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初めての告白
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僕は初めて告白というものをされている。
まさかそんなことを自分がされるとは思ってもいなかった。
それに告白してきた相手の名前は……花里小夜さん。金髪ショートで身長は僕よりちょっと小さいぐらいなので165近くはある。
今の自分は大学の一目に付かないような部屋で向かい合っている。
目の前の花里さんは顔を赤く染めて、僕への告白をしてくれている。もちろん、僕の後ろには双葉さんがいるのだけど、花里さんはそんなことを気にしている様子は全くない。
「あたしは葉山くんのことが好き!大好き!!」
ここまで直球で面と向かって言われたことはないので、さすがに緊張する。たぶん、花里さんと話した回数は片手で数えられるぐらいだと思う。何か劇的な出会いを果たしたわけでもないと思うのに、告白されるとは。
「あたしに笑顔で話し掛けてくれてそれだけでもダメなのに、あたしの目を射抜くように見てきたんだ。そこであたしの心は落ちた」
そんな鋭い目つきをしていたつもりはないんだけどな。
でも、この告白に対して僕はどういう返答をするのが正解なんだろう。花里さんには申し訳ないけど、僕は恋人を作ろうと思っているわけでもない。
友人を作ろうと思っていて、その延長線上に恋人というものがあるのは分かっているつもり。でも、まだそこに踏み込もうとは思っていない。
だけど、花里さんのことを悲しませたくはない。彼女とこれからも仲良くしていきたいとは思っているというのが正直なところ。
でも、曖昧な答えをして花里さんを宙ぶらりんにさせておくのは彼女にとっても最悪なはずだよね。ここはある程度、嫌われるぐらいの覚悟で断った方がいいのか。
「あたしは葉山くんと恋人になりたい!これからも一緒に過ごしてお互いに理解を深めていって、もっとたくさんのことを知って行きたいの!」
花里さんの勢いが凄くて少し押され気味になってしまう。ここまで言われるぐらいに短期間で自分が花里さんの中で大きな存在になっていたことについては単純に嬉しい。人付き合いは年月じゃないとはよく言ったりするけど、それでも出会って1ヵ月ぐらいしか経っていない人間だ。
そこまで相手に思われるようなこともしていない。
でも、花里さんは僕と出会って何かに引かれてくれた。この告白も色々と悩んだ末にこうなったんだと思う。僕は告白をしたことがないからあんまり分からないけど、それでも今の花里さんの表情と声ですごく勇気が必要なことだというのは伝わって来る。
「絶対に葉山くんのことを幸せにするから、付き合ってください!」
「ごめんなさい、花里さんの気持ちに答えることはできません」
これは言わなくてはならない。
「…花里さんは素敵な女性です。でも、今の僕はまだ恋人を作ろうと考えていないんです。花里さんの気持ちが本当にありがたいですし、自分なんかのことをここまで想ってくれているのはこれから先いないかもしれない。それでもごめんなさい」
人を好きになって、その気持ちを言葉にして伝えるということに対して僕ができるのはこれだけ。告白をしてくれるぐらいに僕のことを想ってくれたの嬉しかったこととその感謝と気持ちに答えられないことを伝える。
「…そっか……あたしじゃだめか」
「うん、ごめんなさい」
これ以上、この場に留まるのは止めて立ち去った。自分を振った相手の顔をずっと見ていたくはないだろうしね。
僕のことを嫌いになっても別に構わない。だって彼女の想いに対して肯定的な返事をすることができなかったのだから。
でも、願わくばこれからも友人関係が続いてくれることを切に願いたい。
この時の花里さんがどんな表情で立ち去る僕のことを見ているのか分からないけど、睨まれていても仕方ないな。
まさかそんなことを自分がされるとは思ってもいなかった。
それに告白してきた相手の名前は……花里小夜さん。金髪ショートで身長は僕よりちょっと小さいぐらいなので165近くはある。
今の自分は大学の一目に付かないような部屋で向かい合っている。
目の前の花里さんは顔を赤く染めて、僕への告白をしてくれている。もちろん、僕の後ろには双葉さんがいるのだけど、花里さんはそんなことを気にしている様子は全くない。
「あたしは葉山くんのことが好き!大好き!!」
ここまで直球で面と向かって言われたことはないので、さすがに緊張する。たぶん、花里さんと話した回数は片手で数えられるぐらいだと思う。何か劇的な出会いを果たしたわけでもないと思うのに、告白されるとは。
「あたしに笑顔で話し掛けてくれてそれだけでもダメなのに、あたしの目を射抜くように見てきたんだ。そこであたしの心は落ちた」
そんな鋭い目つきをしていたつもりはないんだけどな。
でも、この告白に対して僕はどういう返答をするのが正解なんだろう。花里さんには申し訳ないけど、僕は恋人を作ろうと思っているわけでもない。
友人を作ろうと思っていて、その延長線上に恋人というものがあるのは分かっているつもり。でも、まだそこに踏み込もうとは思っていない。
だけど、花里さんのことを悲しませたくはない。彼女とこれからも仲良くしていきたいとは思っているというのが正直なところ。
でも、曖昧な答えをして花里さんを宙ぶらりんにさせておくのは彼女にとっても最悪なはずだよね。ここはある程度、嫌われるぐらいの覚悟で断った方がいいのか。
「あたしは葉山くんと恋人になりたい!これからも一緒に過ごしてお互いに理解を深めていって、もっとたくさんのことを知って行きたいの!」
花里さんの勢いが凄くて少し押され気味になってしまう。ここまで言われるぐらいに短期間で自分が花里さんの中で大きな存在になっていたことについては単純に嬉しい。人付き合いは年月じゃないとはよく言ったりするけど、それでも出会って1ヵ月ぐらいしか経っていない人間だ。
そこまで相手に思われるようなこともしていない。
でも、花里さんは僕と出会って何かに引かれてくれた。この告白も色々と悩んだ末にこうなったんだと思う。僕は告白をしたことがないからあんまり分からないけど、それでも今の花里さんの表情と声ですごく勇気が必要なことだというのは伝わって来る。
「絶対に葉山くんのことを幸せにするから、付き合ってください!」
「ごめんなさい、花里さんの気持ちに答えることはできません」
これは言わなくてはならない。
「…花里さんは素敵な女性です。でも、今の僕はまだ恋人を作ろうと考えていないんです。花里さんの気持ちが本当にありがたいですし、自分なんかのことをここまで想ってくれているのはこれから先いないかもしれない。それでもごめんなさい」
人を好きになって、その気持ちを言葉にして伝えるということに対して僕ができるのはこれだけ。告白をしてくれるぐらいに僕のことを想ってくれたの嬉しかったこととその感謝と気持ちに答えられないことを伝える。
「…そっか……あたしじゃだめか」
「うん、ごめんなさい」
これ以上、この場に留まるのは止めて立ち去った。自分を振った相手の顔をずっと見ていたくはないだろうしね。
僕のことを嫌いになっても別に構わない。だって彼女の想いに対して肯定的な返事をすることができなかったのだから。
でも、願わくばこれからも友人関係が続いてくれることを切に願いたい。
この時の花里さんがどんな表情で立ち去る僕のことを見ているのか分からないけど、睨まれていても仕方ないな。
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