58 / 178
異世界へ
0058話
ベヒモスを倒した日の翌日……ベヒモスの解体も大体終わり、貴重であったり高価な素材を馬車に詰め込んでいたのだが、そんな中でルダイナは改めてイオに尋ねる。
「本当にいいのか? ベヒモスの魔石だぞ? この魔石を売れば、それこそ一生遊んで暮らせるだけの金額になる。なのに……」
「構いませんよ。俺がそんな魔石を持っていても使い道はないですし。それに売って金にした場合、それを目当てに狙われる可能性も高くなりそうですから」
ただでさえ、イオは流星魔法の件が知られると人に狙われる可能性が高かった。
そんな中でさらに自分が狙われる可能性が高くなる魔石を貰いたいとは思わない。
このとき、イオが思い浮かべていたのは日本にいたときにTVか何かで見た話。
宝くじで高額の当選をした場合、どこからともなくその情報を得て、寄付して欲しいといったような者、今まで顔を合わせたこともない親友や付き合いの薄かった親戚といった者たちが次々に現れるという。
実際にそれが本当なのかどうかは、イオにも分からない。
だが、一生遊んで暮らせるほどの金額をここで入手した場合、同じようなことになってもおかしくはないと思える。
ましてや、これで実はベヒモスの魔石を入手した者が歴戦の傭兵……それこそ黎明の覇者に所属するような傭兵であればともかく、今のイオは黎明の覇者の客人ではあっても、正式に所属している訳ではない。
いや、あるいは今のイオの状況を思えば、一応今もまだ黎明の覇者の客人という立場ではあるが、ベヒモスを倒す為に二度目の流星魔法を使ってしまった現在、現在の自分がどのような状況なのか分からない。
「イオの考えは分かった。だが……正直、ベヒモスの魔石ほどの話となると、俺がそれをはいそうですかといったように決めることは出来ない。この件は上にどうするか聞いてから決める。だから、今は……一応、イオがベヒモスの魔石の所有者ということにしておいてくれ」
「俺が、ですか? けど……俺がベヒモスの魔石を持っていると、すぐに奪われてしまいかねませんよ?」
イオは戦闘そのものはほとんど素人同然だ。
そんなイオの唯一にして最大の攻撃方法が流星魔法なのだが、その流星魔法も現在はベヒモスに使ったときに杖が砕けてしまっている。
杖がなければ魔法は使えない。
もし今のイオを倒そうと思えば、ここにいる黎明の覇者の傭兵たちどころか、少し戦い慣れした傭兵を一人連れてくれば、それで終わる。
そんな状況でベヒモスの魔石を持っているのは落ち着かないし、金に換えるなどといった真似は自殺行為でしかない。
だからこそ、今の状況を思えばイオが魔石を持つというの論外だった。
改めてそう説明すると、ルダイナはその言葉に完全に納得した訳ではないだろうが、頷く。
そしてさらに何かを言おうとしたところで……
「ルダイナさん、遠くに土煙です! 多分こっちに向かっている連中がいます!」
と、不意にそんな叫び声が聞こえる。
「何っ、もうか!? くそ、予想していたよりも早いな。素材の積み込みはどうなっている!」
「まだ半分ちょっとってところです!」
これでも、昨日のうちからある程度は素材の積み込みは行っていたのだが、それでもまだ半分程度でしかない。
馬車を満杯にするまでとなると、その作業の途中でこちらに近付いてきている相手がここに到着する方が早いのは明らかだ。
(どうする?)
ルダイナは迷う。
もし近付いて来るのが自分たちよりも弱い相手なら、迎撃してしまえばいい。
自分たちは黎明の覇者の見習いではあるが、それでも他の傭兵団なら即戦力となるだけの実力は持っているのだから。
そうすれば、ベヒモスの素材をより多く持ち出せるのは間違いない。
だが……近付いて来るのが自分たちよりも強い相手ならどうするか。
それこそ最悪の場合、ベヒモスの素材を全て奪われ、さらには流星魔法を使うイオも奪われる。
そんなことになるよりも前に、逃げるべきか。
それとも戦うべきか。
今ここにいるルダイナはそんな風に迷い……
「ちょ……ルダイナさん! 近付いて来る連中、尋常じゃないくらいの速度が出てます!」
「何!? ちっ、しょうがない。こうなったら、すぐにでも撤退を……」
「待って下さい!」
そんな中、不意に叫んだのはイオ。
一体この状態で何を言う?
そんな疑問の視線を、ルダイナ……だけではなく、他の者たちからも向けられる。
しかしそんな視線を向けられたイオは、何の証拠もないのに何故か確信を持って呟く。
「あれ……多分ですけど、ソフィアさんたちだと思います。この感覚、ゴブリンの軍勢を倒したときにソフィアさんたちが近付いてきたときと同じです」
何故そのようなことが分かるかは、口にしたイオ本人も分からない。
分からないが、それでも何故かそう理解出来てしまったのだ。
「団長たちだちと? ……それは本当か?」
ルダイナは急激に近付いて来る土煙を前に、そう呟く。
ルダイナの視力でも、近付いて来るのがソフィアたちなのかどうかというのは、分からない。
しかし、それを口にしたのはイオだ。
昨日見せた流星魔法の影響もあって、近付いて来るのがソフィアっであるという言葉にある程度ではあるが説得力を与えていた。
もしこれが、流星魔法を使う前ならルダイナも……いや、話を聞いている誰もがイオの言葉を信じるといったような真似はしなかっただろう。
そのような、聞く者によっては一種の世迷い言と言っても間違いではないようなそんな言葉ですら、信じさせるような説得力が今のイオの言葉にはあった。
そんなイオの言葉に真っ先に反対しそうなのはドラインなのだが、そのドラインもイオの流星魔法を見たあとでは、もしかしたら……と、そう考えてしまう。
「どうします、ルダイナさん。待ちますか? それとも逃げますか?」
傭兵の一人が、ルダイナにどうするのか尋ねる。
今の状況を思えば、ルダイナがどう判断しても仕方がないと、そう思っているのだろう。
それが分かるだけに、ルダイナもどのように反応すればいいのかを迷う。
今この状況で、何を口にするべきか。
イオの言葉を信じて、ソフィアだと考えてこの場で待つか。
それともイオの言葉を世迷い言と判断して、さっさとこの場から逃げるか。
そうして迷っている中……不意に、レックスが口を開く。
「イオさんを信じてみませんか? イオさんの力は昨日見たはずです。それを考えれば、イオさんの言葉を信じてもいいと思いますけど」
何人かは、レックスの言葉に不満の視線を向ける。
レックスはまだ黎明の覇者に所属したばかりだ。
それも、黎明の覇者の所属するだけの能力を持っている訳ではなく、客人という立場にあるイオの推薦によって。
……実際には、ギュンターがレックスはそれなりに期待出来る人材であると認識し、それによって黎明の覇者に所属することを許されたのだが……生憎と、そこまでの事情を知っている者はいなかった。
「おい、まだ黎明の覇者に入ったばかりの奴は偉そうに口を出すんじゃない」
傭兵の一人が、レックスに向かって不愉快そうに言う。
それに対して、レックスは申し訳ありませんと頭を下げ、それ以上は何も言わない。
しかし、そんな今のやり取りがルダイナにとっても決断を迫るには十分だった。
「そうだな。昨日見たイオの力を考えると、それを信じてもいいか」
ルダイナの呟きを聞いた傭兵の一人が、落ち着いた様子で尋ねる。
「じゃあ、ここで待つんですか?」
「そうだ。ただし、何もしないで待つ訳じゃない。もし近付いて来るの団長たちでなければ……そしてベヒモスやイオの身柄を寄越せと言われた場合は、戦ってでも守り抜く」
イオを守るという言葉に、ドラインは面白くなさそうな表情を浮かべたが、反対意見を口には出さない。
もしここでドラインがそのようなことを言った場合、間違いなく面倒なことになるだろうと、そうドラインも思ったからだ。
誰かが近付いて来るなどといったことがない状態なら、あるいはここでドラインもここで不満を口にしていた可能性がある。
しかし、今この状況でそのような真似をした場合、近付いてくる相手に対処する余裕がなくなってしまう。
ドラインは、イオが言ってるように近付いて来る相手がソフィアだとは思っていない。
この距離でソフィアだと言われても、一体どのような理由で信じることが出来るというのか。
それでも何故かルダイナはそんなイオの言葉を信じており、他の者たちも流星魔法のような強力な魔法を使えるのなら、もしかして……? と、そう思っていた。
ドラインにはそんな者たちの様子が信じられなかったものの、他の者たちがそのようにしている以上、このまま自分だけで逃げるといった真似が出来ないのだから、やってくる相手が敵で、しかも自分たちよりも弱い相手であることを願うしかない。
いっそイオなどいう存在は渡してしまった方がいいのでは? と、そんな風に思わないこともなかったのだが。
だが、すぐにドラインは首を横に降る。
(イオは気にくわない奴だが、それでもあの流星魔法だったか? あれは黎明の覇者の役に立つ。杖が壊れるとか、イオが魔法以外は無能だとか、欠点は多いがな)
ドラインはイオのことは気にくわない。
元々相性が悪いというのもあるし、ベヒモスと遭遇したときにイオなら相手を倒せるというのに、実際には勿体ぶって他の者たちを危機に晒した。
もしイオが最初からベヒモスを倒していれば、自分たちがベヒモスに追われて命の危機を感じる必要もなかったのだ。
それを思えば、やはりイオのことは決して許せる相手ではない。
相手ではないが、それでもイオの流星魔法というのが黎明の覇者にとってどれだけの利益になるのかを考えれば、気にくわないまでも自分の気持ちを表には出さない方がいい。
……実際には、こうして一緒に行動している者の多くはダイラスがイオを気にくわないというのは知っているのだが。
ともあれ、近付いてきた敵と戦う準備をしていると……
「え?」
ドラインの口から間の抜けた声が上がる。
何故なら、近付いてきた者たちはソフィア率いる黎明の覇者だったのだから。
「本当にいいのか? ベヒモスの魔石だぞ? この魔石を売れば、それこそ一生遊んで暮らせるだけの金額になる。なのに……」
「構いませんよ。俺がそんな魔石を持っていても使い道はないですし。それに売って金にした場合、それを目当てに狙われる可能性も高くなりそうですから」
ただでさえ、イオは流星魔法の件が知られると人に狙われる可能性が高かった。
そんな中でさらに自分が狙われる可能性が高くなる魔石を貰いたいとは思わない。
このとき、イオが思い浮かべていたのは日本にいたときにTVか何かで見た話。
宝くじで高額の当選をした場合、どこからともなくその情報を得て、寄付して欲しいといったような者、今まで顔を合わせたこともない親友や付き合いの薄かった親戚といった者たちが次々に現れるという。
実際にそれが本当なのかどうかは、イオにも分からない。
だが、一生遊んで暮らせるほどの金額をここで入手した場合、同じようなことになってもおかしくはないと思える。
ましてや、これで実はベヒモスの魔石を入手した者が歴戦の傭兵……それこそ黎明の覇者に所属するような傭兵であればともかく、今のイオは黎明の覇者の客人ではあっても、正式に所属している訳ではない。
いや、あるいは今のイオの状況を思えば、一応今もまだ黎明の覇者の客人という立場ではあるが、ベヒモスを倒す為に二度目の流星魔法を使ってしまった現在、現在の自分がどのような状況なのか分からない。
「イオの考えは分かった。だが……正直、ベヒモスの魔石ほどの話となると、俺がそれをはいそうですかといったように決めることは出来ない。この件は上にどうするか聞いてから決める。だから、今は……一応、イオがベヒモスの魔石の所有者ということにしておいてくれ」
「俺が、ですか? けど……俺がベヒモスの魔石を持っていると、すぐに奪われてしまいかねませんよ?」
イオは戦闘そのものはほとんど素人同然だ。
そんなイオの唯一にして最大の攻撃方法が流星魔法なのだが、その流星魔法も現在はベヒモスに使ったときに杖が砕けてしまっている。
杖がなければ魔法は使えない。
もし今のイオを倒そうと思えば、ここにいる黎明の覇者の傭兵たちどころか、少し戦い慣れした傭兵を一人連れてくれば、それで終わる。
そんな状況でベヒモスの魔石を持っているのは落ち着かないし、金に換えるなどといった真似は自殺行為でしかない。
だからこそ、今の状況を思えばイオが魔石を持つというの論外だった。
改めてそう説明すると、ルダイナはその言葉に完全に納得した訳ではないだろうが、頷く。
そしてさらに何かを言おうとしたところで……
「ルダイナさん、遠くに土煙です! 多分こっちに向かっている連中がいます!」
と、不意にそんな叫び声が聞こえる。
「何っ、もうか!? くそ、予想していたよりも早いな。素材の積み込みはどうなっている!」
「まだ半分ちょっとってところです!」
これでも、昨日のうちからある程度は素材の積み込みは行っていたのだが、それでもまだ半分程度でしかない。
馬車を満杯にするまでとなると、その作業の途中でこちらに近付いてきている相手がここに到着する方が早いのは明らかだ。
(どうする?)
ルダイナは迷う。
もし近付いて来るのが自分たちよりも弱い相手なら、迎撃してしまえばいい。
自分たちは黎明の覇者の見習いではあるが、それでも他の傭兵団なら即戦力となるだけの実力は持っているのだから。
そうすれば、ベヒモスの素材をより多く持ち出せるのは間違いない。
だが……近付いて来るのが自分たちよりも強い相手ならどうするか。
それこそ最悪の場合、ベヒモスの素材を全て奪われ、さらには流星魔法を使うイオも奪われる。
そんなことになるよりも前に、逃げるべきか。
それとも戦うべきか。
今ここにいるルダイナはそんな風に迷い……
「ちょ……ルダイナさん! 近付いて来る連中、尋常じゃないくらいの速度が出てます!」
「何!? ちっ、しょうがない。こうなったら、すぐにでも撤退を……」
「待って下さい!」
そんな中、不意に叫んだのはイオ。
一体この状態で何を言う?
そんな疑問の視線を、ルダイナ……だけではなく、他の者たちからも向けられる。
しかしそんな視線を向けられたイオは、何の証拠もないのに何故か確信を持って呟く。
「あれ……多分ですけど、ソフィアさんたちだと思います。この感覚、ゴブリンの軍勢を倒したときにソフィアさんたちが近付いてきたときと同じです」
何故そのようなことが分かるかは、口にしたイオ本人も分からない。
分からないが、それでも何故かそう理解出来てしまったのだ。
「団長たちだちと? ……それは本当か?」
ルダイナは急激に近付いて来る土煙を前に、そう呟く。
ルダイナの視力でも、近付いて来るのがソフィアたちなのかどうかというのは、分からない。
しかし、それを口にしたのはイオだ。
昨日見せた流星魔法の影響もあって、近付いて来るのがソフィアっであるという言葉にある程度ではあるが説得力を与えていた。
もしこれが、流星魔法を使う前ならルダイナも……いや、話を聞いている誰もがイオの言葉を信じるといったような真似はしなかっただろう。
そのような、聞く者によっては一種の世迷い言と言っても間違いではないようなそんな言葉ですら、信じさせるような説得力が今のイオの言葉にはあった。
そんなイオの言葉に真っ先に反対しそうなのはドラインなのだが、そのドラインもイオの流星魔法を見たあとでは、もしかしたら……と、そう考えてしまう。
「どうします、ルダイナさん。待ちますか? それとも逃げますか?」
傭兵の一人が、ルダイナにどうするのか尋ねる。
今の状況を思えば、ルダイナがどう判断しても仕方がないと、そう思っているのだろう。
それが分かるだけに、ルダイナもどのように反応すればいいのかを迷う。
今この状況で、何を口にするべきか。
イオの言葉を信じて、ソフィアだと考えてこの場で待つか。
それともイオの言葉を世迷い言と判断して、さっさとこの場から逃げるか。
そうして迷っている中……不意に、レックスが口を開く。
「イオさんを信じてみませんか? イオさんの力は昨日見たはずです。それを考えれば、イオさんの言葉を信じてもいいと思いますけど」
何人かは、レックスの言葉に不満の視線を向ける。
レックスはまだ黎明の覇者に所属したばかりだ。
それも、黎明の覇者の所属するだけの能力を持っている訳ではなく、客人という立場にあるイオの推薦によって。
……実際には、ギュンターがレックスはそれなりに期待出来る人材であると認識し、それによって黎明の覇者に所属することを許されたのだが……生憎と、そこまでの事情を知っている者はいなかった。
「おい、まだ黎明の覇者に入ったばかりの奴は偉そうに口を出すんじゃない」
傭兵の一人が、レックスに向かって不愉快そうに言う。
それに対して、レックスは申し訳ありませんと頭を下げ、それ以上は何も言わない。
しかし、そんな今のやり取りがルダイナにとっても決断を迫るには十分だった。
「そうだな。昨日見たイオの力を考えると、それを信じてもいいか」
ルダイナの呟きを聞いた傭兵の一人が、落ち着いた様子で尋ねる。
「じゃあ、ここで待つんですか?」
「そうだ。ただし、何もしないで待つ訳じゃない。もし近付いて来るの団長たちでなければ……そしてベヒモスやイオの身柄を寄越せと言われた場合は、戦ってでも守り抜く」
イオを守るという言葉に、ドラインは面白くなさそうな表情を浮かべたが、反対意見を口には出さない。
もしここでドラインがそのようなことを言った場合、間違いなく面倒なことになるだろうと、そうドラインも思ったからだ。
誰かが近付いて来るなどといったことがない状態なら、あるいはここでドラインもここで不満を口にしていた可能性がある。
しかし、今この状況でそのような真似をした場合、近付いてくる相手に対処する余裕がなくなってしまう。
ドラインは、イオが言ってるように近付いて来る相手がソフィアだとは思っていない。
この距離でソフィアだと言われても、一体どのような理由で信じることが出来るというのか。
それでも何故かルダイナはそんなイオの言葉を信じており、他の者たちも流星魔法のような強力な魔法を使えるのなら、もしかして……? と、そう思っていた。
ドラインにはそんな者たちの様子が信じられなかったものの、他の者たちがそのようにしている以上、このまま自分だけで逃げるといった真似が出来ないのだから、やってくる相手が敵で、しかも自分たちよりも弱い相手であることを願うしかない。
いっそイオなどいう存在は渡してしまった方がいいのでは? と、そんな風に思わないこともなかったのだが。
だが、すぐにドラインは首を横に降る。
(イオは気にくわない奴だが、それでもあの流星魔法だったか? あれは黎明の覇者の役に立つ。杖が壊れるとか、イオが魔法以外は無能だとか、欠点は多いがな)
ドラインはイオのことは気にくわない。
元々相性が悪いというのもあるし、ベヒモスと遭遇したときにイオなら相手を倒せるというのに、実際には勿体ぶって他の者たちを危機に晒した。
もしイオが最初からベヒモスを倒していれば、自分たちがベヒモスに追われて命の危機を感じる必要もなかったのだ。
それを思えば、やはりイオのことは決して許せる相手ではない。
相手ではないが、それでもイオの流星魔法というのが黎明の覇者にとってどれだけの利益になるのかを考えれば、気にくわないまでも自分の気持ちを表には出さない方がいい。
……実際には、こうして一緒に行動している者の多くはダイラスがイオを気にくわないというのは知っているのだが。
ともあれ、近付いてきた敵と戦う準備をしていると……
「え?」
ドラインの口から間の抜けた声が上がる。
何故なら、近付いてきた者たちはソフィア率いる黎明の覇者だったのだから。
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。