大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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最終章 今こそ復讐の時

第二十七話 生死の境目にて

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 ああ・・・終わった。何もかも、全てが終わりを迎えた。

 アモーラへの復讐は見事成功を収め、暴動は抑え、ピピンとの泥試合にも終止符を打つことができた。

 まるでバイキングで満腹になるまで食べたような幸福感と充実感。この世界でもあっちの世界でも中々得難い感情だ。しかし、同時に目的を失ってしまった喪失感にも襲われる。

 俺はこの1年間、ほとんど復讐の事だけを考えて生きてきた。蘭丸さん、ボニーさん、メアリーがいなければもっと時間がかかってた上に成功もしていなかっただろう。試していないが何となく分かる。

 先輩にも恵まれた、友達にも恵まれた、恋人にも恵まれた。そして、冒険にも恵まれた。濃厚な1年だ。食べ物に例えるなら、アブラマシマシ麺硬めのドガ盛りラーメン。胃もたれしそうだ。

 ・・・さっきから、自分の送ってきた人生を食べ物に例えていたら無性に元の世界の食べ物が食べたくなってしまった。餃子、ラーメン、ハンバーグ、スペアリブ、味噌汁、白米、鮭。どれも涎が出てしまうほどの料理だ。

 芋づる式に家族の事まで思い出してしまった。メモリアンの言う通りであれば、平和に幸せに暮らしているのだろうが、やはりこの目で見たかったし、一緒に暮らしたかった・・・。

『では、戻してやろうか?そなたを元の世界へと』

「えっ?」

 真っ暗な空間にピカリと一点の光が灯る。眩しいと感じ、手で目を覆うが、全然光が遮れない。何故だ?疑問に思っていると、誰かが答えてくれた。

『それはお主が今、魂だけの存在だからじゃよ』

「魂・・・だけ?」

『そう!君はアモーラとの連戦後、ピピンとかいう男と戦った結果!体力の限界まで動いてしまい、今生死の境目にいる!!』

「この暑苦しい声・・・まさか、ファイトール様!?」

『そのとぉーり!よく分かったな!コウスケ!!』

 逆に一度会ってて分からない方がおかしいだろうこんなキャラをした神を忘れるだなんて。

『もう一度言うが、君は生死の境目にいる!だが、肉体は生きているので危篤状態ではないのを最初に知ってもらいたい!』

「え!?じ、じゃあ何でそんな曖昧な所に俺はいるんです?」

『我々が連れてきたからだ』

『お主は、元はこの世界に無理矢理連れてこられた身。そんなお主には選択肢を与えるべきだと思ってな』

 神々からの選択肢。思わず喉は無いのに生唾を飲んでしまう。

『実はだな、俺らの力で君を元の世界に戻す事が出来るんだ!どうだ?すごいだろう!?』

『そこでそなたに2つの選択肢を与えよう。元の世界に帰るか、今の世界に滞在するか。好きな方を選びなさい』

 予想はしていたが、やはりそう来たか。なら、もう既に決まっている。

「今の世界に留まります」

『それで良いのか?今の世界のそなたの肉体は左腕と右目を失っている。家族もいないのだぞ?』

「それでも、愛する人メアリーがいます」

『成る程のぉ・・・あい分かった!では、魂を今の世界へと戻してやろう!』

『では、行くぞ!さらばだコウスケ!闘志の剣はそのままにしてあるから、壊れるまで存分に使ってくれ!それでは・・・・行けぇぇぇ!!』

「うおぉぉぉぉぉわぁぁぁぁぁ!!」

 後ろに吹き飛ばされたかのような感覚に襲われ、3人の神の声が遠のいていく。突然の出来事で思わず驚いていると、いつの間にかベッドの上に横たわっており、体の上には毛布・・・の代わりに目の周りを赤く腫らしたメアリーがかけられていた。

「あれ・・・?コウスケ、さん・・・?」

 俺が目覚めると同時に彼女もパチリと目を覚ます。ほぼゼロ距離で目が合ってしまい、気まずく感じた俺は引き攣った笑みで右手を振り、

「お、おはよう。メア─────んんっ!?」

 起床の挨拶をしようとするが、彼女の蛇のような舌の侵入によって、それは阻まれてしまった。


 それから10分間、キスは続きまた視界が暗くなりかけた所でボニーさんとアメリアが助けに来てくれたお陰で一命を取り留める事ができたが、視界が暗くなった時に聞こえた。

『嘘だろ!!死亡RTAというのは正にこの事か!!』

 の一言は多分一生忘れないし、忘れたく無いと思う。
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