42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太

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1章 投げる冒険者

21話 どんぐりの背比べ

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「えと・・・よろしくお願いします」

「アタシをガキだと思った事は、このパンで帳消しにしてあげる。感謝しなさい」

 ふたくちでパンを平らげると、俺の頼んだブドウジュースを飲み、パンを流し込む。あまりにも、大胆すぎる・・・!!

「なに?良いじゃない。いっぱいあるんだから」

「今ので半分ぐらい飲まれちゃったけどね・・・」

 朝だからか、一周回って感心してしまったのかは分からないが、怒る気にはなれない。しかし、冒険者をやっていて、昇級試験の依頼をできるくらいの実力はあるはずなのに、どうして2日も食べていないのだろうか?

 過酷な依頼の帰りか?いや、にしては服装が綺麗だ。単純に食べていないだけだろう。とても気になるが、聞くには親密度が低すぎる。控えよう。

「もっと食べないの?」

「いや、これから依頼だというのに腹一杯にすると動きが鈍くなるんで」

 とある球団で行われた米禁止例も、結局は試合前に食べると動きが鈍くなるからという理由で導入されたもの。食事は大事だが、必要以上に摂れば足枷になる。

「ふぅん・・・冒険者になってから4日でその意識の高さ。まるでベテランね」

「父から教わった事ですよ」

「あっそ・・・」

 突如として機嫌が悪くなるヘリナ先輩。親の話は他人でも地雷になるらしい。かなり面倒くさい人だ。

「おい!そこの2人!もしかしなくても僕の昇級試験の依頼についてきてくれる運の良い冒険者だな?」

「卑しいチビ女の次は、うざいチビ男かよ・・・」

「ん?何か言ったか?デカいの」

「いや、なんでも」

 俺達の前に姿を現したのは、身長160センチほどの冒険者をするにはあまりにも小柄な男。名前はライ・ウィートというらしい。何処かで聞いた名前だが、誰だっけか?

「そこのデカいの!聞いた事があるような・・・みたいな顔をしているな!よかったな!お前のその感覚は合ってるぞ!!」

「それは良かった。それで?貴方は一体何者なんです?」

「よくぞ聞いてくれた!!僕はこの地域を統治するウィート家の─────」

「出来損ないの三男。長男と次男と四男が優秀だったから家での立場を無くしたから思い切って冒険者になったけど、大した成果をあげられず、昇級試験に漕ぎ着けるまで4年かかった苦労人よ」

「おい、クソチビ!お前も大して変わらない事を忘れるなよ!!」

「アタシは無指名のアンタと違って指名してくれる人がいる事を忘れないでよね?」

「へぇ、一体何人はわけ?」

「・・・1人」

「へっ、しょぼいね」

「あ?」

 これを、世間ではどんぐり背比べというが、前世での諺だし、俺も喧嘩に巻き込まれそうなので言わないでおこう。
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