大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太

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最終章 今こそ復讐の時

第二十九話 眠っている3日間

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 皆に無事という旨を伝えると、この3日間で何が起こったのかを教えてくれた。

 まず、女神アモーラ。今回大罪を犯したアモーラと彼女の天使達はファイトールと彼の天使達によって天界へと連行された。人間でいう裁判をかけるらしい。当然と言われれば当然だ。何せ何人もの人が死に、彼女自身も手をかけているのだから。

 アダム鉱石にて作られた神への対抗策である神殺しの剣は鍛治の神ブラックスミスとの約束通り、俺が眠っている間にメアリー達が国王にお願いしてフラムの宝物庫に保管したようだ。

 神殺しの剣で思い出したが、途中までアダム鉱石を加工してくれていた鍛治職人の仕事場である鍛治場は破壊こそされたものの、休暇中だった為、死人は誰もいなかったらしい。鍛治職人は弟子達と抱き合って生きている事を喜んだそう。

 今回の騒動で大暴れした脱獄者は処刑されてしまったそうだ。慈悲はない。来世では罪を犯さないよう願うのみだ。まあ、最も次はどんな生物に生まれ変わるのかすら不明瞭なのだが。

 俺が寝ている間、心配したラコルト様が大量の作物を持ってお見舞いに来てくれたらしい。ラコルト様が無事だった事が知れてよかったと思うと同時にもう一度会いにおこうと思った。

 騒動での死者は合計で142人で、負傷者は240人。死者も負傷者も割合の8割を占めているのは戦った者達だったが、残り2割は戦闘に巻き込まれた一般人らしい。悲しい現実だが、神が降臨してこの数は抑えられた方なのではないのかと思う。

「コウスケ!お前もう、左腕と右目治らないんだろ?だったら、しばらく僕の実験に付き合ってくれ!必ず後悔はさせないからさ!」


 幸助が目覚め、勝利の喜びを味の染みた干し肉を噛むように味わっている中、天界では大罪を犯したアモーラを神評会で捌いていた。

 普段なら、半年から1年以上かけて罰は考えられるが、今回は犯した罪の大きさ、範囲の大きさがハッキリとしている為、判決はたった5日でついた。

「被告神アモーラは800年間、力の4分の3を没収。更に800年間の天界への出入りを禁止する。異論はあるか?」

「いえ、ありません。正しい裁きをありがとうございます。ヴェリーテ」

「仕事だ、感謝はいらない・・・達者でな」

 哀愁漂う背中を向け、アモーラは天界を降りて行こうとする。すると─────

「「お待ちください!アモーラ様!!」」

 彼方から飛んでくる純白の翼を生えた天使が飛んできてアモーラの目の前で風を切りながら着陸する。天使の正体はラヴとライク。アモーラを心の底から敬愛する姉妹天使である。ラヴの純白の美しい翼には光の鎖が付けられており、自由が制限されてしまっている。アモーラと協力してフラム人を滅ぼそうとした罰である。

「貴女様が天界を出るのなら、私も連れて行ってください!」

「そうです!私も犯した罪は同じです!どうか一緒に償わせてもらえないでしょうか?」

 案の定、彼女らがやってきた理由は同行だった。ほとんどの天使がアモーラから離れる中、彼女らのみがアモーラを見捨てなかったのだ。

 そんな忠実な天使2人に涙腺が刺激されてしまったのか、アモーラは静かに涙を流しながら彼女達を抱きしめた。

「良いのですか?こんなわたくしですのに?」

「はい!」「貴女様が私の全てなんです!」

「例え天界に戻ってきても怒り狂った愛の女神の天使と後ろ指を指されるのですよ?」

「「本望です」」

 姉妹の真剣な眼差しと姿勢に胸を打たれたアモーラ。涙を流すのを止め、花の蜜のように甘い笑みを浮かべた。

「・・・わかりました。では、行きましょう。ラヴ、ライク」

「「・・・はい!!」」

 アモーラが罪を償いきっても罪は消え去る事はない。それは彼女自身も天使達も理解している。それを理解した上で彼女を支えたい。ついていきたいと思ったのだ。

 数年後、世界各地で彼女達は女神と天使という立場を隠し、誰にでも救いの手を述べる活動を始めるのであったが、彼女達は名前を求められても名乗る事なくただひたすらに人々を救い、その名前が人の記憶と歴史に刻まれる事は無かった。しかし、それでも彼女達は人々が救われる姿を見て満足するのであった。
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