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最終章 探究者と門番
31話 収束はまるで付かず・・・
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召喚したルミナコピーから魔力を吸い上げ始めるルミナオリジナル。しかし、魔力吸収には意外な弱点がある。それは、魔力を一度に吸収できる量には限界がある事だ。
なので、どんなに急いでも、魔力の補給速度は変わらない。その間は隙だらけとなってしまう。
それを補うかのように、ルミナコピー達が俺らを邪魔してきた。
「これが、ルミナコピー。確かに、面倒、くさい」
「「「「クティ、確かに貴方は魔力量が私達と比べてずば抜けてる!魔術の才能も申し分ない!けど、私の方が頭脳で上だったみたいね!!」」」」
「うん、それが、君が唯一、僕に勝てる、所だからね」
「「「「ナチュラルマウントは健在ね!最高に腹立つ!でも、あんたのその顔も見るのも今日が最後!!あんたの馬鹿なパパとママのところに連れて行ってあげる!!」」」」
形成逆転したらからか、先程のようなテンションと態度に戻っている。賢者クティの地雷は、愛する両親の話。両親を侮辱する行為は万死に値するとリャオさんが言っていた。
実際、彼の顔はひどく怒りに満ちた顔へと変化していた。
「絶対に、殺す・・・」
「「「「やってみなよ!ペアコン!!」」」」
「やめろ!挑発するんでない!!」
リャオさんの言葉は彼らに届く事はなかった。その証拠として、ルミナコピーに雷が落ちる。落ちた雷は、明らかにルミナコピーに対しては高威力であり、マンションやアパートを破壊していった。
「マズイマズイマズイ!このままだと、ルミナの魔力がフルチャージされるだけじゃなくて、日本どころかこの星自体が滅茶苦茶になる!!」
「う~ん、このままじゃあのクティって人が勝てるかも怪しいんじゃない?」
賢者クティの魔力量は膨大だが、無限ではない。それに対してルミナは現在、ほぼ無限にコピーから魔力を手に入れる事ができる。
魔力のぶつけ合いで成り立っている現状上、このままでは賢者クティが負けてしまう。そして、おそらく持久戦になる事を踏まえると、ザナとリオは修復ができない程に崩壊してしまうだろう。
「主任!何でアンタはそんなに呑気に構えてるの!どう考えたって、絶望じゃない!!」
「まだ、さっきの状況の方がマシな気がするよ・・・」
絶望するモネもシャープ。しかし、主任はむしろ笑っていた。この状況を楽しむかのように笑みを浮かべていた。
「2人共、たった数分前の事なのに忘れちゃった?最初、オレ達はどんな方法でオリジナルのルミナを戦うとしたか」
「「え・・・?」」
「なるほど、主任。そう言う事ですか」
「流石翡翠!察しが良いねぇ!それじゃあ、魂読みお願いできるかな?」
「・・・やってみます!!」
今、ルミナは俺らにではなく、賢者クティに集中している。ならば、狙われずに魂読みができるわけだ。
「相手の表情と、心臓の鼓動を読み取る・・・」
初心者用のコツなのだろう。とても難しい。何せ、ルミナは今、飛び回っている。表情も見えなければ、心臓の鼓動も感じられない。
「くっそ!こんな事になるんなら、読心魔術勉強しておけば良かった!!」
「タラレバの話はしない!さっさと集中!!」
「それがしたくてもできないんだって!!クソ!!せめて顔さえ見れれば・・・」
「それなら、わしに任せておけ。『拘束魔術』!!」
リャオさんの手の平から魔力で作られた鎖が飛んでいく。1本、2本、3本、4本と鎖は飛んでいき、ルミナ達を次々と拘束して行った。
「「「「邪魔するな!老害ゾンビ!!」」」」
「これなら、顔は見えるんじゃないかな?」
「はい!それはもうばっちし!!」
ルミナ達の怒った顔がしっかりと見える。あとはどう、心臓の音を耳で捉えるかの話だが─────。
「そこはやっぱり近づくしかないかっ!!」
魔力で聴力を強化できるほど、魔力は残っていないし、そもそもそんな芸当俺にはできない。なるべく近づいて耳を澄ませるしかない。
「殺す、殺す、殺す、殺す!」
拘束されているルミナコピー達に次々と賢者クティの魔術がぶち当たっている。余った勢いで、異門町はもう滅茶苦茶だ。
俺も、巻き添えを喰らわないように避けながらルミナ達に近づく。しかし、やはり近づくとしっかりとバレる。
「「「「門番?何やってるの?」」」」
何をするのかはまだバレていないが、それはそうと危険である事には変わりない。ルミナコピー達は俺に向かって魔術を放つ。
「させないよっ!!」「させませんっ!!」
「「防御魔術!!」」
二重の魔術の結界が俺を包み込むように守る。間違いない彼女らだ。
「吸収した魔力!しっかりと有効活用させてもらったよ!」
「未だかつて無い出来の防御魔術ができました!!これも、ヒスイ様を愛する気持ちのおかげなのでしょうか?」
「サンキュー、リリ!シュエリ王女!」
彼女達には助けられてばっかりだ。
なので、どんなに急いでも、魔力の補給速度は変わらない。その間は隙だらけとなってしまう。
それを補うかのように、ルミナコピー達が俺らを邪魔してきた。
「これが、ルミナコピー。確かに、面倒、くさい」
「「「「クティ、確かに貴方は魔力量が私達と比べてずば抜けてる!魔術の才能も申し分ない!けど、私の方が頭脳で上だったみたいね!!」」」」
「うん、それが、君が唯一、僕に勝てる、所だからね」
「「「「ナチュラルマウントは健在ね!最高に腹立つ!でも、あんたのその顔も見るのも今日が最後!!あんたの馬鹿なパパとママのところに連れて行ってあげる!!」」」」
形成逆転したらからか、先程のようなテンションと態度に戻っている。賢者クティの地雷は、愛する両親の話。両親を侮辱する行為は万死に値するとリャオさんが言っていた。
実際、彼の顔はひどく怒りに満ちた顔へと変化していた。
「絶対に、殺す・・・」
「「「「やってみなよ!ペアコン!!」」」」
「やめろ!挑発するんでない!!」
リャオさんの言葉は彼らに届く事はなかった。その証拠として、ルミナコピーに雷が落ちる。落ちた雷は、明らかにルミナコピーに対しては高威力であり、マンションやアパートを破壊していった。
「マズイマズイマズイ!このままだと、ルミナの魔力がフルチャージされるだけじゃなくて、日本どころかこの星自体が滅茶苦茶になる!!」
「う~ん、このままじゃあのクティって人が勝てるかも怪しいんじゃない?」
賢者クティの魔力量は膨大だが、無限ではない。それに対してルミナは現在、ほぼ無限にコピーから魔力を手に入れる事ができる。
魔力のぶつけ合いで成り立っている現状上、このままでは賢者クティが負けてしまう。そして、おそらく持久戦になる事を踏まえると、ザナとリオは修復ができない程に崩壊してしまうだろう。
「主任!何でアンタはそんなに呑気に構えてるの!どう考えたって、絶望じゃない!!」
「まだ、さっきの状況の方がマシな気がするよ・・・」
絶望するモネもシャープ。しかし、主任はむしろ笑っていた。この状況を楽しむかのように笑みを浮かべていた。
「2人共、たった数分前の事なのに忘れちゃった?最初、オレ達はどんな方法でオリジナルのルミナを戦うとしたか」
「「え・・・?」」
「なるほど、主任。そう言う事ですか」
「流石翡翠!察しが良いねぇ!それじゃあ、魂読みお願いできるかな?」
「・・・やってみます!!」
今、ルミナは俺らにではなく、賢者クティに集中している。ならば、狙われずに魂読みができるわけだ。
「相手の表情と、心臓の鼓動を読み取る・・・」
初心者用のコツなのだろう。とても難しい。何せ、ルミナは今、飛び回っている。表情も見えなければ、心臓の鼓動も感じられない。
「くっそ!こんな事になるんなら、読心魔術勉強しておけば良かった!!」
「タラレバの話はしない!さっさと集中!!」
「それがしたくてもできないんだって!!クソ!!せめて顔さえ見れれば・・・」
「それなら、わしに任せておけ。『拘束魔術』!!」
リャオさんの手の平から魔力で作られた鎖が飛んでいく。1本、2本、3本、4本と鎖は飛んでいき、ルミナ達を次々と拘束して行った。
「「「「邪魔するな!老害ゾンビ!!」」」」
「これなら、顔は見えるんじゃないかな?」
「はい!それはもうばっちし!!」
ルミナ達の怒った顔がしっかりと見える。あとはどう、心臓の音を耳で捉えるかの話だが─────。
「そこはやっぱり近づくしかないかっ!!」
魔力で聴力を強化できるほど、魔力は残っていないし、そもそもそんな芸当俺にはできない。なるべく近づいて耳を澄ませるしかない。
「殺す、殺す、殺す、殺す!」
拘束されているルミナコピー達に次々と賢者クティの魔術がぶち当たっている。余った勢いで、異門町はもう滅茶苦茶だ。
俺も、巻き添えを喰らわないように避けながらルミナ達に近づく。しかし、やはり近づくとしっかりとバレる。
「「「「門番?何やってるの?」」」」
何をするのかはまだバレていないが、それはそうと危険である事には変わりない。ルミナコピー達は俺に向かって魔術を放つ。
「させないよっ!!」「させませんっ!!」
「「防御魔術!!」」
二重の魔術の結界が俺を包み込むように守る。間違いない彼女らだ。
「吸収した魔力!しっかりと有効活用させてもらったよ!」
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彼女達には助けられてばっかりだ。
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