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最終章 悪魔の契約
165話 第二回戦開始
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「違う!お父様なんかじゃない!お父様はそんな喋り方はしないし、そんな態度を人前では絶対にしない!答えろ!お前は一体誰なんだ!?」
「フハハハ!とっくにご存知なんだろう?俺が何者なのか。なんでパンジグの王の体を介してしゃべっているかなんてな!」
これまでの知識と情報。そして、ドートン王の言動から推測するに目の前で不愉快にしゃべっている者の正体は─────。
「悪魔・・・どうしてだ?契約だとドートンの王が亡くなったら悪魔に体を乗っ取られるんじゃないのか?」
「その通り。俺は悪魔だし、契約もそれであっている。このドートンとかいう現国王が死ねば、そこの女に国王としての権利が周り契約が成立する。しかし、何も契約が成立しなければ体を乗っ取れないわけじゃないんだぜ?」
つまり、ドートン王の乗っ取りは個人的かつ契約外の乗っ取りというわけか。悪魔は契約を守るという伝説を魔に受けすぎてしまった。
「まあ、契約を通さないと体の持ち主が抵抗してうまく操れないんだがな。こいつは歴代国王の中でも特に頑固でな、乗っ取るのに10年かかった」
「10年前・・・お父様がおかしくなった時と同じだ・・・」
「その通り!そして、今完全に乗っ取りが完了した。これで俺のスキル『傀儡』を上手く扱えるぞ!!」
「傀儡・・・魔獣人がアンタの周りにいた時におかしくなっていたのはそのスキルが原因だったのか!でも、お前はドートン王のスキルも平行して使っていたはず。一体どうやって・・・」
「スキルの複数使用は体を壊す。これは俺達悪魔にも適当される世の理。だが、この体はドートン王の者。地獄から操っているだけの悪魔にダメージはいかない!」
ドートン王があまり戦争中に動かなかったのはスキルの複数使用で体にガタが来ていたからか。
「俺のスキル『傀儡』は対象に血を飲ませることによって相手を操ることができる!まあ、しかし他人の体を使っている上に完全に乗っ取る事ができなかったので範囲2キロまでの者しか操る事ができなかったがな」
となると、完全に体を乗っ取った今はどうなる?何なら上の方が騒がしい。獣が鳴き暴れているような音と金属音が聞こえてくる。
「そして、体を乗っ取った事により範囲の制約は消え去った。さあ、異世界人!俺を・・・あの卑しい獣達から守れるか?」
「こんの悪魔が!!」
「おいおい、その言葉は俺にとってなんの煽りにもならないぜ。なんて言ったって・・・悪魔だからな?」
顔面パンチしたい気持ちをグッと堪えていると、何者かによって檻の扉がこじ開けられる。正体は、本物の獣のように四足歩行になったムサシだった。
「フハハハ!とっくにご存知なんだろう?俺が何者なのか。なんでパンジグの王の体を介してしゃべっているかなんてな!」
これまでの知識と情報。そして、ドートン王の言動から推測するに目の前で不愉快にしゃべっている者の正体は─────。
「悪魔・・・どうしてだ?契約だとドートンの王が亡くなったら悪魔に体を乗っ取られるんじゃないのか?」
「その通り。俺は悪魔だし、契約もそれであっている。このドートンとかいう現国王が死ねば、そこの女に国王としての権利が周り契約が成立する。しかし、何も契約が成立しなければ体を乗っ取れないわけじゃないんだぜ?」
つまり、ドートン王の乗っ取りは個人的かつ契約外の乗っ取りというわけか。悪魔は契約を守るという伝説を魔に受けすぎてしまった。
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「10年前・・・お父様がおかしくなった時と同じだ・・・」
「その通り!そして、今完全に乗っ取りが完了した。これで俺のスキル『傀儡』を上手く扱えるぞ!!」
「傀儡・・・魔獣人がアンタの周りにいた時におかしくなっていたのはそのスキルが原因だったのか!でも、お前はドートン王のスキルも平行して使っていたはず。一体どうやって・・・」
「スキルの複数使用は体を壊す。これは俺達悪魔にも適当される世の理。だが、この体はドートン王の者。地獄から操っているだけの悪魔にダメージはいかない!」
ドートン王があまり戦争中に動かなかったのはスキルの複数使用で体にガタが来ていたからか。
「俺のスキル『傀儡』は対象に血を飲ませることによって相手を操ることができる!まあ、しかし他人の体を使っている上に完全に乗っ取る事ができなかったので範囲2キロまでの者しか操る事ができなかったがな」
となると、完全に体を乗っ取った今はどうなる?何なら上の方が騒がしい。獣が鳴き暴れているような音と金属音が聞こえてくる。
「そして、体を乗っ取った事により範囲の制約は消え去った。さあ、異世界人!俺を・・・あの卑しい獣達から守れるか?」
「こんの悪魔が!!」
「おいおい、その言葉は俺にとってなんの煽りにもならないぜ。なんて言ったって・・・悪魔だからな?」
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