユウトの懐の中にいたチビが「ウウウ」と低い唸り声をあげた。
 それと同時に、ユウトもピタリと走るのを止める。

「あら、慌ただしい。相当お困りのようね」

 女の声だった。
 ユウトの熱が冷めていく。
 お陰で冷静さを取り戻すことができた。

「丁度良かった……おい、お前の兄貴はどこにいる?」

 薄暗い廊下の先に立ちふさがっているその女――レイにそう問いただした。 
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