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ヘレン・アニストン
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僕の目の前にこの作品のヒロインの一人でもある、ヘレン・アニストンがいる。
キレイな青い髪色に目鼻立ちがしっかりとしていることもあって、第一印象は怖い。
だが、それと同じ位、美少女だと思うのだ。彼女のアニストン家はこの国でそれなりに力を有しているのだ。
この国ことカメリア王国が誕生した歴史として初代勇者と呼ばれる者とその一向が魔王を倒し、平和をもたらした。そしてその者たちが作った国がこのカメリア王国。
カメリアというのは初代勇者の名前でそこから取っているらしい。
なんでこんな話をしたのかと言えば、その初代勇者の一向にアニストン家の者がいたのだ。それからアニストン家は力を持ち続け、今に至るまで王国全体に大きな力を持ち、場合によっては王にすら意見できる権利を持っているのだ。
そこの家の長女となれば家督を継ぐのは決まっている。
それが何を意味しているのかと言えば、ヘレン・アニストンの機嫌次第でうちの家が取り壊される時期が決まっている。原作通りに行くためにはまだ取り壊されるわけにはいかないし、今の僕の力じゃ弟や妹のことを守ってあげられる自信がない。少なくとももう少し力を蓄える時間がなければいけないのだ。
なぜ、ヘレン・アニストンがこんな弱小貴族ことアルセーヌ家の領地に来たのかは分からないけど、なんにしても僕の役目は怒らせることなく、帰ってもらうのが仕事。
「僕はトリトス・アルセーヌと申します。こんな辺境の場所までヘレン様がどのようなご用件でしょうか?」
「私がここまで来たのはただ最近少し良くない噂を耳にするもので」
これは遠回しにアルセーヌ家がグレーというか、アウトなことをしているんじゃないかを探りに来ているというところか。なぜヘレン・アニストンが自ら来たのは分からないが、つまるところそんな感じでしょう。
「確かにうちの家は良くない噂がたくさんありますから」
「あら、怒らないんですね」
「怒るというか、そういう噂があるのは事実ですし」
ヘレン様は僕が感情を出すと思ったのかもしれないが、こっちとしてはそんなことじゃ顔に出ない。それに火のない所に噂は経たないのだ。
「仮にもあなたの一族がよくないことをしているというのに何も思わないんですか?」
「何も思わないのかと問われるとそれには首を横に振っておきましょうか。ですが、ここで怒ったりしたからと言ってその噂が消えることはないと思うので」
僕の答えにヘレン様は少し驚かれたようだったが、すぐにいつもの無表情に戻った。
「それはそうですね。もし、あなたがここで感情に任せて私に乱暴をしてきそうになったら、すぐに掴まれて騎士の前に差し出したところです」
「そんなことはありません」
「なぜ、ないと言えるのでしょうか」
「僕はヘレン様に興味がないので」
少し言い過ぎな気もするが、僕は別にヘレン様と仲良くする気は微塵もない。ただ今、取り潰されなければそれでいい。
「…ほ、ほう…」
「僕には可愛い弟や妹たちがいるので。その子たち以外の人たちはあんまり眼中にないんです。それは誰であっても」
これはマジ。
なので、僕に恋人というのは絶対にできないと断言出来てしまう。だって絶対に僕の優先順位は弟妹であることは変わりないし。
ヘレン様の反応を見るとちょっと引いているように見える。これは第一段階としては正解ではないか。そこまで気に入られることもなく、そこまで嫌われることもなく。
「ヘレン様がこんな辺境の地まで心配して下さったことは本当にありがたいです。なので、もしアルセーヌ家が王国に反旗を翻すようなことをした暁にはしっかりと討伐しに来てください」
いずれは来るであろう未来。アルセーヌ家の腐敗を止めることは出来ないため、いずれ来る未来にヘレン様に討伐されることになるであろう。
僕の言葉になぜかヘレン様は感心しているようだった。
「……すごい覚悟ですね」
なんで関心されているのか分からないけど、まぁ別にいいか。それより今はヘレン様には大人しくお帰り頂いて弟や妹たちと幸せな日々を送りたい。
「いや、ただそう思っているだけです」
「私は少し誤解をしていたようです」
「誤解?」
「はい、トリトス・アルセーヌという名は王都で悪い評判が多いです」
「そうですか」
そんなに悪いことをした覚えはないけど、父上や母上の悪い噂がそのまんま長男である僕に降りかかっているという感じだろう。
「なので、ここに来るまでも少し怖かったんです」
それなら違う人が来ればよかったんじゃないかと思ってしまう。
「…評価を改める必要がありそうですね」
「ヘレン様がそう思ったのなら」
「はい、改めさせてもらいます。あなたが領主になればこの悪い噂も少しは影をひそめることになるでしょう」
「それはどうでしょうか。アルセーヌ家の黒い噂は絶えることないと思います」
「いえ、あならなら変えられると思いますよ」
「その自信はどこから生まれているんですか」
「私、人を見る目はある方ですから」
そう評してもらえたのは嬉しいけど、変わらない。僕は別に悪人になるわけではないが、善人になるつもりもない。適度な距離感を保ちながらこれからも活動していく予定だし。
どうやらヘレン様は本当にただ視察に来ただけだったらしく、その後にお菓子やお茶などを出して少し寛いでもらって帰っていった。
キレイな青い髪色に目鼻立ちがしっかりとしていることもあって、第一印象は怖い。
だが、それと同じ位、美少女だと思うのだ。彼女のアニストン家はこの国でそれなりに力を有しているのだ。
この国ことカメリア王国が誕生した歴史として初代勇者と呼ばれる者とその一向が魔王を倒し、平和をもたらした。そしてその者たちが作った国がこのカメリア王国。
カメリアというのは初代勇者の名前でそこから取っているらしい。
なんでこんな話をしたのかと言えば、その初代勇者の一向にアニストン家の者がいたのだ。それからアニストン家は力を持ち続け、今に至るまで王国全体に大きな力を持ち、場合によっては王にすら意見できる権利を持っているのだ。
そこの家の長女となれば家督を継ぐのは決まっている。
それが何を意味しているのかと言えば、ヘレン・アニストンの機嫌次第でうちの家が取り壊される時期が決まっている。原作通りに行くためにはまだ取り壊されるわけにはいかないし、今の僕の力じゃ弟や妹のことを守ってあげられる自信がない。少なくとももう少し力を蓄える時間がなければいけないのだ。
なぜ、ヘレン・アニストンがこんな弱小貴族ことアルセーヌ家の領地に来たのかは分からないけど、なんにしても僕の役目は怒らせることなく、帰ってもらうのが仕事。
「僕はトリトス・アルセーヌと申します。こんな辺境の場所までヘレン様がどのようなご用件でしょうか?」
「私がここまで来たのはただ最近少し良くない噂を耳にするもので」
これは遠回しにアルセーヌ家がグレーというか、アウトなことをしているんじゃないかを探りに来ているというところか。なぜヘレン・アニストンが自ら来たのは分からないが、つまるところそんな感じでしょう。
「確かにうちの家は良くない噂がたくさんありますから」
「あら、怒らないんですね」
「怒るというか、そういう噂があるのは事実ですし」
ヘレン様は僕が感情を出すと思ったのかもしれないが、こっちとしてはそんなことじゃ顔に出ない。それに火のない所に噂は経たないのだ。
「仮にもあなたの一族がよくないことをしているというのに何も思わないんですか?」
「何も思わないのかと問われるとそれには首を横に振っておきましょうか。ですが、ここで怒ったりしたからと言ってその噂が消えることはないと思うので」
僕の答えにヘレン様は少し驚かれたようだったが、すぐにいつもの無表情に戻った。
「それはそうですね。もし、あなたがここで感情に任せて私に乱暴をしてきそうになったら、すぐに掴まれて騎士の前に差し出したところです」
「そんなことはありません」
「なぜ、ないと言えるのでしょうか」
「僕はヘレン様に興味がないので」
少し言い過ぎな気もするが、僕は別にヘレン様と仲良くする気は微塵もない。ただ今、取り潰されなければそれでいい。
「…ほ、ほう…」
「僕には可愛い弟や妹たちがいるので。その子たち以外の人たちはあんまり眼中にないんです。それは誰であっても」
これはマジ。
なので、僕に恋人というのは絶対にできないと断言出来てしまう。だって絶対に僕の優先順位は弟妹であることは変わりないし。
ヘレン様の反応を見るとちょっと引いているように見える。これは第一段階としては正解ではないか。そこまで気に入られることもなく、そこまで嫌われることもなく。
「ヘレン様がこんな辺境の地まで心配して下さったことは本当にありがたいです。なので、もしアルセーヌ家が王国に反旗を翻すようなことをした暁にはしっかりと討伐しに来てください」
いずれは来るであろう未来。アルセーヌ家の腐敗を止めることは出来ないため、いずれ来る未来にヘレン様に討伐されることになるであろう。
僕の言葉になぜかヘレン様は感心しているようだった。
「……すごい覚悟ですね」
なんで関心されているのか分からないけど、まぁ別にいいか。それより今はヘレン様には大人しくお帰り頂いて弟や妹たちと幸せな日々を送りたい。
「いや、ただそう思っているだけです」
「私は少し誤解をしていたようです」
「誤解?」
「はい、トリトス・アルセーヌという名は王都で悪い評判が多いです」
「そうですか」
そんなに悪いことをした覚えはないけど、父上や母上の悪い噂がそのまんま長男である僕に降りかかっているという感じだろう。
「なので、ここに来るまでも少し怖かったんです」
それなら違う人が来ればよかったんじゃないかと思ってしまう。
「…評価を改める必要がありそうですね」
「ヘレン様がそう思ったのなら」
「はい、改めさせてもらいます。あなたが領主になればこの悪い噂も少しは影をひそめることになるでしょう」
「それはどうでしょうか。アルセーヌ家の黒い噂は絶えることないと思います」
「いえ、あならなら変えられると思いますよ」
「その自信はどこから生まれているんですか」
「私、人を見る目はある方ですから」
そう評してもらえたのは嬉しいけど、変わらない。僕は別に悪人になるわけではないが、善人になるつもりもない。適度な距離感を保ちながらこれからも活動していく予定だし。
どうやらヘレン様は本当にただ視察に来ただけだったらしく、その後にお菓子やお茶などを出して少し寛いでもらって帰っていった。
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