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第21話 [ハロルドさんからのお願い。]
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最初は驚いていた2人だったが、虹水晶を再度吸収した事で、使徒と確信したハロルドさんが跪いた事で、驚きながらも2人も跪いた。
「な、何をしてるんですか!?」
「使徒様に拝礼を。」
ハロルドさんがそう言うと3人とも跪いたまま頭を下げた。
「いやいや、そんな事止めてください!」
「いえ、そういうわけには。」
「確かにライヤ様からは使命を言い渡されていますけど、自分自身はそんな大した人間じゃないんで!」
「しかし・・・」
「止めてください!それに今迄通り普通に接して下さい。止めてくれないなら此処を出ていきます!」
自分でも卑怯だなぁとは思ったが止めてくれなさそうだったので俺が出て行くというとハロルドさんは困った人を見る目で俺を見ながら立ち上がり声を掛けてきた。
「はぁ~仕方ありませんなぁ。お前達も立て!これ以上シュウト様を困らせるな。」
そう言いながら2人を立たせた。
いやいや、1番困らせたのはハロルドさんですからね。
と思っているとハロルドさんは頭を掻きながら「申し訳ありません。」と言った。
「ゴホン!とりあえず先程も言ったがこの事は秘密にする事、それとシュウト様が普通に接する方が良いと仰っているとで普通に接する様に!」
ハロルドさんがそう言うと2人は「御意!」「承知した。」と応えた。
「ところで1つ聞いて良いですか?」
「何でしょうシュウト様。」
「何故、公爵殿下であるセルジュさんまで頭を下げたんですか?」
ハロルドさんは一瞬、何を聞かれたのか分からない表情をしていたが少しして分かってくれたのか答えてくれた。
「シュウト様、これは当たり前の事なのです。何故なら神の使徒は国王と同等なのです。但しそれは普通の神の場合で世界神で在られるアストライアー様の使徒様は国王よりも上の存在とされているからなのです。」
それを聞いて俺はほぅ~と呆けていると
「シュウト様?シュウト様がそうなのですよ」
と言われビックリしたがそうかぁ~何か嫌だなぁと思い自分の気持ちを打ち明けた。
「なら自分は使徒である事を黙っていようと思います。」
「何故ですか?」
「これ迄知り合った人、これから知り合うであろう人達によそよそしくして欲しくないからです。」
そう言うと皆が「「「シュウト様(殿)、らしい。」」」と笑っていた。
俺はこの3人なら良いかと思い、自分が何故使徒になったのかどんな使命を帯びているのかを話、ライヤ様からは急ぐ必要はないと言われた事などを話した。
「なるほど、だから世界を周らなければいけないのですね。」
「そうなんですよ。自分的にはこの街やここの人達といるのは心地が良いんで使命が無ければここに居たかったんですけどね。」
「それは嬉しい事を言って下さる。どうぞどの位居られるかは分からないですがここにいる間だけでも我が家と思って過ごしてください。それに何処かへ行かれても立ち寄って頂ければ歓迎させていただきます。」
そう言われホッコリしていると
「失礼します。旦那様、お食事の用意が出来ました。」
と扉の向こうからメイドさんが声を掛けてきた。
「では、シュウト様食事にいたしましょうか。」
と言われ席をたった。
食事中、ハロルドさんが俺の方を見ながら何か考え事をしてる様子だったので俺が「ハロルドさんどうしました?」と聞くと「食事の後、またお話させて頂いてもいいでしょうか?」と聞かれたので何だろう?とは思ったが了承した。
食後、また応接室に戻ってきた俺はハロルドさんに訪ねた。
「明日の事では・・・無いですよねぇ・・・もしかして工房の事ですか!?アレは何と言えば・・・」
「いえ!違うのです!まぁ確かに工房では危ない事を何度も・・・ってそれはもう反省して頂いていると思っているので良いのです。」
「じゃあ何でしょうか?」
俺がそう言うとハロルドさんは押し黙ったまま話始め様としないので暫し沈黙の時間が流れた。するとそれを見かねたのか横で立っていたセバスさんがハロルドさんに声を掛けた。
「大旦那様、もしや大奥様の事でしょうか?」
ハロルドさんはビクッとなると大きく深呼吸をすると俺の方を見て話し始めた。
「明日以降、何時でもよろしいので妻のミレーヌに会って頂きたいのです。」
会うのは良いけど使徒だからといって病気や怪我を治せるわけじゃないんだよなぁ
と思って治す能力は今のところ無い事をハロルドさんに話そうとしたら横からセバスさんがハロルドさんに声を掛けた。
「大旦那様、それではシュウト様が勘違いしてしまいます。」
「ん?あぁそうだな。妻はもう居ないんです。」
はい?どういう事?
そう思っていると横でセバスさんが「はぁ~」と溜息を吐いて俺の方に話し掛けてきた。
「シュウト様、申し訳ございません大旦那様は普段は尊敬出来るとても素晴らしい御方なのですがこと大奥様の事となるとダメ人間になってしまうのです。」
「なっ!そんな事は・・・」とハロルドさんは否定しようとするも心当たりがあるのか勢いを失い黙ってしまった。
「それでですが大奥様は5年前に御病気でお亡くなりになっているのですが、御病気の所為で現世に未練がお在りなのか、生前お好きであった丘の上にいらっしゃるのです。」
あぁなるほど、それで俺か。
「大旦那様は心配で私兵を巡回させ、行ける時は毎日でも行っているのですが、何分大奥様は幽霊ですので大旦那様に何かを話し掛けている御様子なのですが、分からないので最後には大奥様が怒って何処かへ消えてしまうのです。」
その言葉にハロルドさんは落ち込んだ様子を見せ、俺に懇願してきた。
「そこでシュウト様の能力でミレーヌの未練、話を聞いて頂きたいのです!」
「それは構いませんが未練が無くなるとそのまま転生してしまう事があるので自分が行く時は御家族を伴ってからで如何ですか?」
俺がそう言うとハロルドさんは驚いた顔で返答してきた。
「それは私共としてはありがたいですが、シュウト様のお力が知られてしまいますよ!」
「使徒である事さえ分からなければ、皆さんなら能力位ならバレても良いですよ。」
俺がそう言うとハロルドさん達は涙を浮かべ感謝してきた。
「ありがとうございます。ありがとうございます。子供たちも孫達も皆、ミレーヌの事が好きだったので、喜ぶと思います!」
喜ぶハロルドさん達を見て嬉しくなったが俺はふと、この件って俺が解決というか俺が転生させても問題無いのかが分からなかったので、喜んでるのに悪いなぁと思いつつ話をした。
「すいませんハロルドさん。喜んでいただけて嬉しいのですが、少し待ってもらっても良いですか?」
「そうですね。まだやる事はあるでしょうし。」
「いや、そういう事ではなく・・・行くなら明日でも良いのですが・・・」
俺が返答するのに悩んでいるとハロルドさんは掴みかかってくるのではないかと思える位の勢いで「何故!」と言いながら近づいてきたがセバスさんに肩を捕まれ「大旦那様!」と止められると座り直して聞いてきた。
「シュウト様、申し訳ありません。此方に何か落ち度がありましたでしょうか?」
「いえ、自分の落ち度なんで此方こそ、すいません。」
「では、どういった事でしょうか?差し支えなければお教え頂きたいのですが?」
「なんと云いますか、この件について自分が関わっていいのかをライヤ様に聞いてからの方が良い様な気がしまして。すいません。」
俺の返答に驚きつつも冷静さを取り戻したハロルドさんはやってしまったという様な顔をしながら声を掛けてきた。
「此方こそ申し訳ありません。シュウト様は大切な使命がお在りでらっしゃるのに私の個人的なお願いを・・・」
「いえいえ、自分も確認もせずに答えてしまったのが悪かったので・・・そうだ!明日、何時から教会が開いてるかは分かりませんが明日の朝にでも教会に行ってみます。ただライヤ様もお忙しい方なので直ぐにとはいかないかもしれませんが。」
そう言うとハロルドさんは満面の笑みで答えてくれた。
「ありがとうございます。では朝食の後なら問題ないと思いますので工房へ行く前に行くこととしましょう。」
「分かりました。・・・ただ、もしかしたら時間が掛かってしまうかもしれないんで時間が掛かっている様ならキルデスさん達に遅くなるのをお伝えして頂けるとありがたいのですが・・・。」
「お任せ下さい。此方からお願いしている事ですので必ず伝えます。」
そう言うとその日は解散となったので俺はライヤ様から色良い返事が貰えるといいなぁと思いながら就寝した。
翌朝、朝食を済ませた俺達は教会に着いた。
凄い荘厳な雰囲気だなぁと思っているとハロルドさんから声を掛けられた。
「この教会は王都の次に大きいとされていて、歴史もかなり古く、この都市が出来るのと同時に建設されたと伝承があります。」
はぁ~凄いなぁと眺めているとハロルドさんに中にはいる様に促されたので、ついて行った。
「此方の教会は先程も申しましたが古くからあるので、主だった神の像が全てあるとされていますので、貴族や商人、冒険者、庶民とありとあらゆる人々が訪れるので教会が閉まるまで、人が途切れる事はありません。」
俺は周りをキョロキョロ見ながらハロルドさんについて進んでいた。
暫く歩いていると神父と思われる人が声を掛けてきた。
「これはハロルド様、ようこそおいでくださいました。本日は如何されましたでしょうか?」
「おぉこれは司祭殿、今日は儂ではなく此方のシュウト様がお祈りする為に来たのだ。・・・そうだ司祭殿、個室でお祈りをしたいのだが、空いておるか?」
「はい。本日はまだ時間的に早いので問題ありませんよ。今御案内致します。」
そう言われた俺達は司祭様の後ろについて行くと2Fの一室に通され、案内してくれた司祭様は会釈して出ていった。
「やはりあの方は分かってらっしゃるな。」
司祭様が出ていくのを見届けたハロルドさんは不意にそう言った。
「ん?何が分かってるんですか?」
ハロルドさんは俺の質問に対して1泊おいてから答えた。
「シュウト様に加護がある事、此処に何をしに来たかですね。」
俺はえ!?っとなってもう一度ハロルドさんに質問した。
「あの人は何者なんですか?」
「それはあの方が直接お話になると思いますので私からは差し控えておきます。」
とハロルドさんは良い顔で言った。
「な、何をしてるんですか!?」
「使徒様に拝礼を。」
ハロルドさんがそう言うと3人とも跪いたまま頭を下げた。
「いやいや、そんな事止めてください!」
「いえ、そういうわけには。」
「確かにライヤ様からは使命を言い渡されていますけど、自分自身はそんな大した人間じゃないんで!」
「しかし・・・」
「止めてください!それに今迄通り普通に接して下さい。止めてくれないなら此処を出ていきます!」
自分でも卑怯だなぁとは思ったが止めてくれなさそうだったので俺が出て行くというとハロルドさんは困った人を見る目で俺を見ながら立ち上がり声を掛けてきた。
「はぁ~仕方ありませんなぁ。お前達も立て!これ以上シュウト様を困らせるな。」
そう言いながら2人を立たせた。
いやいや、1番困らせたのはハロルドさんですからね。
と思っているとハロルドさんは頭を掻きながら「申し訳ありません。」と言った。
「ゴホン!とりあえず先程も言ったがこの事は秘密にする事、それとシュウト様が普通に接する方が良いと仰っているとで普通に接する様に!」
ハロルドさんがそう言うと2人は「御意!」「承知した。」と応えた。
「ところで1つ聞いて良いですか?」
「何でしょうシュウト様。」
「何故、公爵殿下であるセルジュさんまで頭を下げたんですか?」
ハロルドさんは一瞬、何を聞かれたのか分からない表情をしていたが少しして分かってくれたのか答えてくれた。
「シュウト様、これは当たり前の事なのです。何故なら神の使徒は国王と同等なのです。但しそれは普通の神の場合で世界神で在られるアストライアー様の使徒様は国王よりも上の存在とされているからなのです。」
それを聞いて俺はほぅ~と呆けていると
「シュウト様?シュウト様がそうなのですよ」
と言われビックリしたがそうかぁ~何か嫌だなぁと思い自分の気持ちを打ち明けた。
「なら自分は使徒である事を黙っていようと思います。」
「何故ですか?」
「これ迄知り合った人、これから知り合うであろう人達によそよそしくして欲しくないからです。」
そう言うと皆が「「「シュウト様(殿)、らしい。」」」と笑っていた。
俺はこの3人なら良いかと思い、自分が何故使徒になったのかどんな使命を帯びているのかを話、ライヤ様からは急ぐ必要はないと言われた事などを話した。
「なるほど、だから世界を周らなければいけないのですね。」
「そうなんですよ。自分的にはこの街やここの人達といるのは心地が良いんで使命が無ければここに居たかったんですけどね。」
「それは嬉しい事を言って下さる。どうぞどの位居られるかは分からないですがここにいる間だけでも我が家と思って過ごしてください。それに何処かへ行かれても立ち寄って頂ければ歓迎させていただきます。」
そう言われホッコリしていると
「失礼します。旦那様、お食事の用意が出来ました。」
と扉の向こうからメイドさんが声を掛けてきた。
「では、シュウト様食事にいたしましょうか。」
と言われ席をたった。
食事中、ハロルドさんが俺の方を見ながら何か考え事をしてる様子だったので俺が「ハロルドさんどうしました?」と聞くと「食事の後、またお話させて頂いてもいいでしょうか?」と聞かれたので何だろう?とは思ったが了承した。
食後、また応接室に戻ってきた俺はハロルドさんに訪ねた。
「明日の事では・・・無いですよねぇ・・・もしかして工房の事ですか!?アレは何と言えば・・・」
「いえ!違うのです!まぁ確かに工房では危ない事を何度も・・・ってそれはもう反省して頂いていると思っているので良いのです。」
「じゃあ何でしょうか?」
俺がそう言うとハロルドさんは押し黙ったまま話始め様としないので暫し沈黙の時間が流れた。するとそれを見かねたのか横で立っていたセバスさんがハロルドさんに声を掛けた。
「大旦那様、もしや大奥様の事でしょうか?」
ハロルドさんはビクッとなると大きく深呼吸をすると俺の方を見て話し始めた。
「明日以降、何時でもよろしいので妻のミレーヌに会って頂きたいのです。」
会うのは良いけど使徒だからといって病気や怪我を治せるわけじゃないんだよなぁ
と思って治す能力は今のところ無い事をハロルドさんに話そうとしたら横からセバスさんがハロルドさんに声を掛けた。
「大旦那様、それではシュウト様が勘違いしてしまいます。」
「ん?あぁそうだな。妻はもう居ないんです。」
はい?どういう事?
そう思っていると横でセバスさんが「はぁ~」と溜息を吐いて俺の方に話し掛けてきた。
「シュウト様、申し訳ございません大旦那様は普段は尊敬出来るとても素晴らしい御方なのですがこと大奥様の事となるとダメ人間になってしまうのです。」
「なっ!そんな事は・・・」とハロルドさんは否定しようとするも心当たりがあるのか勢いを失い黙ってしまった。
「それでですが大奥様は5年前に御病気でお亡くなりになっているのですが、御病気の所為で現世に未練がお在りなのか、生前お好きであった丘の上にいらっしゃるのです。」
あぁなるほど、それで俺か。
「大旦那様は心配で私兵を巡回させ、行ける時は毎日でも行っているのですが、何分大奥様は幽霊ですので大旦那様に何かを話し掛けている御様子なのですが、分からないので最後には大奥様が怒って何処かへ消えてしまうのです。」
その言葉にハロルドさんは落ち込んだ様子を見せ、俺に懇願してきた。
「そこでシュウト様の能力でミレーヌの未練、話を聞いて頂きたいのです!」
「それは構いませんが未練が無くなるとそのまま転生してしまう事があるので自分が行く時は御家族を伴ってからで如何ですか?」
俺がそう言うとハロルドさんは驚いた顔で返答してきた。
「それは私共としてはありがたいですが、シュウト様のお力が知られてしまいますよ!」
「使徒である事さえ分からなければ、皆さんなら能力位ならバレても良いですよ。」
俺がそう言うとハロルドさん達は涙を浮かべ感謝してきた。
「ありがとうございます。ありがとうございます。子供たちも孫達も皆、ミレーヌの事が好きだったので、喜ぶと思います!」
喜ぶハロルドさん達を見て嬉しくなったが俺はふと、この件って俺が解決というか俺が転生させても問題無いのかが分からなかったので、喜んでるのに悪いなぁと思いつつ話をした。
「すいませんハロルドさん。喜んでいただけて嬉しいのですが、少し待ってもらっても良いですか?」
「そうですね。まだやる事はあるでしょうし。」
「いや、そういう事ではなく・・・行くなら明日でも良いのですが・・・」
俺が返答するのに悩んでいるとハロルドさんは掴みかかってくるのではないかと思える位の勢いで「何故!」と言いながら近づいてきたがセバスさんに肩を捕まれ「大旦那様!」と止められると座り直して聞いてきた。
「シュウト様、申し訳ありません。此方に何か落ち度がありましたでしょうか?」
「いえ、自分の落ち度なんで此方こそ、すいません。」
「では、どういった事でしょうか?差し支えなければお教え頂きたいのですが?」
「なんと云いますか、この件について自分が関わっていいのかをライヤ様に聞いてからの方が良い様な気がしまして。すいません。」
俺の返答に驚きつつも冷静さを取り戻したハロルドさんはやってしまったという様な顔をしながら声を掛けてきた。
「此方こそ申し訳ありません。シュウト様は大切な使命がお在りでらっしゃるのに私の個人的なお願いを・・・」
「いえいえ、自分も確認もせずに答えてしまったのが悪かったので・・・そうだ!明日、何時から教会が開いてるかは分かりませんが明日の朝にでも教会に行ってみます。ただライヤ様もお忙しい方なので直ぐにとはいかないかもしれませんが。」
そう言うとハロルドさんは満面の笑みで答えてくれた。
「ありがとうございます。では朝食の後なら問題ないと思いますので工房へ行く前に行くこととしましょう。」
「分かりました。・・・ただ、もしかしたら時間が掛かってしまうかもしれないんで時間が掛かっている様ならキルデスさん達に遅くなるのをお伝えして頂けるとありがたいのですが・・・。」
「お任せ下さい。此方からお願いしている事ですので必ず伝えます。」
そう言うとその日は解散となったので俺はライヤ様から色良い返事が貰えるといいなぁと思いながら就寝した。
翌朝、朝食を済ませた俺達は教会に着いた。
凄い荘厳な雰囲気だなぁと思っているとハロルドさんから声を掛けられた。
「この教会は王都の次に大きいとされていて、歴史もかなり古く、この都市が出来るのと同時に建設されたと伝承があります。」
はぁ~凄いなぁと眺めているとハロルドさんに中にはいる様に促されたので、ついて行った。
「此方の教会は先程も申しましたが古くからあるので、主だった神の像が全てあるとされていますので、貴族や商人、冒険者、庶民とありとあらゆる人々が訪れるので教会が閉まるまで、人が途切れる事はありません。」
俺は周りをキョロキョロ見ながらハロルドさんについて進んでいた。
暫く歩いていると神父と思われる人が声を掛けてきた。
「これはハロルド様、ようこそおいでくださいました。本日は如何されましたでしょうか?」
「おぉこれは司祭殿、今日は儂ではなく此方のシュウト様がお祈りする為に来たのだ。・・・そうだ司祭殿、個室でお祈りをしたいのだが、空いておるか?」
「はい。本日はまだ時間的に早いので問題ありませんよ。今御案内致します。」
そう言われた俺達は司祭様の後ろについて行くと2Fの一室に通され、案内してくれた司祭様は会釈して出ていった。
「やはりあの方は分かってらっしゃるな。」
司祭様が出ていくのを見届けたハロルドさんは不意にそう言った。
「ん?何が分かってるんですか?」
ハロルドさんは俺の質問に対して1泊おいてから答えた。
「シュウト様に加護がある事、此処に何をしに来たかですね。」
俺はえ!?っとなってもう一度ハロルドさんに質問した。
「あの人は何者なんですか?」
「それはあの方が直接お話になると思いますので私からは差し控えておきます。」
とハロルドさんは良い顔で言った。
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