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魔王の城
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ティリオの前には、魔王の城があった。
城の周りは崖で、1本の吊り橋があるだけの簡素とも言える城だった。
特に意気込む事もなく、普段と何も変わらない様子で城の中へと踏み込むティリオ。
中では低級な魔物が襲いかかってくるが、そんなものではティリオを止める事など出来なかった。
そうして、苦戦する事もなく城の最深部へとやって来た。
そこには、人の身体ではあるが人の何倍も大きく、獣の毛で覆われた女性が座っていた。
その傍らには、普通の人間ではあるが、魔法装束を纏った女性が立っている。
「…また勇者か、お前で何人目だ…なぁ、フレイア」
「5328人目です。陛下。」
「人間とは学習する生き物と聞いていたが…どうやら違うらしい。まさか、たった1人で乗り込んで来るとは。」
「陛下。ここは私が。」
「うむ。」
魔法装束の女が魔王の前に立ちはだかる。
魔王は頬杖をつき、余裕を露わにしていた。
ティリオは何も言わず、ただ無造作に剣を横に振るう。
たったそれだけの造作で、魔王の体格よりも大きい光線が女に向けて放たれる。
「この世に神はなし、全ては無に帰する"無限の闇"」
そう女が唱えると、目の前に黒い魔法陣の様なものが出現する。
ティリオが放った光線はその魔法陣の中に吸い込まれるようにして消えていった。
「…天より招雷せよ、裁きの一撃よ。」
ティリオは、ついにその重い口を開く。
「フレイア。」
「はい。…死より来たれ、冥府の番人よ。」
それに応えるように女も呪文を唱え始める。
「罪人を永劫の彼方へ"全能の雷"」
その言葉と共に、ティリオの身体から白い電流が放出され始めた。
それらは幾数もの剣の形になり、女と魔王を襲う。
「主の命運はここに尽きた"冥府の檻"」
女と魔王はドーム状の黒い闇に包まれた。
雷の剣が次々と闇の壁に突き刺さっていく。
そして、次第に白いヒビが壁の周りに走り始めた。
「終わりだ。」
そう、ティリオが告げた刹那闇の壁が砕け、剣が彼女らに突き刺さった。
ように見えた。
「成程。確かに、これだけの力があれば他の助けなど不要か。」
突き刺さったと思っていた雷の剣は、彼女らの数センチ前で止まり、その後弾けて光の粒となった。
「だが、やはりここに来たのは失策だったな、勇者。」
既に椅子から立ち上がっていた魔王は、こたらに掌を向けてくる。
「"汝動くことなかれ"」
魔王の言葉を聞いた途端、ティリオの身体は凍ったように硬直してしまう。
城の周りは崖で、1本の吊り橋があるだけの簡素とも言える城だった。
特に意気込む事もなく、普段と何も変わらない様子で城の中へと踏み込むティリオ。
中では低級な魔物が襲いかかってくるが、そんなものではティリオを止める事など出来なかった。
そうして、苦戦する事もなく城の最深部へとやって来た。
そこには、人の身体ではあるが人の何倍も大きく、獣の毛で覆われた女性が座っていた。
その傍らには、普通の人間ではあるが、魔法装束を纏った女性が立っている。
「…また勇者か、お前で何人目だ…なぁ、フレイア」
「5328人目です。陛下。」
「人間とは学習する生き物と聞いていたが…どうやら違うらしい。まさか、たった1人で乗り込んで来るとは。」
「陛下。ここは私が。」
「うむ。」
魔法装束の女が魔王の前に立ちはだかる。
魔王は頬杖をつき、余裕を露わにしていた。
ティリオは何も言わず、ただ無造作に剣を横に振るう。
たったそれだけの造作で、魔王の体格よりも大きい光線が女に向けて放たれる。
「この世に神はなし、全ては無に帰する"無限の闇"」
そう女が唱えると、目の前に黒い魔法陣の様なものが出現する。
ティリオが放った光線はその魔法陣の中に吸い込まれるようにして消えていった。
「…天より招雷せよ、裁きの一撃よ。」
ティリオは、ついにその重い口を開く。
「フレイア。」
「はい。…死より来たれ、冥府の番人よ。」
それに応えるように女も呪文を唱え始める。
「罪人を永劫の彼方へ"全能の雷"」
その言葉と共に、ティリオの身体から白い電流が放出され始めた。
それらは幾数もの剣の形になり、女と魔王を襲う。
「主の命運はここに尽きた"冥府の檻"」
女と魔王はドーム状の黒い闇に包まれた。
雷の剣が次々と闇の壁に突き刺さっていく。
そして、次第に白いヒビが壁の周りに走り始めた。
「終わりだ。」
そう、ティリオが告げた刹那闇の壁が砕け、剣が彼女らに突き刺さった。
ように見えた。
「成程。確かに、これだけの力があれば他の助けなど不要か。」
突き刺さったと思っていた雷の剣は、彼女らの数センチ前で止まり、その後弾けて光の粒となった。
「だが、やはりここに来たのは失策だったな、勇者。」
既に椅子から立ち上がっていた魔王は、こたらに掌を向けてくる。
「"汝動くことなかれ"」
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