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異世界へ
0089話
「あら、イオ。わざわざ呼んで悪かったわね」
イオの姿を見ると、ソフィアは笑みを浮かべてそう言ってくる。
イオと一緒にレックスがいるのを見て少し疑問に思った様子だったが、特に何かそれについて話すつもりはないらしい。
もしソフィアがレックスについて何か言っても、イオは護衛だと正直に口にしただろうが。
先程いた場所からここまでやって来る間に、特に何か敵に襲撃されるといったようなことはなかった。
そういう意味では、護衛としてのレックスの仕事はそれなりにこなしたということになるのかもしれない。
護衛というのは襲ってくる敵を倒すというのもあるが、それ以前に敵に襲撃されないようにするのが最善の方法なのだから。
レックス本人には、自分が仕事をしっかりとこなしたというつもりはない様子だったが。
だが、護衛というのは守るべき相手を守ることではあるものの、何もない、何も起こさせないというのが最善なのは間違いない。
そうして結局特に何のトラブルもなくここまで来たイオは、笑みを浮かべてソフィアに頷く。
「いえ、何か用事があるのならすぐに来ますよ。それで、どうしたんです? さっきのミニメテオについてですか?」
「それもあるわ。……ミニメテオ、ね。話は聞いていたけど、普通のメテオだけじゃなくてああいう規模の小さい流星魔法も使えるのね」
感心すればいいのか、呆れればいいのか。
そんな複雑な表情を浮かべるソフィアに、イオは少し照れたように口を開く。
「追い詰められて、半ば即興で開発した魔法ですけどね。まだ色々と構成とかが甘いところも多くて、弱点も多いですし」
それはイオにとって謙遜でも何でもなく、本当に心の底から思っていたことだ。
事実、ミニメテオは規模としては個人攻撃用といった程度のものだが、魔法を発動してから実際に隕石が降ってくるまで普通のメテオよりは短いとはいえ、時間が必要となる。
それは対個人として魔法を使うと考えた場合、明らかに隙が多かった。
以前使ったときは、レックスが護衛として敵の攻撃を防いでくれたり、あるいは敵がイオは魔法を失敗したのかと疑問に思ったりしたために、最終的には敵の頭部を隕石で吹き飛ばすという結果となったが……それは幸運以外のなにものでもない。
もしイオが流星魔法を使ったあとで敵がその場から離脱するなり、あるいはもっとイオやレックスたちに近付くといったような真似をされていたら、どうなったか。
それは考えるまでもなく明らかなことだろう。
それこそ、場合によってはイオやレックスたちにも流星魔法の被害があったかもしれない。
「そうなの? ただ、弱点が多いのならそれ相応の使い方をすればいいのよ。それこそ、今回のようにね。実際、今回の一件では騒動を起こしていた人たちを止めることが出来たんでしょう?」
「そうなりますね。個人的には、もう少し上手い具合に出来なかったかなと思いますけど」
「いいのよ。それで……これからそのミニメテオを何回か続けて使って貰ってもいいかしら?」
「え?」
ソフィアの口から出たのは、イオにとっても予想外の言葉だった。
いや、もちろんイオはソフィアのために流星魔法を使おうと決意はしていたのだが、まさかここでミニメテオが出て来るというのは完全に予想外だったのだ。
「ミニメテオですか?」
「ええ。こっちの準備も整ったし、騒動を起こしていた人たちも落ち着いた。なら……そろそろこの状況を動かしてもいいかと思ってね」
状況を動かす。
それが何を意味してるのかは、考えるまでもなく明らかだ。
ソフィアが言うように、この戦いを終わらせるための準備が整ったからこその言葉なのだろう。
「分かりました。けど……普通のメテオじゃないんですか?」
正直なところ、イオとしてはミニメテオよりもメテオの方を使ってみたかった。
元々がどこかの勢力を狙ってメテオを使うのではなく、脅しとしてメテオを使うのだ。
そうである以上、ある程度は気軽にメテオを使える。
……気軽な気持ちで隕石を落とされる方としては、堪ったものではないだろうが。
イオが持っている杖は、ミニメテオにも耐えた。
なら、普通のメテオにも絶えられるのではないかと、そんな思いがイオにはあったのだ。
前回ミニメテオに耐えた杖は、その次に使った普通のメテオで壊れている。
だが、今回は……そんな風にイオが期待するのは当然の話だった。
しかし、そんなイオの期待とは裏腹にソフィアは首を横に振る。
「いえ、まずはミニメテオよ。ミニメテオを数発撃ち込んで、それでも諦めて降伏なり撤退なりをしないようなら、改めて普通のメテオを使って貰うわ」
「分かりました。ソフィアさんがそう言うのなら、そうします」
普通のメテオは使うなというのではなく、あくまでも最初はミニメテオを使う。
そう言われたので、ある程度は納得した一面もあったのだろう。
「そう、じゃあ早速お願い。狙う場所は……まずは、向こうね」
ソフィアが示す方向を見たイオは、杖を手に意識を集中して呪文を唱え始める。
『空に漂いし小さな石よ、我の意思にしたがい小さなその姿を我が前に現し、我が敵を射貫け……ミニメテオ』
呪文を唱え終わり、魔法が発動してから少し経つ。
その間を、ソフィアは何も言わずにみており……そしてやがて、隕石が落下してきた。
とはいえ、その隕石はあくまでもミニメテオ用の小さな隕石だ。
真っ直ぐに降ってきてはいるが、それでも普通のメテオと比べると明らかに小さい。
しかし、この近辺にいる者の多く……何かに熱中しているような者でもなければ、降ってくる隕石の存在に気が付いただろう。
事実、そんな隕石が降ってくるのを見た者たちが混乱している雰囲気をソフィアは感じていた。
隕石を落とすイオを手に入れようとここに来ていたのだから、当然ながら自分たちのいる場所付近に隕石が降ってくるようなことがあった場合、それを偶然で片付ける訳にはいかない。
痺れを切らした黎明の覇者が、自分たちが呼び寄せた者たち以外を全て敵だと判断し、それらを隕石で一気に殲滅しようとしたのではないか。
そんな風に思う者がいてもおかしくはない。何より……
『空に漂いし小さな石よ、我の意思にしたがい小さなその姿を我が前に現し、我が敵を射貫け……ミニメテオ』
再び紡がれる呪文。
二度目のミニメテオだったが、イオの手に握られている杖は今までのように壊れたりはしていない。
新たに降ってくる隕石を見ながら、イオはこの杖ならもしかして? と期待する。
とはいえ、今までも多くの杖に期待をしてきたものの、その全てで杖が壊れてきた。
そのときのことを思えば、この杖に期待しすぎるのもどうかという思いがイオにもない訳ではなかったが。
何よりも、ミニメテオには耐えられても普通のメテオに耐えるのは難しいだろうという予想がイオの中にはあった。
「ソフィアさん、もう何回かやりますか?」
「そうね。お願いするわ。ミニメテオは効果範囲が狭いから、こういう脅しにはいいわね。もっとも、降ってくる隕石はそこまで迫力がないけど」
そんなソフィアの言葉に、周囲にいる者たちも同意するように頷いた。
ミニメテオで降ってくる隕石は、普通の隕石と比べてかなり小さい。
もっとも、もしミニメテオで降ってくる隕石が大きければ、それはもうミニメテオではなく普通のメテオでしかないのだろうが。
「それは仕方がないですよ。降ってくる隕石が大きくなれば、その分だけ周囲に与える被害も大きくなりますし」
そう言いながらも、呪文の構成を変えれば隕石の大きさはそのままで、威力そのものはそこまで大きくはない……一種の威嚇用の流星魔法も作れるか? とふと思う。
とはいえ、魔法に重要なのはイメージと、それを呪文として構成する力だ。
正確には他にも消費する魔力の量であったり、消費する際の魔力の分配、場合によっては発動する際に必要となる供物……それ以外にも様々に必要だったりするのだが、幸いにもイオの場合は流星魔法を才能として……それもただの才能ではなく、他に類を見ないほどに強力な才能として持っていた。
そのおかげで、イオの場合は流星魔法を使う際にはそこまで多くを必要としない。
そしてイオは、日本にいた頃に漫画をこよなく愛していた。
その漫画には当然のようにファンタジー漫画も多くあり、魔法の描写が細かく描かれているものも多く、それを楽しんでいたイオはこと魔法のイメージという一点に限っては、恐らくこの世界の誰よりも上回っているだろう。
そんな状況ではあったものの、イオが威嚇用の流星魔法を作れるかとなると、それはちょっと難しい。
下手に魔法のイメージが固定されているだけに、威嚇用となるとイメージがしにくいのだ。
「そう? イオなら出来ると思ったんだけど……まぁ、ここで下手にそういうことをしようとして失敗しても意味はないわね。……なら、このあとも続けてミニメテオを使って貰える?」
ソフィアの言葉にイオは頷き、それから十回以上ミニメテオを使う。
最初はミニメテオに気が付かなかった者もいたのだが、それでもこうして何度もミニメテオを連発されるような真似をすれば、当然ながらその存在には気が付く。
そして気が付けば、続いて何度も降り注ぐ隕石に恐怖をするなという方が無理だった。
その隕石が地上に及ぼす被害は小さいものの、一度脅しとしてメテオを使われているだけに、いつまた本物のメテオが使われるかもしれないといった恐怖に怯えるのは当然だろう。
「ありがとう、イオ。じゃあ……仕上げよ。最後に普通のメテオを使ってちょうだい。今までのミニメテオを見て恐怖している者たちなら、威力が段違いの本物のメテオを見れば……どうなるかしらね」
「うわ……それは間違いなく逃げ出すが、降伏してくるんじゃないですか?」
「無意味に戦いをするよりはいいでしょう?」
その言葉にイオは頷き……杖を手に呪文を唱える。
元々この杖がメテオに耐えられるかどうか試してみたかっただけに、躊躇はない。
『空に漂いし岩よ。我が思うがままにその姿を現し、我が前に立ち塞がる敵を滅ぼせ……メテオ』
呪文が完成し、魔法が発動し……同時に、杖は予定調和の如く砕け散るのだった。
イオの姿を見ると、ソフィアは笑みを浮かべてそう言ってくる。
イオと一緒にレックスがいるのを見て少し疑問に思った様子だったが、特に何かそれについて話すつもりはないらしい。
もしソフィアがレックスについて何か言っても、イオは護衛だと正直に口にしただろうが。
先程いた場所からここまでやって来る間に、特に何か敵に襲撃されるといったようなことはなかった。
そういう意味では、護衛としてのレックスの仕事はそれなりにこなしたということになるのかもしれない。
護衛というのは襲ってくる敵を倒すというのもあるが、それ以前に敵に襲撃されないようにするのが最善の方法なのだから。
レックス本人には、自分が仕事をしっかりとこなしたというつもりはない様子だったが。
だが、護衛というのは守るべき相手を守ることではあるものの、何もない、何も起こさせないというのが最善なのは間違いない。
そうして結局特に何のトラブルもなくここまで来たイオは、笑みを浮かべてソフィアに頷く。
「いえ、何か用事があるのならすぐに来ますよ。それで、どうしたんです? さっきのミニメテオについてですか?」
「それもあるわ。……ミニメテオ、ね。話は聞いていたけど、普通のメテオだけじゃなくてああいう規模の小さい流星魔法も使えるのね」
感心すればいいのか、呆れればいいのか。
そんな複雑な表情を浮かべるソフィアに、イオは少し照れたように口を開く。
「追い詰められて、半ば即興で開発した魔法ですけどね。まだ色々と構成とかが甘いところも多くて、弱点も多いですし」
それはイオにとって謙遜でも何でもなく、本当に心の底から思っていたことだ。
事実、ミニメテオは規模としては個人攻撃用といった程度のものだが、魔法を発動してから実際に隕石が降ってくるまで普通のメテオよりは短いとはいえ、時間が必要となる。
それは対個人として魔法を使うと考えた場合、明らかに隙が多かった。
以前使ったときは、レックスが護衛として敵の攻撃を防いでくれたり、あるいは敵がイオは魔法を失敗したのかと疑問に思ったりしたために、最終的には敵の頭部を隕石で吹き飛ばすという結果となったが……それは幸運以外のなにものでもない。
もしイオが流星魔法を使ったあとで敵がその場から離脱するなり、あるいはもっとイオやレックスたちに近付くといったような真似をされていたら、どうなったか。
それは考えるまでもなく明らかなことだろう。
それこそ、場合によってはイオやレックスたちにも流星魔法の被害があったかもしれない。
「そうなの? ただ、弱点が多いのならそれ相応の使い方をすればいいのよ。それこそ、今回のようにね。実際、今回の一件では騒動を起こしていた人たちを止めることが出来たんでしょう?」
「そうなりますね。個人的には、もう少し上手い具合に出来なかったかなと思いますけど」
「いいのよ。それで……これからそのミニメテオを何回か続けて使って貰ってもいいかしら?」
「え?」
ソフィアの口から出たのは、イオにとっても予想外の言葉だった。
いや、もちろんイオはソフィアのために流星魔法を使おうと決意はしていたのだが、まさかここでミニメテオが出て来るというのは完全に予想外だったのだ。
「ミニメテオですか?」
「ええ。こっちの準備も整ったし、騒動を起こしていた人たちも落ち着いた。なら……そろそろこの状況を動かしてもいいかと思ってね」
状況を動かす。
それが何を意味してるのかは、考えるまでもなく明らかだ。
ソフィアが言うように、この戦いを終わらせるための準備が整ったからこその言葉なのだろう。
「分かりました。けど……普通のメテオじゃないんですか?」
正直なところ、イオとしてはミニメテオよりもメテオの方を使ってみたかった。
元々がどこかの勢力を狙ってメテオを使うのではなく、脅しとしてメテオを使うのだ。
そうである以上、ある程度は気軽にメテオを使える。
……気軽な気持ちで隕石を落とされる方としては、堪ったものではないだろうが。
イオが持っている杖は、ミニメテオにも耐えた。
なら、普通のメテオにも絶えられるのではないかと、そんな思いがイオにはあったのだ。
前回ミニメテオに耐えた杖は、その次に使った普通のメテオで壊れている。
だが、今回は……そんな風にイオが期待するのは当然の話だった。
しかし、そんなイオの期待とは裏腹にソフィアは首を横に振る。
「いえ、まずはミニメテオよ。ミニメテオを数発撃ち込んで、それでも諦めて降伏なり撤退なりをしないようなら、改めて普通のメテオを使って貰うわ」
「分かりました。ソフィアさんがそう言うのなら、そうします」
普通のメテオは使うなというのではなく、あくまでも最初はミニメテオを使う。
そう言われたので、ある程度は納得した一面もあったのだろう。
「そう、じゃあ早速お願い。狙う場所は……まずは、向こうね」
ソフィアが示す方向を見たイオは、杖を手に意識を集中して呪文を唱え始める。
『空に漂いし小さな石よ、我の意思にしたがい小さなその姿を我が前に現し、我が敵を射貫け……ミニメテオ』
呪文を唱え終わり、魔法が発動してから少し経つ。
その間を、ソフィアは何も言わずにみており……そしてやがて、隕石が落下してきた。
とはいえ、その隕石はあくまでもミニメテオ用の小さな隕石だ。
真っ直ぐに降ってきてはいるが、それでも普通のメテオと比べると明らかに小さい。
しかし、この近辺にいる者の多く……何かに熱中しているような者でもなければ、降ってくる隕石の存在に気が付いただろう。
事実、そんな隕石が降ってくるのを見た者たちが混乱している雰囲気をソフィアは感じていた。
隕石を落とすイオを手に入れようとここに来ていたのだから、当然ながら自分たちのいる場所付近に隕石が降ってくるようなことがあった場合、それを偶然で片付ける訳にはいかない。
痺れを切らした黎明の覇者が、自分たちが呼び寄せた者たち以外を全て敵だと判断し、それらを隕石で一気に殲滅しようとしたのではないか。
そんな風に思う者がいてもおかしくはない。何より……
『空に漂いし小さな石よ、我の意思にしたがい小さなその姿を我が前に現し、我が敵を射貫け……ミニメテオ』
再び紡がれる呪文。
二度目のミニメテオだったが、イオの手に握られている杖は今までのように壊れたりはしていない。
新たに降ってくる隕石を見ながら、イオはこの杖ならもしかして? と期待する。
とはいえ、今までも多くの杖に期待をしてきたものの、その全てで杖が壊れてきた。
そのときのことを思えば、この杖に期待しすぎるのもどうかという思いがイオにもない訳ではなかったが。
何よりも、ミニメテオには耐えられても普通のメテオに耐えるのは難しいだろうという予想がイオの中にはあった。
「ソフィアさん、もう何回かやりますか?」
「そうね。お願いするわ。ミニメテオは効果範囲が狭いから、こういう脅しにはいいわね。もっとも、降ってくる隕石はそこまで迫力がないけど」
そんなソフィアの言葉に、周囲にいる者たちも同意するように頷いた。
ミニメテオで降ってくる隕石は、普通の隕石と比べてかなり小さい。
もっとも、もしミニメテオで降ってくる隕石が大きければ、それはもうミニメテオではなく普通のメテオでしかないのだろうが。
「それは仕方がないですよ。降ってくる隕石が大きくなれば、その分だけ周囲に与える被害も大きくなりますし」
そう言いながらも、呪文の構成を変えれば隕石の大きさはそのままで、威力そのものはそこまで大きくはない……一種の威嚇用の流星魔法も作れるか? とふと思う。
とはいえ、魔法に重要なのはイメージと、それを呪文として構成する力だ。
正確には他にも消費する魔力の量であったり、消費する際の魔力の分配、場合によっては発動する際に必要となる供物……それ以外にも様々に必要だったりするのだが、幸いにもイオの場合は流星魔法を才能として……それもただの才能ではなく、他に類を見ないほどに強力な才能として持っていた。
そのおかげで、イオの場合は流星魔法を使う際にはそこまで多くを必要としない。
そしてイオは、日本にいた頃に漫画をこよなく愛していた。
その漫画には当然のようにファンタジー漫画も多くあり、魔法の描写が細かく描かれているものも多く、それを楽しんでいたイオはこと魔法のイメージという一点に限っては、恐らくこの世界の誰よりも上回っているだろう。
そんな状況ではあったものの、イオが威嚇用の流星魔法を作れるかとなると、それはちょっと難しい。
下手に魔法のイメージが固定されているだけに、威嚇用となるとイメージがしにくいのだ。
「そう? イオなら出来ると思ったんだけど……まぁ、ここで下手にそういうことをしようとして失敗しても意味はないわね。……なら、このあとも続けてミニメテオを使って貰える?」
ソフィアの言葉にイオは頷き、それから十回以上ミニメテオを使う。
最初はミニメテオに気が付かなかった者もいたのだが、それでもこうして何度もミニメテオを連発されるような真似をすれば、当然ながらその存在には気が付く。
そして気が付けば、続いて何度も降り注ぐ隕石に恐怖をするなという方が無理だった。
その隕石が地上に及ぼす被害は小さいものの、一度脅しとしてメテオを使われているだけに、いつまた本物のメテオが使われるかもしれないといった恐怖に怯えるのは当然だろう。
「ありがとう、イオ。じゃあ……仕上げよ。最後に普通のメテオを使ってちょうだい。今までのミニメテオを見て恐怖している者たちなら、威力が段違いの本物のメテオを見れば……どうなるかしらね」
「うわ……それは間違いなく逃げ出すが、降伏してくるんじゃないですか?」
「無意味に戦いをするよりはいいでしょう?」
その言葉にイオは頷き……杖を手に呪文を唱える。
元々この杖がメテオに耐えられるかどうか試してみたかっただけに、躊躇はない。
『空に漂いし岩よ。我が思うがままにその姿を現し、我が前に立ち塞がる敵を滅ぼせ……メテオ』
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