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序章
ヴェル…
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『キャロット視点』
私はザーラスト国のザミール侯爵家の長女として生をうけました。生まれた時から皇太子の婚約者候補として勉強や習い事を厳しく叩き込められる毎日。
そのような毎日を過ごしていた私は今、メイドのアマンダと私が救った男の子ヴェルと一緒に夕食を食べています。…なんとも不思議な気分です。
我が家の屋敷でもなく王城でもなく、叔父にあたるクライス兄様の作った病院の食堂で。平民の方々に紛れて。
私が住むザーラスト国で伝染病が王都を襲ったことでこれまでの生活が一変致しました。今から半年くらい前かと。
…魔風病。
止まる気配のない感染拡大に死者は日に日に増えていきました。ザーラス王はすぐに各地に治癒魔法師と医者を派遣させました。お母様やクライス兄様は自ら病棟を建てて民を救い始めたのです。そのような中、私は8歳になり適性検査で治癒魔法とでました。私は迷わずに父様の許しを得てた後、厳しい訓練を乗り越えてお母様の実弟であるクライス兄様の手伝いの許可を得る事ができました。本当はお母様のところに行きたかったのだけど…なぜか許可がおりませんでした…。
訓練で基本の治癒魔法は使える私は、治療待ちの患者の緩和や、一度大人が治療した患者の後遺症が出ないようにするための治療をする役目だと説明をうけました。最後にクライス兄様は
「キャロット。ここの集落は貧民街なんだ。ここの住人には罪を犯した者達や王都に馴染めず出て行くことができなかった者達。それに捨て子がたくさんいる。彼らの境遇はキャロットにとって衝撃が強いかもしれないが、この国の民には変わりはないんだ。治すのに協力してくれるかい?」
と仰いました。
「はい。もちろんですわ!!そのために来たのですから。」
即答で答えましたが、当初は今更なんの確認なのかと少し不満に思ったものです。しかし、この時の私は何もわかっていませんでした。貧民街という場所のことを…。そしてクライス兄様の御心の本質を。
ここで暮らす彼らの生活も価値観も私が知らない世界でした。民のことは理解しなくてはとチャンスがあれば平民街や商業地など足を運びましたし、稀にでしたがお父様と王都からでて町や村にも行ったことがあったというのに…。
全てが無意味だったのではと思わせる程に私には何も見えていなかったと気付かせられました。
初日に言われたクライス兄様の言葉を心に刻み、出来る限りの魔力を使い治癒魔法をし、学んだ知識を使って治療に励みました。そして空いた時間は雑務や治癒魔法の勉強。それに回復傾向になった子供達の面倒を見て、少しでも役に立とうと日々を過ごしていました。
そんな忙しい毎日を過ごしていたある日。初めての街調査の班に同行した日に彼を見つけました。
あらかた患者を運び終わり撤収の流れになった時、ふと1つの路地が気になりました。何故か呼ばれているような気がして…。
そこで見つけた血だらけの男の子。目の前でご飯を食べている彼を。
ついじっと見てしまい、急いで顔を逸らしましたがニヤけた顔のアマンダ。
なにか気まずい感じです。ヴェルは気づいてなかったのに。
彼に教わった「ご馳走様でした。」を3人で行い食事を終えました。すぐにアマンダが紅茶を入れに席を立ちます。ただ髪型を変えただけで何故か落ち着きません。
「キャロット様。今日もお疲れ様でした。では失礼します。……おやすみなさい。」
「ええ。お疲れ様。おやすみなさい。」
私はヴェルと別れて寝室へと戻りました。すぐに寝巻きに着替えてベッドで横になりました。何故かたった1ヶ月ちょっと前の事なのに彼と会った日のことを思い返している自分。ため息がやたら増えた気がします。
あの時、私がヴェルを確認した瞬間、息をするのを忘れていました。私は強張る身体を無理やり動かして急いで大人を呼んでから私は持っていた緩和薬を注射いたしました。
一瞬意識を取り戻し私を見つめるヴェル。平民には珍しいその綺麗な黄色の瞳で…。
そして彼は意識を無くす前に私の名を言った気がしたのです。私は彼に会ったことなどないはずなのに…。
初めて見つけることのできた彼。平民の血筋とは思えないその容姿。そして、気のせいかもしれませんが私の名を知っているかもしれない彼を気にするようになりました。
後から重症でとても危ない状態だと教えられてよりは、開いた時間には看病しに彼の元に足を運びました。なかなか熱が下がらず、涙目になりならがらも治癒魔法をかけました。魔法が万能ではないことはよく理解していますし、完治なんて魔法だけでは出来ないこと…そのような事は頭でわかっていても感情は追いついてくれません。焦る気持ちばかり先に出て、止めるアマンダを押し切って私は看病いたしました。
…もう懲り懲りだったのです。昨日まで話していた人の寝床が空いてしまうのが…。一緒に頑張ろうと励ましてた子達がいなくなってしまうのが…。もう目の前で人が死ぬのはもう…。
私はこの場所に来て初めて人の命が奪われる恐怖をしりました。だから…。
数日後、奇跡的に彼は命を取り留めました。クライス兄様が知らせてくれた時には、不覚にも安堵の気持ちが強く後から後から涙が流れ落ちました。私は次の日から後遺症が出ないように治癒魔法を私が施し続けました。
それから1週間後にはクライス兄様から彼が気がついたと知らせがあった時は安堵しました。
クライス兄様からも良くやったと褒めて頂けたのも喜びでしたし、役に立てたことが嬉しい気持ちで満たされました。
彼に会うのは食事を持って行く時まで我慢せざるおえません。見知らぬ子が急に行くのもおかしい気がしましたし…。心の準備も…ですね。
アマンダにも他言無用とキツく言いましたが、
「えー!!でもお嬢様、あんなに親身になって看病されたのに!!」
案の定、予想通りの反応に説得するのには苦労いたしました。
お昼を配りに行く時間帯。私とアマンダは彼のいる病室まで来てそっと中を覗き込んでみました。彼は上半身を上げて部屋を見渡していました。
「いよいよですね。彼、だいぶ良くなってるみたいですよ。」
「えっええ。そのようですわね。安心しました。」
アマンダの楽しそうな笑顔が気に障わりましたが無視して彼をみました。体の痛みは和らいだように見えてホッとして、私は深呼吸をしてから平常心を保ちながら部屋に入り昼食を配り始めました。そして最後に彼の側まできましたが、少し照れ臭く感じて、口調が強くなりがちになってしまいました。いつもの私らしくない感情に戸惑い続きでした。アマンダが余計なこと言うから…。
ただふと、気になることがありました。彼の言葉遣です。ここの住人はいろんな所の出身が多いせいか言葉に癖がある方が多いのですが、元貴族や従者、商人だったのならわかるのだけど…極め付けはスプーンの使い方がきちんとできているのを見て思わず聞いてしまいました。
アマンダも確認しようとしたのですが、彼は1人でずっと暮らしていると言っていました。この子もなんだと胸が締め付けられましたが、それよりも、それなら何故とは思わずにはいられません。しかし、わかったことで何が出来るわけではないのも事実でしたのでそれ以上聞く事はしませんでした。
そんなやり取りの後はなんだかんだ彼の事が気になって、空いた時間に行くと、
「また来てくれたんですね。嬉しいです。」
彼は嬉しそうに笑顔を向けられ、何故か動揺しました。
「…ちょっと時間が空いたからですわ。体調はどうですの?」
「はい。だいぶ良くなりました。後は元から栄養が足りなかった分、体力の回復が遅いそうです。栄養補給してちゃんと寝るように言われました。」
「そう。ならちゃんと大人しくしていなさいね。」
「はい。ありがとうございます。」
「あら、本を借りたのですね。私もそのお話は読みましたわ。」
ふと、彼のベッドに置かれた本が目に入りました。それも私が好きな物語だったものだから嬉しくなり思わず気分が上がってしまいました。
「はい。寝れない時に読めるように本を借りたのですが……読めませんでした。」
「読めないのに借りたんですの?馬鹿なんですの?」
思わぬ一言に唖然としました。
「面目ありません。一度文字を見てみたかったのです。」
しょぼくれる彼を見てなぜか嬉しく感じたんです。
「それなら空いた時間になら教えてあげますわ。」
「え!?……………キャロット様がですか?」
もの凄く驚いた顔をして私を見た彼。イラッときました。えー、イラッとしました!!私だって文字の読み書きなんて当たり前のように出来きます!!
「あっ!?申し訳ありません。その様な失礼な意味で言ったのではありません。キャロット様から教えてもらえる事が信じられないのです。僕なんかのために…。」
私の顔を見て、私が抗議をする前に彼は慌てて弁解をしてきました。
「私が良いと言えば問題ないですわ。それなら用意してきますね。次の空き時間からにしましょう。」
未だに困惑している彼。
「ほっ…本当に良いのでしょうか?」
「クドイですわ!!」
「すいません!!よろしくお願いします。感無量です。自分なんかのために夢の様です。ありがとうございます!!」
そんなに嬉しそうに言わなくても…全く…大袈裟よ。
私はその場を後にして、小さい子供用の本とアイウエオ帳を用意しに向かいました。自然と口角が上がっていました。
「あれ?キャロット様。何か良いことでもあったのですか?ずいぶんと嬉しそうですが。」
っ………。ずいぶんとタイミングの良いところでアマンダが現れて、咄嗟に顔を引き締めましたが見られてしまいました。
「べっ別に無いですわよ。ただ彼に文字を教える事になったの。アマンダも協力してちょうだい。」
「それはまたずいぶんと面白い事になりましたね。承知致しました。空いてる時間にでも顔を出してみます。」
「何が面白いことなのです?」
アマンダの意味の分からないことを言うものだから呆気に捉われました。
「あ?失礼いたしました。お気になさらずに。深い意味はございません。」
ワザとらしく誤魔化すその態度は不思議でしたが考えても分からなかったのでながしました。
「一先ずはよろしく頼みましたよ。」
「承知しました。」
私はザーラスト国のザミール侯爵家の長女として生をうけました。生まれた時から皇太子の婚約者候補として勉強や習い事を厳しく叩き込められる毎日。
そのような毎日を過ごしていた私は今、メイドのアマンダと私が救った男の子ヴェルと一緒に夕食を食べています。…なんとも不思議な気分です。
我が家の屋敷でもなく王城でもなく、叔父にあたるクライス兄様の作った病院の食堂で。平民の方々に紛れて。
私が住むザーラスト国で伝染病が王都を襲ったことでこれまでの生活が一変致しました。今から半年くらい前かと。
…魔風病。
止まる気配のない感染拡大に死者は日に日に増えていきました。ザーラス王はすぐに各地に治癒魔法師と医者を派遣させました。お母様やクライス兄様は自ら病棟を建てて民を救い始めたのです。そのような中、私は8歳になり適性検査で治癒魔法とでました。私は迷わずに父様の許しを得てた後、厳しい訓練を乗り越えてお母様の実弟であるクライス兄様の手伝いの許可を得る事ができました。本当はお母様のところに行きたかったのだけど…なぜか許可がおりませんでした…。
訓練で基本の治癒魔法は使える私は、治療待ちの患者の緩和や、一度大人が治療した患者の後遺症が出ないようにするための治療をする役目だと説明をうけました。最後にクライス兄様は
「キャロット。ここの集落は貧民街なんだ。ここの住人には罪を犯した者達や王都に馴染めず出て行くことができなかった者達。それに捨て子がたくさんいる。彼らの境遇はキャロットにとって衝撃が強いかもしれないが、この国の民には変わりはないんだ。治すのに協力してくれるかい?」
と仰いました。
「はい。もちろんですわ!!そのために来たのですから。」
即答で答えましたが、当初は今更なんの確認なのかと少し不満に思ったものです。しかし、この時の私は何もわかっていませんでした。貧民街という場所のことを…。そしてクライス兄様の御心の本質を。
ここで暮らす彼らの生活も価値観も私が知らない世界でした。民のことは理解しなくてはとチャンスがあれば平民街や商業地など足を運びましたし、稀にでしたがお父様と王都からでて町や村にも行ったことがあったというのに…。
全てが無意味だったのではと思わせる程に私には何も見えていなかったと気付かせられました。
初日に言われたクライス兄様の言葉を心に刻み、出来る限りの魔力を使い治癒魔法をし、学んだ知識を使って治療に励みました。そして空いた時間は雑務や治癒魔法の勉強。それに回復傾向になった子供達の面倒を見て、少しでも役に立とうと日々を過ごしていました。
そんな忙しい毎日を過ごしていたある日。初めての街調査の班に同行した日に彼を見つけました。
あらかた患者を運び終わり撤収の流れになった時、ふと1つの路地が気になりました。何故か呼ばれているような気がして…。
そこで見つけた血だらけの男の子。目の前でご飯を食べている彼を。
ついじっと見てしまい、急いで顔を逸らしましたがニヤけた顔のアマンダ。
なにか気まずい感じです。ヴェルは気づいてなかったのに。
彼に教わった「ご馳走様でした。」を3人で行い食事を終えました。すぐにアマンダが紅茶を入れに席を立ちます。ただ髪型を変えただけで何故か落ち着きません。
「キャロット様。今日もお疲れ様でした。では失礼します。……おやすみなさい。」
「ええ。お疲れ様。おやすみなさい。」
私はヴェルと別れて寝室へと戻りました。すぐに寝巻きに着替えてベッドで横になりました。何故かたった1ヶ月ちょっと前の事なのに彼と会った日のことを思い返している自分。ため息がやたら増えた気がします。
あの時、私がヴェルを確認した瞬間、息をするのを忘れていました。私は強張る身体を無理やり動かして急いで大人を呼んでから私は持っていた緩和薬を注射いたしました。
一瞬意識を取り戻し私を見つめるヴェル。平民には珍しいその綺麗な黄色の瞳で…。
そして彼は意識を無くす前に私の名を言った気がしたのです。私は彼に会ったことなどないはずなのに…。
初めて見つけることのできた彼。平民の血筋とは思えないその容姿。そして、気のせいかもしれませんが私の名を知っているかもしれない彼を気にするようになりました。
後から重症でとても危ない状態だと教えられてよりは、開いた時間には看病しに彼の元に足を運びました。なかなか熱が下がらず、涙目になりならがらも治癒魔法をかけました。魔法が万能ではないことはよく理解していますし、完治なんて魔法だけでは出来ないこと…そのような事は頭でわかっていても感情は追いついてくれません。焦る気持ちばかり先に出て、止めるアマンダを押し切って私は看病いたしました。
…もう懲り懲りだったのです。昨日まで話していた人の寝床が空いてしまうのが…。一緒に頑張ろうと励ましてた子達がいなくなってしまうのが…。もう目の前で人が死ぬのはもう…。
私はこの場所に来て初めて人の命が奪われる恐怖をしりました。だから…。
数日後、奇跡的に彼は命を取り留めました。クライス兄様が知らせてくれた時には、不覚にも安堵の気持ちが強く後から後から涙が流れ落ちました。私は次の日から後遺症が出ないように治癒魔法を私が施し続けました。
それから1週間後にはクライス兄様から彼が気がついたと知らせがあった時は安堵しました。
クライス兄様からも良くやったと褒めて頂けたのも喜びでしたし、役に立てたことが嬉しい気持ちで満たされました。
彼に会うのは食事を持って行く時まで我慢せざるおえません。見知らぬ子が急に行くのもおかしい気がしましたし…。心の準備も…ですね。
アマンダにも他言無用とキツく言いましたが、
「えー!!でもお嬢様、あんなに親身になって看病されたのに!!」
案の定、予想通りの反応に説得するのには苦労いたしました。
お昼を配りに行く時間帯。私とアマンダは彼のいる病室まで来てそっと中を覗き込んでみました。彼は上半身を上げて部屋を見渡していました。
「いよいよですね。彼、だいぶ良くなってるみたいですよ。」
「えっええ。そのようですわね。安心しました。」
アマンダの楽しそうな笑顔が気に障わりましたが無視して彼をみました。体の痛みは和らいだように見えてホッとして、私は深呼吸をしてから平常心を保ちながら部屋に入り昼食を配り始めました。そして最後に彼の側まできましたが、少し照れ臭く感じて、口調が強くなりがちになってしまいました。いつもの私らしくない感情に戸惑い続きでした。アマンダが余計なこと言うから…。
ただふと、気になることがありました。彼の言葉遣です。ここの住人はいろんな所の出身が多いせいか言葉に癖がある方が多いのですが、元貴族や従者、商人だったのならわかるのだけど…極め付けはスプーンの使い方がきちんとできているのを見て思わず聞いてしまいました。
アマンダも確認しようとしたのですが、彼は1人でずっと暮らしていると言っていました。この子もなんだと胸が締め付けられましたが、それよりも、それなら何故とは思わずにはいられません。しかし、わかったことで何が出来るわけではないのも事実でしたのでそれ以上聞く事はしませんでした。
そんなやり取りの後はなんだかんだ彼の事が気になって、空いた時間に行くと、
「また来てくれたんですね。嬉しいです。」
彼は嬉しそうに笑顔を向けられ、何故か動揺しました。
「…ちょっと時間が空いたからですわ。体調はどうですの?」
「はい。だいぶ良くなりました。後は元から栄養が足りなかった分、体力の回復が遅いそうです。栄養補給してちゃんと寝るように言われました。」
「そう。ならちゃんと大人しくしていなさいね。」
「はい。ありがとうございます。」
「あら、本を借りたのですね。私もそのお話は読みましたわ。」
ふと、彼のベッドに置かれた本が目に入りました。それも私が好きな物語だったものだから嬉しくなり思わず気分が上がってしまいました。
「はい。寝れない時に読めるように本を借りたのですが……読めませんでした。」
「読めないのに借りたんですの?馬鹿なんですの?」
思わぬ一言に唖然としました。
「面目ありません。一度文字を見てみたかったのです。」
しょぼくれる彼を見てなぜか嬉しく感じたんです。
「それなら空いた時間になら教えてあげますわ。」
「え!?……………キャロット様がですか?」
もの凄く驚いた顔をして私を見た彼。イラッときました。えー、イラッとしました!!私だって文字の読み書きなんて当たり前のように出来きます!!
「あっ!?申し訳ありません。その様な失礼な意味で言ったのではありません。キャロット様から教えてもらえる事が信じられないのです。僕なんかのために…。」
私の顔を見て、私が抗議をする前に彼は慌てて弁解をしてきました。
「私が良いと言えば問題ないですわ。それなら用意してきますね。次の空き時間からにしましょう。」
未だに困惑している彼。
「ほっ…本当に良いのでしょうか?」
「クドイですわ!!」
「すいません!!よろしくお願いします。感無量です。自分なんかのために夢の様です。ありがとうございます!!」
そんなに嬉しそうに言わなくても…全く…大袈裟よ。
私はその場を後にして、小さい子供用の本とアイウエオ帳を用意しに向かいました。自然と口角が上がっていました。
「あれ?キャロット様。何か良いことでもあったのですか?ずいぶんと嬉しそうですが。」
っ………。ずいぶんとタイミングの良いところでアマンダが現れて、咄嗟に顔を引き締めましたが見られてしまいました。
「べっ別に無いですわよ。ただ彼に文字を教える事になったの。アマンダも協力してちょうだい。」
「それはまたずいぶんと面白い事になりましたね。承知致しました。空いてる時間にでも顔を出してみます。」
「何が面白いことなのです?」
アマンダの意味の分からないことを言うものだから呆気に捉われました。
「あ?失礼いたしました。お気になさらずに。深い意味はございません。」
ワザとらしく誤魔化すその態度は不思議でしたが考えても分からなかったのでながしました。
「一先ずはよろしく頼みましたよ。」
「承知しました。」
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