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ランナウェイ【SIDE: ヴァレンチン】
ワースト・ナイトメア
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消そうとしても消えない、悪夢のような記憶がある。
二年前。俺が十八歳の頃。ベッド一つしかない部屋に監禁されて、アスリートクラスの大男たちに入れ替わり立ち替わり犯された。
監禁されていた期間は、はっきりしない。数か月か、それともわずか数日だったのか。
昼も夜もなく続く行為のせいで、時間の感覚が混乱していたのだ。
鏡張りの天井に映し出されている。
しわくちゃのシーツ。頼りないぐらい手足が細い、全裸の少年。乱れきった短い黒髪。女子みたいだとよく言われる、目がぱっちりした小さな顔。
その紫色の瞳に浮かぶのは、苦痛と絶望。そしてまぎれもなく、快感だ。
――そんなみじめったらしいガキが自分だなんて、信じたくない。
シーツに転がり、大きく開いた脚の間に、ガタイの良い男どもを受け入れている、哀れな姿。
俺も最初は抵抗していたが、やがて心が折れて、喘ぎ声を抑えられなくなった。それが相手を喜ばせるとわかっていても。
「またこんな目に遭わされたくなかったら……よけいな詮索はしないことだ。それが身のためだよ、ヴァレンチン」
解放される間際、[研究所]所長のリュボフ博士に言われた言葉を、今でもはっきりと覚えている。
爬虫類のように冷たい博士の目に浮かぶ、好色な光。
「逆に、癖になったから、またこんな目に遭いたいというのであれば、私にそう言ってくれればいい。いつでも手配してあげよう」
あの記憶以上におぞましいものなど、この世には存在しないだろう。
だから俺は、何物も恐れず、前へ進むことができる。
最悪の地獄はもうとっくに経験済みなのだ。
二年前。俺が十八歳の頃。ベッド一つしかない部屋に監禁されて、アスリートクラスの大男たちに入れ替わり立ち替わり犯された。
監禁されていた期間は、はっきりしない。数か月か、それともわずか数日だったのか。
昼も夜もなく続く行為のせいで、時間の感覚が混乱していたのだ。
鏡張りの天井に映し出されている。
しわくちゃのシーツ。頼りないぐらい手足が細い、全裸の少年。乱れきった短い黒髪。女子みたいだとよく言われる、目がぱっちりした小さな顔。
その紫色の瞳に浮かぶのは、苦痛と絶望。そしてまぎれもなく、快感だ。
――そんなみじめったらしいガキが自分だなんて、信じたくない。
シーツに転がり、大きく開いた脚の間に、ガタイの良い男どもを受け入れている、哀れな姿。
俺も最初は抵抗していたが、やがて心が折れて、喘ぎ声を抑えられなくなった。それが相手を喜ばせるとわかっていても。
「またこんな目に遭わされたくなかったら……よけいな詮索はしないことだ。それが身のためだよ、ヴァレンチン」
解放される間際、[研究所]所長のリュボフ博士に言われた言葉を、今でもはっきりと覚えている。
爬虫類のように冷たい博士の目に浮かぶ、好色な光。
「逆に、癖になったから、またこんな目に遭いたいというのであれば、私にそう言ってくれればいい。いつでも手配してあげよう」
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だから俺は、何物も恐れず、前へ進むことができる。
最悪の地獄はもうとっくに経験済みなのだ。
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