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2章 Aを目指せ
87話 失ったものと、得たもの
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昇級試験失敗から1週間が経った日の事、ヘリナ先輩と一緒に昼食を取っていると、俺達が使っているテーブル席に2人が座ってきた。
「よっ!ファルコっ!!」
「パルスさん」
「よかった、ご飯は食べられてるみたいね。心配してたのよ?元気が無いってみんなから聞いてたから」
「ラーバさん」
座ってきたのは、スパークレンス夫婦だった。炎で喉が焼けてしまったのだろう。喉がガラガラだ。
声だけじゃない。火傷は完全に癒えてケロイド状態になっている部分はないが、燃えてしまった髪の毛はまだ生えていない。
立派だった右腕も、もうない。スパークレンス家の家宝だった雷槍トーマスも溶けてしまったらしい。
全ては失われなかった。しかし、中途半端に残してしまった。それが、申し訳なくて仕方がない。
「パルスさん、俺───」
「謝らんで良い、謝らんで!お前は何も悪くないんだからなっ!」
「いえ、それは違います。俺は、嫌がる貴方を昇級試験に引っ張り出してしまった。俺にも多くの責任があります」
「あ~・・・つまりあれか?お前は、俺が嫌々昇級試験に参加したと言いたいのか?」
「いえ、そんなつもりは・・・」
「いいや?俺にはそう聞こえた。俺が不本意ながら参加したと思っている感じの雰囲気を感じ取った?そうだな?そうだよなぁ!!」
パルスさんは、身を乗り出すと、左手で俺の胸倉を掴み、戦う時のような顔つきで俺を睨みつけてきた。
「確かに、俺はファルコから言われてなければ、参加していなかった。期限が過ぎる前に辞退の旨を伝えてただろうよ」
「・・・」
「だけどな、自慢の右腕と雷槍を失ったのは、俺の実力不足と、ドゥークの圧倒的な実力だ。お前の判断と行動に何ら間違いなんてなかったさ。そして、これからも無いだろうよ」
「おいおい、泣きそうになってんじゃねぇか。堪えなさいよぉ!」
「すいません・・・」
「それに、だ。失ってばかりじゃねぇよ。寧ろお前に勇気を貰えた。前に進む勇気をな。もう、冒険者としては前には進めねぇけど、他の道をどんどん模索してみるよ」
「パルスさん・・・」
「だからよっ!ファルコ、お前も頑張れよ?お前は俺なんかとは違う。才能に溢れてんだからな」
「はいっ・・・!!」
そう語るパルスさんの表情は、まるで太陽のように晴れやかで、曇りなんて1つも無かった。それを確認した俺の心も浄化され、後悔や罪悪感は残りつつも、前へ進んでいこうと思えるようになったのであった。
「っていうわけでさ!仕事が見つかるまでお金貸ーして!」
「お馬鹿ッ!台無しじゃない!!」
パルスさんの脳天に、ラーバさんの拳骨が下りる。酒場は一気に笑いに包まれた。
「よっ!ファルコっ!!」
「パルスさん」
「よかった、ご飯は食べられてるみたいね。心配してたのよ?元気が無いってみんなから聞いてたから」
「ラーバさん」
座ってきたのは、スパークレンス夫婦だった。炎で喉が焼けてしまったのだろう。喉がガラガラだ。
声だけじゃない。火傷は完全に癒えてケロイド状態になっている部分はないが、燃えてしまった髪の毛はまだ生えていない。
立派だった右腕も、もうない。スパークレンス家の家宝だった雷槍トーマスも溶けてしまったらしい。
全ては失われなかった。しかし、中途半端に残してしまった。それが、申し訳なくて仕方がない。
「パルスさん、俺───」
「謝らんで良い、謝らんで!お前は何も悪くないんだからなっ!」
「いえ、それは違います。俺は、嫌がる貴方を昇級試験に引っ張り出してしまった。俺にも多くの責任があります」
「あ~・・・つまりあれか?お前は、俺が嫌々昇級試験に参加したと言いたいのか?」
「いえ、そんなつもりは・・・」
「いいや?俺にはそう聞こえた。俺が不本意ながら参加したと思っている感じの雰囲気を感じ取った?そうだな?そうだよなぁ!!」
パルスさんは、身を乗り出すと、左手で俺の胸倉を掴み、戦う時のような顔つきで俺を睨みつけてきた。
「確かに、俺はファルコから言われてなければ、参加していなかった。期限が過ぎる前に辞退の旨を伝えてただろうよ」
「・・・」
「だけどな、自慢の右腕と雷槍を失ったのは、俺の実力不足と、ドゥークの圧倒的な実力だ。お前の判断と行動に何ら間違いなんてなかったさ。そして、これからも無いだろうよ」
「おいおい、泣きそうになってんじゃねぇか。堪えなさいよぉ!」
「すいません・・・」
「それに、だ。失ってばかりじゃねぇよ。寧ろお前に勇気を貰えた。前に進む勇気をな。もう、冒険者としては前には進めねぇけど、他の道をどんどん模索してみるよ」
「パルスさん・・・」
「だからよっ!ファルコ、お前も頑張れよ?お前は俺なんかとは違う。才能に溢れてんだからな」
「はいっ・・・!!」
そう語るパルスさんの表情は、まるで太陽のように晴れやかで、曇りなんて1つも無かった。それを確認した俺の心も浄化され、後悔や罪悪感は残りつつも、前へ進んでいこうと思えるようになったのであった。
「っていうわけでさ!仕事が見つかるまでお金貸ーして!」
「お馬鹿ッ!台無しじゃない!!」
パルスさんの脳天に、ラーバさんの拳骨が下りる。酒場は一気に笑いに包まれた。
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