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3章 異世界旅行録
34話 対策
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同時刻、ナチュレ城。6階特別客室。
「────という訳で、ヒスイ様のお友達の方々は人探しをしに城から出て行きました。恐らく夕暮れ時には帰ってくるかと思われます」
「おーけー!おーけー!大体分かった!」
翡翠は眠りから再び覚めていた。目の下に隈はなく、非常に健康そうである。
彼は今、ベッドの上でシャープ達が何処に行ったのかをシュエリから聞いていた。
眠っていて何もできない事に申し訳ないと思いつつも、頼りになる仲間達に感謝の言葉が溢れてくる。
起床した翡翠は今からでも、シャープ達の手伝いをする気満々だった。健康だし、やる気もある。万全のコンディションだ。
しかし、彼は手伝いに行く事は不可能である。やる気と元気があるのに何故?理由は彼の手首にある。
「あの!そろそろ外してもらえないでしょうか!!おしっこ漏れちゃいそうなんで!!」
昨晩のように拘束されているからだ。それだけならまだ大した問題ではなかった。
また、シュエリを騙して外してもらえば良いのだから。しかし、彼女は昨晩の反省を生かしてどんなに翡翠に懇願されようが、一切耳に入れようとしなかった。
彼女の耳に入るのは、世間話と愛を囁く言葉のみ。拘束解除して~等の言葉は通じない。
「ご心配なく。もし、本当にヒスイ様が催したとしても、私が受け止めますので・・・ネ?」
「ナニで!?」
「フフ、分かっていらっしゃるでしょうに・・・それよりもヒスイ様。私あの後色々と勉強してまいりました」
ドン!と勢いよく真横のテーブルに置かれたのは、『ヒトの成長』という題名の本。どうやらバレてしまったようだ。
「仲の良い夫婦は毎日のようにキスをすると聞きます。もしキスで子供ができるのなら、今頃世界には人が闊歩していたでしょう」
その通り。キスなんかで子供ができていたら、人口は今頃とんでもない事になる。
俺がキスというキッカケを作ってしまったせいで違和感に気づいてしまったようだ。
「結論!キスで赤ちゃんはできない!ヒスイ様をそれを知っていて私を騙した!そういう事でいいですよね?」
「はい、騙しました。すみません・・・」
ここで嘘をついても、王女は俺の心を読むことが出来るので意味はない。
昨晩バレなかったのは、王女の心自体が乱れていて他人の心を読む余裕がなかったからだろう。
「フフ、私はロット2世のようなエルフでないので許しましょう」
「ホッ・・・良かっt────」
「赤ちゃんは作ってもらいますが」
待って。ちょっと待って!!
「ちょっと待ってください!それだけはどうかそれだけは!!」
「いいえ、待ちません!」
今の王女は昨日の性知識皆無の違う。しっかりとした知識を学んでしまっている。
「では、失礼します!!」
俺のズボンにシュエリ王女の手がかかる。マズイ・・・息子が絶対立ち上がらないという自信がない・・・。
ナニがとは言わないが、翡翠はここ数日間発散していなかった。だから、今はちょっとしたキッカケでも準備万端になってしまう体となってしまっている。
経験こそしていないが、今の王女には子作りの知識がある。もうおしまいだ・・・俺はこの国で国の象徴として、生き続けなければならないのか────。
「あら?ど、どうしてでしょうか?ズボンが下がらない・・・!!」
「え?」
苦戦するシュエリ王女。彼女が苦戦するズボンのウエストの部分に見覚えのある紋章が浮かび上がっていた。
紫の南京錠の紋様・・・まさか!!
「「封印魔術!?」
俺のズボンが何者かによって封印されていたのだ。
いや、こんな事するのは1人しかいない・・・。
ウチのお転婆お姫様リリだ。
魔術の調整が下手くそな彼女がどうやってズボンだけに封印をかけられたのかは不明だが、今は感謝しなければならない。
シュエリ王女も犯人が誰か分かったようで、怒りの表情を浮かべて叫んだ。
「もぉおおおおおおおおお!!!!!」
牛のような雄叫びは、城中に響き渡った。
・・・可愛かった。
同時刻、ナチュレ城。6階特別客室。
「────という訳で、ヒスイ様のお友達の方々は人探しをしに城から出て行きました。恐らく夕暮れ時には帰ってくるかと思われます」
「おーけー!おーけー!大体分かった!」
翡翠は眠りから再び覚めていた。目の下に隈はなく、非常に健康そうである。
彼は今、ベッドの上でシャープ達が何処に行ったのかをシュエリから聞いていた。
眠っていて何もできない事に申し訳ないと思いつつも、頼りになる仲間達に感謝の言葉が溢れてくる。
起床した翡翠は今からでも、シャープ達の手伝いをする気満々だった。健康だし、やる気もある。万全のコンディションだ。
しかし、彼は手伝いに行く事は不可能である。やる気と元気があるのに何故?理由は彼の手首にある。
「あの!そろそろ外してもらえないでしょうか!!おしっこ漏れちゃいそうなんで!!」
昨晩のように拘束されているからだ。それだけならまだ大した問題ではなかった。
また、シュエリを騙して外してもらえば良いのだから。しかし、彼女は昨晩の反省を生かしてどんなに翡翠に懇願されようが、一切耳に入れようとしなかった。
彼女の耳に入るのは、世間話と愛を囁く言葉のみ。拘束解除して~等の言葉は通じない。
「ご心配なく。もし、本当にヒスイ様が催したとしても、私が受け止めますので・・・ネ?」
「ナニで!?」
「フフ、分かっていらっしゃるでしょうに・・・それよりもヒスイ様。私あの後色々と勉強してまいりました」
ドン!と勢いよく真横のテーブルに置かれたのは、『ヒトの成長』という題名の本。どうやらバレてしまったようだ。
「仲の良い夫婦は毎日のようにキスをすると聞きます。もしキスで子供ができるのなら、今頃世界には人が闊歩していたでしょう」
その通り。キスなんかで子供ができていたら、人口は今頃とんでもない事になる。
俺がキスというキッカケを作ってしまったせいで違和感に気づいてしまったようだ。
「結論!キスで赤ちゃんはできない!ヒスイ様をそれを知っていて私を騙した!そういう事でいいですよね?」
「はい、騙しました。すみません・・・」
ここで嘘をついても、王女は俺の心を読むことが出来るので意味はない。
昨晩バレなかったのは、王女の心自体が乱れていて他人の心を読む余裕がなかったからだろう。
「フフ、私はロット2世のようなエルフでないので許しましょう」
「ホッ・・・良かっt────」
「赤ちゃんは作ってもらいますが」
待って。ちょっと待って!!
「ちょっと待ってください!それだけはどうかそれだけは!!」
「いいえ、待ちません!」
今の王女は昨日の性知識皆無の違う。しっかりとした知識を学んでしまっている。
「では、失礼します!!」
俺のズボンにシュエリ王女の手がかかる。マズイ・・・息子が絶対立ち上がらないという自信がない・・・。
ナニがとは言わないが、翡翠はここ数日間発散していなかった。だから、今はちょっとしたキッカケでも準備万端になってしまう体となってしまっている。
経験こそしていないが、今の王女には子作りの知識がある。もうおしまいだ・・・俺はこの国で国の象徴として、生き続けなければならないのか────。
「あら?ど、どうしてでしょうか?ズボンが下がらない・・・!!」
「え?」
苦戦するシュエリ王女。彼女が苦戦するズボンのウエストの部分に見覚えのある紋章が浮かび上がっていた。
紫の南京錠の紋様・・・まさか!!
「「封印魔術!?」
俺のズボンが何者かによって封印されていたのだ。
いや、こんな事するのは1人しかいない・・・。
ウチのお転婆お姫様リリだ。
魔術の調整が下手くそな彼女がどうやってズボンだけに封印をかけられたのかは不明だが、今は感謝しなければならない。
シュエリ王女も犯人が誰か分かったようで、怒りの表情を浮かべて叫んだ。
「もぉおおおおおおおおお!!!!!」
牛のような雄叫びは、城中に響き渡った。
・・・可愛かった。
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