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四章 一騎当千の拳
124話 強くならないといけない
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鍛冶場に行ってきた日の夜。雷太とシャルロットは他愛のない話をしていた。
「ライタ、どういう風の吹き回しだ?貴様が武器を使用するだなんて・・・己肉体のみでの戦いを望むお前にしては意外すぎる行動だな。理由を教えろ」
「悪魔のスキルで操られてたニアと戦ったじゃんか?その時普通に押し負けそうになったんだよね。何とか兜の宝石を破壊する事で難は逃れたんだけど、それが無かったら今頃俺は死んでると思うんだ」
「最近、トレーニングに励んでいるのも、魔法を覚えはじめたのも全部それが理由か?死なない為に強くなっているのか?」
「ああ、そうだ。前までは死ぬのは全然怖くなかった。強い奴と戦って死んだらそれでいいとまで思ってた。けど、俺が死んだらティナを独りぼっちにさせてしまう事になる。それだけは嫌なんだ」
「ライターさん・・・ごめんなさい。私のせいでライターの信念を捻じ曲げてしまって・・・」
そこにベッドに寝転がっていたティナが話に入って来る。寝ていると思っていたが、全然起きていたらしい。
「あ?信念なんかじゃねぇよ。ただ高潔に見えるだけの我儘さ。そもそもこんな危険な世界で己の肉体一つで戦い抜いて見せるって言う方がおかしいんだ」
「それにしてはだいぶ余裕そうに見えたけどな」
「そうか?楽しかったけど、楽しさに比例してやっぱり大変だったぞ?」
「全く信じられんな」
「そこはお前に任せるよシャルロット・・・それじゃあ、俺はちょっと討伐依頼こなしてくる。武器作ってもらうのもただじゃないからな。製作費を稼いでこないと」
「ほう?どんな魔物を狩りに行くんだ?」
「ミノタウロスって魔物だ。二足歩行の牛のような魔物らしい。人間の武器を扱えるぐらい賢い魔物で、滅多に人を襲わないそうなんだが、どうやら王都の近くの森にすみ始めたミノタウロスは例外らしい」
「自分の住処にしてしまったのか・・・王都の近くの森の中には養蜂場になっているとニアに聞いている。そのままにしておくと厄介だな。私も同行しよう」
「いや、俺1人で行く。お前と言ったら報酬を折半しなきゃいけないし、そのミノタウロスって魔物は強いみたいだし・・・」
「本当にお前はそれしか考えていないな・・・まあ良い。お前ならミノタウロスに負ける事はないだろうから心配はしない。行ってこい」
「おう!行ってくるわ!」
元気よく部屋を飛び出す雷太。彼が出て行った数分後、シャルロットはある事を思い出す。
「コンパス国にミノタウロスなんていたか?」
「ライタ、どういう風の吹き回しだ?貴様が武器を使用するだなんて・・・己肉体のみでの戦いを望むお前にしては意外すぎる行動だな。理由を教えろ」
「悪魔のスキルで操られてたニアと戦ったじゃんか?その時普通に押し負けそうになったんだよね。何とか兜の宝石を破壊する事で難は逃れたんだけど、それが無かったら今頃俺は死んでると思うんだ」
「最近、トレーニングに励んでいるのも、魔法を覚えはじめたのも全部それが理由か?死なない為に強くなっているのか?」
「ああ、そうだ。前までは死ぬのは全然怖くなかった。強い奴と戦って死んだらそれでいいとまで思ってた。けど、俺が死んだらティナを独りぼっちにさせてしまう事になる。それだけは嫌なんだ」
「ライターさん・・・ごめんなさい。私のせいでライターの信念を捻じ曲げてしまって・・・」
そこにベッドに寝転がっていたティナが話に入って来る。寝ていると思っていたが、全然起きていたらしい。
「あ?信念なんかじゃねぇよ。ただ高潔に見えるだけの我儘さ。そもそもこんな危険な世界で己の肉体一つで戦い抜いて見せるって言う方がおかしいんだ」
「それにしてはだいぶ余裕そうに見えたけどな」
「そうか?楽しかったけど、楽しさに比例してやっぱり大変だったぞ?」
「全く信じられんな」
「そこはお前に任せるよシャルロット・・・それじゃあ、俺はちょっと討伐依頼こなしてくる。武器作ってもらうのもただじゃないからな。製作費を稼いでこないと」
「ほう?どんな魔物を狩りに行くんだ?」
「ミノタウロスって魔物だ。二足歩行の牛のような魔物らしい。人間の武器を扱えるぐらい賢い魔物で、滅多に人を襲わないそうなんだが、どうやら王都の近くの森にすみ始めたミノタウロスは例外らしい」
「自分の住処にしてしまったのか・・・王都の近くの森の中には養蜂場になっているとニアに聞いている。そのままにしておくと厄介だな。私も同行しよう」
「いや、俺1人で行く。お前と言ったら報酬を折半しなきゃいけないし、そのミノタウロスって魔物は強いみたいだし・・・」
「本当にお前はそれしか考えていないな・・・まあ良い。お前ならミノタウロスに負ける事はないだろうから心配はしない。行ってこい」
「おう!行ってくるわ!」
元気よく部屋を飛び出す雷太。彼が出て行った数分後、シャルロットはある事を思い出す。
「コンパス国にミノタウロスなんていたか?」
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