60 / 178
異世界へ
0060話
しおりを挟む
ソフィアの指示が出ると、当然のようにその場にいる者の多くが動き出した。
……その中にはドラインのようにイオのことを面白くないと思っている者もいる。
しかし、ルダイナには大きく不満を口にしたドラインであっても、黎明の覇者の団長として……そして同時に象徴とも呼ぶべきソフィアに不満を言うような真似は出来ない。
そもそもの話、ドラインは黎明の覇者に所属している傭兵ではあるが、黎明の覇者の中ではまだ見習いでしかないのも事実。
他の傭兵団では即戦力となるだけの実力は持つが、それでも黎明の覇者の中では見習いでしかない。
そうである以上、見習いのドラインがソフィアに不満を言うようなことは出来なかった。
「まずは、ベヒモスの素材を出来るだけ詰め込んでくれ。骨も黎明の覇者で確保するから、忘れるなよ」
ギュンターの指示に従い、多くの者が急いで行動する。
ソフィアが率いる黎明の覇者は他の部隊を置き去りにしてここにやって来たが、それでももう少し時間が経てば他の部隊がここに到着するだろう。
そのような者たちが来るよりも前に、今の状況で出来ることは可能な限り行っておく必要がある。
「えっと、それで……俺は向こうを手伝わなくてもいいんですか?」
そんなベヒモスの素材の整理であったり、他の部隊が来たときの準備をしている者が多数の中、イオは何故かソフィアと共に馬車の中にいた。
「ええ、構わないわ。まずはここで何が起きたのかをしっかりと聞く必要があるもの」
「大体ルダイナさんが言った通りで、特に問題はないと思いますけど。ベヒモスとの戦い……というのはどうかと思いますけど、とにかく襲ってきたベヒモスを流星魔法で倒しただけですね。……その結果として、杖がなくってしまいましたが」
杖をなくしたというのは、イオにとっては痛い。
そんなイオの言葉を聞いて、ソフィアはマジックバッグの中から一本の杖を出す。
「一応、これを渡しておくわね。これはイオから預かっていたゴブリンメイジの杖だから、イオの物よ」
「ありがとうございます」
イオとしては、杖を手にしたのは非常に助かる。
これでまた、何かあったら流星魔法を使うことが出来るようになったのだから。
ベヒモスですら、一撃で殺せる威力を持つ流星魔法。
それをいつでも使えるというのは、これからソフィアが行うだろうことについて、これ以上ない力となるだろう。
イオもその辺については薄々理解していたものの、一体どのような相手が来るのかが少し気になる。
「それで、ここで俺たちは他の部隊が来るのを待つんですか?」
「ベヒモスの素材をどうにか出来て、それでもまだ誰も来なければここにいる必要はないわね。その可能性はまずないけど」
「……そうなってくれたら嬉しいんですけどね」
イオもまた、黎明の覇者がどれだけの強さを持っているのかは十分に理解している。
理解はしているが、だからといって黎明の覇者が最強だとも思えない。
世の中には黎明の覇者と同じランクA傭兵団は他にもあるし、聞いた話によるとランクAよりさらに上位のランクS傭兵団というのもあるらしい。
もちろん、ランクA傭兵団ですらかなり希少な存在である以上、ランクS傭兵団はそれよりもさらに少ない。
また、傭兵団以外にもその地を治めている貴族の有する戦力もある。
こちらも弱い軍隊……あるいは騎士団も多いが、中には精強と言われる者たちもいる。
それ以外にも、何とかしてベヒモスの素材やイオを手に入れようとする者は多数いるだろう。
弱い相手であっても、数を揃えれば厄介なことになるのは間違いない。
(とはいえ、俺としてはそういう連中に連れ去られるよりは、黎明の覇者にいた方が色々とやりやすいんだよな。ソフィアさんたちは十分以上に俺に気を遣ってくれてるし)
下手な相手に捕まるよりは、やはり黎明の覇者にいるのが最善なのだろうというのは理解出来る。
「それで、ベヒモスとの戦いだけど……流星魔法の効果はゴブリンの軍勢のときと比べると、かなり効果範囲が狭かったようね」
ゴブリンの軍勢に使われた流星魔法の効果範囲は、かなり広かった。
だというのに、ベヒモスに使われた流星魔法の効果範囲はかなり小さい。
それはつまり、イオがゴブリンの軍勢に向かって使ったのとは全く違う流星魔法を使ったとソフィアが認識するのは当然だろう。
「その辺は、流星魔法を使う際に詠唱を変えて効果範囲を変えたので」
「……随分と高度な真似が出来るのね」
イオの口から出て来た言葉は、ソフィアにとっても驚くには十分な内容だった。
ソフィアとは違ってイオは流星魔法を使えるものの、魔法そのものに対してはそこまで詳しい訳ではない。
「そうですか? 上手くいくかどうかは分かりませんでしたが、それでも最終的には成功したようで何よりです」
「ベヒモス……ね。それにしても、一体何故ベヒモスが出て来たのかしら。イオは何かその理由が分からない?」
「いえ、そう言われても……俺はこの辺りについては全く詳しくないんですよ? そうである以上、何故ここにベヒモスが出て来たのかは、全く分かりませんよ」
そう言いながらも、イオにとってもしかして? と思わないでもない。
イオがこの世界に転移してから、まだそこまで時間が経っていない。
そうである以上、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、今回イオの流星魔法で死んだベヒモスも、イオがこの世界に転移した影響でやってきたという可能性も否定出来なかった。
「あら、どうしたの? 何か思いつくようなことがあったのかしら?」
「そんなことはないですよ。今の状況を考えると、何でベヒモスがやって来たのかは分からないです。恐らく別の場所から偶然やって来たベヒモスがここ来たんじゃないかと」
イオのその言葉に、黄金の髪を弄りながらソフィアは考えを纏めていく。
ソフィアにしてみれば、ベヒモスがここにいるのは何らかの理由があってのことだろうと思う。
普通に考えれば、やはりイオがベヒモスに関係しているとは思えない。
しかし、それでも今の状況を考えるとそのような可能性もあるのではないかと、そう思えてしまうのだ。
「そう、ね。……やっぱり普通に考えればそうなるんでしょうけど。でも、今の状況を考えるとちょっと疑問があるのも間違いないのよね」
ソフィアのその言葉に、イオはだろうなと同意する。
イオが知ってる限りでは、ドレミナ周辺というのは山があってモンスターもそれなりにいるが、だからといってゴブリンの軍勢や……ましてやベヒモスのような災厄に近い存在がいるような場所ではない。
普通に考えれば、そのような高ランクモンスターというのはもっと別の……そのようなモンスターばかりが集まっているような場所であったり、あるいは人の手の入っていないような場所にいるのだ。
それがこんな場所にいるのだから、もしかしたらイオが自分が何か関係あるのでは? と思ってもおかしくはない。
「まぁ、その件は今はいいわ。あとでしっかりと聞かせて貰うけど。ただ、その前に……流星魔法はまだ使えるのよね?」
「え? あ、はい。杖もソフィアさんから貰いましたし、使おうと思えば使えます」
普通に考えて、ベヒモスを一撃で殺すような魔法を使うには大量の魔力が必要となる。
しかし、流星魔法の素質を持っているイオの場合は、魔力を消費するものの、一撃で倒れるような魔力を消費したりといったようなことはない。
だからこそ、杖があれば流星魔法を何度か続けて使うといったような真似も出来る……と、そうイオは思っていた。
そんなイオの言葉に、ソフィアは小さく頷く。
「なら、いいわ。……今回の一件で具体的にどのくらいの戦力がここに向かって戦力を派遣してるのかは分からないわ。けど、万が一を考えるとそのときに対抗するためには、力を見せつける必要があるわ」
「……力というだけなら、ソフィアさんたちがそれを見せればいいんじゃ?」
「そうね。けど、私たちの力を見せるということは、相手に相応の被害を与えるということを意味しているわ。それに比べると、イオの流星魔法の場合は実際に自分たちに使われなくても、圧倒的な力を見せつけることが出来る」
「それは……まぁ、そうかもしれませんね。ただ、そうなると向こうも余計に退けなくなるかもしれませんよ?」
ここに来る者たちもまた、イオの流星魔法を見て集まって来る者たちだ。
自分の判断で来る者や、上からの指示で来る者といったように様々ではあるものの、それでも今の状況を考えるとやって来た相手の前で実際に流星魔法を使った場合、それを求めてやって来た者たちである以上、迂闊に退くといった真似はしないだろう。
……かといって、流星魔法を間近で見た上でイオを強引に奪おうと考える者も多くはないだろうが。
「とにかく、今はどんな相手が来てもいいように準備を進めておく必要があるわ。そしていざというときは……イオ、貴方の流星魔法を使って相手に現実を、自分が捕らえようとしている相手がどんな存在なのかを知らしめる必要があるわ」
「分かりました。そうなると、最悪の場合は一度だけではなく何度も魔法を使う必要がありますけど、杖は……」
「もちろん、持ってきてるわよ。さっきイオに渡した一本だけではなく、他にも何本か」
「なら、問題ありませんん。……出来れば、あの杖の中にはゴブリンメイジだけではなく、もっと上位種のゴブリンの杖があって欲しいところですけど」
「その辺は、実際に使ってみないと分からないわ。……もしかしたら、中にはとんでもない性能の杖がある可能性も否定出来ないわよ? 可能性は限りなく低いけど」
ゴブリンの軍勢を倒して拾った杖である以上、当然ながらその杖を使っていたのはゴブリンとなる。
ゴブリンメイジの上位種が使っていた可能性もあるが、それでも当然のように杖がそこまで強力というのはあまりない。
今の状況を考えれば、イオもソフィアのその言葉を素直に信じるといった真似は出来ず……ある意味で、当たりつきの棒アイスを食べているような気すらするのだった。
……その中にはドラインのようにイオのことを面白くないと思っている者もいる。
しかし、ルダイナには大きく不満を口にしたドラインであっても、黎明の覇者の団長として……そして同時に象徴とも呼ぶべきソフィアに不満を言うような真似は出来ない。
そもそもの話、ドラインは黎明の覇者に所属している傭兵ではあるが、黎明の覇者の中ではまだ見習いでしかないのも事実。
他の傭兵団では即戦力となるだけの実力は持つが、それでも黎明の覇者の中では見習いでしかない。
そうである以上、見習いのドラインがソフィアに不満を言うようなことは出来なかった。
「まずは、ベヒモスの素材を出来るだけ詰め込んでくれ。骨も黎明の覇者で確保するから、忘れるなよ」
ギュンターの指示に従い、多くの者が急いで行動する。
ソフィアが率いる黎明の覇者は他の部隊を置き去りにしてここにやって来たが、それでももう少し時間が経てば他の部隊がここに到着するだろう。
そのような者たちが来るよりも前に、今の状況で出来ることは可能な限り行っておく必要がある。
「えっと、それで……俺は向こうを手伝わなくてもいいんですか?」
そんなベヒモスの素材の整理であったり、他の部隊が来たときの準備をしている者が多数の中、イオは何故かソフィアと共に馬車の中にいた。
「ええ、構わないわ。まずはここで何が起きたのかをしっかりと聞く必要があるもの」
「大体ルダイナさんが言った通りで、特に問題はないと思いますけど。ベヒモスとの戦い……というのはどうかと思いますけど、とにかく襲ってきたベヒモスを流星魔法で倒しただけですね。……その結果として、杖がなくってしまいましたが」
杖をなくしたというのは、イオにとっては痛い。
そんなイオの言葉を聞いて、ソフィアはマジックバッグの中から一本の杖を出す。
「一応、これを渡しておくわね。これはイオから預かっていたゴブリンメイジの杖だから、イオの物よ」
「ありがとうございます」
イオとしては、杖を手にしたのは非常に助かる。
これでまた、何かあったら流星魔法を使うことが出来るようになったのだから。
ベヒモスですら、一撃で殺せる威力を持つ流星魔法。
それをいつでも使えるというのは、これからソフィアが行うだろうことについて、これ以上ない力となるだろう。
イオもその辺については薄々理解していたものの、一体どのような相手が来るのかが少し気になる。
「それで、ここで俺たちは他の部隊が来るのを待つんですか?」
「ベヒモスの素材をどうにか出来て、それでもまだ誰も来なければここにいる必要はないわね。その可能性はまずないけど」
「……そうなってくれたら嬉しいんですけどね」
イオもまた、黎明の覇者がどれだけの強さを持っているのかは十分に理解している。
理解はしているが、だからといって黎明の覇者が最強だとも思えない。
世の中には黎明の覇者と同じランクA傭兵団は他にもあるし、聞いた話によるとランクAよりさらに上位のランクS傭兵団というのもあるらしい。
もちろん、ランクA傭兵団ですらかなり希少な存在である以上、ランクS傭兵団はそれよりもさらに少ない。
また、傭兵団以外にもその地を治めている貴族の有する戦力もある。
こちらも弱い軍隊……あるいは騎士団も多いが、中には精強と言われる者たちもいる。
それ以外にも、何とかしてベヒモスの素材やイオを手に入れようとする者は多数いるだろう。
弱い相手であっても、数を揃えれば厄介なことになるのは間違いない。
(とはいえ、俺としてはそういう連中に連れ去られるよりは、黎明の覇者にいた方が色々とやりやすいんだよな。ソフィアさんたちは十分以上に俺に気を遣ってくれてるし)
下手な相手に捕まるよりは、やはり黎明の覇者にいるのが最善なのだろうというのは理解出来る。
「それで、ベヒモスとの戦いだけど……流星魔法の効果はゴブリンの軍勢のときと比べると、かなり効果範囲が狭かったようね」
ゴブリンの軍勢に使われた流星魔法の効果範囲は、かなり広かった。
だというのに、ベヒモスに使われた流星魔法の効果範囲はかなり小さい。
それはつまり、イオがゴブリンの軍勢に向かって使ったのとは全く違う流星魔法を使ったとソフィアが認識するのは当然だろう。
「その辺は、流星魔法を使う際に詠唱を変えて効果範囲を変えたので」
「……随分と高度な真似が出来るのね」
イオの口から出て来た言葉は、ソフィアにとっても驚くには十分な内容だった。
ソフィアとは違ってイオは流星魔法を使えるものの、魔法そのものに対してはそこまで詳しい訳ではない。
「そうですか? 上手くいくかどうかは分かりませんでしたが、それでも最終的には成功したようで何よりです」
「ベヒモス……ね。それにしても、一体何故ベヒモスが出て来たのかしら。イオは何かその理由が分からない?」
「いえ、そう言われても……俺はこの辺りについては全く詳しくないんですよ? そうである以上、何故ここにベヒモスが出て来たのかは、全く分かりませんよ」
そう言いながらも、イオにとってもしかして? と思わないでもない。
イオがこの世界に転移してから、まだそこまで時間が経っていない。
そうである以上、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、今回イオの流星魔法で死んだベヒモスも、イオがこの世界に転移した影響でやってきたという可能性も否定出来なかった。
「あら、どうしたの? 何か思いつくようなことがあったのかしら?」
「そんなことはないですよ。今の状況を考えると、何でベヒモスがやって来たのかは分からないです。恐らく別の場所から偶然やって来たベヒモスがここ来たんじゃないかと」
イオのその言葉に、黄金の髪を弄りながらソフィアは考えを纏めていく。
ソフィアにしてみれば、ベヒモスがここにいるのは何らかの理由があってのことだろうと思う。
普通に考えれば、やはりイオがベヒモスに関係しているとは思えない。
しかし、それでも今の状況を考えるとそのような可能性もあるのではないかと、そう思えてしまうのだ。
「そう、ね。……やっぱり普通に考えればそうなるんでしょうけど。でも、今の状況を考えるとちょっと疑問があるのも間違いないのよね」
ソフィアのその言葉に、イオはだろうなと同意する。
イオが知ってる限りでは、ドレミナ周辺というのは山があってモンスターもそれなりにいるが、だからといってゴブリンの軍勢や……ましてやベヒモスのような災厄に近い存在がいるような場所ではない。
普通に考えれば、そのような高ランクモンスターというのはもっと別の……そのようなモンスターばかりが集まっているような場所であったり、あるいは人の手の入っていないような場所にいるのだ。
それがこんな場所にいるのだから、もしかしたらイオが自分が何か関係あるのでは? と思ってもおかしくはない。
「まぁ、その件は今はいいわ。あとでしっかりと聞かせて貰うけど。ただ、その前に……流星魔法はまだ使えるのよね?」
「え? あ、はい。杖もソフィアさんから貰いましたし、使おうと思えば使えます」
普通に考えて、ベヒモスを一撃で殺すような魔法を使うには大量の魔力が必要となる。
しかし、流星魔法の素質を持っているイオの場合は、魔力を消費するものの、一撃で倒れるような魔力を消費したりといったようなことはない。
だからこそ、杖があれば流星魔法を何度か続けて使うといったような真似も出来る……と、そうイオは思っていた。
そんなイオの言葉に、ソフィアは小さく頷く。
「なら、いいわ。……今回の一件で具体的にどのくらいの戦力がここに向かって戦力を派遣してるのかは分からないわ。けど、万が一を考えるとそのときに対抗するためには、力を見せつける必要があるわ」
「……力というだけなら、ソフィアさんたちがそれを見せればいいんじゃ?」
「そうね。けど、私たちの力を見せるということは、相手に相応の被害を与えるということを意味しているわ。それに比べると、イオの流星魔法の場合は実際に自分たちに使われなくても、圧倒的な力を見せつけることが出来る」
「それは……まぁ、そうかもしれませんね。ただ、そうなると向こうも余計に退けなくなるかもしれませんよ?」
ここに来る者たちもまた、イオの流星魔法を見て集まって来る者たちだ。
自分の判断で来る者や、上からの指示で来る者といったように様々ではあるものの、それでも今の状況を考えるとやって来た相手の前で実際に流星魔法を使った場合、それを求めてやって来た者たちである以上、迂闊に退くといった真似はしないだろう。
……かといって、流星魔法を間近で見た上でイオを強引に奪おうと考える者も多くはないだろうが。
「とにかく、今はどんな相手が来てもいいように準備を進めておく必要があるわ。そしていざというときは……イオ、貴方の流星魔法を使って相手に現実を、自分が捕らえようとしている相手がどんな存在なのかを知らしめる必要があるわ」
「分かりました。そうなると、最悪の場合は一度だけではなく何度も魔法を使う必要がありますけど、杖は……」
「もちろん、持ってきてるわよ。さっきイオに渡した一本だけではなく、他にも何本か」
「なら、問題ありませんん。……出来れば、あの杖の中にはゴブリンメイジだけではなく、もっと上位種のゴブリンの杖があって欲しいところですけど」
「その辺は、実際に使ってみないと分からないわ。……もしかしたら、中にはとんでもない性能の杖がある可能性も否定出来ないわよ? 可能性は限りなく低いけど」
ゴブリンの軍勢を倒して拾った杖である以上、当然ながらその杖を使っていたのはゴブリンとなる。
ゴブリンメイジの上位種が使っていた可能性もあるが、それでも当然のように杖がそこまで強力というのはあまりない。
今の状況を考えれば、イオもソフィアのその言葉を素直に信じるといった真似は出来ず……ある意味で、当たりつきの棒アイスを食べているような気すらするのだった。
0
あなたにおすすめの小説
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~
雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。
左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。
この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。
しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。
彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。
その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。
遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。
様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
目つきが悪いと仲間に捨てられてから、魔眼で全てを射貫くまで。
桐山じゃろ
ファンタジー
高校二年生の横伏藤太はある日突然、あまり接点のないクラスメイトと一緒に元いた世界からファンタジーな世界へ召喚された。初めのうちは同じ災難にあった者同士仲良くしていたが、横伏だけが強くならない。召喚した連中から「勇者の再来」と言われている不東に「目つきが怖い上に弱すぎる」という理由で、森で魔物にやられた後、そのまま捨てられた。……こんなところで死んでたまるか! 奮起と同時に意味不明理解不能だったスキル[魔眼]が覚醒し無双モードへ突入。その後は別の国で召喚されていた同じ学校の女の子たちに囲まれて一緒に暮らすことに。一方、捨てた連中はなんだか勝手に酷い目に遭っているようです。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを掲載しています。
【完結】甘やかな聖獣たちは、聖女様がとろけるようにキスをする
楠結衣
恋愛
女子大生の花恋は、いつものように大学に向かう途中、季節外れの鯉のぼりと共に異世界に聖女として召喚される。
ところが花恋を召喚した王様や黒ローブの集団に偽聖女と言われて知らない森に放り出されてしまう。
涙がこぼれてしまうと鯉のぼりがなぜか執事の格好をした三人組みの聖獣に変わり、元の世界に戻るために、一日三回のキスが必要だと言いだして……。
女子大生の花恋と甘やかな聖獣たちが、いちゃいちゃほのぼの逆ハーレムをしながら元の世界に戻るためにちょこっと冒険するおはなし。
◇表紙イラスト/知さま
◇鯉のぼりについては諸説あります。
◇小説家になろうさまでも連載しています。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
母を訪ねて十万里
サクラ近衛将監
ファンタジー
エルフ族の母と人族の父の第二子であるハーフとして生まれたマルコは、三歳の折に誘拐され、数奇な運命を辿りつつ遠く離れた異大陸にまで流れてきたが、6歳の折に自分が転生者であることと六つもの前世を思い出し、同時にその経験・知識・技量を全て引き継ぐことになる。
この物語は、故郷を遠く離れた主人公が故郷に帰還するために辿った道のりの冒険譚です。
概ね週一(木曜日22時予定)で投稿予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる