42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太

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2章 Aを目指せ

75話 赤い血を流す魔族

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 ワイバーンからジムが落ちてから1分が経過するが、未だに首を落とされる気配がない。そう察知したジムはヘリナを見上げると、目を丸くしてジムを見つめていた。

「どうした?あり得ない物を見た顔をして・・・そんなにベルム族が珍しいのか?いや、違うか。兜で顔を隠してるから驚きようもないな・・・なら、どうして驚いている?矮躯の剣士」

「アンタ・・・魔族なんだよね?」

「だから私達はベルムだって・・・ああ、もう良い。そうだよ。私は魔族だ。大変不本意だがな」

「なら、何で・・・・・・?」

「はぁ?」

 ジム・バレンと戦う前、ヘリナはラーバから1つ知識を得ていた。魔族は、血が流れていないから寒い場所にいても大丈夫と。

 魔族に関してまるで知識のないヘリナは、信用しているラーバから教えられたということもあって、それを常識として認識していた。

 しかし、目の前で魔族と名乗る戦士の見えない頭からは自分らと同じ赤い血が流れている。先程知ったとはいえ、常識が崩れたんだ。硬直してしまうのも無理はない。

「え?嘘、なんで・・・?魔族じゃなかったの?アナタ・・・」

 驚いているのはヘリナだけではない。パルスの治療を終えたラーバすら驚いてる。彼女に関しては幼い頃からそうやって教えてもらっていたからか、ジム・バレンを最早魔族として見ていない。

 ジム・バレンからしたらあまりにも滑稽な光景だ。大きなため息を吐くと、ジムは顔を覆う兜を外す。鉄製の兜から出てきたのは、精悍な顔立ちの青年だった。

 しかし、額には親指ほど黒いツノが一対生えており、白目が黒、瞳は白と、反面したような色をしている。更に、肌は薄ピンク色。確実にカートライトの人間ではない。

「これでも、私は魔族ではないと言うか?さあ、言ってみろよ、カートライト人・・・私は何だ?」

「・・・・・・」

「答えてみろよぉ!!人種差別者ァ!!」

 額から血をドクドクと流しながら怒り叫ぶジム・バレン。彼の怒りは収まらない。

「心臓が無い?血が流れてない?邪神の眷属?クソみたいな言いがかりつけやがって!!私達が何をしたって言うんだよ!!数百年前、接触してきたのはお前らじゃないか!仲良くしようと言ったのはお前らじゃないか!それなのに・・・見た目が違うってただそれだけの理由で悪魔扱いしやがってぇ・・・悪魔はどっちなんだ!?あぁ!?」

「それは・・・」

「もう良い、騎士バレン。もうしゃべるな。傷口が広がるぞ?」

 ジム・バレンの怒りの叫びは洞窟中に響き渡った。その結果、奥で待機していた男を呼び寄せた。3週間前にゲリットを襲った指導者の魔族だ。

「カートライト人に何を言っても無駄だ。ここは私に任せなさい・・・」

 指導者の後ろから、ゾロゾロと魔物が現れる。とてもじゃ無いが1人では到底対処できない数だ。

「・・・行け」

 瞬間、魔物達は束になって襲ってきた。
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