42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太

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終章 3年後の平和

278話 壁越しにいる魔物への恐怖

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「う~~ん!美味しい!前よりも腕を上げたんじゃないの?ヘリナちゃん」

「そうかな?えへへ、それなら良かった。ファルコはどう?美味しい?」

「う、うん!勿論!!」

「ん??どうしたのファルコ。なんだか落ち着かない様子だけど・・・」

「彼が落ち着いている事がある?普段はいないウチがいるから落ち着かないのよ」

 全くもってその通りだ。『オール・イン・ザ・ハンド』と、ペピトーン一派の2つのインパクトある話で完全に忘れてたけど、どうしてクソアマルナがヘリナ先輩の親族になっているんだ?

 いや、待てよ。ペピトーン一派によって使われた『オール・イン・ザ・ハンド』は、皆ができるだけ幸せになる夢をみるように設定してある。

 ルナはヘリナ先輩を病的に愛していた。故にできるならば家族になりたいと思っていたのだろうが、対するヘリナ先輩は俺と結婚するのが夢だった。

 そして、ペピトーン一派の目論見は俺の心に空いた野球の隙間を埋める事。この2つの事情から、ルナは結婚ではなく、親戚という形に収まったんだろう。

「ファルコ・・・もしかして美味しくない?」

「え?いや、全然美味しいよ?」

「でも、全然量が減ってないよ。美味しくないわけじゃないなら、もしかして体調が悪いの?」

「あなた、ヘリナちゃんにご飯作ってもらっておいて完食できないとかそういうのじゃないでしょうね?」

 いつも通りヘリナ先輩のご飯は美味しいし、体調が悪いわけでもない。問題は、外から聴こえてくる魔物が発する音だ。

 鳴き声は勿論の事だが、壁でツメを研ぐ音だったり、何かを破壊する音が聴こえてくる。いつ、俺の家が襲われるのだろうか想像するだけで飯スープすら喉を通らない始末。

 しかし、ルイスに言われた通り、『オール・イン・ザ・ハンド』の影響を受けていると装う他ない。とりあえず、食べないと怪しまれるので、魔物が近くにいるという恐怖をスープで流し込みながら夕食を食べ終え、自室へと戻った。

(ルイスは・・・まだ居ないな)

 自室に戻ってきたのは良いものの、ルイスはまだ戻ってきていない。俺以外の誰かが部屋に入って来る可能性を考慮して深夜に来る可能性が高い。

「・・・寝るか」

 彼が来るまで本を読む気分にもなれないので目を瞑り、眠る事にした。

 だが、どんなに部屋を暗くしようとも、目を瞑ろうとも、良いベッドを使っていても、魔物が村の中にいるという事実を忘れる事が出来ず、恐怖で意識がまどろみにすら入らない。

 ペピトーン一派に監視されている可能性もあるので、魔物達を蹴散らしもいけない。そんな状態で目を瞑っていると、俺の部屋を誰かが開けて中に入ってきた。
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