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終章 未来へ導く光
160話 敵じゃない
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「この前の個体の完全版か!厄介だな!」
「いや、この間の個体よりも一回り大きい!」
メルグーンの眷属は俺達に視線を向ける。その目には不思議にも敵意などはなく、獲物を見る目をしていた。
「ひぃぃぃぃ!!喰われちまうぅぅぅぅ!!」
「喰われる?」
怯えるゴルム人の言葉に首を傾げていると、メルグーンの眷属は大きく口を開けた噛みつき攻撃を仕掛けてくる。横に転がって回避したが、避けきれなかったら今頃眷属の口の中だろう。
「なるほど?そう言うことかっ!!」
メルグーンの眷属の鼻頭に蹴りを一発入れる。威力は無かったものの、反撃されて驚いた眷属は数歩交代。
一方雷太は深呼吸をして落ち着くと、冷静に眷属の分析を始めた。
口から垂れる涎。俺を食べようと言わんばかりの噛みつき攻撃。間違いない。この眷属、飢えていると。
「ムサシ、この眷属どうやら腹ペコらしい」
「ああ、道理で・・・だとするなら厄介だな。飢えている魔物は厄介だぞ」
「それは攻撃的になるからか?」
「ああ、そうだ」
「そんなの戦いが始まったら大した問題じゃない。むしろ飢餓状態は俺達が有利に戦いを進められる千載一遇のチャンスだ」
雷太の発言に思わず雷太の顔を見るムサシ。何言ってんだコイツの顔である。
「一つの感情に支配されている状態だと動きが単調になる。噛みつき攻撃を避けられた後にすぐに引かなかったのが証拠だ。冷静な状態だったら俺の蹴りなんか避けられてるだろうよ」
「なるほど、そういう解釈もあるか」
「それとトドメは俺に任せてくれ。ていうか俺しかトドメを刺せないと思う」
「なんでだ?まだ浄化の光を扱えなかったあの頃は倒せただろ?」
「あれは厳密には倒したわけじゃない。メルグーンから距離を離して眷属との繋がりを切っただけだ。でも今回はゴルムにいるからそれがむずかしい」
「そういえばそうだったな。めちゃくちゃな威力のパンチ繰り出してたから忘れていた。それでトドメをお前しか刺せない理由はなんだ?」
「あのワイバーンはメルグーンの眷属なんだろ?つまりは悪魔の眷属。つまり、俺しか倒せないだろ。ティナ!」
ティナが祈り、拳に浄化の光が宿る。間合いを詰め、頭部にパンチを入れる。すると、殴られた箇所だけが吹き飛んでしまう。
「ぐぉおおおぉん・・・」
「やっぱりな。さぁ、ここから楽しませてもらうぜ?」
目にも止まらぬ連撃をメルグーンの眷属に叩き込む。拳を叩き込まれた箇所から吹き飛んでいき、メルグーンの眷属は1分足らずで動かなくなってしまった。
「手応えもクソもねぇな。まあ、力借りてるから当たり前なんだけど」
雷太はつまらなそうに手を叩き汚れを払った。
「いや、この間の個体よりも一回り大きい!」
メルグーンの眷属は俺達に視線を向ける。その目には不思議にも敵意などはなく、獲物を見る目をしていた。
「ひぃぃぃぃ!!喰われちまうぅぅぅぅ!!」
「喰われる?」
怯えるゴルム人の言葉に首を傾げていると、メルグーンの眷属は大きく口を開けた噛みつき攻撃を仕掛けてくる。横に転がって回避したが、避けきれなかったら今頃眷属の口の中だろう。
「なるほど?そう言うことかっ!!」
メルグーンの眷属の鼻頭に蹴りを一発入れる。威力は無かったものの、反撃されて驚いた眷属は数歩交代。
一方雷太は深呼吸をして落ち着くと、冷静に眷属の分析を始めた。
口から垂れる涎。俺を食べようと言わんばかりの噛みつき攻撃。間違いない。この眷属、飢えていると。
「ムサシ、この眷属どうやら腹ペコらしい」
「ああ、道理で・・・だとするなら厄介だな。飢えている魔物は厄介だぞ」
「それは攻撃的になるからか?」
「ああ、そうだ」
「そんなの戦いが始まったら大した問題じゃない。むしろ飢餓状態は俺達が有利に戦いを進められる千載一遇のチャンスだ」
雷太の発言に思わず雷太の顔を見るムサシ。何言ってんだコイツの顔である。
「一つの感情に支配されている状態だと動きが単調になる。噛みつき攻撃を避けられた後にすぐに引かなかったのが証拠だ。冷静な状態だったら俺の蹴りなんか避けられてるだろうよ」
「なるほど、そういう解釈もあるか」
「それとトドメは俺に任せてくれ。ていうか俺しかトドメを刺せないと思う」
「なんでだ?まだ浄化の光を扱えなかったあの頃は倒せただろ?」
「あれは厳密には倒したわけじゃない。メルグーンから距離を離して眷属との繋がりを切っただけだ。でも今回はゴルムにいるからそれがむずかしい」
「そういえばそうだったな。めちゃくちゃな威力のパンチ繰り出してたから忘れていた。それでトドメをお前しか刺せない理由はなんだ?」
「あのワイバーンはメルグーンの眷属なんだろ?つまりは悪魔の眷属。つまり、俺しか倒せないだろ。ティナ!」
ティナが祈り、拳に浄化の光が宿る。間合いを詰め、頭部にパンチを入れる。すると、殴られた箇所だけが吹き飛んでしまう。
「ぐぉおおおぉん・・・」
「やっぱりな。さぁ、ここから楽しませてもらうぜ?」
目にも止まらぬ連撃をメルグーンの眷属に叩き込む。拳を叩き込まれた箇所から吹き飛んでいき、メルグーンの眷属は1分足らずで動かなくなってしまった。
「手応えもクソもねぇな。まあ、力借りてるから当たり前なんだけど」
雷太はつまらなそうに手を叩き汚れを払った。
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