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外伝 VSエンシェントドラゴン
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その日、世界に激震が走った、伝説にしか出てこないエンシェントドラゴンの出現、現れた北の帝国がなすすべも無く敗れたとの急報は各国に早急な対応をさせたのだった。
エンシェントドラゴンを討伐するために各国首脳が会議を開くも平行線が続き、ハンターギルドに仕方なく3人しか居ないS級ハンターに強制討伐依頼を出す事になった。
どの国の王も思惑があり、軍が動かないまま一週間の時が過ぎてSランク一人がエンシェントドラゴンの元にたどり着いた、二人は国境で足止めをされているため更に遅くなりそうだったのでただ一人立ち向かったのである。
たどり着いた時には金色の鱗を持つ巨大な龍は壊滅した村の中央で眠りについていた。
「はぁ、なんだ寝てんのか?」
後ろ頭をポリポリとかきながら2メートルを超える男は無防備にエンシェントドラゴンに向かって歩いていく
「GRUUU」
エンシェントドラゴンは長い首を持ち上げると、口を開き青白い稲妻を収束し始めるが、その刹那龍、のあごを男の大剣の柄がカチ上げて口の中で爆発がおきた。
「行き成りはないだろう」
男の名前はブラウンSランク最強と呼ばれる男だった。
しかしエンシェントドラゴンはダメージを受けた風も無く体を起こし、咆哮をあげると巨体に似合わぬ速度でブラウンに肉薄すると爪撃を左右から繰り出す。
ブラウンはバックステップでそれを交わすと、追撃するように尻尾が着地点に迫るが、ブラウンは空中で身を捻ると大剣でその尻尾をしたたかに切りつけた。
「GAAAAAAA」
切り付けられた尻尾は宙を舞い遥か左に飛んでいった。
「お前・・・強いな!」
あらゆる攻撃を受け付けないと言われるエンシェントドラゴンの鱗ごと尻尾を切飛ばす奇跡を起こすが、ブラウンの皮鎧の前面も鋭く切り裂かれていた。
再び両者ぶつかり合い距離を取ることを繰り返し、地形を変え森林を吹き飛ばしつつ戦闘は激しさを増していく。
「ニ、ニンゲ、ン、ナノガ、キザマ」
「お?まだしゃべるのか、勿論人間だよ」
「GAAAAAAA!」
この世界に災害級になる魔物は死ぬ間際であり、自我を失っている魔物が災害級と指定される、会話が出来る事は無いと言える。
エンシェントドラゴンは急に距離を取ると、目に見えるほど龍気を体の中に収束させると、体が徐々に人の様に変わっていく。
両腕は鱗に包まれ頭にも龍の角が生えているが2メートル弱の長くて白い顎鬚を蓄えた老齢の男が立っていた。
「うは、本気モードって事か?」
「わ、わしは龍として死ぬわけには行かぬ、死ぬのなら戦士として!」
龍気が爆発的に辺りに広がり、筋骨隆々の体に更に力が満ちるのが目に見えてわかった。
「どら、俺も本気出すか」
ブラウンは、腹の下に力をこめると気を練り放出する、エンシェントドラゴンの龍気にも負けないほど辺りに広がる。
エンシェントドラゴンは垂直に龍爪を構え腰を落とす。
ブラウンは大剣を顔の右直ぐそばに構え切っ先はエンシェントドラゴンに向け、腰を深く重心を後ろに置く。
刹那、お互いの立ち位置が変わった。そう思えるほど一瞬でお互い交差し決着は付いた。
一瞬の静寂の後、エンシェントドラゴンは地に倒れ、ブラウンは左肩を血に塗れさせ荒い息のままエンシェントドラゴンに近づく。
「み、見事だ人の子よ、わしは龍帝 バーヒュム、見事じゃ」
「はぁはぁ、俺はブラウン、流石にエンシェントドラゴンなだけあるな」
「良き龍生であった、無念は少しはあるがブラウンのお陰でほぼ果たせた、最後は龍人の戦士として死ねる。ありがとう」
「俺も良い修行になったよ」
バーヒュムは口元に笑みを浮かべると。
「わしには孫娘がおる、多分龍人の里で見ておろう、孫娘を礼に嫁にやる、成人したらおぬしの元に行くだろうから頼むな」
「お、おい、行き成り何を言い出すんだ」
「龍人の女は強い者の元に嫁ぐ、わしを倒したのだ遠慮なく受け取れ」
それだけを言い残すとバーヒュムは光の粒子となって弾けて消えた。
降り注ぐ光を浴びて、ブラウンは
「言いたいだけ言って消えやがった」
ブラウンと言うか人類に知識が無かったのだが、この光こそ龍の祝福と言いエンシェントドラゴンをたおした者だけが受けれる、最高の祝福だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
バーヒュムが消える少し前、ブラウン達が決着をつけた森から12キロ離れた岩山では
「ミネルバそこをどいてくれ、今あの爺を殺れば、龍の祝福はわしらに付く」
赤髪のイケ面はそう言うと同じ髪の色の少女をどけようとする。
「お前もだニンニル、このままではあの人間が受けてしまう」
青い髪のイケ面も同じく同じ髪の少女にそう言い放つが、
「はぁ、お父様情けないですわ、正々堂々とも言えない6人がかりでおじい様を襲撃しましたのにぼろ負け」
「挙句に人間がたおしたおじい様を横取りしようなんて龍王の風上にも置けない」
そうこのイケ面は6大龍王で襲い掛かったにもかかわらず、返り討ちに遭い4人が入院中に抜け駆けを企てたのだが、娘に見つかった残念さんなのであった。
「いいから退くんだ!」
龍王達が娘を退かそうとしたが、手を払われ一瞬目が合った・・・炎龍王さん曰く「死ぬかと思いました、妻、親父以外で恐ろしく感じたのはまさかの娘でした」
水龍王さん曰く「俺達二人とも病院送りですよ、何が有ったのかは思い出したくも無いです」
との感想が寄せられるほど、恐ろしい事が有ったようです。
「おじい様をたおす男・・・素敵ですわ」
「どきどきすよ、ブラウン・・・」
この時6人の龍姫に目を付けられたとは、ブラウンは思いもしていなかった
エンシェントドラゴンを討伐するために各国首脳が会議を開くも平行線が続き、ハンターギルドに仕方なく3人しか居ないS級ハンターに強制討伐依頼を出す事になった。
どの国の王も思惑があり、軍が動かないまま一週間の時が過ぎてSランク一人がエンシェントドラゴンの元にたどり着いた、二人は国境で足止めをされているため更に遅くなりそうだったのでただ一人立ち向かったのである。
たどり着いた時には金色の鱗を持つ巨大な龍は壊滅した村の中央で眠りについていた。
「はぁ、なんだ寝てんのか?」
後ろ頭をポリポリとかきながら2メートルを超える男は無防備にエンシェントドラゴンに向かって歩いていく
「GRUUU」
エンシェントドラゴンは長い首を持ち上げると、口を開き青白い稲妻を収束し始めるが、その刹那龍、のあごを男の大剣の柄がカチ上げて口の中で爆発がおきた。
「行き成りはないだろう」
男の名前はブラウンSランク最強と呼ばれる男だった。
しかしエンシェントドラゴンはダメージを受けた風も無く体を起こし、咆哮をあげると巨体に似合わぬ速度でブラウンに肉薄すると爪撃を左右から繰り出す。
ブラウンはバックステップでそれを交わすと、追撃するように尻尾が着地点に迫るが、ブラウンは空中で身を捻ると大剣でその尻尾をしたたかに切りつけた。
「GAAAAAAA」
切り付けられた尻尾は宙を舞い遥か左に飛んでいった。
「お前・・・強いな!」
あらゆる攻撃を受け付けないと言われるエンシェントドラゴンの鱗ごと尻尾を切飛ばす奇跡を起こすが、ブラウンの皮鎧の前面も鋭く切り裂かれていた。
再び両者ぶつかり合い距離を取ることを繰り返し、地形を変え森林を吹き飛ばしつつ戦闘は激しさを増していく。
「ニ、ニンゲ、ン、ナノガ、キザマ」
「お?まだしゃべるのか、勿論人間だよ」
「GAAAAAAA!」
この世界に災害級になる魔物は死ぬ間際であり、自我を失っている魔物が災害級と指定される、会話が出来る事は無いと言える。
エンシェントドラゴンは急に距離を取ると、目に見えるほど龍気を体の中に収束させると、体が徐々に人の様に変わっていく。
両腕は鱗に包まれ頭にも龍の角が生えているが2メートル弱の長くて白い顎鬚を蓄えた老齢の男が立っていた。
「うは、本気モードって事か?」
「わ、わしは龍として死ぬわけには行かぬ、死ぬのなら戦士として!」
龍気が爆発的に辺りに広がり、筋骨隆々の体に更に力が満ちるのが目に見えてわかった。
「どら、俺も本気出すか」
ブラウンは、腹の下に力をこめると気を練り放出する、エンシェントドラゴンの龍気にも負けないほど辺りに広がる。
エンシェントドラゴンは垂直に龍爪を構え腰を落とす。
ブラウンは大剣を顔の右直ぐそばに構え切っ先はエンシェントドラゴンに向け、腰を深く重心を後ろに置く。
刹那、お互いの立ち位置が変わった。そう思えるほど一瞬でお互い交差し決着は付いた。
一瞬の静寂の後、エンシェントドラゴンは地に倒れ、ブラウンは左肩を血に塗れさせ荒い息のままエンシェントドラゴンに近づく。
「み、見事だ人の子よ、わしは龍帝 バーヒュム、見事じゃ」
「はぁはぁ、俺はブラウン、流石にエンシェントドラゴンなだけあるな」
「良き龍生であった、無念は少しはあるがブラウンのお陰でほぼ果たせた、最後は龍人の戦士として死ねる。ありがとう」
「俺も良い修行になったよ」
バーヒュムは口元に笑みを浮かべると。
「わしには孫娘がおる、多分龍人の里で見ておろう、孫娘を礼に嫁にやる、成人したらおぬしの元に行くだろうから頼むな」
「お、おい、行き成り何を言い出すんだ」
「龍人の女は強い者の元に嫁ぐ、わしを倒したのだ遠慮なく受け取れ」
それだけを言い残すとバーヒュムは光の粒子となって弾けて消えた。
降り注ぐ光を浴びて、ブラウンは
「言いたいだけ言って消えやがった」
ブラウンと言うか人類に知識が無かったのだが、この光こそ龍の祝福と言いエンシェントドラゴンをたおした者だけが受けれる、最高の祝福だった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
バーヒュムが消える少し前、ブラウン達が決着をつけた森から12キロ離れた岩山では
「ミネルバそこをどいてくれ、今あの爺を殺れば、龍の祝福はわしらに付く」
赤髪のイケ面はそう言うと同じ髪の色の少女をどけようとする。
「お前もだニンニル、このままではあの人間が受けてしまう」
青い髪のイケ面も同じく同じ髪の少女にそう言い放つが、
「はぁ、お父様情けないですわ、正々堂々とも言えない6人がかりでおじい様を襲撃しましたのにぼろ負け」
「挙句に人間がたおしたおじい様を横取りしようなんて龍王の風上にも置けない」
そうこのイケ面は6大龍王で襲い掛かったにもかかわらず、返り討ちに遭い4人が入院中に抜け駆けを企てたのだが、娘に見つかった残念さんなのであった。
「いいから退くんだ!」
龍王達が娘を退かそうとしたが、手を払われ一瞬目が合った・・・炎龍王さん曰く「死ぬかと思いました、妻、親父以外で恐ろしく感じたのはまさかの娘でした」
水龍王さん曰く「俺達二人とも病院送りですよ、何が有ったのかは思い出したくも無いです」
との感想が寄せられるほど、恐ろしい事が有ったようです。
「おじい様をたおす男・・・素敵ですわ」
「どきどきすよ、ブラウン・・・」
この時6人の龍姫に目を付けられたとは、ブラウンは思いもしていなかった
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