異世界と繋がる不思議な門を警備する仕事に就きしました!

町島航太

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最終章 探究者と門番

エピローグ

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 ルミナの暴走から約2ヶ月が経過した。あの一件は、2つの世界を揺るがす大事件だった為、近々正式な名前がついて、歴史の教科書に載るらしい。下手したら1000年戦争よりも衝撃的な出来事だったんだから。

 賢者クティの言う通り、惑星の分離は、約1日。正確に示すと、23時間54分で完了した。これで全て元通り!!ていうわけではない。世界各地で、建物は崩壊しており、死者は大勢出ている。被害額は約9450億、死者はザナとリオ合計で約540万人。大打撃である。

 それだけではない。惑星融合の影響は、大地にだけでなく、海などの人では到底管理できない場所まで出ている。大地と同様に海も惑星融合の影響が出ており、リオの海に、ザナの海洋系の魔物が放たれてしまったらしい。

 捕まえるのも困難な為、現状はこのまま放置なのだそう。

 確実に海の生態系が壊れたと海洋学者がテレビで嘆いていた。天然のマグロやサーモンが最高級品となるのも近い未来あるかもしれないという。

 俺も寿司は好きなので、かなりショックだったけど、養殖が食えるならまあ、良いかとなってしまった。

 逆に山や森に放たれてしまった魔物達はまだ、俺達人間でも処理できるという事で、休み返上で全国を回って魔物退治した。特別給料はもらえたから全然いいけれども。

 そうそう、肝心の異門町はというと、元通りを超えて前よりも綺麗になって町として再び復活した。しかも、たった1日でだ!賢者クティが惜しげもなく魔術を使って修復に協力してくれたからである。

 そして、約束通り、賢者クティのご両親の墓も元の場所で、しっかりと直した。こっちは魔術は使わず手や道具をしっかり使って丁寧に。

 帰り際に、賢者クティが言った「もう、一度、詩を、書いてみる、よ」という言葉はすぐにリリに伝えたら飛び跳ねて喜んでいた。俺も詩集が出来たら読んでみる事にしよう。

 お墓と言えば、修復しただけでなく、3つ作った。父さんと母さんと、リャオさんのお墓だ。

 父さんと母さんの遺体は既に白骨化していたので、骨壺に入れて埋葬した。森山家が嫌いだという事で、新しく墓石も作った。既に成仏している事を知っているが、ずっと砂漠にいるというのはつらいだろう。

 リャオさんの遺体は残念ながら見つからなかった。水蒸気爆発と共に吹き飛ばされてしまったらしい。これは、落ち着いた後に聞いたのだが、リャオさんはゾンビだったらしい。香水をつけていたのも、腐臭でばれないようにする為だったとか。

 今までの話を聞いていたら何となく気づいている人もいるかもしれないけど、はっきりと言っておく事にする。ザナとリオを繋ぐ門は、ルミナが殺されても消えていない。これは、魔術としてとっくのとうに成立して、自律しているかららしい。

 今更、ザナとの交流は断てないし、無くなったら無くなったで門番の仕事を失ってしまうので、良かったと言われたら良かったのかもしれない。

「そして、現在いまに至ると・・・いやぁ、久しぶりに暇だねぇ~こんなに暇な業務時間いつぶりだろうね?」

「分かんないや!でも、久しぶりの暇って言うのはちょっとそわそわするね」

「何言ってんのアンタ達。今日は暇じゃないよ」

「「何かあるっけ?」」

「忘れちゃったの2人とも!今日は新しい子がザナから来るって!」

「「今、初めて聞いた」」

 また、主任の伝え忘れだろう。いい加減にしてほしいけど、まあ、そこまで忙しくなるわけじゃないしいっか・・・と思っていました。

 ザナの方向から人影が見える。1人ではない、大勢だ。あんなに多くの門番を採用したのか?

「どうもこんにちは皆さん。これから皆さんと一緒に働かせてもらいます。シュエリーヌ・メリリーナ・ナチュレイズと申します。これから末永くよろしくお願いします・・・ネ?」

 やってきたのは、シュエリ王女と護衛のキャンベル騎士団だった。

「・・・親善大使?」

「はい、もう王女としての仕事はほとんどありませんので、皆さんとの仲を深める事が出来ればなと思っております!特に、ヒスイ様とはふかーい仲になりたいです♡」

「おい、ヒスイ。止めるなよ?」

「これは・・・宣戦布告って事で良いんだよね?」

「落ち着いて下さい!シュエリーヌ王女!ヒスイ王子も助けて下さい!!」

 シャイ団長は相変わらず苦労しているようだ。とりあえず。

「拳じゃなくて、言葉で話し合おうか?」

 やっぱり、少し騒がしい方が俺は好きかもしれない。 
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