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異世界へ
0092話
「来たようね」
そうソフィアが言う。
ソフィアの視線の先には、三十人程度の集団が武器を持って近付いてきている光景があった。
今の状況を思えば、向こうが何をしにやって来たのかは考えるまでもない。
とはいえ、少し疑問がある。
「ソフィア様、ちょっと向こうの数が少なくないですか? こっちが囮で、降伏してきた連中の方に戦力を回してると考えても……少し疑問があります」
傭兵の一人がソフィアに向かってそう言う。
ソフィアもその言葉には納得出来る。
普通に考えれば、三十人の武装した傭兵というのは結構な戦力だ。
しかし、ここにいるのは黎明の覇者の傭兵たち。……それも精鋭が多い。
新人とされている者たちも、他の傭兵団なら即戦力となるだけの力を持っていた。
そのような敵を相手に、三十人で戦いを挑む。あるいは囮として注意を惹き付けるというのは、明らかにおかしかった。
あるいは囮だけに人数が少ないのかもしれないが……黎明の覇者を相手に、その人数で囮になるという方が難しい。
「どうします、ソフィア様」
「構うことはないわ。こちらに向かって来たら攻撃をしてちょうだい。そして……向こうの囮がこちらに攻撃をしてきてある程度時間が経ったらイオにもう一度流星魔法を使って貰うわ」
「それは……けど、その流星魔法でこっちに来る敵を倒すといった真似は出来ませんよ? 戦っている最中に流星魔法を使うとなると、それは当然ながらこちらにも被害が出ますから」
「ええ、それは承知の上よ。だから使うの正確には敵に対してではなく、何もない場所ね」
「……それで効果があるんですか?」
ソフィアの実力や実績は知っているものの、それでも話していた男はそのような状況で敵から外した場所に攻撃をして意味があるのかと疑問に思う。
勿論、意味という点では間違いなくあるのだろう。
それはさすがに男にも分かっていたものの、それでも今こうして自分達の方に向かってくる敵に流星魔法を使った方がいいのではないかと、そう思う。
事実、そうすれば敵は自分たちと一戦も交えることなく、壊滅するのだから。
だが……ソフィアはそれらを承知の上で男の言葉に頷く。
「ここで敵に直接隕石を落とした方がいいのは分かるけど、そうなった場合はあとで面倒なことになるのよ。それに……殺すよりは、こちらの力を認めさせて従わした方が何かと得でしょう? もちろん、そんな状況になっても私たちを許せないと思うような者はいるでしょうけど」
敵を皆殺しにするよりも、力を見せて従わせる方を選ぶ。
そう言うソフィアの言葉に、話を聞いていた者は納得の表情を浮かべた。
敵を味方にする方がいいのは、間違いないのだから。
……問題なのは、その敵が本当に自分たちの味方になってくれるかどうかということだろう。
ソフィアが言っていたように、最後まで黎明の覇者と敵対するという道を選ぶ者もいる。
特に現在自分たちの方に向かってきているのは、イオの使うメテオを合計二回もその目で見ていながら、それでもまだ戦うことを諦めていない者たちなのだから。
そういう意味では、非常に厄介な相手なのは間違いない。
「さて、話は終わりね。そろそろ弓の射程に入るわ。あるいは魔法を使って……」
来るかもしれないから気を付けなさい。
そう言おうとしたソフィアだったが、その言葉を最後まで言うよりも前に氷の魔槍を素早く振るう。
同時にギィン、という甲高い音と共に矢が弾かれた。
それもただの矢ではない。
全てが金属で出来た、特別な矢だ。
それだけに威力が高いのは間違いないが、同時に使いこなすにも非常に高い力と技量が必要になるだろう、そんな強力な矢。
少なくても、敵にはそのような矢を使いこなすだけの実力者がいるということを意味していた。
「へぇ……ここまで残った相手にしては、それなりに使える人もいるみたいね。いえ、ここまで残っている者達だから、かしら?」
「ソフィア様!」
金属の矢をあっさりと弾いたソフィアだったが、当然ながらその周囲にいる傭兵たちはソフィアの心配をする。
しかし、そんな声を上げられたソフィアは笑みを浮かべて口を開く。
「問題ないわ。今の一撃はかなり強力だったけど、これはあくまでもその程度の実力でしかないのも事実よ。そうである以上、同じような攻撃を何度してきても、対処は出来るわ。……とはいえ、実力の足りない者はそれに対処するのが少し難しいかもしれないわね」
ソフィアが心配したのは、黎明の覇者の傭兵……ではなく、降伏してきた者たちの陣地だ。
今のような攻撃は、黎明の覇者に所属する傭兵なら多くの者が対処出来るだろう。
もちろん、まだ黎明の覇者に入団したばかりのレックスや、そもそも客人という扱いで流星魔法に特化しているイオであれば、とてもではないが今の攻撃を回避するような真似は出来ないだろう。
ただ、黎明の覇者の傭兵たちもそれは理解しているので、イオやレックスの側には相応の技量を持つ傭兵がいる。
出来ればレックスが完全に防御に特化した存在で、イオに対する攻撃を全て防げるということになれば、色々とやりやすいのだが。
(いえ、今はそういうのを考えているような余裕はないわね)
ソフィアはすぐに頭を横に振ると、その場にいる者たちに向かって声をかける。
「最後の戦いのときが来たわ。こちらに向かっているあの戦力を壊滅させるか降伏させれば、この戦いは私たちの勝利よ。前衛は私に続きなさい。後衛はここから援護を。それと……イオ」
指示を出している中、不意にイオの名前を呼ぶソフィア。
イオもまさかこの状況で自分の名前が呼ばれるとは思っていなかったのか、少しだけ驚きつつも口を開く。
「はい、なんでしょう?」
「さっきも言ったけど、仕上げの流星魔法を使って貰うわ。具体的には、敵が劣勢になったら」
ここは普通、味方が劣勢になったら流星魔法を使うのでは?
ふとそんな風に思ったイオだったが、今のこの状況を思えば黎明の覇者が負けるといったようなことは基本的に考えなくてもいい。
向こうが劣勢になったとき、そこで再び隕石が降ってきたら……当然ながら、そのような状況でどうにか対処出来るはずもない。
それこそすぐにでも逃げ出してもおかしくはないのだ。
あるいは逃げ出すといったような真似すらも全く出来ず、その場で混乱して仲間同士で争うといったようなことになっても、おかしくはない。
「分かりました。それでいて、敵に命中させないようにですね?」
イオの言葉に、その通りと頷くソフィア。
そしてイオと確認すると馬に騎乗し、他にも前衛を務める者たちに向かって叫ぶ。
「さぁ、行くわよ!」
短い一言。
だが、黄金の髪が太陽に煌めくその光景は、ソフィアに対して強力なカリスマ性を与えていた。
それこそ、今のソフィアなら何が出来てもおかしくはないと思えるような、そんな風に感じる。
そうである以上、今の状況で自分たちがやるべきことは決まっていた。
前衛を任された者は、すぐにでも敵と戦うべく武器を手に馬に騎乗する。
後衛を任された者たちは、弓を手に矢筒に入っている矢を確認し、矢を番える。
「うわぁ……凄いな……」
たった一言で士気をこれ以上ないほど高めたソフィアに、イオの口からはそんな驚嘆の声しか出ない。
まさにカリスマという言葉が相応しい。
もちろん、イオもソフィアがそのような能力を持っているのは十分に知っていた。
知っていたが、それでもこうして間近で魔槍を縦横無尽に振るう姿を見れば、そこには自分の使うメテオとはまた別の人目を惹き付けてやまない存在なのは間違いないと思えてしまう。
「イオさん、僕たちは周囲の邪魔にならないようにしていましょう。ここで僕たちが下手に動いて敵の注意を惹き付けるような真似をすれば、それこそ他の人たちの邪魔になりますから」
レックスのその言葉は、自分に対しての悔しさも滲ませてのものだ。
黎明の覇者に所属したばかりのレックスは、どうしても他の傭兵たちに比べると実力不足。
また、本人の資質が攻撃よりも防御に向いている……いや、それどころではなく特化しているために、このようなときにはレックスの出番はない。
もっと黎明の覇者の上層部にしても、防御に特化しているレックスと流星魔法に特化してイオの存在は二人一組で扱うべきだと思っている者も多いのだが。
「そうだな。この杖があれば、最低一度はメテオを使える訳だし。それまで目立ったりしないで大人しくしているべきか。……敵が一体どういう風に行動してくるのか、俺には分からないけど」
現在ソフィアたちと戦っている者たちだけが敵に残った勢力という訳ではないのだろう。
先程ソフィアが言っていたように、降伏して黎明の覇者側についていている者たちの陣地にも敵が向かっていると考えるべきだった。
とはいえ、今のイオに出来ることはそう多くはない。
それこそ敵との戦いを見ておき、ソフィアに言われたように敵が不利になったところでメテオを使う準備をしておくだけだ。
こうして見ている限りでは、そう遠くないうちにメテオを使うときがやってきそうだったが。
イオの視線の先では、黎明の覇者の傭兵がソフィアに率いられて敵と戦っているものの、形勢は圧倒的に黎明の覇者側が有利だ。
向こうも追い詰められたという意味ではかり切羽詰まっているのは間違いない。
一種の背水の陣で戦っている以上、この状況で生き残る為に本来の実力以上の力を発揮しているのは間違いない。
そのような状況であるにも関わらず、ソフィアたちにその力は全く通じない。
攻撃をしてもあっさり回避され、あるいは防がれ、場合によってはカウンターの一撃によって自分の方がダメージを受ける。
ましてや、ソフィアと戦っている者たちは変幻自在の魔槍の攻撃に防ぐことも出来ず一方的にやられていく。
ソフィアは特に魔槍として氷の能力を使ったりといった真似はしていない。
しかし、それでも敵は一方的に攻撃をされていくのだ。
「この様子だと、そろそろだな」
呟き、イオは杖を手に呪文を唱え始める。
『空に漂いし岩よ。我が思うがままにその姿を現し、我が前に立ち塞がる敵を滅ぼせ……メテオ』
そうソフィアが言う。
ソフィアの視線の先には、三十人程度の集団が武器を持って近付いてきている光景があった。
今の状況を思えば、向こうが何をしにやって来たのかは考えるまでもない。
とはいえ、少し疑問がある。
「ソフィア様、ちょっと向こうの数が少なくないですか? こっちが囮で、降伏してきた連中の方に戦力を回してると考えても……少し疑問があります」
傭兵の一人がソフィアに向かってそう言う。
ソフィアもその言葉には納得出来る。
普通に考えれば、三十人の武装した傭兵というのは結構な戦力だ。
しかし、ここにいるのは黎明の覇者の傭兵たち。……それも精鋭が多い。
新人とされている者たちも、他の傭兵団なら即戦力となるだけの力を持っていた。
そのような敵を相手に、三十人で戦いを挑む。あるいは囮として注意を惹き付けるというのは、明らかにおかしかった。
あるいは囮だけに人数が少ないのかもしれないが……黎明の覇者を相手に、その人数で囮になるという方が難しい。
「どうします、ソフィア様」
「構うことはないわ。こちらに向かって来たら攻撃をしてちょうだい。そして……向こうの囮がこちらに攻撃をしてきてある程度時間が経ったらイオにもう一度流星魔法を使って貰うわ」
「それは……けど、その流星魔法でこっちに来る敵を倒すといった真似は出来ませんよ? 戦っている最中に流星魔法を使うとなると、それは当然ながらこちらにも被害が出ますから」
「ええ、それは承知の上よ。だから使うの正確には敵に対してではなく、何もない場所ね」
「……それで効果があるんですか?」
ソフィアの実力や実績は知っているものの、それでも話していた男はそのような状況で敵から外した場所に攻撃をして意味があるのかと疑問に思う。
勿論、意味という点では間違いなくあるのだろう。
それはさすがに男にも分かっていたものの、それでも今こうして自分達の方に向かってくる敵に流星魔法を使った方がいいのではないかと、そう思う。
事実、そうすれば敵は自分たちと一戦も交えることなく、壊滅するのだから。
だが……ソフィアはそれらを承知の上で男の言葉に頷く。
「ここで敵に直接隕石を落とした方がいいのは分かるけど、そうなった場合はあとで面倒なことになるのよ。それに……殺すよりは、こちらの力を認めさせて従わした方が何かと得でしょう? もちろん、そんな状況になっても私たちを許せないと思うような者はいるでしょうけど」
敵を皆殺しにするよりも、力を見せて従わせる方を選ぶ。
そう言うソフィアの言葉に、話を聞いていた者は納得の表情を浮かべた。
敵を味方にする方がいいのは、間違いないのだから。
……問題なのは、その敵が本当に自分たちの味方になってくれるかどうかということだろう。
ソフィアが言っていたように、最後まで黎明の覇者と敵対するという道を選ぶ者もいる。
特に現在自分たちの方に向かってきているのは、イオの使うメテオを合計二回もその目で見ていながら、それでもまだ戦うことを諦めていない者たちなのだから。
そういう意味では、非常に厄介な相手なのは間違いない。
「さて、話は終わりね。そろそろ弓の射程に入るわ。あるいは魔法を使って……」
来るかもしれないから気を付けなさい。
そう言おうとしたソフィアだったが、その言葉を最後まで言うよりも前に氷の魔槍を素早く振るう。
同時にギィン、という甲高い音と共に矢が弾かれた。
それもただの矢ではない。
全てが金属で出来た、特別な矢だ。
それだけに威力が高いのは間違いないが、同時に使いこなすにも非常に高い力と技量が必要になるだろう、そんな強力な矢。
少なくても、敵にはそのような矢を使いこなすだけの実力者がいるということを意味していた。
「へぇ……ここまで残った相手にしては、それなりに使える人もいるみたいね。いえ、ここまで残っている者達だから、かしら?」
「ソフィア様!」
金属の矢をあっさりと弾いたソフィアだったが、当然ながらその周囲にいる傭兵たちはソフィアの心配をする。
しかし、そんな声を上げられたソフィアは笑みを浮かべて口を開く。
「問題ないわ。今の一撃はかなり強力だったけど、これはあくまでもその程度の実力でしかないのも事実よ。そうである以上、同じような攻撃を何度してきても、対処は出来るわ。……とはいえ、実力の足りない者はそれに対処するのが少し難しいかもしれないわね」
ソフィアが心配したのは、黎明の覇者の傭兵……ではなく、降伏してきた者たちの陣地だ。
今のような攻撃は、黎明の覇者に所属する傭兵なら多くの者が対処出来るだろう。
もちろん、まだ黎明の覇者に入団したばかりのレックスや、そもそも客人という扱いで流星魔法に特化しているイオであれば、とてもではないが今の攻撃を回避するような真似は出来ないだろう。
ただ、黎明の覇者の傭兵たちもそれは理解しているので、イオやレックスの側には相応の技量を持つ傭兵がいる。
出来ればレックスが完全に防御に特化した存在で、イオに対する攻撃を全て防げるということになれば、色々とやりやすいのだが。
(いえ、今はそういうのを考えているような余裕はないわね)
ソフィアはすぐに頭を横に振ると、その場にいる者たちに向かって声をかける。
「最後の戦いのときが来たわ。こちらに向かっているあの戦力を壊滅させるか降伏させれば、この戦いは私たちの勝利よ。前衛は私に続きなさい。後衛はここから援護を。それと……イオ」
指示を出している中、不意にイオの名前を呼ぶソフィア。
イオもまさかこの状況で自分の名前が呼ばれるとは思っていなかったのか、少しだけ驚きつつも口を開く。
「はい、なんでしょう?」
「さっきも言ったけど、仕上げの流星魔法を使って貰うわ。具体的には、敵が劣勢になったら」
ここは普通、味方が劣勢になったら流星魔法を使うのでは?
ふとそんな風に思ったイオだったが、今のこの状況を思えば黎明の覇者が負けるといったようなことは基本的に考えなくてもいい。
向こうが劣勢になったとき、そこで再び隕石が降ってきたら……当然ながら、そのような状況でどうにか対処出来るはずもない。
それこそすぐにでも逃げ出してもおかしくはないのだ。
あるいは逃げ出すといったような真似すらも全く出来ず、その場で混乱して仲間同士で争うといったようなことになっても、おかしくはない。
「分かりました。それでいて、敵に命中させないようにですね?」
イオの言葉に、その通りと頷くソフィア。
そしてイオと確認すると馬に騎乗し、他にも前衛を務める者たちに向かって叫ぶ。
「さぁ、行くわよ!」
短い一言。
だが、黄金の髪が太陽に煌めくその光景は、ソフィアに対して強力なカリスマ性を与えていた。
それこそ、今のソフィアなら何が出来てもおかしくはないと思えるような、そんな風に感じる。
そうである以上、今の状況で自分たちがやるべきことは決まっていた。
前衛を任された者は、すぐにでも敵と戦うべく武器を手に馬に騎乗する。
後衛を任された者たちは、弓を手に矢筒に入っている矢を確認し、矢を番える。
「うわぁ……凄いな……」
たった一言で士気をこれ以上ないほど高めたソフィアに、イオの口からはそんな驚嘆の声しか出ない。
まさにカリスマという言葉が相応しい。
もちろん、イオもソフィアがそのような能力を持っているのは十分に知っていた。
知っていたが、それでもこうして間近で魔槍を縦横無尽に振るう姿を見れば、そこには自分の使うメテオとはまた別の人目を惹き付けてやまない存在なのは間違いないと思えてしまう。
「イオさん、僕たちは周囲の邪魔にならないようにしていましょう。ここで僕たちが下手に動いて敵の注意を惹き付けるような真似をすれば、それこそ他の人たちの邪魔になりますから」
レックスのその言葉は、自分に対しての悔しさも滲ませてのものだ。
黎明の覇者に所属したばかりのレックスは、どうしても他の傭兵たちに比べると実力不足。
また、本人の資質が攻撃よりも防御に向いている……いや、それどころではなく特化しているために、このようなときにはレックスの出番はない。
もっと黎明の覇者の上層部にしても、防御に特化しているレックスと流星魔法に特化してイオの存在は二人一組で扱うべきだと思っている者も多いのだが。
「そうだな。この杖があれば、最低一度はメテオを使える訳だし。それまで目立ったりしないで大人しくしているべきか。……敵が一体どういう風に行動してくるのか、俺には分からないけど」
現在ソフィアたちと戦っている者たちだけが敵に残った勢力という訳ではないのだろう。
先程ソフィアが言っていたように、降伏して黎明の覇者側についていている者たちの陣地にも敵が向かっていると考えるべきだった。
とはいえ、今のイオに出来ることはそう多くはない。
それこそ敵との戦いを見ておき、ソフィアに言われたように敵が不利になったところでメテオを使う準備をしておくだけだ。
こうして見ている限りでは、そう遠くないうちにメテオを使うときがやってきそうだったが。
イオの視線の先では、黎明の覇者の傭兵がソフィアに率いられて敵と戦っているものの、形勢は圧倒的に黎明の覇者側が有利だ。
向こうも追い詰められたという意味ではかり切羽詰まっているのは間違いない。
一種の背水の陣で戦っている以上、この状況で生き残る為に本来の実力以上の力を発揮しているのは間違いない。
そのような状況であるにも関わらず、ソフィアたちにその力は全く通じない。
攻撃をしてもあっさり回避され、あるいは防がれ、場合によってはカウンターの一撃によって自分の方がダメージを受ける。
ましてや、ソフィアと戦っている者たちは変幻自在の魔槍の攻撃に防ぐことも出来ず一方的にやられていく。
ソフィアは特に魔槍として氷の能力を使ったりといった真似はしていない。
しかし、それでも敵は一方的に攻撃をされていくのだ。
「この様子だと、そろそろだな」
呟き、イオは杖を手に呪文を唱え始める。
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