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戦うんじゃない
結婚をぶち壊せ!
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「ルイ様、あの飛行船は……」
「間違いない。あの船が盗賊団の船だ」
「ははっ。標的を確認、一気に近付きます」
ルイはここまで来たか、とドヤ顔で手に剣を握る。
迂回は最小限にとどめて、出来る限りスピードを速めたかいがあったというものだ。
椅子に座り、胸を大きくしてふんぞり返るルイには安心の色が見えた。
今回はアントワネットがいるため、ミサイルや爆弾は使えない。
だからと言って手加減する気はない、とでも言いたげに鼻を鳴らす。
「至近距離まで近づきます、王子」
「ああ」
先程までのストリームとは違い、空にも青色の余裕が見える。
ルイは立ち上がると、兵隊に案内され甲板を目指した。
空の上での強行突破は初めてである。
多少の動悸はあるものの、ルイはなお胸を張り続けている。
「双眼鏡で中の様子を確認したのですが、ナイト役にぴったりかと」
「どういうことだ」
「結婚式を挙げているようです」
「!?」
藍色の絨毯が敷かれる豪華な一室で、数名の傭兵とひとりの牧師に囲まれた女がいる。
真っ白なマーメイドドレスを着て、眉を寄せながらも気丈に立ち尽くしているのは紛れもないアントワネットである。
「キャサリン・アントワネットは、ここにリザード・フォードと結婚することを誓いなさい」
牧師の手の甲にキスをしたアントワネットは、にっこ~と笑みを浮かべて
「私の尻に敷いてやるよ」
と皮肉にも言い放った。
「尻軽女のケツを毎日ひっぱたいてやるよ」
と妙な小競り合いをしているのは、眉を吊り上げて唇を尖がらせているリザードである。
深緑の上質なマントが彼の元ある気品をひきたてていた。
『させるかぁぁぁあああ――っ!!!!』
蒼い空をそのままに映した窓に、バキッと音をたてて亀裂が入る。
「!」
一室のものの視線を独り占めするがごとく現れたのは、海よりも青いマントを身につけた小さなルイの姿である。
ルイは剣を片手に持ち替え、豪勢に輝るシャンデリアめがけて足をつけた。
金属とガラスの割れる音が瞬時、残酷にも響き絨毯の上へと飛び散った。
「アントワネットはどこだ!!!!」
「間違いない。あの船が盗賊団の船だ」
「ははっ。標的を確認、一気に近付きます」
ルイはここまで来たか、とドヤ顔で手に剣を握る。
迂回は最小限にとどめて、出来る限りスピードを速めたかいがあったというものだ。
椅子に座り、胸を大きくしてふんぞり返るルイには安心の色が見えた。
今回はアントワネットがいるため、ミサイルや爆弾は使えない。
だからと言って手加減する気はない、とでも言いたげに鼻を鳴らす。
「至近距離まで近づきます、王子」
「ああ」
先程までのストリームとは違い、空にも青色の余裕が見える。
ルイは立ち上がると、兵隊に案内され甲板を目指した。
空の上での強行突破は初めてである。
多少の動悸はあるものの、ルイはなお胸を張り続けている。
「双眼鏡で中の様子を確認したのですが、ナイト役にぴったりかと」
「どういうことだ」
「結婚式を挙げているようです」
「!?」
藍色の絨毯が敷かれる豪華な一室で、数名の傭兵とひとりの牧師に囲まれた女がいる。
真っ白なマーメイドドレスを着て、眉を寄せながらも気丈に立ち尽くしているのは紛れもないアントワネットである。
「キャサリン・アントワネットは、ここにリザード・フォードと結婚することを誓いなさい」
牧師の手の甲にキスをしたアントワネットは、にっこ~と笑みを浮かべて
「私の尻に敷いてやるよ」
と皮肉にも言い放った。
「尻軽女のケツを毎日ひっぱたいてやるよ」
と妙な小競り合いをしているのは、眉を吊り上げて唇を尖がらせているリザードである。
深緑の上質なマントが彼の元ある気品をひきたてていた。
『させるかぁぁぁあああ――っ!!!!』
蒼い空をそのままに映した窓に、バキッと音をたてて亀裂が入る。
「!」
一室のものの視線を独り占めするがごとく現れたのは、海よりも青いマントを身につけた小さなルイの姿である。
ルイは剣を片手に持ち替え、豪勢に輝るシャンデリアめがけて足をつけた。
金属とガラスの割れる音が瞬時、残酷にも響き絨毯の上へと飛び散った。
「アントワネットはどこだ!!!!」
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