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決行
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外へ出ると、空が白み始めてきていた。
前日から用意しておいた車にさっさと乗り込むと、ユウトはアクセルを踏み込んだ。
内心では焦っていたせいか、車は『ギュルン!』と大きな音を立て、思いの外急発進。
「うわっ、乱暴! あはは、やっぱりユウトって運転ヘタだねーっ」
「うるさいな、ちょっと黙ってろよ」
「はいはい。で、何処に行くの?」
「それは着くまで内緒。まあすぐに分かるよ」
連れ出された理由はアキラにも分かっていたが、何処へ行くのかは聞かされていない。
その地へ近付いて来ると、アキラにもすぐにその場所が何処なのかが分かった。
生い茂る他の木々の中、一際大きくそびえ立つその姿は、周りの景色が一変しても唯一変わりなく見える。
それは、子供の頃から毎日のように見てきた、あの桜の巨樹。
「なんだあ、連れて来たかった所ってここだったの?」
「ああ、そうだよ。まあ他に思い当たらなかったってのもあるけど」
「そういえば、絶対戻って来るって約束したもんね」
車から降りると、二人は鬱蒼とした山道を登り始めた。
以前は無かった植物たちが、その行く手を阻んで来る。
「植物が邪魔して歩きにくいな。アキラ大丈夫か?」
アキラを心配して、ユウトは手を差し伸べようとしたが、当人はそれを拒んだ。
「大丈夫だよ。それに、今ユウトに触れたらダメなんだってオレ」
「あ、ああ、そうだったな」
ユウトはさり気なくアキラの前へ出て、アキラが歩きやすいように道を作りながら坂を登った。
正直、思ったよりも身体に堪える。
その為、巨樹へ辿り着くには少し時間がかかってしまった。
「はあ……や、やっと着いた」
樹の前まで来ると、ユウトは腰をぺたんと落としてへたり込んだ。
巨樹の周りはそれほど鬱蒼とはしておらず、そこだけは昔の面影が色濃く残っていた。
さあっと、心地の良い風が吹く。
その風はユウトの疲れを少しだけ癒してくれたような気がした。
「ユウトごめん。オレの為にわざと前を歩いてくれたよね。今は『男』だし、そんなに気遣ってくれなくても」
「そうは言ってもお前、今だって本当は体調良くないだろ。なのに連れ出したのは俺だ」
アキラの場合、その姿が体調のバロメーターになっていると言ってもいい。
「う……あ、ありがと」
前日から用意しておいた車にさっさと乗り込むと、ユウトはアクセルを踏み込んだ。
内心では焦っていたせいか、車は『ギュルン!』と大きな音を立て、思いの外急発進。
「うわっ、乱暴! あはは、やっぱりユウトって運転ヘタだねーっ」
「うるさいな、ちょっと黙ってろよ」
「はいはい。で、何処に行くの?」
「それは着くまで内緒。まあすぐに分かるよ」
連れ出された理由はアキラにも分かっていたが、何処へ行くのかは聞かされていない。
その地へ近付いて来ると、アキラにもすぐにその場所が何処なのかが分かった。
生い茂る他の木々の中、一際大きくそびえ立つその姿は、周りの景色が一変しても唯一変わりなく見える。
それは、子供の頃から毎日のように見てきた、あの桜の巨樹。
「なんだあ、連れて来たかった所ってここだったの?」
「ああ、そうだよ。まあ他に思い当たらなかったってのもあるけど」
「そういえば、絶対戻って来るって約束したもんね」
車から降りると、二人は鬱蒼とした山道を登り始めた。
以前は無かった植物たちが、その行く手を阻んで来る。
「植物が邪魔して歩きにくいな。アキラ大丈夫か?」
アキラを心配して、ユウトは手を差し伸べようとしたが、当人はそれを拒んだ。
「大丈夫だよ。それに、今ユウトに触れたらダメなんだってオレ」
「あ、ああ、そうだったな」
ユウトはさり気なくアキラの前へ出て、アキラが歩きやすいように道を作りながら坂を登った。
正直、思ったよりも身体に堪える。
その為、巨樹へ辿り着くには少し時間がかかってしまった。
「はあ……や、やっと着いた」
樹の前まで来ると、ユウトは腰をぺたんと落としてへたり込んだ。
巨樹の周りはそれほど鬱蒼とはしておらず、そこだけは昔の面影が色濃く残っていた。
さあっと、心地の良い風が吹く。
その風はユウトの疲れを少しだけ癒してくれたような気がした。
「ユウトごめん。オレの為にわざと前を歩いてくれたよね。今は『男』だし、そんなに気遣ってくれなくても」
「そうは言ってもお前、今だって本当は体調良くないだろ。なのに連れ出したのは俺だ」
アキラの場合、その姿が体調のバロメーターになっていると言ってもいい。
「う……あ、ありがと」
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