雨の日のお伽噺

雨月 千疾

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月のない夜

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夜の街にいた
月のない夜だった
ぽつりぽつりとある街灯
街灯に照らされなかった暗闇
すぐそこには光があるの
そこだけ色が抜け落ちたような黒
人が走ってきた
その人は街灯
どこからか人が走ってきた
大人とも子供とも分からない
女か男かも分からない
その人は街灯に照らされている所から
暗闇に飛び込んだ
街灯の光が届いてない所
見えるはずなのに見えない
近いようで遠いような場所
飛び込んだ人は
もう街灯に照らされることは無かった
ただ暗闇に呑まれていった
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