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最終章 今こそ復讐の時
第六話 何か面倒くさい奴がやってきた
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標高3000mのブラックスミスの山。幸助の元居た世界の富士山には少々劣る標高だが、地上で暮らす人間にとっては、酸素も薄い上に気温が低く、厳しい環境だ。
普通に暮らすなら不便しかない場所だが、トレーニングにはもってこいの場所だった。普段よりも厳しい環境での訓練やトレーニングは身体能力の向上に繋がる。アダム鉱石の剣が完成するまで暇で仕方ない幸助と蘭丸は木剣と木刀を用いて模擬試合を行っていた。
「はぁっ!!」
「甘いわ!!」
幸助の背中に木刀の殺傷力は無いが、非常に重い一撃が入る。幸助は背中をさすりながら立ち上がり、蘭丸の方を見た。
「イテテ・・・流石、蘭丸さん。対人戦においては右に並ぶ者はいませんね」
「褒めても何も出ないぞ。それに褒めている暇があるなら構えろ。続けるぞ」
「・・・はいっ!」
普段は無口で優しい蘭丸だが、幸助を鍛えるとなると、態度が一変してスパルタ師範へと変貌する。戦国という厳しい時代に生まれた名残だろうか。しかし、そのお陰で幸助の実力はメキメキと竹のように成長していっている。幸助という戦士が完成するのも間もなくだろう。
しかし、ずっとトレーニングを続けられるわけはない。人間には動く為のエネルギー、食事が必要だ。ブラックスミスの殺風景な鍛冶場から出てきた銀髪の少女メアリーは両手にサンドイッチを持って幸助達の方へと走ってきていた。
「おぉぉぉい!お二人ともぉぉ!!そろそろランチの時間ですよぉぉ!!」
「む・・・もうそんな時間か。幸助、稽古を続ける前に食事を取るとしよう」
「そうですね」
腹は減っては戦は出来ぬ。それどころかありとあらゆる作業のクオリティがグレートダウンしてしまう。鍛冶職人もアダム鉱石を叩くのを止め、サンドイッチをほおばり始めた。
「悪いな。まだ、ロクに剣の形も形成できていないのに食い物を貰って」
「いえ、気にしないで下さい」
2m級の大きな金床の上を見ると、少し細長くなったエメラルド色に輝くアダム鉱石がポツンと置かれている。エメラルド色なだけで透けてもいないし、宝石でもない。剣になっていない中途半端な状態だが、ついこの手で握ってしまいたくなるほどに魅力を持つ鉱石だ。
メアリーを膝の上に座らせ、サンドイッチを頬張り終えると、ほぼ同時に蘭丸さんも完食し終えていた。リスのように頬張らず、顔の形が崩れないようにゆっくりと食べていたはずなのに、どうしてこんなにも食べるのが早いのだろうか。
「それでは、午後は鎧を纏った状態でやる事にしよう。身を守る鎧を身に着けているだけで動きは大きく変わってくるからな」
「分かりました。お願いします」
「ねぇねぇ、コウスケ君とランマルさん。そのトレーニング、ワタシも参加して良いですかね?ずっと、鍛冶場でぼーっと本読んでいるのも少し飽きてきたんで」
そういうボニーさんの手には『SMの境地』という本が握られている。信憑性は微妙だが、神が使っていたという鍛冶場で何て言うものを見ているのだろうかこの変態は。
「私も!私も!勿論準備体操はコウスケさんと!・・・そして!ウォーミングアップの殴り合いは勿論コウスケと!!」
日に日にスキンシップが激しくなっているメアリーも参加するようだ。スキンシップは良いのだが、発情した時に戦闘モードになるのは心臓に悪いからやめて欲しい。
「さぁて!始めますか!!」
準備体操を終えて、木剣を手に取る。しかし、目の前に持ってきた木剣には刃の部分は残っておらず握っている持ち手の部分しか残っていなかった。短くなってしまった木剣の先についた黒い焦げ、火事の時のような匂いに地面に落ちた折れた木刀の刃。木剣の刃が落ちている地面の少し先には黄色の光だけで構成された矢が深々と地面に刺さっており、刺さっている矢の角度からして天から撃たれた矢だった。
確認の為に太陽が眩しい青い空を見上げると、雲一つない快晴の空には純白の翼を背中から生やした思わず生唾を飲んでしまうような美少女が俺を獲物として目で捉えていた。美少女の手には弓のような湾曲した光が握られており、片方の手には木剣を破壊した矢と同じものが握られている。
天を鳥以上に自由に飛ぶ、人型の生物を人間はこう呼ぶ。天使と。神の使いの天使が俺を狙っている。一瞬何故かと思ったが、一方的にアモーラに敵意を向けているのではない事を思い出す。あの天使はアモーラの使いだ。ついに自分の信仰者ではなく、直属の部下を使い始めたのか!
天使は矢を弓に番え、同じく光で出来た弦を力いっぱい後ろへ引く。狙いを定めているのは俺の脳天。俺は下手に走らず、その場で立ち止まる。
「・・・コウスケさん」「コウスケ君」「幸助」
仲間も俺の視線で天使の存在に気付いていたうようだ。幸いにも天使の数は1人。しかも俺だけを狙っている。
「メアリー。皆の武器を持ってきてくれ。出来れば俺の反撃の盾も」
「分かりました」
「ありがとう・・・さてと」
反射神経は良い方だが、天使の矢を避ける事は出来るのだろうか?さっき、木剣を破壊された時は不意打ちだったとは言え、まるで見えなかった。果たして盾が届くまで脳か心臓を貫かれずに済むだろうか・・・。
普通に暮らすなら不便しかない場所だが、トレーニングにはもってこいの場所だった。普段よりも厳しい環境での訓練やトレーニングは身体能力の向上に繋がる。アダム鉱石の剣が完成するまで暇で仕方ない幸助と蘭丸は木剣と木刀を用いて模擬試合を行っていた。
「はぁっ!!」
「甘いわ!!」
幸助の背中に木刀の殺傷力は無いが、非常に重い一撃が入る。幸助は背中をさすりながら立ち上がり、蘭丸の方を見た。
「イテテ・・・流石、蘭丸さん。対人戦においては右に並ぶ者はいませんね」
「褒めても何も出ないぞ。それに褒めている暇があるなら構えろ。続けるぞ」
「・・・はいっ!」
普段は無口で優しい蘭丸だが、幸助を鍛えるとなると、態度が一変してスパルタ師範へと変貌する。戦国という厳しい時代に生まれた名残だろうか。しかし、そのお陰で幸助の実力はメキメキと竹のように成長していっている。幸助という戦士が完成するのも間もなくだろう。
しかし、ずっとトレーニングを続けられるわけはない。人間には動く為のエネルギー、食事が必要だ。ブラックスミスの殺風景な鍛冶場から出てきた銀髪の少女メアリーは両手にサンドイッチを持って幸助達の方へと走ってきていた。
「おぉぉぉい!お二人ともぉぉ!!そろそろランチの時間ですよぉぉ!!」
「む・・・もうそんな時間か。幸助、稽古を続ける前に食事を取るとしよう」
「そうですね」
腹は減っては戦は出来ぬ。それどころかありとあらゆる作業のクオリティがグレートダウンしてしまう。鍛冶職人もアダム鉱石を叩くのを止め、サンドイッチをほおばり始めた。
「悪いな。まだ、ロクに剣の形も形成できていないのに食い物を貰って」
「いえ、気にしないで下さい」
2m級の大きな金床の上を見ると、少し細長くなったエメラルド色に輝くアダム鉱石がポツンと置かれている。エメラルド色なだけで透けてもいないし、宝石でもない。剣になっていない中途半端な状態だが、ついこの手で握ってしまいたくなるほどに魅力を持つ鉱石だ。
メアリーを膝の上に座らせ、サンドイッチを頬張り終えると、ほぼ同時に蘭丸さんも完食し終えていた。リスのように頬張らず、顔の形が崩れないようにゆっくりと食べていたはずなのに、どうしてこんなにも食べるのが早いのだろうか。
「それでは、午後は鎧を纏った状態でやる事にしよう。身を守る鎧を身に着けているだけで動きは大きく変わってくるからな」
「分かりました。お願いします」
「ねぇねぇ、コウスケ君とランマルさん。そのトレーニング、ワタシも参加して良いですかね?ずっと、鍛冶場でぼーっと本読んでいるのも少し飽きてきたんで」
そういうボニーさんの手には『SMの境地』という本が握られている。信憑性は微妙だが、神が使っていたという鍛冶場で何て言うものを見ているのだろうかこの変態は。
「私も!私も!勿論準備体操はコウスケさんと!・・・そして!ウォーミングアップの殴り合いは勿論コウスケと!!」
日に日にスキンシップが激しくなっているメアリーも参加するようだ。スキンシップは良いのだが、発情した時に戦闘モードになるのは心臓に悪いからやめて欲しい。
「さぁて!始めますか!!」
準備体操を終えて、木剣を手に取る。しかし、目の前に持ってきた木剣には刃の部分は残っておらず握っている持ち手の部分しか残っていなかった。短くなってしまった木剣の先についた黒い焦げ、火事の時のような匂いに地面に落ちた折れた木刀の刃。木剣の刃が落ちている地面の少し先には黄色の光だけで構成された矢が深々と地面に刺さっており、刺さっている矢の角度からして天から撃たれた矢だった。
確認の為に太陽が眩しい青い空を見上げると、雲一つない快晴の空には純白の翼を背中から生やした思わず生唾を飲んでしまうような美少女が俺を獲物として目で捉えていた。美少女の手には弓のような湾曲した光が握られており、片方の手には木剣を破壊した矢と同じものが握られている。
天を鳥以上に自由に飛ぶ、人型の生物を人間はこう呼ぶ。天使と。神の使いの天使が俺を狙っている。一瞬何故かと思ったが、一方的にアモーラに敵意を向けているのではない事を思い出す。あの天使はアモーラの使いだ。ついに自分の信仰者ではなく、直属の部下を使い始めたのか!
天使は矢を弓に番え、同じく光で出来た弦を力いっぱい後ろへ引く。狙いを定めているのは俺の脳天。俺は下手に走らず、その場で立ち止まる。
「・・・コウスケさん」「コウスケ君」「幸助」
仲間も俺の視線で天使の存在に気付いていたうようだ。幸いにも天使の数は1人。しかも俺だけを狙っている。
「メアリー。皆の武器を持ってきてくれ。出来れば俺の反撃の盾も」
「分かりました」
「ありがとう・・・さてと」
反射神経は良い方だが、天使の矢を避ける事は出来るのだろうか?さっき、木剣を破壊された時は不意打ちだったとは言え、まるで見えなかった。果たして盾が届くまで脳か心臓を貫かれずに済むだろうか・・・。
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