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一章 悲報、国存続に必須の巫女を召喚3日目で拉致ることに
29話 目覚める肉体
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「ッッ!ライターさ・・・んぐっ!?」
魔法騎士がティナの口を塞ぎ、呪文を唱える。
「『folgen Sie mir』」
ティナにかけられたのは洗脳魔法。思考を奪われたティナの目は虚となり、自ら手錠にかかりにいく。
不意打ちを喰らい、怯んだ雷太を複数人の騎士達が取り押さえる。
「探したぞ、異世界人。そして褒めてやる。よくぞ、優秀なゴルム軍の捜索を数日間も逃げ切った!」
無力化された雷太の前に現れたのは、以前王都で戦った女騎士。褒めると言っておきながら声色には怒りが混じっている。
「よぉ、チビ。見栄っ張りの鎧壊れてなくて良かったな」
「減らない口だなっ!!」
女騎士の蹴りが顎に命中。視界はぐらついたが、気絶まで至らなかった。
「身長を伸ばす義足だからか?キック力が足りないな」
「なら、これなら・・・どうだ!」
右肩を槍で貫かれる。叫び出したいほどの痛みに雷太は歯を食いしばることで耐える。
「私はゴルム騎士団十番隊隊長・・・だった!!」
雷太の後頭部を殴る。籠手の鋭い部分が刺さり、出血する。
「貴様のせいで、その権力を失った!騎士として辱めを受けただけでなくなっ!」
助走を付けて雷太の頭を蹴り上げる。脳が揺れ、気絶したのか、何も喋らなくなった。
「この降格は、巫女奪還でも許されることはない!つまり私の昇進は終わりを迎えたわけだ!」
無防備な背中を槍で一突き。背中の肉を抉る。
「私だけ奪われるというのは些か不公平だとは思わないか?なので、お前のその矮小な命。奪わせてもらうぞ」
槍を置き、剣に持ち帰る。刃を落とす位置を定め、大きく振りかぶる。
「今日だけ私は死刑執行人だ!情に流され罪人に手を貸した事をあの世で後悔するが良い!!」
剣の刃が雷太の首目掛けて振り下ろされる。
雷太の首を刎ねるべく振り下ろされた刃は雷太の首に接触した瞬間、まるでガラスのように無惨に砕け散ってしまった。
「なっ!?」
女騎士の使っていた剣は決して脆くはなかった。使用し始めてから比較的新しく、直前まで何も異常はなかった。
砕けた原因は、雷太にある。彼の首の硬さが剣の硬さに優っていたのだ。
「・・・その程度か?」
兵士達からの上からの圧に、純粋な力のみで押しのけ、雷太は立ち上がり、女騎士を睨みつける。
腰を低くし、女騎士の腹部に拳をあてがうと、弓を引くようにゆっくりと腕を引き、正拳突きの構えを取る。
「ま、待t─────」
「破っ!!」
しっかりとした手順で放たれた正拳突きは、甲冑に身を固めた女騎士を軽々と吹き飛ばし、500m先の海へと落としてしまった。
「神様はまだ俺のこと見捨てて無かったみたいだな」
雷太の体がこの世界に適応した瞬間である。
魔法騎士がティナの口を塞ぎ、呪文を唱える。
「『folgen Sie mir』」
ティナにかけられたのは洗脳魔法。思考を奪われたティナの目は虚となり、自ら手錠にかかりにいく。
不意打ちを喰らい、怯んだ雷太を複数人の騎士達が取り押さえる。
「探したぞ、異世界人。そして褒めてやる。よくぞ、優秀なゴルム軍の捜索を数日間も逃げ切った!」
無力化された雷太の前に現れたのは、以前王都で戦った女騎士。褒めると言っておきながら声色には怒りが混じっている。
「よぉ、チビ。見栄っ張りの鎧壊れてなくて良かったな」
「減らない口だなっ!!」
女騎士の蹴りが顎に命中。視界はぐらついたが、気絶まで至らなかった。
「身長を伸ばす義足だからか?キック力が足りないな」
「なら、これなら・・・どうだ!」
右肩を槍で貫かれる。叫び出したいほどの痛みに雷太は歯を食いしばることで耐える。
「私はゴルム騎士団十番隊隊長・・・だった!!」
雷太の後頭部を殴る。籠手の鋭い部分が刺さり、出血する。
「貴様のせいで、その権力を失った!騎士として辱めを受けただけでなくなっ!」
助走を付けて雷太の頭を蹴り上げる。脳が揺れ、気絶したのか、何も喋らなくなった。
「この降格は、巫女奪還でも許されることはない!つまり私の昇進は終わりを迎えたわけだ!」
無防備な背中を槍で一突き。背中の肉を抉る。
「私だけ奪われるというのは些か不公平だとは思わないか?なので、お前のその矮小な命。奪わせてもらうぞ」
槍を置き、剣に持ち帰る。刃を落とす位置を定め、大きく振りかぶる。
「今日だけ私は死刑執行人だ!情に流され罪人に手を貸した事をあの世で後悔するが良い!!」
剣の刃が雷太の首目掛けて振り下ろされる。
雷太の首を刎ねるべく振り下ろされた刃は雷太の首に接触した瞬間、まるでガラスのように無惨に砕け散ってしまった。
「なっ!?」
女騎士の使っていた剣は決して脆くはなかった。使用し始めてから比較的新しく、直前まで何も異常はなかった。
砕けた原因は、雷太にある。彼の首の硬さが剣の硬さに優っていたのだ。
「・・・その程度か?」
兵士達からの上からの圧に、純粋な力のみで押しのけ、雷太は立ち上がり、女騎士を睨みつける。
腰を低くし、女騎士の腹部に拳をあてがうと、弓を引くようにゆっくりと腕を引き、正拳突きの構えを取る。
「ま、待t─────」
「破っ!!」
しっかりとした手順で放たれた正拳突きは、甲冑に身を固めた女騎士を軽々と吹き飛ばし、500m先の海へと落としてしまった。
「神様はまだ俺のこと見捨てて無かったみたいだな」
雷太の体がこの世界に適応した瞬間である。
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