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異世界へ
0060話
ソフィアの指示が出ると、当然のようにその場にいる者の多くが動き出した。
……その中にはドラインのようにイオのことを面白くないと思っている者もいる。
しかし、ルダイナには大きく不満を口にしたドラインであっても、黎明の覇者の団長として……そして同時に象徴とも呼ぶべきソフィアに不満を言うような真似は出来ない。
そもそもの話、ドラインは黎明の覇者に所属している傭兵ではあるが、黎明の覇者の中ではまだ見習いでしかないのも事実。
他の傭兵団では即戦力となるだけの実力は持つが、それでも黎明の覇者の中では見習いでしかない。
そうである以上、見習いのドラインがソフィアに不満を言うようなことは出来なかった。
「まずは、ベヒモスの素材を出来るだけ詰め込んでくれ。骨も黎明の覇者で確保するから、忘れるなよ」
ギュンターの指示に従い、多くの者が急いで行動する。
ソフィアが率いる黎明の覇者は他の部隊を置き去りにしてここにやって来たが、それでももう少し時間が経てば他の部隊がここに到着するだろう。
そのような者たちが来るよりも前に、今の状況で出来ることは可能な限り行っておく必要がある。
「えっと、それで……俺は向こうを手伝わなくてもいいんですか?」
そんなベヒモスの素材の整理であったり、他の部隊が来たときの準備をしている者が多数の中、イオは何故かソフィアと共に馬車の中にいた。
「ええ、構わないわ。まずはここで何が起きたのかをしっかりと聞く必要があるもの」
「大体ルダイナさんが言った通りで、特に問題はないと思いますけど。ベヒモスとの戦い……というのはどうかと思いますけど、とにかく襲ってきたベヒモスを流星魔法で倒しただけですね。……その結果として、杖がなくってしまいましたが」
杖をなくしたというのは、イオにとっては痛い。
そんなイオの言葉を聞いて、ソフィアはマジックバッグの中から一本の杖を出す。
「一応、これを渡しておくわね。これはイオから預かっていたゴブリンメイジの杖だから、イオの物よ」
「ありがとうございます」
イオとしては、杖を手にしたのは非常に助かる。
これでまた、何かあったら流星魔法を使うことが出来るようになったのだから。
ベヒモスですら、一撃で殺せる威力を持つ流星魔法。
それをいつでも使えるというのは、これからソフィアが行うだろうことについて、これ以上ない力となるだろう。
イオもその辺については薄々理解していたものの、一体どのような相手が来るのかが少し気になる。
「それで、ここで俺たちは他の部隊が来るのを待つんですか?」
「ベヒモスの素材をどうにか出来て、それでもまだ誰も来なければここにいる必要はないわね。その可能性はまずないけど」
「……そうなってくれたら嬉しいんですけどね」
イオもまた、黎明の覇者がどれだけの強さを持っているのかは十分に理解している。
理解はしているが、だからといって黎明の覇者が最強だとも思えない。
世の中には黎明の覇者と同じランクA傭兵団は他にもあるし、聞いた話によるとランクAよりさらに上位のランクS傭兵団というのもあるらしい。
もちろん、ランクA傭兵団ですらかなり希少な存在である以上、ランクS傭兵団はそれよりもさらに少ない。
また、傭兵団以外にもその地を治めている貴族の有する戦力もある。
こちらも弱い軍隊……あるいは騎士団も多いが、中には精強と言われる者たちもいる。
それ以外にも、何とかしてベヒモスの素材やイオを手に入れようとする者は多数いるだろう。
弱い相手であっても、数を揃えれば厄介なことになるのは間違いない。
(とはいえ、俺としてはそういう連中に連れ去られるよりは、黎明の覇者にいた方が色々とやりやすいんだよな。ソフィアさんたちは十分以上に俺に気を遣ってくれてるし)
下手な相手に捕まるよりは、やはり黎明の覇者にいるのが最善なのだろうというのは理解出来る。
「それで、ベヒモスとの戦いだけど……流星魔法の効果はゴブリンの軍勢のときと比べると、かなり効果範囲が狭かったようね」
ゴブリンの軍勢に使われた流星魔法の効果範囲は、かなり広かった。
だというのに、ベヒモスに使われた流星魔法の効果範囲はかなり小さい。
それはつまり、イオがゴブリンの軍勢に向かって使ったのとは全く違う流星魔法を使ったとソフィアが認識するのは当然だろう。
「その辺は、流星魔法を使う際に詠唱を変えて効果範囲を変えたので」
「……随分と高度な真似が出来るのね」
イオの口から出て来た言葉は、ソフィアにとっても驚くには十分な内容だった。
ソフィアとは違ってイオは流星魔法を使えるものの、魔法そのものに対してはそこまで詳しい訳ではない。
「そうですか? 上手くいくかどうかは分かりませんでしたが、それでも最終的には成功したようで何よりです」
「ベヒモス……ね。それにしても、一体何故ベヒモスが出て来たのかしら。イオは何かその理由が分からない?」
「いえ、そう言われても……俺はこの辺りについては全く詳しくないんですよ? そうである以上、何故ここにベヒモスが出て来たのかは、全く分かりませんよ」
そう言いながらも、イオにとってもしかして? と思わないでもない。
イオがこの世界に転移してから、まだそこまで時間が経っていない。
そうである以上、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、今回イオの流星魔法で死んだベヒモスも、イオがこの世界に転移した影響でやってきたという可能性も否定出来なかった。
「あら、どうしたの? 何か思いつくようなことがあったのかしら?」
「そんなことはないですよ。今の状況を考えると、何でベヒモスがやって来たのかは分からないです。恐らく別の場所から偶然やって来たベヒモスがここ来たんじゃないかと」
イオのその言葉に、黄金の髪を弄りながらソフィアは考えを纏めていく。
ソフィアにしてみれば、ベヒモスがここにいるのは何らかの理由があってのことだろうと思う。
普通に考えれば、やはりイオがベヒモスに関係しているとは思えない。
しかし、それでも今の状況を考えるとそのような可能性もあるのではないかと、そう思えてしまうのだ。
「そう、ね。……やっぱり普通に考えればそうなるんでしょうけど。でも、今の状況を考えるとちょっと疑問があるのも間違いないのよね」
ソフィアのその言葉に、イオはだろうなと同意する。
イオが知ってる限りでは、ドレミナ周辺というのは山があってモンスターもそれなりにいるが、だからといってゴブリンの軍勢や……ましてやベヒモスのような災厄に近い存在がいるような場所ではない。
普通に考えれば、そのような高ランクモンスターというのはもっと別の……そのようなモンスターばかりが集まっているような場所であったり、あるいは人の手の入っていないような場所にいるのだ。
それがこんな場所にいるのだから、もしかしたらイオが自分が何か関係あるのでは? と思ってもおかしくはない。
「まぁ、その件は今はいいわ。あとでしっかりと聞かせて貰うけど。ただ、その前に……流星魔法はまだ使えるのよね?」
「え? あ、はい。杖もソフィアさんから貰いましたし、使おうと思えば使えます」
普通に考えて、ベヒモスを一撃で殺すような魔法を使うには大量の魔力が必要となる。
しかし、流星魔法の素質を持っているイオの場合は、魔力を消費するものの、一撃で倒れるような魔力を消費したりといったようなことはない。
だからこそ、杖があれば流星魔法を何度か続けて使うといったような真似も出来る……と、そうイオは思っていた。
そんなイオの言葉に、ソフィアは小さく頷く。
「なら、いいわ。……今回の一件で具体的にどのくらいの戦力がここに向かって戦力を派遣してるのかは分からないわ。けど、万が一を考えるとそのときに対抗するためには、力を見せつける必要があるわ」
「……力というだけなら、ソフィアさんたちがそれを見せればいいんじゃ?」
「そうね。けど、私たちの力を見せるということは、相手に相応の被害を与えるということを意味しているわ。それに比べると、イオの流星魔法の場合は実際に自分たちに使われなくても、圧倒的な力を見せつけることが出来る」
「それは……まぁ、そうかもしれませんね。ただ、そうなると向こうも余計に退けなくなるかもしれませんよ?」
ここに来る者たちもまた、イオの流星魔法を見て集まって来る者たちだ。
自分の判断で来る者や、上からの指示で来る者といったように様々ではあるものの、それでも今の状況を考えるとやって来た相手の前で実際に流星魔法を使った場合、それを求めてやって来た者たちである以上、迂闊に退くといった真似はしないだろう。
……かといって、流星魔法を間近で見た上でイオを強引に奪おうと考える者も多くはないだろうが。
「とにかく、今はどんな相手が来てもいいように準備を進めておく必要があるわ。そしていざというときは……イオ、貴方の流星魔法を使って相手に現実を、自分が捕らえようとしている相手がどんな存在なのかを知らしめる必要があるわ」
「分かりました。そうなると、最悪の場合は一度だけではなく何度も魔法を使う必要がありますけど、杖は……」
「もちろん、持ってきてるわよ。さっきイオに渡した一本だけではなく、他にも何本か」
「なら、問題ありませんん。……出来れば、あの杖の中にはゴブリンメイジだけではなく、もっと上位種のゴブリンの杖があって欲しいところですけど」
「その辺は、実際に使ってみないと分からないわ。……もしかしたら、中にはとんでもない性能の杖がある可能性も否定出来ないわよ? 可能性は限りなく低いけど」
ゴブリンの軍勢を倒して拾った杖である以上、当然ながらその杖を使っていたのはゴブリンとなる。
ゴブリンメイジの上位種が使っていた可能性もあるが、それでも当然のように杖がそこまで強力というのはあまりない。
今の状況を考えれば、イオもソフィアのその言葉を素直に信じるといった真似は出来ず……ある意味で、当たりつきの棒アイスを食べているような気すらするのだった。
……その中にはドラインのようにイオのことを面白くないと思っている者もいる。
しかし、ルダイナには大きく不満を口にしたドラインであっても、黎明の覇者の団長として……そして同時に象徴とも呼ぶべきソフィアに不満を言うような真似は出来ない。
そもそもの話、ドラインは黎明の覇者に所属している傭兵ではあるが、黎明の覇者の中ではまだ見習いでしかないのも事実。
他の傭兵団では即戦力となるだけの実力は持つが、それでも黎明の覇者の中では見習いでしかない。
そうである以上、見習いのドラインがソフィアに不満を言うようなことは出来なかった。
「まずは、ベヒモスの素材を出来るだけ詰め込んでくれ。骨も黎明の覇者で確保するから、忘れるなよ」
ギュンターの指示に従い、多くの者が急いで行動する。
ソフィアが率いる黎明の覇者は他の部隊を置き去りにしてここにやって来たが、それでももう少し時間が経てば他の部隊がここに到着するだろう。
そのような者たちが来るよりも前に、今の状況で出来ることは可能な限り行っておく必要がある。
「えっと、それで……俺は向こうを手伝わなくてもいいんですか?」
そんなベヒモスの素材の整理であったり、他の部隊が来たときの準備をしている者が多数の中、イオは何故かソフィアと共に馬車の中にいた。
「ええ、構わないわ。まずはここで何が起きたのかをしっかりと聞く必要があるもの」
「大体ルダイナさんが言った通りで、特に問題はないと思いますけど。ベヒモスとの戦い……というのはどうかと思いますけど、とにかく襲ってきたベヒモスを流星魔法で倒しただけですね。……その結果として、杖がなくってしまいましたが」
杖をなくしたというのは、イオにとっては痛い。
そんなイオの言葉を聞いて、ソフィアはマジックバッグの中から一本の杖を出す。
「一応、これを渡しておくわね。これはイオから預かっていたゴブリンメイジの杖だから、イオの物よ」
「ありがとうございます」
イオとしては、杖を手にしたのは非常に助かる。
これでまた、何かあったら流星魔法を使うことが出来るようになったのだから。
ベヒモスですら、一撃で殺せる威力を持つ流星魔法。
それをいつでも使えるというのは、これからソフィアが行うだろうことについて、これ以上ない力となるだろう。
イオもその辺については薄々理解していたものの、一体どのような相手が来るのかが少し気になる。
「それで、ここで俺たちは他の部隊が来るのを待つんですか?」
「ベヒモスの素材をどうにか出来て、それでもまだ誰も来なければここにいる必要はないわね。その可能性はまずないけど」
「……そうなってくれたら嬉しいんですけどね」
イオもまた、黎明の覇者がどれだけの強さを持っているのかは十分に理解している。
理解はしているが、だからといって黎明の覇者が最強だとも思えない。
世の中には黎明の覇者と同じランクA傭兵団は他にもあるし、聞いた話によるとランクAよりさらに上位のランクS傭兵団というのもあるらしい。
もちろん、ランクA傭兵団ですらかなり希少な存在である以上、ランクS傭兵団はそれよりもさらに少ない。
また、傭兵団以外にもその地を治めている貴族の有する戦力もある。
こちらも弱い軍隊……あるいは騎士団も多いが、中には精強と言われる者たちもいる。
それ以外にも、何とかしてベヒモスの素材やイオを手に入れようとする者は多数いるだろう。
弱い相手であっても、数を揃えれば厄介なことになるのは間違いない。
(とはいえ、俺としてはそういう連中に連れ去られるよりは、黎明の覇者にいた方が色々とやりやすいんだよな。ソフィアさんたちは十分以上に俺に気を遣ってくれてるし)
下手な相手に捕まるよりは、やはり黎明の覇者にいるのが最善なのだろうというのは理解出来る。
「それで、ベヒモスとの戦いだけど……流星魔法の効果はゴブリンの軍勢のときと比べると、かなり効果範囲が狭かったようね」
ゴブリンの軍勢に使われた流星魔法の効果範囲は、かなり広かった。
だというのに、ベヒモスに使われた流星魔法の効果範囲はかなり小さい。
それはつまり、イオがゴブリンの軍勢に向かって使ったのとは全く違う流星魔法を使ったとソフィアが認識するのは当然だろう。
「その辺は、流星魔法を使う際に詠唱を変えて効果範囲を変えたので」
「……随分と高度な真似が出来るのね」
イオの口から出て来た言葉は、ソフィアにとっても驚くには十分な内容だった。
ソフィアとは違ってイオは流星魔法を使えるものの、魔法そのものに対してはそこまで詳しい訳ではない。
「そうですか? 上手くいくかどうかは分かりませんでしたが、それでも最終的には成功したようで何よりです」
「ベヒモス……ね。それにしても、一体何故ベヒモスが出て来たのかしら。イオは何かその理由が分からない?」
「いえ、そう言われても……俺はこの辺りについては全く詳しくないんですよ? そうである以上、何故ここにベヒモスが出て来たのかは、全く分かりませんよ」
そう言いながらも、イオにとってもしかして? と思わないでもない。
イオがこの世界に転移してから、まだそこまで時間が経っていない。
そうである以上、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、今回イオの流星魔法で死んだベヒモスも、イオがこの世界に転移した影響でやってきたという可能性も否定出来なかった。
「あら、どうしたの? 何か思いつくようなことがあったのかしら?」
「そんなことはないですよ。今の状況を考えると、何でベヒモスがやって来たのかは分からないです。恐らく別の場所から偶然やって来たベヒモスがここ来たんじゃないかと」
イオのその言葉に、黄金の髪を弄りながらソフィアは考えを纏めていく。
ソフィアにしてみれば、ベヒモスがここにいるのは何らかの理由があってのことだろうと思う。
普通に考えれば、やはりイオがベヒモスに関係しているとは思えない。
しかし、それでも今の状況を考えるとそのような可能性もあるのではないかと、そう思えてしまうのだ。
「そう、ね。……やっぱり普通に考えればそうなるんでしょうけど。でも、今の状況を考えるとちょっと疑問があるのも間違いないのよね」
ソフィアのその言葉に、イオはだろうなと同意する。
イオが知ってる限りでは、ドレミナ周辺というのは山があってモンスターもそれなりにいるが、だからといってゴブリンの軍勢や……ましてやベヒモスのような災厄に近い存在がいるような場所ではない。
普通に考えれば、そのような高ランクモンスターというのはもっと別の……そのようなモンスターばかりが集まっているような場所であったり、あるいは人の手の入っていないような場所にいるのだ。
それがこんな場所にいるのだから、もしかしたらイオが自分が何か関係あるのでは? と思ってもおかしくはない。
「まぁ、その件は今はいいわ。あとでしっかりと聞かせて貰うけど。ただ、その前に……流星魔法はまだ使えるのよね?」
「え? あ、はい。杖もソフィアさんから貰いましたし、使おうと思えば使えます」
普通に考えて、ベヒモスを一撃で殺すような魔法を使うには大量の魔力が必要となる。
しかし、流星魔法の素質を持っているイオの場合は、魔力を消費するものの、一撃で倒れるような魔力を消費したりといったようなことはない。
だからこそ、杖があれば流星魔法を何度か続けて使うといったような真似も出来る……と、そうイオは思っていた。
そんなイオの言葉に、ソフィアは小さく頷く。
「なら、いいわ。……今回の一件で具体的にどのくらいの戦力がここに向かって戦力を派遣してるのかは分からないわ。けど、万が一を考えるとそのときに対抗するためには、力を見せつける必要があるわ」
「……力というだけなら、ソフィアさんたちがそれを見せればいいんじゃ?」
「そうね。けど、私たちの力を見せるということは、相手に相応の被害を与えるということを意味しているわ。それに比べると、イオの流星魔法の場合は実際に自分たちに使われなくても、圧倒的な力を見せつけることが出来る」
「それは……まぁ、そうかもしれませんね。ただ、そうなると向こうも余計に退けなくなるかもしれませんよ?」
ここに来る者たちもまた、イオの流星魔法を見て集まって来る者たちだ。
自分の判断で来る者や、上からの指示で来る者といったように様々ではあるものの、それでも今の状況を考えるとやって来た相手の前で実際に流星魔法を使った場合、それを求めてやって来た者たちである以上、迂闊に退くといった真似はしないだろう。
……かといって、流星魔法を間近で見た上でイオを強引に奪おうと考える者も多くはないだろうが。
「とにかく、今はどんな相手が来てもいいように準備を進めておく必要があるわ。そしていざというときは……イオ、貴方の流星魔法を使って相手に現実を、自分が捕らえようとしている相手がどんな存在なのかを知らしめる必要があるわ」
「分かりました。そうなると、最悪の場合は一度だけではなく何度も魔法を使う必要がありますけど、杖は……」
「もちろん、持ってきてるわよ。さっきイオに渡した一本だけではなく、他にも何本か」
「なら、問題ありませんん。……出来れば、あの杖の中にはゴブリンメイジだけではなく、もっと上位種のゴブリンの杖があって欲しいところですけど」
「その辺は、実際に使ってみないと分からないわ。……もしかしたら、中にはとんでもない性能の杖がある可能性も否定出来ないわよ? 可能性は限りなく低いけど」
ゴブリンの軍勢を倒して拾った杖である以上、当然ながらその杖を使っていたのはゴブリンとなる。
ゴブリンメイジの上位種が使っていた可能性もあるが、それでも当然のように杖がそこまで強力というのはあまりない。
今の状況を考えれば、イオもソフィアのその言葉を素直に信じるといった真似は出来ず……ある意味で、当たりつきの棒アイスを食べているような気すらするのだった。
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