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一章 悲報、国存続に必須の巫女を召喚3日目で拉致ることに
35話 形成逆転の一発
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「おらぁ!!」
雷太の高さ20mからの脳天蹴りがベヒモスに当たる。ベヒモスは一瞬怯んだが、すかさず雷太に噛みつき、下半身を丸呑みにした。
「離し・・・やがれぇ!」
べキリとまるで木の枝を折るような感覚でベヒモスの稲妻状の歯をへし折り、それを持ち主の目に刺す。
痛みにあまり、ベヒモスは雷太を口から離してしまうが雷太も歯が腹に少し刺さってしまい出血してしまっている。
「はぁ.はぁ・・・やっぱり獣との戦いはまだ慣れないな・・・」
雷太の元の世界での試合相手のほとんどが人間である(空手は人間の競技である為、当たり前だが)。一度、熊とも山の中で遭遇して殺し合ったことがあるが、それ以外の動物との戦闘経験はまるでない。
今の世界に来てから急激にその回数を増やしてはいるものの、まだ慣れるレベルには達していないみたいだ。
そして何よりベヒモスは四足歩行の魔物の中でも特に大きい。種族平均体長は驚異の15m!更に今戦っているベヒモスはその平均を大きく上回る20mという巨躯を有している。
しかし、雷太の攻撃が効いていないというわけではない。頭を殴られ続けて頭は混乱しているし、牙も折られ、片目は潰れている。確実に消耗はしている。
しかし、雷太の決定打に欠けているのだ。もっと正確に言うならば威力が足りていない。ベヒモスを倒す為の火力が不足しているのだ。
ベヒモスの口から吐き出された雷太がティナの方に転がってくる。
「いてて・・・あいつ強いな。頭をしこたま殴ってるのに全然効いてねぇ」
「いえ、それなりに効いてはいます。しかし、まだまだ倒すための威力が足りていません」
「それは俺も気づいてる。これじゃ長期戦になるな」
「ところでライターさん。スキルは使っていますか?」
「スキル・・・そうか!忘れてた!」
世界への適応には身体能力の向上以外にもメリットがある。その1つがスキル会得だ。
この世界の住民は全員が何かしらのスキルを有している。雷太も途中からとはいえ、この世界の住民になっているのでスキルを手に入れているのだ。
「やっぱりスキルを使っていなかったんですか・・・よく聞いてください。異世界から呼ばれた人のスキルは非常に強力なものになります。使ってみてください」
「そんな使ってみてって言われてもどうやって使えば良いのか分からない・・・」
「兄さんはこう言ってました『スキルは胸の中心を意識していると、光るモノが見える。それを掴むイメージをすると体が無意識に動いて使えるようになる』って」
「胸の中の光・・・」
雷太はゆっくりと目を閉じ胸の中心、心臓を意識した。小刻みに鼓動する心臓。意識していると、目を閉じているのに明るい光が目の前に現れる。それを掴んでみると、体が自然と動き始め、正拳突きの構えをとる。
右手を弓のように引き、左手で狙いを定める。
ベヒモスは立ち上がり、こちらへと向かってきている。大きく口を開けて再び食べようとしてくる。
「ハァァァァァッッ!!」
それを跳躍で避け、ベヒモスの真上に着くと体が勝手に動き出し、右手で作った拳を放つ。
拳からは衝撃波が発生。拳の先にいたベヒモスの体はプレス機に押し潰されたかのようにぺちゃんこになると、血と肉を飛び散らせながら爆散。
その後も衝撃波の威力は落ちる事なく、港町のど真ん中に直径50m、深さ不明の大きな穴を生み出してしまった。
「え・・・・・・」
着地した雷太はベヒモスを1発で倒したとてつもない衝撃波を放った右手を見てみる。すると手のひらはほんのりと光っており、光はゆっくりと小さくなって消えてしまった。
「これが俺のスキル・・・」
あまりの威力に驚き、雷太は数分間身動きを取る事ができなかった。
雷太の高さ20mからの脳天蹴りがベヒモスに当たる。ベヒモスは一瞬怯んだが、すかさず雷太に噛みつき、下半身を丸呑みにした。
「離し・・・やがれぇ!」
べキリとまるで木の枝を折るような感覚でベヒモスの稲妻状の歯をへし折り、それを持ち主の目に刺す。
痛みにあまり、ベヒモスは雷太を口から離してしまうが雷太も歯が腹に少し刺さってしまい出血してしまっている。
「はぁ.はぁ・・・やっぱり獣との戦いはまだ慣れないな・・・」
雷太の元の世界での試合相手のほとんどが人間である(空手は人間の競技である為、当たり前だが)。一度、熊とも山の中で遭遇して殺し合ったことがあるが、それ以外の動物との戦闘経験はまるでない。
今の世界に来てから急激にその回数を増やしてはいるものの、まだ慣れるレベルには達していないみたいだ。
そして何よりベヒモスは四足歩行の魔物の中でも特に大きい。種族平均体長は驚異の15m!更に今戦っているベヒモスはその平均を大きく上回る20mという巨躯を有している。
しかし、雷太の攻撃が効いていないというわけではない。頭を殴られ続けて頭は混乱しているし、牙も折られ、片目は潰れている。確実に消耗はしている。
しかし、雷太の決定打に欠けているのだ。もっと正確に言うならば威力が足りていない。ベヒモスを倒す為の火力が不足しているのだ。
ベヒモスの口から吐き出された雷太がティナの方に転がってくる。
「いてて・・・あいつ強いな。頭をしこたま殴ってるのに全然効いてねぇ」
「いえ、それなりに効いてはいます。しかし、まだまだ倒すための威力が足りていません」
「それは俺も気づいてる。これじゃ長期戦になるな」
「ところでライターさん。スキルは使っていますか?」
「スキル・・・そうか!忘れてた!」
世界への適応には身体能力の向上以外にもメリットがある。その1つがスキル会得だ。
この世界の住民は全員が何かしらのスキルを有している。雷太も途中からとはいえ、この世界の住民になっているのでスキルを手に入れているのだ。
「やっぱりスキルを使っていなかったんですか・・・よく聞いてください。異世界から呼ばれた人のスキルは非常に強力なものになります。使ってみてください」
「そんな使ってみてって言われてもどうやって使えば良いのか分からない・・・」
「兄さんはこう言ってました『スキルは胸の中心を意識していると、光るモノが見える。それを掴むイメージをすると体が無意識に動いて使えるようになる』って」
「胸の中の光・・・」
雷太はゆっくりと目を閉じ胸の中心、心臓を意識した。小刻みに鼓動する心臓。意識していると、目を閉じているのに明るい光が目の前に現れる。それを掴んでみると、体が自然と動き始め、正拳突きの構えをとる。
右手を弓のように引き、左手で狙いを定める。
ベヒモスは立ち上がり、こちらへと向かってきている。大きく口を開けて再び食べようとしてくる。
「ハァァァァァッッ!!」
それを跳躍で避け、ベヒモスの真上に着くと体が勝手に動き出し、右手で作った拳を放つ。
拳からは衝撃波が発生。拳の先にいたベヒモスの体はプレス機に押し潰されたかのようにぺちゃんこになると、血と肉を飛び散らせながら爆散。
その後も衝撃波の威力は落ちる事なく、港町のど真ん中に直径50m、深さ不明の大きな穴を生み出してしまった。
「え・・・・・・」
着地した雷太はベヒモスを1発で倒したとてつもない衝撃波を放った右手を見てみる。すると手のひらはほんのりと光っており、光はゆっくりと小さくなって消えてしまった。
「これが俺のスキル・・・」
あまりの威力に驚き、雷太は数分間身動きを取る事ができなかった。
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