13 / 178
異世界へ
0013話
しおりを挟む
イオの視線の先で、景色が流れていく。
馬車の移動する速度は、かなり速い。
元々この一団がゴブリンの軍勢に隕石が落ちた結果どうなったのかを見るためにやって来た以上、少しでも早く情報を得る必要があり、黎明の覇者の中でも移動速度の早い者たちで構成されているのだから、それも当然だろう。
(とはいえ、馬以外にもモンスターが多数いるのに、それでも馬と同じ速度で走れるってのは……この辺も黎明の覇者の強みなんだろうな。電撃戦とか言ったっけ?)
イオが思い浮かべたのは、そんな単語。
とはいえ、イオは別に歴史についてはそこまで詳しい訳ではないので、電撃戦についても高い機動力を使って一気に敵の重要拠点を攻略するといったような、大雑把なものしか分からなかった。
「さっきからずっと窓の外を見てるけど、面白い?」
イオは聞こえてきたソフィアの声に視線を向けると、頷く。
「そうですね。この辺りについては何も知らないので、そういう意味ではちょっと面白いと思います」
「そういうものかしら。……とはいえ、まずはこれからのことについてよ。まず大前提として、私たちが現在向かっているドレミナという街は、ホルスト王国という国に所属しているわ。ちなみに一応聞くけど、ホルスト王国という名前に聞き覚えは?」
尋ねるソフィアに、イオは首を横に振る。
日本からこの世界に転移してきて、その場所がゴブリンが大量にいた山だったのだ。
そうである以上、現在自分のいる場所がどこなのか……どのような国なのかというのは、当然ながら分からない。
「そう」
イオがホルスト王国という名前を知らないと言っても、ソフィアは特に気にした様子はなく、小さく呟くだけだ。
てっきりまた自分の秘密について追及されるのかと思っていたイオは、安堵しながらも少しだけ疑問に思う。
それでもここでその辺を突くような真似をした場合、それなら……とまた自分の過去について追及されるとことは避けたかったので、特に何かを言うようなことはなかったが。
「イオは知らないみたいだけど、この辺りはホルスト王国なのよ。で、この辺り一帯を治めている貴族が住んでいるのが、これから私たちが向かうドレミナね」
「え? じゃあ……その、ドレミナ以外の村や街も、その貴族が治めているってことですか?」
「そうね」
イオの言葉にあっさりと頷くソフィア。
だが、イオはそんなソフィアの言葉に驚く。
「それって、つまり……ドレミナという街だけを守って、他の村や街を見捨てたってことですか?」
「そうなるわね。イオには自覚がないかもしれないけど、あのゴブリンの軍勢はかなり厄介な相手だったわ。そんなゴブリンの軍勢によってドレミナが襲撃されて守り切るようなことが出来なかった場合、それこそ最悪の結果になるのは間違いないわ」
「それは……まぁ、そうでしょうけど」
この辺り一帯を治めている貴族の屋敷がドレミナにあるということは、当然ながらそこに貴族が住んでいるということになる。
そんな中でドレミナがゴブリンの軍勢に滅ぼされた場合、この辺り一帯を統治する者がいなくなってしまう。
実際にはドレミナの貴族も最後まで戦うような真似をせず、いざとなったら逃げ出したりするのだろうが。
(貴族をそこまでして守るか。いやまぁ、漫画とかでそういうのは見たことがあったけど。それだと周辺の街や村の住人はたまったものじゃないよな)
一番重要な場所に戦力を集中させる。
そう表現すれば、それは決して悪い話ではないだろう。
しかし、それをやるために犠牲になる周辺の村や街の住人にしてみれば、とてもではないが喜んではいられない。
「言っておくけど、ドレミナの領主は自分の命惜しさだけでそういう真似をした訳じゃないわよ? さっきも言ったと思うけど、ゴブリンの軍勢が一番狙う可能性が高かったのはドレミナなんだから」
「つまり、意味もなく周囲の村や街を見捨てた訳じゃない、と?」
「そうね。それに相手はゴブリンよ。率いている上位種はともかく、それ以外の普通のゴブリンは少しでも大きい場所を狙って動くでしょうね」
それはつまり、ドレミナに戦力を集中させることで、ゴブリンの軍勢を自分たちに惹き付け、一網打尽にしようとしていたということを意味している。
ソフィアの説明を聞き、イオは少しだけ安堵した。
自分がこれからどうなるのかは、まだ正直なところ分からない。
分からないものの、取りあえず活動するのはドレミナでということになるのは間違いないのだ。
自分の活動する場所の領主が無能であった場合、いつ何が原因で自分が被害を受けるのか分からない。
もっとも、有能であればそれはまた別の意味でイオが面倒に巻き込まれる。
一度の魔法でゴブリンの軍勢を壊滅させる、言ってみれば戦略兵器的な存在が現在のイオだ。
ましてや強力な魔法使いではあるが、あくまでも魔法に特化した存在で、近接戦闘という点ではその辺の傭兵になったばかりのような者たちにも劣る。
そんなイオだけに、ドレミナの領主が確保しようと思えば難しい話ではない。
……イオ本人はその件については今のところ全く考えておらず、領主が無能な人物でなくてよかったとしか思っていないが。
「それにしても……何だかんだと杖は随分確保出来たみたいね」
不意にソフィアが話題を変え、イオはあっさりとそれに乗る。
「ゴブリンメイジが結構いたみたいですからね。もしかしたら中にはもっと上位種もいたかもしれませんけど。死体が滅茶苦茶になっていて、ギュンターさんでもその辺が分からなかったみたいです。つまり、魔法を使っても一度の使用で壊れるかどうかは分からないんですよ」
ゴブリンメイジよりも上位の魔法使いのゴブリンが使っていた杖なら、もしかしたらイオが流星魔法を使っても杖が壊れない……砕けないかもしれない。
しかし、杖を見ただけでそれがどれだけの物なのかというのは、イオには分からないのだ。
(アイテムボックスもそうだけど、鑑定とかのスキルがあれば、こういう苦労はなかったんだけどな)
異世界に転生したり、あるいは今のイオのように転移するといった漫画では、アイテムボックスや鑑定能力というのはある意味で鉄板だった。
だというのに、イオはそんな漫画とは違って得られた特典は流星魔法のみ。
それも正確には水晶によって与えられた特典という訳ではなく、あくまでもイオが流星魔法の素質を持っていたからこそ、その才能を目覚めさせて貰ったのだ。
もしイオに流星魔法の才能の類がなかった場合、本当に何の特典もないままゴブリンが大量に棲息する場所に放り出されていたのだろう。
(とはいえ、日本にいた状態だと流星魔法の才能なんてあっても意味がなかったしな。……まさか日本で流星魔法を使えるとか、そういう可能性もあったのか?)
もし日本で流星魔法を使った場合、それこそ一体どんな騒動になったことか。
それが公になった場合、田舎で暮らし続けるといったような真似は不可能だっただろう。
それこそ公的機関に捕らえられて人体実験をされていたか、あるいは籠の鳥と化していたか。
もしくは、日本政府のことだから唯々諾々と他国に引き渡すといった真似をしていてもおかしくはない。
日本の政治家であるにもかかわらず、日本以外の国に忠誠を誓っていたり、忖度する者が多数おり、そして何故かそのような者に限って政府では強い影響力を持っているのだから。
(うん。流星魔法の才能については日本にいるときに目覚めなくてよかったな。そして目覚めた以上、この世界……剣と魔法のファンタジー世界にやって来たのは、決して間違いじゃない。これは絶対だ)
半ば自分に思い込むようにしながら、それ以上考えるのは止める。
「あら、もういいの?」
イオの考える姿……ある意味で百面相的な様子を見ていたソフィアは笑みを浮かべてそう告げる。
ソフィアにとって、のイオの様子は見ていて面白かったのだろう。
とはいえ、そんな笑みでもイオの視線を惹き付けるような魅力を持つのだから、美人というのは凄いと素直にそう思う。
これでもしイオが男ではなく女であれば、あるいはソフィアの美貌に嫉妬していたかもしれない。
……嫉妬するしない以前に、対抗する意思すら持てなかった可能性も否定は出来ないが。
しかし、幸いなことにイオは男だ。
ソフィアの美貌に目を奪われ、魅力的だと思うことはあれども、嫉妬するといったようなことはない。
「ん、こほん。ドレミナについてですが、何か名物とかありますか?」
ソフィアの美貌に目を奪われていたのを誤魔化すように、イオはそう尋ねる。
とはいえ、ソフィアは人の視線には慣れている。
イオが自分に見惚れていたというのは分かったし、むしろそれならそれでもいいとも思ったのだが、その話に付き合う。
「名物と言われても……この辺り一帯の中では一番栄えている街だから、色々とあるわよ? ただこれといった名物となると……ちょっとないわね。ドレミナを治めているこの領地の隣には闘技場があるらしいけど」
「闘技場ですか。それってやっぱり人と人が戦う?」
これもまた漫画から得た知識ではあったが、そう外れていないだろうと予想する。
予想したのだが……
「人と人以外にも、人と獰猛な動物だったり、モンスターと戦ったりといったようなこともあるわね」
「それは……なるほど」
ソフィアの言葉に驚きつつも、納得するイオ。
実際にイオが見た漫画では、熊や虎、獅子といった動物と戦う闘技場もあれば、ファンタジー世界を舞台にしたものではモンスターと戦うといったようなことも珍しくなかい。
そう考えると、ソフィアの言葉も理解出来た。
「ちなみに、今の言い方だと人から聞いたんじゃなくて、自分でも経験したような感じでしたけど、もしかして……?」
「ええ。以前にちょっとね」
イオの言葉にあっさりと頷くソフィア。
ランクA傭兵団を率いる人物が、一体何故そのようなことになるのか。
その辺りはイオにも分からなかったが、あるいはまだランクの低い傭兵団のときに何かあったのかもしれないと考えながら、これ以上突っ込んだことを聞くと不味いかもしれないと判断し、ただ頷くだけだった。
馬車の移動する速度は、かなり速い。
元々この一団がゴブリンの軍勢に隕石が落ちた結果どうなったのかを見るためにやって来た以上、少しでも早く情報を得る必要があり、黎明の覇者の中でも移動速度の早い者たちで構成されているのだから、それも当然だろう。
(とはいえ、馬以外にもモンスターが多数いるのに、それでも馬と同じ速度で走れるってのは……この辺も黎明の覇者の強みなんだろうな。電撃戦とか言ったっけ?)
イオが思い浮かべたのは、そんな単語。
とはいえ、イオは別に歴史についてはそこまで詳しい訳ではないので、電撃戦についても高い機動力を使って一気に敵の重要拠点を攻略するといったような、大雑把なものしか分からなかった。
「さっきからずっと窓の外を見てるけど、面白い?」
イオは聞こえてきたソフィアの声に視線を向けると、頷く。
「そうですね。この辺りについては何も知らないので、そういう意味ではちょっと面白いと思います」
「そういうものかしら。……とはいえ、まずはこれからのことについてよ。まず大前提として、私たちが現在向かっているドレミナという街は、ホルスト王国という国に所属しているわ。ちなみに一応聞くけど、ホルスト王国という名前に聞き覚えは?」
尋ねるソフィアに、イオは首を横に振る。
日本からこの世界に転移してきて、その場所がゴブリンが大量にいた山だったのだ。
そうである以上、現在自分のいる場所がどこなのか……どのような国なのかというのは、当然ながら分からない。
「そう」
イオがホルスト王国という名前を知らないと言っても、ソフィアは特に気にした様子はなく、小さく呟くだけだ。
てっきりまた自分の秘密について追及されるのかと思っていたイオは、安堵しながらも少しだけ疑問に思う。
それでもここでその辺を突くような真似をした場合、それなら……とまた自分の過去について追及されるとことは避けたかったので、特に何かを言うようなことはなかったが。
「イオは知らないみたいだけど、この辺りはホルスト王国なのよ。で、この辺り一帯を治めている貴族が住んでいるのが、これから私たちが向かうドレミナね」
「え? じゃあ……その、ドレミナ以外の村や街も、その貴族が治めているってことですか?」
「そうね」
イオの言葉にあっさりと頷くソフィア。
だが、イオはそんなソフィアの言葉に驚く。
「それって、つまり……ドレミナという街だけを守って、他の村や街を見捨てたってことですか?」
「そうなるわね。イオには自覚がないかもしれないけど、あのゴブリンの軍勢はかなり厄介な相手だったわ。そんなゴブリンの軍勢によってドレミナが襲撃されて守り切るようなことが出来なかった場合、それこそ最悪の結果になるのは間違いないわ」
「それは……まぁ、そうでしょうけど」
この辺り一帯を治めている貴族の屋敷がドレミナにあるということは、当然ながらそこに貴族が住んでいるということになる。
そんな中でドレミナがゴブリンの軍勢に滅ぼされた場合、この辺り一帯を統治する者がいなくなってしまう。
実際にはドレミナの貴族も最後まで戦うような真似をせず、いざとなったら逃げ出したりするのだろうが。
(貴族をそこまでして守るか。いやまぁ、漫画とかでそういうのは見たことがあったけど。それだと周辺の街や村の住人はたまったものじゃないよな)
一番重要な場所に戦力を集中させる。
そう表現すれば、それは決して悪い話ではないだろう。
しかし、それをやるために犠牲になる周辺の村や街の住人にしてみれば、とてもではないが喜んではいられない。
「言っておくけど、ドレミナの領主は自分の命惜しさだけでそういう真似をした訳じゃないわよ? さっきも言ったと思うけど、ゴブリンの軍勢が一番狙う可能性が高かったのはドレミナなんだから」
「つまり、意味もなく周囲の村や街を見捨てた訳じゃない、と?」
「そうね。それに相手はゴブリンよ。率いている上位種はともかく、それ以外の普通のゴブリンは少しでも大きい場所を狙って動くでしょうね」
それはつまり、ドレミナに戦力を集中させることで、ゴブリンの軍勢を自分たちに惹き付け、一網打尽にしようとしていたということを意味している。
ソフィアの説明を聞き、イオは少しだけ安堵した。
自分がこれからどうなるのかは、まだ正直なところ分からない。
分からないものの、取りあえず活動するのはドレミナでということになるのは間違いないのだ。
自分の活動する場所の領主が無能であった場合、いつ何が原因で自分が被害を受けるのか分からない。
もっとも、有能であればそれはまた別の意味でイオが面倒に巻き込まれる。
一度の魔法でゴブリンの軍勢を壊滅させる、言ってみれば戦略兵器的な存在が現在のイオだ。
ましてや強力な魔法使いではあるが、あくまでも魔法に特化した存在で、近接戦闘という点ではその辺の傭兵になったばかりのような者たちにも劣る。
そんなイオだけに、ドレミナの領主が確保しようと思えば難しい話ではない。
……イオ本人はその件については今のところ全く考えておらず、領主が無能な人物でなくてよかったとしか思っていないが。
「それにしても……何だかんだと杖は随分確保出来たみたいね」
不意にソフィアが話題を変え、イオはあっさりとそれに乗る。
「ゴブリンメイジが結構いたみたいですからね。もしかしたら中にはもっと上位種もいたかもしれませんけど。死体が滅茶苦茶になっていて、ギュンターさんでもその辺が分からなかったみたいです。つまり、魔法を使っても一度の使用で壊れるかどうかは分からないんですよ」
ゴブリンメイジよりも上位の魔法使いのゴブリンが使っていた杖なら、もしかしたらイオが流星魔法を使っても杖が壊れない……砕けないかもしれない。
しかし、杖を見ただけでそれがどれだけの物なのかというのは、イオには分からないのだ。
(アイテムボックスもそうだけど、鑑定とかのスキルがあれば、こういう苦労はなかったんだけどな)
異世界に転生したり、あるいは今のイオのように転移するといった漫画では、アイテムボックスや鑑定能力というのはある意味で鉄板だった。
だというのに、イオはそんな漫画とは違って得られた特典は流星魔法のみ。
それも正確には水晶によって与えられた特典という訳ではなく、あくまでもイオが流星魔法の素質を持っていたからこそ、その才能を目覚めさせて貰ったのだ。
もしイオに流星魔法の才能の類がなかった場合、本当に何の特典もないままゴブリンが大量に棲息する場所に放り出されていたのだろう。
(とはいえ、日本にいた状態だと流星魔法の才能なんてあっても意味がなかったしな。……まさか日本で流星魔法を使えるとか、そういう可能性もあったのか?)
もし日本で流星魔法を使った場合、それこそ一体どんな騒動になったことか。
それが公になった場合、田舎で暮らし続けるといったような真似は不可能だっただろう。
それこそ公的機関に捕らえられて人体実験をされていたか、あるいは籠の鳥と化していたか。
もしくは、日本政府のことだから唯々諾々と他国に引き渡すといった真似をしていてもおかしくはない。
日本の政治家であるにもかかわらず、日本以外の国に忠誠を誓っていたり、忖度する者が多数おり、そして何故かそのような者に限って政府では強い影響力を持っているのだから。
(うん。流星魔法の才能については日本にいるときに目覚めなくてよかったな。そして目覚めた以上、この世界……剣と魔法のファンタジー世界にやって来たのは、決して間違いじゃない。これは絶対だ)
半ば自分に思い込むようにしながら、それ以上考えるのは止める。
「あら、もういいの?」
イオの考える姿……ある意味で百面相的な様子を見ていたソフィアは笑みを浮かべてそう告げる。
ソフィアにとって、のイオの様子は見ていて面白かったのだろう。
とはいえ、そんな笑みでもイオの視線を惹き付けるような魅力を持つのだから、美人というのは凄いと素直にそう思う。
これでもしイオが男ではなく女であれば、あるいはソフィアの美貌に嫉妬していたかもしれない。
……嫉妬するしない以前に、対抗する意思すら持てなかった可能性も否定は出来ないが。
しかし、幸いなことにイオは男だ。
ソフィアの美貌に目を奪われ、魅力的だと思うことはあれども、嫉妬するといったようなことはない。
「ん、こほん。ドレミナについてですが、何か名物とかありますか?」
ソフィアの美貌に目を奪われていたのを誤魔化すように、イオはそう尋ねる。
とはいえ、ソフィアは人の視線には慣れている。
イオが自分に見惚れていたというのは分かったし、むしろそれならそれでもいいとも思ったのだが、その話に付き合う。
「名物と言われても……この辺り一帯の中では一番栄えている街だから、色々とあるわよ? ただこれといった名物となると……ちょっとないわね。ドレミナを治めているこの領地の隣には闘技場があるらしいけど」
「闘技場ですか。それってやっぱり人と人が戦う?」
これもまた漫画から得た知識ではあったが、そう外れていないだろうと予想する。
予想したのだが……
「人と人以外にも、人と獰猛な動物だったり、モンスターと戦ったりといったようなこともあるわね」
「それは……なるほど」
ソフィアの言葉に驚きつつも、納得するイオ。
実際にイオが見た漫画では、熊や虎、獅子といった動物と戦う闘技場もあれば、ファンタジー世界を舞台にしたものではモンスターと戦うといったようなことも珍しくなかい。
そう考えると、ソフィアの言葉も理解出来た。
「ちなみに、今の言い方だと人から聞いたんじゃなくて、自分でも経験したような感じでしたけど、もしかして……?」
「ええ。以前にちょっとね」
イオの言葉にあっさりと頷くソフィア。
ランクA傭兵団を率いる人物が、一体何故そのようなことになるのか。
その辺りはイオにも分からなかったが、あるいはまだランクの低い傭兵団のときに何かあったのかもしれないと考えながら、これ以上突っ込んだことを聞くと不味いかもしれないと判断し、ただ頷くだけだった。
10
あなたにおすすめの小説
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~
雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。
左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。
この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。
しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。
彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。
その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。
遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。
様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。
桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
母を訪ねて十万里
サクラ近衛将監
ファンタジー
エルフ族の母と人族の父の第二子であるハーフとして生まれたマルコは、三歳の折に誘拐され、数奇な運命を辿りつつ遠く離れた異大陸にまで流れてきたが、6歳の折に自分が転生者であることと六つもの前世を思い出し、同時にその経験・知識・技量を全て引き継ぐことになる。
この物語は、故郷を遠く離れた主人公が故郷に帰還するために辿った道のりの冒険譚です。
概ね週一(木曜日22時予定)で投稿予定です。
美女エルフの異世界道具屋で宝石職人してます
網野ホウ
ファンタジー
小説家になろうで先行投稿してます。
異世界から飛ばされてきた美しいエルフのセレナ=ミッフィール。彼女がその先で出会った人物は、石の力を見分けることが出来る宝石職人。
宝石職人でありながら法具店の店主の役職に就いている彼の力を借りて、一緒に故郷へ帰還できた彼女は彼と一緒に自分の店を思いつく。
セレナや冒険者である客達に振り回されながらも、その力を大いに発揮して宝石職人として活躍していく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる