一振りの刃となって

なんてこった

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51.早朝

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 翌日昼頃、俺は暇を持て余し自前の馬車の中で寝っ転がりながら周りの景色を堪能させてもらっていた。
 というのも今朝方・・・

 早朝、俺達は日が昇る前に朝食を済ませて町の外へと向かっていた。
 門の外に出ると既に人が集まっており、
「おいおいおい!おせーじゃねーかガキ共!依頼人よりも早くきとくのは常識だろうが!」
 開口一番に怒られた、いきなり怒ってきたおっちゃんに「誰だろ?」って視線を送ったら、
「おいおいおい!睨みつける前にまずは自己紹介するもんじゃないのかガキ!」
「すまんな、ちょっと見ただけで睨まれてると思うほど臆病とは知らなかったんだ、許してくれ」
 売り言葉を買っちゃった、テヘッ。
「あぁん?舐めてんのかクソガキ!」
 おお!あの程度の反論で欠陥が浮かぶなんて・・・沸点低いな~短期は損気よ?
「ままっそのくらいでガデムさん、君たちが”ファルシオン”でいいのかな?」
と 温和そうなおじいちゃんが短気なおっちゃんを落ち着かせる、
「はい、遅れてしまい申し訳ありません少し準備に戸惑いまして、何せ初めてのDランクの依頼だったんで失敗がないように慎重になっていたのですが、少し慎重になりすぎてたようです、ご迷惑をおかけしました」
と ニコルが謝罪すると、
「いえいえ、日が出てから出発の予定でしたからお気になさらずに」
と にこやかに返してくれた、
「では僕達から自己紹介させてもらいます、まずは僕の兄であるブレド・ファルシオン・・・」
と 俺から順に紹介していくが
「おいおいおい!弟に全部任せて情けねーな~!ひゃひゃひゃ」
 ニコルが俺の弟と分かるとガデムがよこやりを入れてきた、
「ガデムさん話が進みませんのでそのくらいに・・・」
「おう、分かったよ依頼人の頼みじゃーしょうがないな見逃してやる」
と ふざけたことを言って引き下がる、俺はいつでも動けるように準備しとく、なぜかって?ニコルの殺気がとんでも無くなってるからさ。
 なんとか我慢できたニコルがこちらのパーティの紹介を終える、因みにパーティ名はニナたちが俺の持つ家宝の宝剣(という設定)にあやかった名前だしこれで行こうと半ば勝手に決められた。
「その珍しい魔物もあなた方のパーティなんですね?今回の仕入れは安心できますね。それでは私たちも自己紹介していきましょう、私は今回の依頼を出したエドモンド商会のルベロです、でこちらのパーティが」
「”ハモニアの剣”だ、うちのガデムが少しうるさくてすまなかったな、俺はケイんだ」
「私はミラ、こっちのおとなしい子がミシェルよ」
「・・・よろしく」
「で俺がガデムだ!ガキども俺らがいればこの依頼なんて寝てても成功するだろうから俺らの言うことをちゃんと聞けよ!」
「はいはい、よろしくな先輩」
と ぞんざいに挨拶を返す途中まではよかったのに最後で仲良くする気が消えたな、まぁ一応覚えとくか。
 えーと金髪イケメンヒューマンがケイン魔術師っぽいな、で露出が多い服を着てその服の上に防具を付けてる金髪碧眼のエルフ姉ちゃんがミラ剣士らしい弓じゃないんだ・・・でその後ろに隠れている子がミシェルこの子も金髪碧眼エルフで武器は弓だねエルフっぽいね、でこの五月蠅いマッチョハゲはガデムデカい剣を背負ったビーストで多分犬人族って奴かな?耳がふさふさなだけじゃ見分けがつかん・・・おっさんの尻尾みるとか罰ゲームだし・・・
 で依頼人のルベロはヒューマンだ、ところで?
「ルベロさん、今回俺達の試験官が来るはずなんですがまだ来てない位でしょうか?」
「おや?そのような方はまできておりませんね?ですがもうすぐ来るでしょう、噂をすれば」
と ルベロさんが見てるほうを向く何やら人影が猛スピードで走ってきてるようだ・・・あっ門番に止められて怒られてる。
 少ししてその人影がこちらに来る、よく見ると眼鏡をかけている・・・試験管っぽい!
「遅れて申し訳ありません、情報の食い違いが起きていて今さっき私に担当が回ってきたので慌ててここまで来たのですが・・・出発を後らせてしまいましたか?」
と 眼鏡が心配そうに聞いてくる、
「いえいえ、今しがた自己紹介が済んだところです試験管さんは彼らの情報は知ってますよね?」
と 温和な態度を崩さないルベロさんに、
「はい、彼ら冒険者たちの情報は報告されてある分は頭に入っています、なので私が自己紹介するだけで大丈夫です。では私の名はコリン、本日から”ファルシオン”が受ける護衛依頼に同行しDランクでやっていけるかを判断させていただく試験管です、自分も多少の武の心得はありますが試験管の立場のため戦闘などには極力参加できないのでそのあたりを踏まえてよろしくお願いします」
といってコリンはぺこりと頭を下げた、三つ編みにしていた長い黒髪が肩にかかる。
「では少し打ち合わせをしてから出発をしましょうか?」
と ルベロさんが話すと移動中の警戒をどうするから今晩はどっちのパーティが夜の警戒をするかとか話し合う・・・主にニコルとケインさんが・・・

 で今は”ハモニアの剣”の馬車が先頭を俺らの馬車が最後尾をその間のルベロさんの馬車3台にはルベロさんが乗る馬車に”ハモニアの剣”のガデムが同乗し後ろの2台の馬車には前にニナ・サラ後ろにライカとニコルが同乗しており俺が自前の馬車に乗っている、後方を走りながら警戒してくれているのはワンツーサン太郎たちだ。
 コリンはというと元論俺たちの馬車に乗ってる、そして走らせている馬車で俺が寝転がっている以上、
「ブレドさん!」
 ホラ来た。
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