42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太

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4章 偽りの歴史

190話 過剰な証明

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「本当に・・・ファルコなの?」

「はい、本当です・・・信じてください」

「で、でも・・・ルナさんはファルコは死んだって・・・」

「人の体を勝手に操るような人間の言葉を信じるんですか?」

「・・・本当の本当にファルコなの?本物なら、もっと・・・証明してみせて」

 殺意は抜けたが、一度は死んだと思っていた人間が目の前にいる為、信じ切れてはいない様子。

 何か証明できるもの。少し考えた末に鉄球と一緒に異空間に保管しておいたを思い出し、取り出して見せる。

 それは、ヘリナ先輩はC級に居る時から愛用し続けた身長よりも大きい大剣だ。俺を誤って斬ってしまった際に置いていった大剣。アダムオーナーに渡されてから、盗まれないようにずっと自分の異空間に仕舞っておいて本当に良かった。

「これ、アタシの・・・」

「ヘリナ先輩の大剣です。そしてコレがその時の傷です」

 更に上着を脱いで、半年前に瀕死の原因となった胴体の傷を見せつける。既に、塞がり切っており、痛みも無ければ、かゆみも無いが、痕は生々しく残っている。

 斬った時の事は覚えてなくても、斬った後の事を覚えているのならば、きっとこの傷で俺が本物だと気づいてくれるだろう・・・。

「この傷・・・アタシが?」

「そうですよ、ヘリナ先輩が付けたんです!」

「それで、ファルコは死にかけた・・・アタ、アタシ・・・アタシがががががっがががが!!」

「あっ・・・やばい・・・」

 ナックルから聞いた話によると、俺を斬った後、ヘリナ先輩はショックで気絶してしまったという。つまり、相当の心的外傷を負ったわけだ。トラウマ、最悪の場合PTSDになっていても何らおかしくはない。何でその事をかんがえていなかったんだ俺は。

「ごめんなさい!!ごめんなさい!!嫌いにならないで!!アタシの前から消えないで!!!」

 懇願するように、俺に縋り付いてくるヘリナ先輩。証明するのについ、やりすぎてしまった。首を絞められた諜報員も「お前、それはやりすぎだ」と呟いている。

 結果として、誤解は解けたものの、過呼吸になってしまったヘリナ先輩を落ち着かせるのに、2時間程かかってしまった。

「ファルコ・・・本当に生きててくれてありがとう・・・」

「お礼を言うのはこっちの方ですよ、ヘリナ先輩。信じてくれてありがとうございます・・・」

「うん・・・・・・ところで、トルネヒロで仲良くコンビ組んでたあの魔族、誰?」

「え?・・・ああ、ナックルの事ですか。彼は────」

「アタシ以外とコンビは組まない・・・一生アンタの相棒はアタシだって言ったよね?ね?」

 そういって詰め寄って来るヘリナ先輩の瞳は、操られていないのに、光が灯っていなかった。

 どうやら心的外傷で、情緒が不安定になってしまったみたいだ。

 マーキングとしてまた新しい噛み痕を右腕に付けられてしまった。
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