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最終章 探究者と門番
24話 ザナと莉緒
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「ここからどのくらいなんですか!?」
「120km先!つまり、最高時速で走ってれば1時間以内に着くってわけ!!」
「車壊れても知りませんよ!!」
「それで、平穏が戻ってくるなら本望よ!!」
ジープにすぐさま乗り、エンジンを吹かす。ガソリンは約半分残っている。これから、1時間程最高時速で走るわけだが、燃料は尽きないだろうか?
「飛ばすぜぇっ!!」
体に尋常じゃない重力がかかる。思わず顔を引き攣らせてしまう程だ。
「最高だね!!翡翠!!戦いの前の景気付けとしてはこれ以上の事はないんじゃないの!?」
「ホント事故らないでくださいね!!」
途中、岩にぶつかりそうになったり、魔物に襲われそうになったが、主任はそれを回避して問題なく進んでいく。
「そういえば、ルミナが言ってたザナ家の使命ってなんですか?主任は何か背負っているんですか?」
「ん~?あ~!あれの事?リオとザナの平穏を守る事だよ。それが、俺の家ザナ家に与えられた使命。全くじいちゃんも面倒な事してくれたよ~」
「そんなすんごい使命抱えてるんですね。家の名前がザナと言うだけでなくて、そんな使命まで抱えてるんなんて大変ですね」
「うん、仕方ないよ。この世界がザナって呼ばれるようになった理由の家だからね」
「ほーん、そうだったんですか・・・ん?今、なんて言いました?」
「だから、この世界・・・じゃなかった惑星がザナって呼ばれるようになったのは、オレのじいちゃんがリオとの共存に貢献したからって言ってんよ!」
「はぁぁぁ!?関係ありまくりじゃないですか!」
俺がナチュレに行く前の話だったか?主任は、自分のファミリーネームがザナなのは偶然の一致と言っていた。あれは嘘だったのか!?
「うん、あれ嘘。あんまし家の事情を他人に言うのはどうかなと思ってさ。万が一の状況が起きない限り言わないようにしてたんだよね」
「んでもって今が万が一の状況というわけですか」
「そういうこと♪因みにリオは誰が由来だと思う?」
俺に何のヒントもなしに出してきた問題。つまりは俺が既に答えを知っている又は答えに近い何かを知っているというわけだ。
すぐに頭に思い浮かんできた。つい最近会ったばかりというのもあるが、育ての親を忘れるわけがない。
「院長・・・?」
「そう!正解!孤児院が屋敷みたいにでかい時点でかなりの地位を持ってるのは何となく分かってたと思うけど、あの人若い頃はとんでもない人だったんだよー?もしかしたら、教科書に載るかもね~」
惑星の事に加えて、こんなに近くにすごい人がいたのか・・・最早一周回って冷静になれたような気がするよ。
「リオとザナが繋がった時に、大混乱が起きたのは知ってるよね?」
「魔物乱入、死亡者多数、株価暴落、土地代高騰、食糧問題・・・ただ別の文化がいきなり繋がっただけで連鎖的に問題が弾き起こったんですよね」
人間社会は常に絶妙なバランスで維持している。1つ崩れたら連鎖的に崩壊していく。
「それを、何とかしようと立ち上がった人達をまとめ上げていたのが、君の育ての親の畑内莉緒さんとオレのじいちゃん。んでもってもう動けないじいちゃんの代わりにオレと莉緒さんが動いてるってわけ」
「だから、あの時院長は一緒に戦ってくれたのか・・・でも」
院長も歳だ。歳の割にとても強かったけれども、賢者ルミナとはとてもじゃないが、戦えない。
かと言って、主任のような血の繋がった後継者もいない。ならば、俺がやるしかないのでは?
「俺が・・・院長に代わってルミナを止める・・・!!」
「その意気込み、良いね。理由は大義かな?」
「結果的にそうなってるだけです。俺はただ元の生活に戻りたいだけです。でも、そっちの方が理由としては納得いくでしょう?」
「ああ、最高の理由だ」
決意と共に俺らは砂漠を脱出した。草原をしばらく走り、廃墟・・・というよりも城跡に着く。
入口前には同盟騎士団だけでなく、キャンベル騎士団のシャイ団長や、門番の仲間達が待っていた。
「120km先!つまり、最高時速で走ってれば1時間以内に着くってわけ!!」
「車壊れても知りませんよ!!」
「それで、平穏が戻ってくるなら本望よ!!」
ジープにすぐさま乗り、エンジンを吹かす。ガソリンは約半分残っている。これから、1時間程最高時速で走るわけだが、燃料は尽きないだろうか?
「飛ばすぜぇっ!!」
体に尋常じゃない重力がかかる。思わず顔を引き攣らせてしまう程だ。
「最高だね!!翡翠!!戦いの前の景気付けとしてはこれ以上の事はないんじゃないの!?」
「ホント事故らないでくださいね!!」
途中、岩にぶつかりそうになったり、魔物に襲われそうになったが、主任はそれを回避して問題なく進んでいく。
「そういえば、ルミナが言ってたザナ家の使命ってなんですか?主任は何か背負っているんですか?」
「ん~?あ~!あれの事?リオとザナの平穏を守る事だよ。それが、俺の家ザナ家に与えられた使命。全くじいちゃんも面倒な事してくれたよ~」
「そんなすんごい使命抱えてるんですね。家の名前がザナと言うだけでなくて、そんな使命まで抱えてるんなんて大変ですね」
「うん、仕方ないよ。この世界がザナって呼ばれるようになった理由の家だからね」
「ほーん、そうだったんですか・・・ん?今、なんて言いました?」
「だから、この世界・・・じゃなかった惑星がザナって呼ばれるようになったのは、オレのじいちゃんがリオとの共存に貢献したからって言ってんよ!」
「はぁぁぁ!?関係ありまくりじゃないですか!」
俺がナチュレに行く前の話だったか?主任は、自分のファミリーネームがザナなのは偶然の一致と言っていた。あれは嘘だったのか!?
「うん、あれ嘘。あんまし家の事情を他人に言うのはどうかなと思ってさ。万が一の状況が起きない限り言わないようにしてたんだよね」
「んでもって今が万が一の状況というわけですか」
「そういうこと♪因みにリオは誰が由来だと思う?」
俺に何のヒントもなしに出してきた問題。つまりは俺が既に答えを知っている又は答えに近い何かを知っているというわけだ。
すぐに頭に思い浮かんできた。つい最近会ったばかりというのもあるが、育ての親を忘れるわけがない。
「院長・・・?」
「そう!正解!孤児院が屋敷みたいにでかい時点でかなりの地位を持ってるのは何となく分かってたと思うけど、あの人若い頃はとんでもない人だったんだよー?もしかしたら、教科書に載るかもね~」
惑星の事に加えて、こんなに近くにすごい人がいたのか・・・最早一周回って冷静になれたような気がするよ。
「リオとザナが繋がった時に、大混乱が起きたのは知ってるよね?」
「魔物乱入、死亡者多数、株価暴落、土地代高騰、食糧問題・・・ただ別の文化がいきなり繋がっただけで連鎖的に問題が弾き起こったんですよね」
人間社会は常に絶妙なバランスで維持している。1つ崩れたら連鎖的に崩壊していく。
「それを、何とかしようと立ち上がった人達をまとめ上げていたのが、君の育ての親の畑内莉緒さんとオレのじいちゃん。んでもってもう動けないじいちゃんの代わりにオレと莉緒さんが動いてるってわけ」
「だから、あの時院長は一緒に戦ってくれたのか・・・でも」
院長も歳だ。歳の割にとても強かったけれども、賢者ルミナとはとてもじゃないが、戦えない。
かと言って、主任のような血の繋がった後継者もいない。ならば、俺がやるしかないのでは?
「俺が・・・院長に代わってルミナを止める・・・!!」
「その意気込み、良いね。理由は大義かな?」
「結果的にそうなってるだけです。俺はただ元の生活に戻りたいだけです。でも、そっちの方が理由としては納得いくでしょう?」
「ああ、最高の理由だ」
決意と共に俺らは砂漠を脱出した。草原をしばらく走り、廃墟・・・というよりも城跡に着く。
入口前には同盟騎士団だけでなく、キャンベル騎士団のシャイ団長や、門番の仲間達が待っていた。
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