42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太

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5章 紛い物の神

213話 ゼファードの森

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 ファリードの森は、カートライト領内にある森で、東の地域に在している。

「西の地域、初めてきたけど、気温が穏やかだね。とても過ごしやすいよ」

「そっか、スノーテイルズは北だったもんな。あそこと比べたらまあ、確かに過ごしやすいよな」

 諜報部隊に話によると、1ヶ月前のダイナミック脱出のせいで俺が生きている事が世間的にバレてしまったらしく、父さんと同じくフードを被っての移動となる。

 暖かい太陽の光を全身に浴びたかったので、非常に残念だ。

「そういえば、エルフってどんな種族なの?」

 俺が知っている知識は、本と前世のものしかない。しかも、前世のは完全に創作物の為、参考にはならない。

 実際に会った事のある父さんは熟知しているのだろう。

「何と言うか・・・のんびりしてる種族だな。個々人に個性がなくて、霧みたいに消えてしまいそうな存在って言った方が分かりやすいか?」

「霧・・・のんびり・・・」

「長寿だからか、そうなったらしい。とにかくのんびりしてて、ペースに合わせようとすると調子が狂うから気をつけろよ?」

 昔、読んでもらった童話の中に、『エルフの服屋さん』という話があった。とある貴族が、服作りの名人のエルフに生まれた子供の服を作らせようとしたけど、時間がかかりすぎて、完成した頃には既に子供は少年になっていたという話だ。

 その時は、過剰な表現だと思っていたが、実際はかなりリアル寄りの作品だった事がここで判明する。

「美男美女ぞろいで誘拐がよく起こるのに、居場所を変えようとしないのもそれが理由だ。とにかく警戒心がないんだよ、あいつらは」

 すごい闇の深い話を聞いてしまった。仲間意識というものは低いのだろうか?

 エルフの事について聞いていると、いつの間にかエルフが住んでいるという森、ゼファードの森に到着していた。

 濃霧で前は見えずらいが、父さんは迷ったと言っていたが、迷うような構造はしていないように見える。

「父さん、どうやって迷ったの?」

「やっぱそういうリアクションするよなーとりあえずまっすぐ歩いていきな」

「分かった」

 言われた通り、まっすぐ続く道を歩く。すると、目の前に人影が見えてきた。霧のせいでよく見えないが、ガタイ的に男性だろう。

「おーい!おーい!!」

 手を振って、近づく。この森にいるのだからエルフで間違いないだろう。少し、耳が丸っこいが」

 近づいていくごとに姿がはっきりと見えるようになる。そして、人影から5mまで近づいた時、ようやっとその御尊顔を見る事ができた。

「よう、おかえり!」

「・・・父さん?」

 いたのは、後ろにいたはずの父さんだった。
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