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異世界探査1ー2
怒VS狂 十 異世界の信者
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ガナシャが黒い靄を浄化し始めて1日経った。流石にあれをずっと続けるのはエネルギー的に人間であるガナシャには厳しく、今は休憩中だ。未だに自分以外の人と会えてはいないことに一抹の不安を抱えつつも、自分の与えられた使命を最優先線に考えていた。
今回の浄化でわかったことと言えば、この黒い靄は一度浄化すると再びその空間に現れることはないということだ。始めにこれらを見たときは幾ら浄化しても、また周りの靄が押し寄せてくるのではないかと思っていたがそれは違った。靄はそこに磔にされているかの様にその空間から動かないのだ。例えるなら、色は逆にだが白いキャンパスに黒い点を書いたからと言って周りの白がその黒を侵食することはない。逆にその黒い点の方が周りの白を圧倒して存在感を出すそれと同じ様な感覚で、浄化すればするほど周りの靄がその場所の存在感をより引き立たせる。まるで浄化してくださいと言わんばかりに。
「先程からあるこの奇妙な感覚、そもそも何であのなんとかヤというやつはこんな黒いので世界を覆ったのだ?探し物をするのには余計に見つけにくくなるのに。」
ガナシャの目的はあくまで神のお探しになっている敵の発見だが、どうせならもっと役に立ちたい。ここで何らかの功績をを上げでは褒めほしい。そう思うのが信徒としての心情である。それに今のこの休憩時間に何もしないというのは些か時間の無駄だし暇だ。
だからと言ってここで、神の偉大さを説こうにも人はいないし、修行をしても体力の回復が遅くなるだけである。ならば、じっとして動くことなく、この後の行動を幾つか考えている方が得だ。
まあ、だからといってこれらを見てから1日しか経っていない。知っている情報も少なく、まだ何らかの答えを導き出すには至っていなかった。これ以上先に進むには、これはこ事についてはもっと情報を集める必要がある。
「さて、もうこれくらいにして続きを始めるか。」
現在、彼女がいるのは大きなクレーターの様な大きな穴が空いた場所だ。
彼女の記憶によると、確かここはかつて森だった場所だ。この辺りを飛んでいた時に偶然発見した時は流石に何があったのかと目を疑ったが、そういえばここで神が戦闘していたことを思い出し、聖地巡礼とばかりに休憩場所をここにしたのだ。正直もう少しここにいたい気もするが、自分の欲に負けて神がお与え下さった使命を忘れるわけにはいかない。ここには色々終わった後にまた来ればばいい、そう思い再び浄化を始めようとしたその時だった。
「っ!!??」
今まで感じたことない殺気が突如後ろから出現した。後ろを振り向くことなくそのまま前に飛ぶ。飛びざまに後ろに体制を変えて、敵を目視すした。
「はぁはぁはぁ、なんだこれは。」
そこには気持ち悪いほど真っ暗な塊がいた。さらに、その黒の中にある二つの赤い丸が余計にそれを不気味にしていた。その塊を一言で表すのならそう、”死”そのものである。異様な雰囲気を醸し出すそれは明らかに生物と呼べる代物ではなかった。そこにいるだけで、あたりの空気が圧迫され、肺にある空気が無理やり外に出て行こうとする。言われなくてもわかる。これが神の言っていた敵なのであろう。
「・か・・・・・せ」
「・・・・・・・・」
どこから発しているのか分からないが、恐らく目の前にいるこれが発したのだろう。しかし、あまりにも異様な声のせいかよく聞こえない。
「・・か・・・え・・・せ」
くぐもった声が段々と大きくなっていき、ちゃんと言葉として聞こえる様になっていく。
「か・・え・・・・せ、かえ・・・せかえ・・・せ、かえ・・せ、かえせ、かえせ、かえせ!かえせ!かえせ!かかえせ!かえせ!かえせ!なえせ!かあああえええせえええええええ!」
死の塊は不協和音を辺りに撒き散らしながら脇目も振らずにこちらへ突進してくる。しかし、それは思っていた程の速度ではなかった。どちらかというと遅いくらいだ。なのに、足が竦んで動かない。目の前のそれに恐怖して体が動こうとしない。まるで自分の体が石像になってしまったのではないかと思うくらい、筋肉や関節が硬くなる。
「ええええええああああああああああああああ!」
「た、たす・・・け・」
最後の力を振り絞って掠れた声を出す。だが、今の彼女を救ってくれるものなどこの場にはいない。
「か、かみ、さま・・・」
もうだめだと悟り目を閉じる。どうか、自分の魂を私の信愛なる神に拾っていただける様にと祈りながら。
「一度しか言わんからよく聞け。」
「・・・・・・・え?」
自分の目の前に誰かが現れる。まだぼんやりとしか見えていないのに、その声や体格からその者が誰か一瞬で分かった。彼女が愛してやまない唯一の存在がそこにいた。
「私の名は天照大御神だ。」
今ここに、天照大御神様が降臨した。
今回の浄化でわかったことと言えば、この黒い靄は一度浄化すると再びその空間に現れることはないということだ。始めにこれらを見たときは幾ら浄化しても、また周りの靄が押し寄せてくるのではないかと思っていたがそれは違った。靄はそこに磔にされているかの様にその空間から動かないのだ。例えるなら、色は逆にだが白いキャンパスに黒い点を書いたからと言って周りの白がその黒を侵食することはない。逆にその黒い点の方が周りの白を圧倒して存在感を出すそれと同じ様な感覚で、浄化すればするほど周りの靄がその場所の存在感をより引き立たせる。まるで浄化してくださいと言わんばかりに。
「先程からあるこの奇妙な感覚、そもそも何であのなんとかヤというやつはこんな黒いので世界を覆ったのだ?探し物をするのには余計に見つけにくくなるのに。」
ガナシャの目的はあくまで神のお探しになっている敵の発見だが、どうせならもっと役に立ちたい。ここで何らかの功績をを上げでは褒めほしい。そう思うのが信徒としての心情である。それに今のこの休憩時間に何もしないというのは些か時間の無駄だし暇だ。
だからと言ってここで、神の偉大さを説こうにも人はいないし、修行をしても体力の回復が遅くなるだけである。ならば、じっとして動くことなく、この後の行動を幾つか考えている方が得だ。
まあ、だからといってこれらを見てから1日しか経っていない。知っている情報も少なく、まだ何らかの答えを導き出すには至っていなかった。これ以上先に進むには、これはこ事についてはもっと情報を集める必要がある。
「さて、もうこれくらいにして続きを始めるか。」
現在、彼女がいるのは大きなクレーターの様な大きな穴が空いた場所だ。
彼女の記憶によると、確かここはかつて森だった場所だ。この辺りを飛んでいた時に偶然発見した時は流石に何があったのかと目を疑ったが、そういえばここで神が戦闘していたことを思い出し、聖地巡礼とばかりに休憩場所をここにしたのだ。正直もう少しここにいたい気もするが、自分の欲に負けて神がお与え下さった使命を忘れるわけにはいかない。ここには色々終わった後にまた来ればばいい、そう思い再び浄化を始めようとしたその時だった。
「っ!!??」
今まで感じたことない殺気が突如後ろから出現した。後ろを振り向くことなくそのまま前に飛ぶ。飛びざまに後ろに体制を変えて、敵を目視すした。
「はぁはぁはぁ、なんだこれは。」
そこには気持ち悪いほど真っ暗な塊がいた。さらに、その黒の中にある二つの赤い丸が余計にそれを不気味にしていた。その塊を一言で表すのならそう、”死”そのものである。異様な雰囲気を醸し出すそれは明らかに生物と呼べる代物ではなかった。そこにいるだけで、あたりの空気が圧迫され、肺にある空気が無理やり外に出て行こうとする。言われなくてもわかる。これが神の言っていた敵なのであろう。
「・か・・・・・せ」
「・・・・・・・・」
どこから発しているのか分からないが、恐らく目の前にいるこれが発したのだろう。しかし、あまりにも異様な声のせいかよく聞こえない。
「・・か・・・え・・・せ」
くぐもった声が段々と大きくなっていき、ちゃんと言葉として聞こえる様になっていく。
「か・・え・・・・せ、かえ・・・せかえ・・・せ、かえ・・せ、かえせ、かえせ、かえせ!かえせ!かえせ!かかえせ!かえせ!かえせ!なえせ!かあああえええせえええええええ!」
死の塊は不協和音を辺りに撒き散らしながら脇目も振らずにこちらへ突進してくる。しかし、それは思っていた程の速度ではなかった。どちらかというと遅いくらいだ。なのに、足が竦んで動かない。目の前のそれに恐怖して体が動こうとしない。まるで自分の体が石像になってしまったのではないかと思うくらい、筋肉や関節が硬くなる。
「ええええええああああああああああああああ!」
「た、たす・・・け・」
最後の力を振り絞って掠れた声を出す。だが、今の彼女を救ってくれるものなどこの場にはいない。
「か、かみ、さま・・・」
もうだめだと悟り目を閉じる。どうか、自分の魂を私の信愛なる神に拾っていただける様にと祈りながら。
「一度しか言わんからよく聞け。」
「・・・・・・・え?」
自分の目の前に誰かが現れる。まだぼんやりとしか見えていないのに、その声や体格からその者が誰か一瞬で分かった。彼女が愛してやまない唯一の存在がそこにいた。
「私の名は天照大御神だ。」
今ここに、天照大御神様が降臨した。
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