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5章 望まれていない勇者
106話 勇者の剣が盗まれた
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「ふむ・・・やはり、私の言葉を理解できているな。理解していなかったら、そんな反応はしないからな」
このゴブリンを見た時は、調教されて喋れるようにしているだけと思っていたが、やはり違う。しっかりと頭で考えて、声帯で声を出している。
「ゴブリンよ、お前はどっちが勝つと思う?我らエンデの民か?それとも、魔王軍か?」
「戦況を見てよどう考えても、不利でしょエンデ人は。それとも、秘密兵器でもあるの?」
「あるさ。厳密には人だがな・・・」
「勇者?」
「そうだ・・・今頃、私が見つけた優秀な教官の元で訓練をしている所だろう。定期的にも観察しているが、毎回毎回実力をあげている」
「そんな事言ったら、魔王軍だって日に日に力を増してるんでしょ?勝てるわけ?」
「勝てるさ。これに勇者の力だけじゃない。前勇者が残した剣『神の炎』も残っている。あの剣は、勇者以外の者が握ったら、燃え滓になってしまうが、勇者が使えば・・・どうなるか知っているか?」
「巣に住んでたおじいちゃんに話を聞いた事があるよ。確か、一振りで100人の魔族を消し炭にしたんだよね?」
「知っているようならそれで良い。勇者の完成の日は近い。神の炎を握り、魔族を殲滅する日も近いだろうな」
余裕ぶっているのも今のうちだバーカ!肝心の勇者はアルとシームの手によって倒されるんだからな!
けど、それは決して口にも表情にも出しちゃいけない。出したら最後、作戦が全て水の泡になるんだから。
「ウリム王!大変です!!」
「ここに入ってくるなと言っているだろう?入ってくる時は死にたい時か、私が対応せざるをえない事態が起きた時のみだと」
息を切らして地下室へとやってくる兵士。どうやらかなり焦っているようだけど、何かあったのだろうか?アル達がついに勇者を殺したとか?
「宝物庫が何者かによって襲われました!」
「宝物庫?何が盗まれた?」
「それが・・・神の炎が盗まれました!!」
「・・・なんだとっ!?盗人は魔物か?それとも魔族か!?」
「いえ、それが・・・魔族ではないようなのです。姿は隠していたのですが、シルエットは確実に魔族ではなく、ヒュームやエルフのものでした!!」
「意味が分からない!!何故、魔族ではない者があの剣を盗んでいる!それに、神の炎にまつわる話はこの国に住んでいる者なら知っているだろう!?勇者以外には扱えない欠陥武器なのだぞ!他に情報は無いのか!?」
「襲われた兵士によると、『あの剣は我が家の物!!』と叫んでいたらしいです」
「我が家の物?・・・まさか!アビルダ・ルインか!!今すぐ兵を集めて、盗人を追え!!だが、殺すな!!恐らく犯人は、アビルダ・ルインだ!!」
アルではないみたい。おいら達とは別の勢力なのか?
相当の非常事態なのか?ウリム王は地下室を出て行ってしまった。
このゴブリンを見た時は、調教されて喋れるようにしているだけと思っていたが、やはり違う。しっかりと頭で考えて、声帯で声を出している。
「ゴブリンよ、お前はどっちが勝つと思う?我らエンデの民か?それとも、魔王軍か?」
「戦況を見てよどう考えても、不利でしょエンデ人は。それとも、秘密兵器でもあるの?」
「あるさ。厳密には人だがな・・・」
「勇者?」
「そうだ・・・今頃、私が見つけた優秀な教官の元で訓練をしている所だろう。定期的にも観察しているが、毎回毎回実力をあげている」
「そんな事言ったら、魔王軍だって日に日に力を増してるんでしょ?勝てるわけ?」
「勝てるさ。これに勇者の力だけじゃない。前勇者が残した剣『神の炎』も残っている。あの剣は、勇者以外の者が握ったら、燃え滓になってしまうが、勇者が使えば・・・どうなるか知っているか?」
「巣に住んでたおじいちゃんに話を聞いた事があるよ。確か、一振りで100人の魔族を消し炭にしたんだよね?」
「知っているようならそれで良い。勇者の完成の日は近い。神の炎を握り、魔族を殲滅する日も近いだろうな」
余裕ぶっているのも今のうちだバーカ!肝心の勇者はアルとシームの手によって倒されるんだからな!
けど、それは決して口にも表情にも出しちゃいけない。出したら最後、作戦が全て水の泡になるんだから。
「ウリム王!大変です!!」
「ここに入ってくるなと言っているだろう?入ってくる時は死にたい時か、私が対応せざるをえない事態が起きた時のみだと」
息を切らして地下室へとやってくる兵士。どうやらかなり焦っているようだけど、何かあったのだろうか?アル達がついに勇者を殺したとか?
「宝物庫が何者かによって襲われました!」
「宝物庫?何が盗まれた?」
「それが・・・神の炎が盗まれました!!」
「・・・なんだとっ!?盗人は魔物か?それとも魔族か!?」
「いえ、それが・・・魔族ではないようなのです。姿は隠していたのですが、シルエットは確実に魔族ではなく、ヒュームやエルフのものでした!!」
「意味が分からない!!何故、魔族ではない者があの剣を盗んでいる!それに、神の炎にまつわる話はこの国に住んでいる者なら知っているだろう!?勇者以外には扱えない欠陥武器なのだぞ!他に情報は無いのか!?」
「襲われた兵士によると、『あの剣は我が家の物!!』と叫んでいたらしいです」
「我が家の物?・・・まさか!アビルダ・ルインか!!今すぐ兵を集めて、盗人を追え!!だが、殺すな!!恐らく犯人は、アビルダ・ルインだ!!」
アルではないみたい。おいら達とは別の勢力なのか?
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