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1章 就職!異世界の門日本支部!
6話 初仕事と刹那の一閃
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門番の制服は、一般的な警察官の制服と大差ない。勤務時には着用が義務付けられている。
相違点も存在する。まず、武器が違う。警察官は拳銃と警棒が基本装備だが、門番の既存装備はない。各々好きな武器を使用する。
そして、制服も使用する武器に応じて追加防具の装着や、改造が可能。最悪、胸の門番の証さえ付け、色さえ同じであればOKとされるケースもらあると言う。
俺は改造はしていないが、モネさんは大ぶりの武器を使うからか、脇や膝の部分に切れ目が入っていたし、シャープ君はプレートアーマーと籠手を装備していた。業務を行なっていくにつれて試行錯誤するのも良いかもしれない。
制服に着替え、言われた通りにタイムカードを切った翡翠は3人の前に立つ。
「うん!似合ってるね!制服!それに、その刀!すんごくかっこいい!」
「ありがとうございます!改めて・・・これからよろしくお願いします!」
「よろしく、翡翠君。それじゃあ、早速で悪いんだけど3人には死体の解体をお願しようかな?皮と肉と骨に分けてビニール袋に入れておいて。
「「「はい!!」」」
討伐された魔物は、解体されて肉と骨は燃やされ、皮は剥製にされる。完成した剥製は一般販売して、門番の予算に回すらしい。
なので、解体作業も立派な門番の仕事に間違いはない。
「ところで、アンタ。さっきアタシ達の事、電柱の上から見てたでしょすんごく気が散ったんだけど」
「ああ、ごめん。つい見入っちゃって」
「それに見てるだけじゃなくてちゃんと手伝いなさいよ。初日とはいえ、門番でしょ。その変な剣もあの時持ってたはずでしょうから、無理な事じゃなかったはずだと思うのだけれど」
「はぁ・・・」
いきなり始まる文句。確かに戦っている最中に気を散らせたのは申し訳ないと思うが─────
「肝が座ってるのは褒めてあげる。けど、見てるだけじゃドドド三流ね!出勤してない時でも門番の指名は果たしなさい。これは先輩からのアドバイスよ」
アドバイスというよりも文句。そして、先輩とは言うが1週間の差。先輩風を吹かすには些か差が短すぎると思うのは俺だけでは無いはず。それに─────
「その顔、正論すぎて何も言えないって顔ね。分かったなら、今度から気をつけなさいよ」
「それは勿論気をつけるけど、あの場では俺が出るべきではなかったでしょ」
「は?はぁ!?つまりアンタはアタシが言ってることが間違えてるって言いたいわけ!?」
「あの場の状況ではね。だって、俺ら今知り合ったじゃん」
「だからなんだって言うのよ!!」
「初対面かつ戦い方を把握してない人と、どうやって連携を取れって言うんだよ!普通に考えて無理があるだろ!!」
「っっ・・・!!」
「な?そうだろ?違わないのか?」
「・・・・・・」
顔を赤らめて下を俯く。自分でも、自分の発言のおかしさに気づいたようだ。
「なあ・・・まさか、俺に説教したいからって難癖付けたわせじゃないよな?」
「はぁ!?んなわけないでしょ!そんな性格の悪いことするヤツだと思う?アタシが!」
「いや、わかんねぇよ!初対面なわけだし!何でも自分の事を知ってる前提で話すのやめてくれよ!!世界はモネさん中心に回ってるわけじゃないんだぜ!!」
あ、まずい。最後の一言余計だった。ちょっと頭に血が上ってしまった。
悪い予感は的中し、先程は、頬だけが真っ赤だったのに対して今度は顔中を林檎のように真っ赤にさせて掴みかかってきた・・・のだが。
「くっ・・・ふっ・・・!と、届かない・・・!!」
ドワーフの低身長が災いしてか、手が俺の首元まで届かないようだ。なんか・・・ごめん。
「どうしたの、モネ?いつもよりもカリカリしてるよ?牛乳飲んだ?」
「カルシウム不足じゃないわ!!なんか分からないけど、コイツの顔見てると、イライラするのよ・・・!」
「完全に八つ当たりじゃねえかよ・・・」
それってかなりの悪口なのでは?でも、ここまでハッキリと言われると、あまり不快感は感じないな。
「おぅい!いつまでじゃれついてんの!部下ちゃんズ!!他にも仕事が残ってるんだから早くしてよー」
主任に注意されて気持ちも切り替えたのか、胸倉を掴むのを諦めると、舌打ちしてナイフを取り出した。
「さっさとやるよ。モタモタしてたら今度は注意だけじゃ済まされないんだから!」
「モタモタした原因は君でしょ・・・ん?ちょっと待って」
「あ?何?まだやろうってんの?」
「違う!ヘルファイガーの死体だよ!よく見て!!」
翡翠が指差す先にあるのは、既に絶命し、この世での活動を停止した炎の虎。既に心臓は止まっており、動くはずがないのだが、ほんの僅かではあるが、震えるように動いている。
「何・・・あれ・・・」
「野良犬が食ってるのかな?」
「いや、違う。あれは多分──────」
答えを言う前に答えが、ヘルファイガーの方から姿を表す。
ヘルファイガーの腹の中から這い出るように現れた謎の緑の触手。触手の名称を誰かが口にする前に、それは襲いかかってきた。
襲いかかるというより、飛びかかりに近い。人の頭ぐらいのサイズがあったにも関わらず緑の触手の移動速度弾丸並。
向かった先はシャープ?モネ?翡翠?
否、主任だ。緑の触手は近くにいる3人よりも遥かに強いと判断した主任の方へと方角を定めた。
正体は不明だが、ヘルファイガーから出てきた矢先に人に襲いかかるヤツが人間に友好的なわけがない。
誰よりも早くそう判断し、殺す決断に至ったのは3人ともほぼ同時。だが、殺す行動に出るのが1番早かったのは翡翠だった。
緑の触手が飛んでくると同時に抜刀準備。すれ違う瞬間、抜刀し、その緑の体を真っ二つにしてみせた。
飛び散る赤い鮮血。地面に落ちる2つの肉塊。
斬ったのは、翡翠の握る日本刀。刃に付着した血を振り払い、納刀すると、何事も無かったかのように両断された緑の触手を確認し、その正体を判別する。
「コイツは・・・寄生草?普通の魔物ならまだしも、どうやって炎を纏うヘルファイガーに寄生したんだ?寄生される前に燃えちゃうだろうに・・・」
森山翡翠。主武器日本刀。特技、居合。
1200人以上の受験者の中から選ばれた理由が少しだけ分かったモネとシャープなのであった。
相違点も存在する。まず、武器が違う。警察官は拳銃と警棒が基本装備だが、門番の既存装備はない。各々好きな武器を使用する。
そして、制服も使用する武器に応じて追加防具の装着や、改造が可能。最悪、胸の門番の証さえ付け、色さえ同じであればOKとされるケースもらあると言う。
俺は改造はしていないが、モネさんは大ぶりの武器を使うからか、脇や膝の部分に切れ目が入っていたし、シャープ君はプレートアーマーと籠手を装備していた。業務を行なっていくにつれて試行錯誤するのも良いかもしれない。
制服に着替え、言われた通りにタイムカードを切った翡翠は3人の前に立つ。
「うん!似合ってるね!制服!それに、その刀!すんごくかっこいい!」
「ありがとうございます!改めて・・・これからよろしくお願いします!」
「よろしく、翡翠君。それじゃあ、早速で悪いんだけど3人には死体の解体をお願しようかな?皮と肉と骨に分けてビニール袋に入れておいて。
「「「はい!!」」」
討伐された魔物は、解体されて肉と骨は燃やされ、皮は剥製にされる。完成した剥製は一般販売して、門番の予算に回すらしい。
なので、解体作業も立派な門番の仕事に間違いはない。
「ところで、アンタ。さっきアタシ達の事、電柱の上から見てたでしょすんごく気が散ったんだけど」
「ああ、ごめん。つい見入っちゃって」
「それに見てるだけじゃなくてちゃんと手伝いなさいよ。初日とはいえ、門番でしょ。その変な剣もあの時持ってたはずでしょうから、無理な事じゃなかったはずだと思うのだけれど」
「はぁ・・・」
いきなり始まる文句。確かに戦っている最中に気を散らせたのは申し訳ないと思うが─────
「肝が座ってるのは褒めてあげる。けど、見てるだけじゃドドド三流ね!出勤してない時でも門番の指名は果たしなさい。これは先輩からのアドバイスよ」
アドバイスというよりも文句。そして、先輩とは言うが1週間の差。先輩風を吹かすには些か差が短すぎると思うのは俺だけでは無いはず。それに─────
「その顔、正論すぎて何も言えないって顔ね。分かったなら、今度から気をつけなさいよ」
「それは勿論気をつけるけど、あの場では俺が出るべきではなかったでしょ」
「は?はぁ!?つまりアンタはアタシが言ってることが間違えてるって言いたいわけ!?」
「あの場の状況ではね。だって、俺ら今知り合ったじゃん」
「だからなんだって言うのよ!!」
「初対面かつ戦い方を把握してない人と、どうやって連携を取れって言うんだよ!普通に考えて無理があるだろ!!」
「っっ・・・!!」
「な?そうだろ?違わないのか?」
「・・・・・・」
顔を赤らめて下を俯く。自分でも、自分の発言のおかしさに気づいたようだ。
「なあ・・・まさか、俺に説教したいからって難癖付けたわせじゃないよな?」
「はぁ!?んなわけないでしょ!そんな性格の悪いことするヤツだと思う?アタシが!」
「いや、わかんねぇよ!初対面なわけだし!何でも自分の事を知ってる前提で話すのやめてくれよ!!世界はモネさん中心に回ってるわけじゃないんだぜ!!」
あ、まずい。最後の一言余計だった。ちょっと頭に血が上ってしまった。
悪い予感は的中し、先程は、頬だけが真っ赤だったのに対して今度は顔中を林檎のように真っ赤にさせて掴みかかってきた・・・のだが。
「くっ・・・ふっ・・・!と、届かない・・・!!」
ドワーフの低身長が災いしてか、手が俺の首元まで届かないようだ。なんか・・・ごめん。
「どうしたの、モネ?いつもよりもカリカリしてるよ?牛乳飲んだ?」
「カルシウム不足じゃないわ!!なんか分からないけど、コイツの顔見てると、イライラするのよ・・・!」
「完全に八つ当たりじゃねえかよ・・・」
それってかなりの悪口なのでは?でも、ここまでハッキリと言われると、あまり不快感は感じないな。
「おぅい!いつまでじゃれついてんの!部下ちゃんズ!!他にも仕事が残ってるんだから早くしてよー」
主任に注意されて気持ちも切り替えたのか、胸倉を掴むのを諦めると、舌打ちしてナイフを取り出した。
「さっさとやるよ。モタモタしてたら今度は注意だけじゃ済まされないんだから!」
「モタモタした原因は君でしょ・・・ん?ちょっと待って」
「あ?何?まだやろうってんの?」
「違う!ヘルファイガーの死体だよ!よく見て!!」
翡翠が指差す先にあるのは、既に絶命し、この世での活動を停止した炎の虎。既に心臓は止まっており、動くはずがないのだが、ほんの僅かではあるが、震えるように動いている。
「何・・・あれ・・・」
「野良犬が食ってるのかな?」
「いや、違う。あれは多分──────」
答えを言う前に答えが、ヘルファイガーの方から姿を表す。
ヘルファイガーの腹の中から這い出るように現れた謎の緑の触手。触手の名称を誰かが口にする前に、それは襲いかかってきた。
襲いかかるというより、飛びかかりに近い。人の頭ぐらいのサイズがあったにも関わらず緑の触手の移動速度弾丸並。
向かった先はシャープ?モネ?翡翠?
否、主任だ。緑の触手は近くにいる3人よりも遥かに強いと判断した主任の方へと方角を定めた。
正体は不明だが、ヘルファイガーから出てきた矢先に人に襲いかかるヤツが人間に友好的なわけがない。
誰よりも早くそう判断し、殺す決断に至ったのは3人ともほぼ同時。だが、殺す行動に出るのが1番早かったのは翡翠だった。
緑の触手が飛んでくると同時に抜刀準備。すれ違う瞬間、抜刀し、その緑の体を真っ二つにしてみせた。
飛び散る赤い鮮血。地面に落ちる2つの肉塊。
斬ったのは、翡翠の握る日本刀。刃に付着した血を振り払い、納刀すると、何事も無かったかのように両断された緑の触手を確認し、その正体を判別する。
「コイツは・・・寄生草?普通の魔物ならまだしも、どうやって炎を纏うヘルファイガーに寄生したんだ?寄生される前に燃えちゃうだろうに・・・」
森山翡翠。主武器日本刀。特技、居合。
1200人以上の受験者の中から選ばれた理由が少しだけ分かったモネとシャープなのであった。
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