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第2話~リーナ・フリード~
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「大丈夫かーー」
と言いながら健太が俺に駆け寄ってきた
「あん?なぜ俺を助けようとしなかったお前に
心配なんぞされなくちゃならんのだ?」
「まあそれはどうでもいいじゃないか」
「どうでいいわけないだろう!殺されかけたんだぞ!」
俺は睨めつけながら健太に詰め寄る
「まあまあそんなことよりさ、ユリス保安隊の人に
殺されかけるなんて何やったの?」
「なにって・・とくには・・・ユリス保安隊?
さっきの少女が?」
「そうだよ。しかもあの子隊長だよ?」
『ユリス保安隊』ここ一帯の治安を守る
領主直属の部隊だ。治安維持のみならず時には
魔物を討伐したり、軍隊的役割を担うこともある
組織らしい そのうえこの部隊の奴らははかなり
優秀らしく 選抜された王国近衛兵に引けを取らないと
言われている。
まさかその隊長に殺されかけていたなんて・・・
「隊長って・・ユリスの鬼神とか呼ばれている奴?」
「そうだよ、しかしよくユリスの鬼神から生きながらえたね」
『ユリスの鬼神』この町の人なら知らない人はいないほどの有名人だ
何でも1年前、かなりの規模の盗賊団がこの町を襲った
その盗賊団は非道の限りを尽くした、奪い、時には殺すこともいとわなかった
当時この町には保安隊は少数しかいなかった
なぜならこの町が襲われる前に付近の村が盗賊団に襲われ、
その応援に行っていたためだ
無論、村の襲撃は陽動に過ぎず
盗賊団の本隊はこの町を襲撃していたのだ
10倍近い人数差にさすがの保安隊はなすすべがないと思われていた
しかし当時最年少で保安隊にいたリーナ・フリードが驚異的
な活躍を見せた。まさに一騎当千。次々と盗賊団を屠っていった
結果、盗賊団はほぼ壊滅したのだ
彼女の活躍のおかげで町の被害は小規模で済んだ
それから尊敬と畏怖の念込め彼女の
ことを『ユリスの鬼神』と呼ぶようになったのだ
そうそう・・・・確かこんな感じ、宿屋のおばちゃんに
耳がタコになるまで聞かされた話
しかしよく生きてるなー俺
少女があの時頭に血が上っていなかったら
死んでたかもな、まあ頭に血が上ってなかったら
あんな殺されかけることすらなかったんだけど
「それよりほんとは、なんかしたんだよね?」
「でも、少ししっぽをつかんだだけだゾ?」
するとなぜか健太はドン引きしていた
「最低だね・・・見損なったよ・・・」
「おい・・・なぜそんなドン引きする?
確かに女性に対していささか度が過ぎるスキンシップ
だったかもしれないが、殺されかけるほどのことでもないだろ?」
「まさか知らないの?」
「なにが?まさか猫ふんじゃった症候群になるとかか?
確かにつかんだが引っ張てはいないぞ?」
「そうじゃないよ獣人にとってはしっぽを掴ませる
ことは信頼の証なんだ、同性なら親友の証
異性に対しては恋人以上の存在である証
まさに体を許すことに等しいことなんだよ!」
「嘘・・・・だよな?」
「ほんとだよ・・・」
つまり俺は強姦まがいのことしてしまったわけじゃないか・・
それもこの町の英雄に・・・・
あれ?これやばくね?下手したら町の住人にすら殺されんじゃね?
翌日
「いまー富とか名誉ならばーーいらないけどーーー翼が
ほじいいいいいいいいいいいいいいい」
翼でどこか遠くに飛んでいきたい
自由になりたい。いっそ異世界に行きたい
「よし異世界転移しよう」
「もう、してるじゃないか・・」
「健太様ああああああああたすけてくださいいいい」
俺は泣きながら必死に健太にすがりつく
「まあ幸い顔は見られてないし、名前も名乗っていないんだろ?」
「確かにそうだけどよ・・外みてみろよ・・」
俺と健太は窓から町の様子を見る。
「リーナ様のしっぽ無理やりつかんだ、パーフェクトヒューマン
という不逞の輩を探し出せーー見つけたら血祭りにあげろーー」
筋肉隆々の男達が大声でそんなことを叫んでいた。
やばいな・・・名前も顔も知れていないと思うが万が一
ということもあるのだ
「なあ健太、もし捕まったら俺どうなると思う?」
「まあよくて打ち首獄門かな?」
もう死亡確定コースじゃん!どうすればいいのだろうか?
「あ!そうだ逃げればいいのかこの町から脱走すれば
どうにかなるに違いない」
この町から逃げれば、このこと知るやつはいなくなる。
これしかない闘争より逃走、これが最善策に違いない
「それは無理かな?」
「あ?なんでだよ?」
「あの子領主の娘なんだよ、しかもかなり溺愛
してるみたいだし町から逃げても血眼になって探す
じゃないか?それこ領主の権力を使ってでもさ」
まじかよ・・・・・・俺は思わず頭を抱えた
もうここまでなのか?俺の命は・・・・
「まあでも大丈夫だと思うよ?」
「何が大丈夫なんだああああああ」
俺は思わず健太の胸ぐらをつかんだ
「まあまあ落ち着いてよ、人を呼んでおいたんだ
きっと俊太の助けになると思うよ?」
「助け?」
「もうそろそろ来ると思うけど」
コンコン 俺の部屋の扉をたたく音が聞こえた
「来たみたいだね」
ノックの主の正体は・・・・
「失礼するリーナ・フリードだ」
と言いながら健太が俺に駆け寄ってきた
「あん?なぜ俺を助けようとしなかったお前に
心配なんぞされなくちゃならんのだ?」
「まあそれはどうでもいいじゃないか」
「どうでいいわけないだろう!殺されかけたんだぞ!」
俺は睨めつけながら健太に詰め寄る
「まあまあそんなことよりさ、ユリス保安隊の人に
殺されかけるなんて何やったの?」
「なにって・・とくには・・・ユリス保安隊?
さっきの少女が?」
「そうだよ。しかもあの子隊長だよ?」
『ユリス保安隊』ここ一帯の治安を守る
領主直属の部隊だ。治安維持のみならず時には
魔物を討伐したり、軍隊的役割を担うこともある
組織らしい そのうえこの部隊の奴らははかなり
優秀らしく 選抜された王国近衛兵に引けを取らないと
言われている。
まさかその隊長に殺されかけていたなんて・・・
「隊長って・・ユリスの鬼神とか呼ばれている奴?」
「そうだよ、しかしよくユリスの鬼神から生きながらえたね」
『ユリスの鬼神』この町の人なら知らない人はいないほどの有名人だ
何でも1年前、かなりの規模の盗賊団がこの町を襲った
その盗賊団は非道の限りを尽くした、奪い、時には殺すこともいとわなかった
当時この町には保安隊は少数しかいなかった
なぜならこの町が襲われる前に付近の村が盗賊団に襲われ、
その応援に行っていたためだ
無論、村の襲撃は陽動に過ぎず
盗賊団の本隊はこの町を襲撃していたのだ
10倍近い人数差にさすがの保安隊はなすすべがないと思われていた
しかし当時最年少で保安隊にいたリーナ・フリードが驚異的
な活躍を見せた。まさに一騎当千。次々と盗賊団を屠っていった
結果、盗賊団はほぼ壊滅したのだ
彼女の活躍のおかげで町の被害は小規模で済んだ
それから尊敬と畏怖の念込め彼女の
ことを『ユリスの鬼神』と呼ぶようになったのだ
そうそう・・・・確かこんな感じ、宿屋のおばちゃんに
耳がタコになるまで聞かされた話
しかしよく生きてるなー俺
少女があの時頭に血が上っていなかったら
死んでたかもな、まあ頭に血が上ってなかったら
あんな殺されかけることすらなかったんだけど
「それよりほんとは、なんかしたんだよね?」
「でも、少ししっぽをつかんだだけだゾ?」
するとなぜか健太はドン引きしていた
「最低だね・・・見損なったよ・・・」
「おい・・・なぜそんなドン引きする?
確かに女性に対していささか度が過ぎるスキンシップ
だったかもしれないが、殺されかけるほどのことでもないだろ?」
「まさか知らないの?」
「なにが?まさか猫ふんじゃった症候群になるとかか?
確かにつかんだが引っ張てはいないぞ?」
「そうじゃないよ獣人にとってはしっぽを掴ませる
ことは信頼の証なんだ、同性なら親友の証
異性に対しては恋人以上の存在である証
まさに体を許すことに等しいことなんだよ!」
「嘘・・・・だよな?」
「ほんとだよ・・・」
つまり俺は強姦まがいのことしてしまったわけじゃないか・・
それもこの町の英雄に・・・・
あれ?これやばくね?下手したら町の住人にすら殺されんじゃね?
翌日
「いまー富とか名誉ならばーーいらないけどーーー翼が
ほじいいいいいいいいいいいいいいい」
翼でどこか遠くに飛んでいきたい
自由になりたい。いっそ異世界に行きたい
「よし異世界転移しよう」
「もう、してるじゃないか・・」
「健太様ああああああああたすけてくださいいいい」
俺は泣きながら必死に健太にすがりつく
「まあ幸い顔は見られてないし、名前も名乗っていないんだろ?」
「確かにそうだけどよ・・外みてみろよ・・」
俺と健太は窓から町の様子を見る。
「リーナ様のしっぽ無理やりつかんだ、パーフェクトヒューマン
という不逞の輩を探し出せーー見つけたら血祭りにあげろーー」
筋肉隆々の男達が大声でそんなことを叫んでいた。
やばいな・・・名前も顔も知れていないと思うが万が一
ということもあるのだ
「なあ健太、もし捕まったら俺どうなると思う?」
「まあよくて打ち首獄門かな?」
もう死亡確定コースじゃん!どうすればいいのだろうか?
「あ!そうだ逃げればいいのかこの町から脱走すれば
どうにかなるに違いない」
この町から逃げれば、このこと知るやつはいなくなる。
これしかない闘争より逃走、これが最善策に違いない
「それは無理かな?」
「あ?なんでだよ?」
「あの子領主の娘なんだよ、しかもかなり溺愛
してるみたいだし町から逃げても血眼になって探す
じゃないか?それこ領主の権力を使ってでもさ」
まじかよ・・・・・・俺は思わず頭を抱えた
もうここまでなのか?俺の命は・・・・
「まあでも大丈夫だと思うよ?」
「何が大丈夫なんだああああああ」
俺は思わず健太の胸ぐらをつかんだ
「まあまあ落ち着いてよ、人を呼んでおいたんだ
きっと俊太の助けになると思うよ?」
「助け?」
「もうそろそろ来ると思うけど」
コンコン 俺の部屋の扉をたたく音が聞こえた
「来たみたいだね」
ノックの主の正体は・・・・
「失礼するリーナ・フリードだ」
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