一振りの刃となって

なんてこった

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117.禁忌を嗤うもの

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 辺り一面に暗闇の中でも広がる赤く染まった大地、人の群れが慌てて移動するのが分かる大音声の足音。
 そこに一人佇む深紅の剣士、その深紅の鎧は元からなのかそれとも返り血を大量に浴びて染まったものなのか・・・


「何か詩的なことを言ってますけどどうしました?」
 そしてこの一言が俺の心にダメージを与える・・・心の声が漏れ出てたーーー!
 最近ゆるゆるだな、まぁいいか。
『気にするな、さてと・・・ニコル、これからお前専用の部下を作ることにする。
 ”ブラインドサークル”』
 俺は魔力をふんだんに使い一面に創り上げられた死体の野原を不可視の壁で覆う。
『そうだな、デモン種は成長限界がまばらだが・・・俺が限界を設定したら問題はないか』
 という俺の言葉に、
「急にどうしたんですか?僕の部下って?」
 戸惑いを隠せないニコル。
『慌てなくていい、そうだな・・・まずはライカをベースにした個体にしてみるかな、”クリエイトゴーレム”』
 設定は100体、限界値は適当に切りよく250にでもしておくか。
 かつてスキャンしておいたライカのデータをもとにフレッシュゴーレムを組み上げる、ただし髪や瞳の色は赤色に額の角は伸縮の原理がよく分からないから取り払い耳もヒューマンのにする
「フレッシュゴーレムですか?」
『そう、んでここからは俺にしかできないオリジナリティを加える。
 ”クリエイトソウル”』
 ”クリエイトソウル”ぶっちゃけると”ソウルハック”と似た効果なのだが決定的な違いは創った疑似魂に”マインドハック”の応用で俺の中の”ライブラリ”にある適当なものの記憶を刻み込みその後で俺の都合のいい情報を刻み込む。
 うまくいったら普通のゴーレムと違う存在になれるんだが、というか元々フレッシュゴーレムが禁忌にされたのは普通のゴーレムには無い脳、考える機能が付いているかららしい、人肉を使うからだけだと思ってたでしょ?
「ココハ?」
 意識を持ったようだ、ラッキー。
「兄さん?どう対応するべきですか?」
『こいつはお前の下僕だ、好きに使え体の機能も全部ライカを反映してあるから子も作れるが・・・お前にはまだ早いな』
「ワタシハ?」
『まぁいきなりはニコルでも難しいか・・・名前はニコルが決めろ。
 小娘、お前は俺が生み出した人造の・・・剣造の存在だ。
 これより目の前にいるニコル・ファルシオンに身命を捧げて仕えろ』
「シンメイヲ・・・カシコマリマシタ」
 素直だがまだ口調がぎこちないな、まぁそのうち喋るのも慣れるだろう。
『ニコル名は?』
「ではライカで」
 ・・・そう来る気はしていたが当たらないでほしかった。
『その名はどうかなって俺は思うぞ・・・』
「でしたら兄さんがつけてあげてください」
 あれ?はめられた?名前つけんのそんなにいやかな?
『まぁいいか、後で文句言うなよ!
 ・・・あと3体創る予定だし1羽目ってことでカズハだな』
「カズハ、スバラシイナデス」
 名づけで褒められたのは初めてだな。
 そんな感じで残り3人も作る、2人目はベースはサラ、3人目はニナ、4人目は雪鱗、全員カズハと同様に髪や瞳は赤く耳もヒューマンのに統一しベースの種族的特徴は取り払っておく、能力にほとんど差が無いのにドラゴニュートなどの特徴を持つせいで変に無理されたらかなわんからな。
『名前はサラベースから順にフタバ、ミツバ、ヨツバだ。
 ニコルに気にいられるように頑張れよ?』
「ハッ!」×4
 さて、次は服とかか・・・えっ?もちろん生まれたばっかりだから裸に決まってるじゃん。
 眼福とか思うだろうけど俺の体は反応なし、剣だから・・・。
 死体は400体分使ったがまだ大分ある、というかほとんど減ってない感じ。
 さて、何か召喚でもしてみるか。

 というわけで今、目の前には魔竜と呼ばれる異世界にいるって言われている竜の死骸が5つ並んでいます、4人にはそれぞれの死体の上に跨ってもらう・・・なんで跨ってるんだろうか、俺はそれぞれ死体のとこに行けって指示出しただけなのに。
 因みに服はアイポの中に在る適当な素材で創って着せた、偽の記憶があるため簡単に服は着れたようでよかった、ニコルが着せてあげる図を想像したら鼻血物だろう・・・俺は出ないのだが。
『まぁいいや”カスタマイズ”』
 魔竜の死体が見る間に形を変えていき、ニコルのタイプドランを黒くした感じに落ち着く、ついでに牙や爪、鱗などからそれぞれに武器も与える。
 得意な武器などは俺が”ソウルクリエイト”で魂を宿した時に決めておいた。
 まぁ概ねベースと武器は一緒なんだけどフタバだけは鞭状に変化する蛇剣って奴にしている、杖だとなんていうか面白くない。
 さて、最後にニコルのドランも強化だ。
『ニコル、じゃ竜の頭を掴んで吸収だ』
「はい、”吸収強化”」
 ニコルは強化後の形の想像を俺に丸投げしたようで見事に終えが考えていた通りに掴んだ左腕のパーツが黒く染まり巻きつくような竜のレリーフが腕の先まで伸び手首の上の方から盛り上がり口を開けた竜の頭が現れている。
「この頭は?」
『ここから”ブレス”が撃てるようにしてみた。
 充電式だからいざというときの切り札にでもしたらいい』
「この竜のブレスって僕見てませんが?」
『黒い炎らしい、射程は100メートルいかないくらいだ』
「分かりました」
 さて、そろそろイージス砦に向かうか。
『ニコル、撤収だ。
 こいつらをハルキに紹介しておくぞ』
「はい、では4人とも飛びますからついいてきてください」
 そういうとニコルは駆け出し跳びあがりドランの翼を広げて飛行に入る、それに続いて4人も同時に飛翔する。
 ”ブラインドサークル”の範囲からニコルが抜けると効果を失った不可視の壁は消え去る。
 空から見ると死体の野原にところどころ丸い穴が開いたような空間ができており少しだけ笑えた。
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