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一章 悲報、国存続に必須の巫女を召喚3日目で拉致ることに
22話 魔物との初遭遇はキック
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「よし、木こりさんの所に戻るか・・・ん?」
村の方向から複数の人影がこちらに向かって走って来る。小さな子供のように見えるが、髪の毛は一本も生えておらず、肌は緑色で鼻と耳はニンジンのように尖っている。
「ゴブリン・・・」
「あれがゴブリンか、なんか不潔な子供みたいなやつだな」
気色の悪い笑みを浮かべながら、村から盗んだであろう野菜やら農作具やらを抱えている。その後ろからは村人たちが追いかけてきていた。
「まてぇ!」「野菜と農作具を返せぇ!」「おらの斧返してけろー!」
追いかける村人の中には俺達を助けてくれた木こりさんもいる。
「どうやら恩返しをする時がもうきたみたいだ・・・ティナ、隠れてな」
「え、あ、はい・・・」
「グゲゲゲゲ!」
俺が丸腰だから舐めているのか俺が向かっている先にいるというのにまるで進行を止めようとしないゴブリン達。
「ふっ!」
そんな生意気なゴブリン達を懲らしめるべく、体勢を低くして蹴りをお見舞い。4体のゴブリンは持っていた野菜や農作具を手放し、近くの木まで吹き飛んでいく。
かなり強めに蹴ってしまったようで、木に激突したゴブリンのうち2体は当たりどころが悪く頭が潰れて死んでしまったみたいだ。
「ヤベッ!」
咄嗟とはいえ、殺してしまったことに罪悪感を抱く。しかし、そんな罪悪感は残りの2体のゴブリンを村人がリンチした事ですぐに消え去ってしまった。
どうやら魔物は俺の世界でいうところの害獣のような扱いらしい。相当被害を喰らっていたのだろう。振るう拳がとても重い。
「兄さんの助っ人さん」
いつのまにかティナが俺の道着の裾を引っ張っていた。
「ん?何だその呼び方・・・ってそういえば名前教えてなかったな。俺は雷太だ、よろしくな」
「ライターさんそれどころじゃないと思います。後ろを見てください」
ティナが指差した方向を見ると、俺よりも身長の高い巨人のようなゴブリンが怒りの形相と、棍棒を携えながらこちらへと向かって来ていた。
「ほ、ホブゴブリンだ!」「逃げろぉ!!」
これには思わず村人達も村の方へと逃げる。ちゃっかり盗まれた野菜と農作具を回収している。しっかりしてんねぇ。
「あのでかいゴブリンは?」
「ホブゴブリン。たまにゴブリンから生まれる力持ちです」
「突然変異ってやつか、いいね」
丸太のように太い腕と足。ここに来てようやく戦い甲斐のある相手と相見える事ができようとは。
「ゾクゾクするねぇ・・・」
「え・・・普通に怖いです」
ティナには雷太の気持ちがまるで分からなかった。
村の方向から複数の人影がこちらに向かって走って来る。小さな子供のように見えるが、髪の毛は一本も生えておらず、肌は緑色で鼻と耳はニンジンのように尖っている。
「ゴブリン・・・」
「あれがゴブリンか、なんか不潔な子供みたいなやつだな」
気色の悪い笑みを浮かべながら、村から盗んだであろう野菜やら農作具やらを抱えている。その後ろからは村人たちが追いかけてきていた。
「まてぇ!」「野菜と農作具を返せぇ!」「おらの斧返してけろー!」
追いかける村人の中には俺達を助けてくれた木こりさんもいる。
「どうやら恩返しをする時がもうきたみたいだ・・・ティナ、隠れてな」
「え、あ、はい・・・」
「グゲゲゲゲ!」
俺が丸腰だから舐めているのか俺が向かっている先にいるというのにまるで進行を止めようとしないゴブリン達。
「ふっ!」
そんな生意気なゴブリン達を懲らしめるべく、体勢を低くして蹴りをお見舞い。4体のゴブリンは持っていた野菜や農作具を手放し、近くの木まで吹き飛んでいく。
かなり強めに蹴ってしまったようで、木に激突したゴブリンのうち2体は当たりどころが悪く頭が潰れて死んでしまったみたいだ。
「ヤベッ!」
咄嗟とはいえ、殺してしまったことに罪悪感を抱く。しかし、そんな罪悪感は残りの2体のゴブリンを村人がリンチした事ですぐに消え去ってしまった。
どうやら魔物は俺の世界でいうところの害獣のような扱いらしい。相当被害を喰らっていたのだろう。振るう拳がとても重い。
「兄さんの助っ人さん」
いつのまにかティナが俺の道着の裾を引っ張っていた。
「ん?何だその呼び方・・・ってそういえば名前教えてなかったな。俺は雷太だ、よろしくな」
「ライターさんそれどころじゃないと思います。後ろを見てください」
ティナが指差した方向を見ると、俺よりも身長の高い巨人のようなゴブリンが怒りの形相と、棍棒を携えながらこちらへと向かって来ていた。
「ほ、ホブゴブリンだ!」「逃げろぉ!!」
これには思わず村人達も村の方へと逃げる。ちゃっかり盗まれた野菜と農作具を回収している。しっかりしてんねぇ。
「あのでかいゴブリンは?」
「ホブゴブリン。たまにゴブリンから生まれる力持ちです」
「突然変異ってやつか、いいね」
丸太のように太い腕と足。ここに来てようやく戦い甲斐のある相手と相見える事ができようとは。
「ゾクゾクするねぇ・・・」
「え・・・普通に怖いです」
ティナには雷太の気持ちがまるで分からなかった。
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