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3章 潜入せよ、不信と獣の領地

37話 ロール騎士団壊滅

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「それで?どうするんですか?このまま朝まで待って絞首台ですか?」

「その必要はない。ここで、首を刎ねるんだからな」

 いや、違う!アルフォースは、途中から裏切ったんじゃない!元から俺様を嵌めるために最初から裏切っていた!!

 クソッ!信じていたのに!信用していたのに!!利害が一致した仲間だと思っていたのに!貴様は裏切った!俺様を裏切った!!

 許さんぞ!アルフォース!!絶対に呪ってやる!!アンデッドとして蘇り、お前をなぶり殺しにしてやる!!

「あうあうあー!!」

「先程から、呂律が回っていないようだが、どうしたんだ?」

「怖くて呂律が回ってないんじゃないですか?さあ、やるならさっさとやっちゃいましょう。他にも地下と秘密のルートに裏切り者の騎士達が潜んでいるのですから」

「そうだな。じゃあな、愚かな猫よ。あの世で私に楯突いた事を後悔するが良い」

「あぁぁぁ~~!!」

 コルセットの首に斧の刃が落ちる。鋭く磨がれた斧は、コルセットの首をあっさり撥ねてしまった。

「ふぅ・・・やっぱり、ライオンのビーストマンは信用できませんな。裏切り者を倒した後のロール騎士団はどうします?」

「解散させる。1ミリでも疑わしい者には先手を打つべきだ」

「かしこまりました。では、兵士達よ、残りの裏切り者達を殺せ!!奴らは強いが、団長を失って士気は失っている!お前らでも勝てるぞ!!」

「「「おおっ!!」」」

 この日の夜、屋敷からは叫び声と悲鳴が鳴り止まなかったと住民からクレームがあったらしい。

「それにしても、アルフォース・ディナス。貴様は随分と大胆な行動に出る奴だな。まさか、途中でコルセットを唆した者を殺し、入れ替わり、共に屋敷に侵入するだなんて」

「冒険でそういうのは慣れているので」

「だが、そんな事する必要はあったのか?密告するだけで十分だったろう?」

「僕の気持ちの問題です。暗殺計画なんて聞いてしまった以上、僕ができる事をしたかったんです。それに、協力者は闇の魔法を使う邪悪な魔族でした。僕が事前に殺しておかなかったら、流石のディナス領主でも危なかったでしょう」

「そうか、それなら感謝する。私だけじゃない。この町をあげて感謝する」

「魔族がこの、パウンドに紛れ込むとは・・・警備をより強固な物にしませんとな!」

「・・・しばらく傭兵でも雇うか?いや、そんな予算はないな。では、屋敷の警備に付かせていた兵士達を回そう。それと、魔族が侵入していた事は公表しないように。アルフォース・ディナス貴様もだぞ?」

「勿論。誰にも言わないですよ」

 そもそも、魔族なんて侵入していませんし、侵入したのは、魔族でもヒュームでもない中途半端なバケモノですし。

 最大勢力ロール騎士団壊滅。兵士の少々減少。
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