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4・誕生パーティー?
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「最高の改善策としては、他の令嬢と婚約なさるのがいいと思いますけどねぇ。こればかりは旦那様のお考え次第ですからね」
「うん……婚約に関しては僕に決定権がある訳じゃないし、父上の考えで決まる事は分かってるし……父上の考えに添いたいと思っているよ」
父上がいつも家族の事、領地の事、国の事色々考えて動いているのは知っている。普段の父上は子供に甘い親バカ全開の姿だが、婚約者選びは今の侯爵家や国の事を考えた上できっと父上が推敲した令嬢を選ぶと思う。それに対して自分は意見する気はない。
それこそ国の為、領地の為に最大のメリットがある令嬢を探して選ぶだろう。自分の最良の道はそれに素直に従う事だ。
「シュラフ、こんな変な話を聞いてくれてありがとう」
まずはシュラフにお礼を言う。彼に話をしただけでも少し気持ちが浮上した気がした。
「お気になさらず。あなた様の悩みを聞くのも私の役目ですので。」
御安心下さいとにっこり微笑まれた。
はっ!これがツンデレか!?なんだよわたしよりもよっぽど攻略対象向きなんじゃないの?なんて事を考えてしまったのは内緒だ。
「誕生パーティーですか?」
「そうよ、毎年の事だけど今年は子供だけ集めて行いたいと思っているのよ」
「ああ、お前ももうすぐ10歳だろう?そろそろ成人に向けての準備という意味合いも兼ねてパーティーも今までと趣向を変えてみようと思ってな」
シュラフにゲームの話を打ち明けてから数日後、両親はうきうきとそんな話を持ち出した。
……何だろう?言っちゃなんだが胡散臭い。
「父上、子供だけで行う真意は何ですか?」
わたしは二人に疑惑の目を向ける。二人のうきうき具合が確実にいつもの誕生パーティーとは違うのだ。
「あら、流石ねクルーディス」
母上がわたしの言葉ににっこりと微笑んだ。
「今回はお前の婚約者になるであろう令嬢を探す意味合いも込めているのだよ」
父上もにこにことそれはもう楽しそうにわたしの事を見ていた。ああ、だから『成人に向けての準備』ですか……って、
「は、早すぎませんか!?」
「そんな事はないぞ。そろそろ目星を付けてもいい時期だ」
「ほら、あなたの気になる令嬢もいらっしゃるかもしれなくてよ」
二人とも……うきうきわくわくが溢れてますよ。なんだったらわたしよりその令嬢の事が気になっているんじゃないのかな?残念ながらわたしもまだ会った事ないんですけどね。
「招待客の中にその令嬢がいるなら俺は嬉しいのだがな。その中にいないのであれば、俺がその令嬢をどうにかして探してやろう」
「いや、だからそういう話ではなくてですねぇ……」
あぁもう。心の中で密かにため息をついてしまう。
何を言っても二人にはわたしに気になる令嬢がいる事は確定事項なんだな。間違ってないけど、色恋の話かと言えばまた微妙に違うんだけどなぁ。
「隠さなくてもいいのよ、クルーディス。あなたが本当に好きになった令嬢と婚姻出来るのならば母も旦那様も嬉しいのですから」
「そうだ。俺は運命を信じるぞ。気になる令嬢が今度のパーティーに参加しているのならばそれはきっとお前の運命の出会いなのだと思っているよ」
父上ってば実はロマンチストなんだね。知らなかったよ。
「俺がサフィと出会ったのもやっぱり10歳の誕生パーティーだったな」
「そうですわね、今でもあの時の事を鮮明に覚えてますわ。旦那様ってば本当に笑顔が素敵で凛々しくて……」
「俺も初めてサフィを見た時には笑顔が眩しくて倒れそうになったものだよ。いや今でもサフィは眩しいのだがな」
「まぁ嬉しいですわ旦那様。わたくしは初めてお会いした時からずっと……いえ、もっと旦那様の事をお慕いしていますわ」
いや、急に両親の馴れ初め話を聞かされてもね……。
二人で見つめあい語り始めたのでこっそり退席をすることにしましょう。邪魔しちゃ悪いしね。
逃げる様にして部屋に戻り椅子に座ると、それを見計らってシュラフがさりげなくお茶を淹れてくれる。
相変わらずシュラフはいい仕事してますね。ありがたいです。
お茶を飲んでひと息ついたのでさっきの話を考える事にする。
「婚約者候補かぁ。思ったより早く話が出たなぁ」
「そんな事ありませんよ。候補を選んで当人や親同士、お互いに吟味した上で婚約となると今頃の時期なのは妥当ですね」
わたしの後ろに立っているシュラフはさらっと問題ないと答えた。
吟味する時間があるという事は、相性も確認したり出来るという事らしい。てっきり親同士の強制的な婚約になると思っていたので少しだけ安心した。
「今度のパーティーでは多分そのご令嬢もいらっしゃると思いますよ」
「だよね。コートナー伯爵は確か父上もお仕事で関わりがあるとか言ってたっけ」
「そうですが……まぁパーティーでクルーディス様が他に気になるご令嬢を見つければよいだけの話では?」
「うーん、そうなんだけどねぇ」
そんな事言っても色んな意味で気になるじゃない。本当に我が儘な令嬢ならば、ちょっとだけ生で悪役令嬢を見てみたいなぁ……なんて好奇心が出ちゃったり。
「興味本意で気にしたら負けですよ」
「うっ!」
相変わらず心読まれてますね。シュラフには勝てる気がしませんよ。
「アイラヴェント・コートナーか……」
どうかわたしが彼女に酷いことをしないで済みます様に。
◆ ◆ ◆
読んでいただきましてありがとうございます。
「うん……婚約に関しては僕に決定権がある訳じゃないし、父上の考えで決まる事は分かってるし……父上の考えに添いたいと思っているよ」
父上がいつも家族の事、領地の事、国の事色々考えて動いているのは知っている。普段の父上は子供に甘い親バカ全開の姿だが、婚約者選びは今の侯爵家や国の事を考えた上できっと父上が推敲した令嬢を選ぶと思う。それに対して自分は意見する気はない。
それこそ国の為、領地の為に最大のメリットがある令嬢を探して選ぶだろう。自分の最良の道はそれに素直に従う事だ。
「シュラフ、こんな変な話を聞いてくれてありがとう」
まずはシュラフにお礼を言う。彼に話をしただけでも少し気持ちが浮上した気がした。
「お気になさらず。あなた様の悩みを聞くのも私の役目ですので。」
御安心下さいとにっこり微笑まれた。
はっ!これがツンデレか!?なんだよわたしよりもよっぽど攻略対象向きなんじゃないの?なんて事を考えてしまったのは内緒だ。
「誕生パーティーですか?」
「そうよ、毎年の事だけど今年は子供だけ集めて行いたいと思っているのよ」
「ああ、お前ももうすぐ10歳だろう?そろそろ成人に向けての準備という意味合いも兼ねてパーティーも今までと趣向を変えてみようと思ってな」
シュラフにゲームの話を打ち明けてから数日後、両親はうきうきとそんな話を持ち出した。
……何だろう?言っちゃなんだが胡散臭い。
「父上、子供だけで行う真意は何ですか?」
わたしは二人に疑惑の目を向ける。二人のうきうき具合が確実にいつもの誕生パーティーとは違うのだ。
「あら、流石ねクルーディス」
母上がわたしの言葉ににっこりと微笑んだ。
「今回はお前の婚約者になるであろう令嬢を探す意味合いも込めているのだよ」
父上もにこにことそれはもう楽しそうにわたしの事を見ていた。ああ、だから『成人に向けての準備』ですか……って、
「は、早すぎませんか!?」
「そんな事はないぞ。そろそろ目星を付けてもいい時期だ」
「ほら、あなたの気になる令嬢もいらっしゃるかもしれなくてよ」
二人とも……うきうきわくわくが溢れてますよ。なんだったらわたしよりその令嬢の事が気になっているんじゃないのかな?残念ながらわたしもまだ会った事ないんですけどね。
「招待客の中にその令嬢がいるなら俺は嬉しいのだがな。その中にいないのであれば、俺がその令嬢をどうにかして探してやろう」
「いや、だからそういう話ではなくてですねぇ……」
あぁもう。心の中で密かにため息をついてしまう。
何を言っても二人にはわたしに気になる令嬢がいる事は確定事項なんだな。間違ってないけど、色恋の話かと言えばまた微妙に違うんだけどなぁ。
「隠さなくてもいいのよ、クルーディス。あなたが本当に好きになった令嬢と婚姻出来るのならば母も旦那様も嬉しいのですから」
「そうだ。俺は運命を信じるぞ。気になる令嬢が今度のパーティーに参加しているのならばそれはきっとお前の運命の出会いなのだと思っているよ」
父上ってば実はロマンチストなんだね。知らなかったよ。
「俺がサフィと出会ったのもやっぱり10歳の誕生パーティーだったな」
「そうですわね、今でもあの時の事を鮮明に覚えてますわ。旦那様ってば本当に笑顔が素敵で凛々しくて……」
「俺も初めてサフィを見た時には笑顔が眩しくて倒れそうになったものだよ。いや今でもサフィは眩しいのだがな」
「まぁ嬉しいですわ旦那様。わたくしは初めてお会いした時からずっと……いえ、もっと旦那様の事をお慕いしていますわ」
いや、急に両親の馴れ初め話を聞かされてもね……。
二人で見つめあい語り始めたのでこっそり退席をすることにしましょう。邪魔しちゃ悪いしね。
逃げる様にして部屋に戻り椅子に座ると、それを見計らってシュラフがさりげなくお茶を淹れてくれる。
相変わらずシュラフはいい仕事してますね。ありがたいです。
お茶を飲んでひと息ついたのでさっきの話を考える事にする。
「婚約者候補かぁ。思ったより早く話が出たなぁ」
「そんな事ありませんよ。候補を選んで当人や親同士、お互いに吟味した上で婚約となると今頃の時期なのは妥当ですね」
わたしの後ろに立っているシュラフはさらっと問題ないと答えた。
吟味する時間があるという事は、相性も確認したり出来るという事らしい。てっきり親同士の強制的な婚約になると思っていたので少しだけ安心した。
「今度のパーティーでは多分そのご令嬢もいらっしゃると思いますよ」
「だよね。コートナー伯爵は確か父上もお仕事で関わりがあるとか言ってたっけ」
「そうですが……まぁパーティーでクルーディス様が他に気になるご令嬢を見つければよいだけの話では?」
「うーん、そうなんだけどねぇ」
そんな事言っても色んな意味で気になるじゃない。本当に我が儘な令嬢ならば、ちょっとだけ生で悪役令嬢を見てみたいなぁ……なんて好奇心が出ちゃったり。
「興味本意で気にしたら負けですよ」
「うっ!」
相変わらず心読まれてますね。シュラフには勝てる気がしませんよ。
「アイラヴェント・コートナーか……」
どうかわたしが彼女に酷いことをしないで済みます様に。
◆ ◆ ◆
読んでいただきましてありがとうございます。
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