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第113話 [コレクション]
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離れに戻った俺はルークに連れられて練武場近くの扉に来ていた。
「此処が俺のコレクション部屋だ。」
「練武場の隣にあるんだな。」
「そりゃ、武器とか使うにもその辺で使えないのもあるからな。しかし、父上も抜け目がないというかなんというか。」
「まぁ一国を背負う者としては妥当な判断だと思うぞ。」
「まぁな。ところでメグミちゃんもシン坊も見ねぇけど、どうしたんだ?」
「あぁ、真司の人化の練習にアイテムボックス改に行ってるよ。」
「なるほどな。シン坊、羨ましそうだったしな。さて、なら丁度良い。俺のコレクションを見てくれ。」
ルークはそう言うと扉を開いた。するとそこには保管庫と同じ位の部屋に分類毎に分けられ、整理された。装備品の博物館の様な場所になっていた。
「凄い数だし、意外と綺麗に整理されてるなぁ。」
「意外は余計だろ。」
「悪い悪い、でもコレって王子として集めたのか?」
「いや、少しはあるけど、俺は父上達みたいに城や公務をしてる訳じゃねぇから殆どは冒険者としての金で買ったり、ダンジョンで手に入れたやつだな。」
「そうなのか。それにしては多いな。」
「あぁ飯や宿以外の金はオークションとかでも買ってるから仲間内にはバカにされるけどな。」
「へぇ~、オークションなんてあるのか。」
「あぁ、タイミングが合えば一度行ってみるか?」
「そうだな。買うかどうかは別にして見学がてら、行ってみるかな。」
「おう。その時は案内してやるぜ。」
「あぁ、頼むな。ところで、ルークお前が必要な物を選んでる間、一寸見ても良いか?」
「あぁ、必要な物は分かってるから一緒に廻って説明してやるよ。」
「良いのか?じゃあ頼む。」
そう言うと俺達はざっと見て廻ることにした。
「これだけ有ると壮観だなぁ。」
「良いだろ。」
「見る分にはな。コレを1人で集めたって考えたら馬鹿げてるとしか、言い様が無いな。」
「なんだよ。・・・まぁいいや、シュウトがいなけりゃ、殆どが飾りになるだけだったが、こうしてちゃんとした形で使えるしな。」
そう言いながらルークがスキルの無い武器を回収しながら進んでいくと見覚えのある武器を発見した。
「おっ、これは!」
「知ってるのか?コレはヤマトの武器でニッポン刀っていうやつなんだ。」
日本刀か。やっぱりヤマトはメモリーホルダーが興した国か。
「ただコレもかなり扱い辛いから使ってねぇんだよ。」
ルークがそう言いながらも回収しないので聞いてみた。
「ルーク、じゃあなんで回収しないんだ?」
「何でって剣術は持ってるぞ?」
「だけど扱い辛いんだよなぁ。って事は剣術に含まれないんじゃないか?」
「・・・そうか!だから使い辛いのか!なら、これもそうかも!」
そう言ってルークが手にしたのは薙刀だった。
「あぁ確かに違うかもしれないな。」
俺がそう言うとルークはニコニコしながら回収していた。
その後も色々な武器を回収していく上である武器にルークは手を伸ばした。
「あれ?何で弓?」
「え?何でって俺弓使えねぇから。」
「は?・・・え?使えないの?」
「あぁ、敵が遠いなら槍を投げるか、魔法を使えば済むしな。」
「で、じゃあ何でって趣味か。」
「あぁ、それに今までのレベルだとこの弓は硬すぎて引けなかったからな。」
そう言いながらルークが弓を渡してきたので引いてみると確かに普通ではない事がわかった。
「硬ぇだろ。その弓は周りの魔力に反応して魔力が濃ければ濃い程、剛性と反発力が強くなって威力が上がる分、今までのレベルだと使いもんにならなかったんだ。」
「で、どうせなら使いたいと?」
「ダメか?」
「良いんじゃないか?どうせなら楽しんだ方が強くなれると思うしな。」
「だよな!」
そう言いながらルークは次々と武器を回収していった。
一通り見て回収した俺達は部屋を出ようとするとルークに声を掛けられた。
「シュウト、知ってたらで良いんだけどよ。武器を2つ見て欲しいんだけど、練武場に行かないか?」
「あぁ良いけど、特殊なのか?」
「すまねぇ、じゃあ行くか。」
練武場に行くとルークは人型の的を幾つも用意して、一振の剣を取り出した。
「何だ?剣じゃないか、剣術スキルなら持ってるだろ?」
「あぁ、これは普通に使うなら剣なんだけど・・・。」
ルークはそう言いながら見事な剣術を披露した後に剣の柄を弄ると剣が小さい刃をワイヤーで幾つも繋いだ様な形状になった。
「こうなると上手く使えないんだよ。」
「おぉ、蛇腹剣か。知ってるは知ってるけど、見るのは初めてだなぁ。」
「知ってるのか!?じゃあなんで使えないか分かるか?」
「多分だけど、その形状になったら鞭術になるんじゃないか?」
「鞭術?・・・鞭か、なるほど、確かにそうかも。じゃあコレは?一応武器って紹介されたんだが短剣に縄が付いてるってだけなんだよ。」
ルークはそう言いながら縄鏢を取り出した。
「あぁ流星錘の派生武器だな。」
「リュウセイスイって何だ?」
「縄の先に重りが付いた武器だよ。」
「使い方は?」
「流星錘も縄鏢も基本は同じだな。一寸見てろよ。」
俺はルークから縄鏢を受け取ると昔観たアクション俳優さながらの動きで、次々と的を破壊していった。
「凄いな。まさに変幻自在、始めの攻撃の体勢とは思えない状態からの突き・・・いや、投擲か、そして引き戻したと思ったら遠心力を使った斬撃、戻ってきた短剣部分を受け損なったかと思ったら、足で蹴り飛ばして、初見であんな猛攻掛けて来られたら俺も防げるか分かんねぇな。しかし、投擲した後で向きが変わったり、斬撃になってたりしたけど、あれはシュウトがスキルで動かしてたのか?」
「いや、あれは技術というか、手首のスナップでやってただけだぞ。分かりやすく言うなら鞭の要領だな。」
「なるほど、やっぱおもしれぇな。なるほどなぁ投擲と斬撃の武器かぁ。」
「忘れてるようだけどコレは暗器の一種だ。通常は馬車の荷台に荷物を固定する荷紐として使われていた物だから絞め殺したり、動けない様に縛ったりって事も出来るぞ。」
「なるほどなぁ。やっぱおもしれぇなぁ。」
「あっそうだ。もう1つの戦法を教えてやるからコイツを防いでみてくれ。」
俺がそう言うとルークは嬉しそうに前に躍り出た。
「じゃあ行くぞ。」
「こい!」
ルークがそう言った瞬間、先程見せた猛攻を繰り出し、槍で防がせてルークがギリギリ追い付けるスピードまで持っていくとルークが縄鏢の短剣に集中し出したところで、短剣に槍が当たる瞬間に縄部分を激しく動かし、槍に絡め、動かない様に固定した瞬間、大量のカードを投げた。
ルークはこのまま槍を持っていては拙いと思ったのか、急いで手放すと脇に備えていた剣でカードを叩き落として回避した。
俺はそれを見て、絡め取った槍を遠くへ飛ばし、またも縄鏢での猛攻を繰り出した。
ルークはその猛攻に堪らんと思ったのか、近くにあった蛇腹剣を取り、その二振りで猛攻を何とか防いでいた。
俺はそれを見て、今度はギリギリ外した様に見せかけた攻撃をするとルークがニヤっと笑みを浮かべた。
俺はそれを見て、投げ短剣の方を壁に突き刺し、またも縄部分を激しく動かし今度は腕に絡めると縄を踏みつけて固定し、縄が斬られ無いようにカードを投げつけ、もう片方の短剣部分で腕を切り落とそうとする直前で、念動力で止めた。
「参った!かぁ~疲れた!なんちゅう攻撃だよ。しかも俺の限界スピードに合わせてただろう。」
「そうじゃないとどんな戦法か分からないだろ?」
「まぁな。ってか、アレで縄術のスキルねぇんだよなぁ。」
「そうだな。頑張っても習得出来ないからな。」
「無いのに出来るって可笑しいだろ。」
「そう言われてもなぁ。」
「捕縛術もねぇんだろ?」
「あぁ。」
「アレでスキルを手に入れたらどうなんだよ。」
「・・・剣術の時はかなり使いやすくなったなぁ。」
「元の状態からプラスされるって事か。」
「そうだな。」
「考えるだけで恐ろしいな。一体どれだけの武術をスキル無しで身に付けてんだ?」
「ん・・・家は武芸百般を知る事で全てを征するって教えだからな。知り得る武術は全て身に付けさせられたぞ。」
「無茶苦茶だなぁ・・・ところで
武芸百般って何だ?」
「全ての武術の総称とでもいえばいいかな。因みに馬術も含まれるぞ。」
「なるほどな。戦いで使える物は全てって事か。あっ、そう言えば1つ面白い事が分かったぞ。」
「何だ?」
「シュウトがギリギリの模擬戦してくれたお陰でスキルレベルが上がったぞ。槍術はもう上がらないと思ってたんだけどな。」
「槍術って幾つだったんだ?」
「15から16に上がった。」
「それは凄いのか?」
「当たり前だろ。俺はもう限界だと思ってたんだぞ。それに剣術も6から8に上がったし、双剣術なんて2から5に上がったんだぞ。普通はどれでも1上げるのに1年は使い続けなきゃいけねぇって言われてんだぞ。」
「へぇ~良かったな。・・・っていうか、悪かった。」
「ん?何がだ?」
「そんなに追い込んでるつもりは無かったからな。」
俺がそう言うとルークは絶句していた。
「ア、アレでか?」
「いやいや、追い込むならもっと真面目にするって、何冗談言ってるんだよ。」
「・・・。」
「ん?どうした?」
「いや、何でもない。」
「そういえば他は無いよな?」
「何がだ?」
「使い方が分からないってやつだよ。」
「あぁそれなら問題ねぇ。流石に後は分かるぞ。」
「ならもういいか?そろそろ晩御飯だと思うんだが、行かないか?」
「もうそんな時間か。すまねぇ遅くなっちまったな。」
「良いよ別に。しっかり準備しとかないとまた戻る結果になりそうだしな。そういえば、弓だけしか入れてなかったけど、矢はどうするんだ?」
「アレか?アレなら問題ねぇぞ。周りの魔力を吸収して矢になるからな。」
「へぇ~それいいな。」
「だろ。だからオークションで競り落としたんだよ。」
「アレってオークションだったのか、幾らだったんだ?」
「ん・・・確か白金貨30枚だったっけ?」
ん!?えぇぇと白金貨1枚が10億・・・300億ぅ・・・阿呆だ。
俺達はその後もくだらない事を話しながら食事をして離れに戻ると一寸、子供達も帰ってきたので、その日はそのまま就寝する事にした。
「此処が俺のコレクション部屋だ。」
「練武場の隣にあるんだな。」
「そりゃ、武器とか使うにもその辺で使えないのもあるからな。しかし、父上も抜け目がないというかなんというか。」
「まぁ一国を背負う者としては妥当な判断だと思うぞ。」
「まぁな。ところでメグミちゃんもシン坊も見ねぇけど、どうしたんだ?」
「あぁ、真司の人化の練習にアイテムボックス改に行ってるよ。」
「なるほどな。シン坊、羨ましそうだったしな。さて、なら丁度良い。俺のコレクションを見てくれ。」
ルークはそう言うと扉を開いた。するとそこには保管庫と同じ位の部屋に分類毎に分けられ、整理された。装備品の博物館の様な場所になっていた。
「凄い数だし、意外と綺麗に整理されてるなぁ。」
「意外は余計だろ。」
「悪い悪い、でもコレって王子として集めたのか?」
「いや、少しはあるけど、俺は父上達みたいに城や公務をしてる訳じゃねぇから殆どは冒険者としての金で買ったり、ダンジョンで手に入れたやつだな。」
「そうなのか。それにしては多いな。」
「あぁ飯や宿以外の金はオークションとかでも買ってるから仲間内にはバカにされるけどな。」
「へぇ~、オークションなんてあるのか。」
「あぁ、タイミングが合えば一度行ってみるか?」
「そうだな。買うかどうかは別にして見学がてら、行ってみるかな。」
「おう。その時は案内してやるぜ。」
「あぁ、頼むな。ところで、ルークお前が必要な物を選んでる間、一寸見ても良いか?」
「あぁ、必要な物は分かってるから一緒に廻って説明してやるよ。」
「良いのか?じゃあ頼む。」
そう言うと俺達はざっと見て廻ることにした。
「これだけ有ると壮観だなぁ。」
「良いだろ。」
「見る分にはな。コレを1人で集めたって考えたら馬鹿げてるとしか、言い様が無いな。」
「なんだよ。・・・まぁいいや、シュウトがいなけりゃ、殆どが飾りになるだけだったが、こうしてちゃんとした形で使えるしな。」
そう言いながらルークがスキルの無い武器を回収しながら進んでいくと見覚えのある武器を発見した。
「おっ、これは!」
「知ってるのか?コレはヤマトの武器でニッポン刀っていうやつなんだ。」
日本刀か。やっぱりヤマトはメモリーホルダーが興した国か。
「ただコレもかなり扱い辛いから使ってねぇんだよ。」
ルークがそう言いながらも回収しないので聞いてみた。
「ルーク、じゃあなんで回収しないんだ?」
「何でって剣術は持ってるぞ?」
「だけど扱い辛いんだよなぁ。って事は剣術に含まれないんじゃないか?」
「・・・そうか!だから使い辛いのか!なら、これもそうかも!」
そう言ってルークが手にしたのは薙刀だった。
「あぁ確かに違うかもしれないな。」
俺がそう言うとルークはニコニコしながら回収していた。
その後も色々な武器を回収していく上である武器にルークは手を伸ばした。
「あれ?何で弓?」
「え?何でって俺弓使えねぇから。」
「は?・・・え?使えないの?」
「あぁ、敵が遠いなら槍を投げるか、魔法を使えば済むしな。」
「で、じゃあ何でって趣味か。」
「あぁ、それに今までのレベルだとこの弓は硬すぎて引けなかったからな。」
そう言いながらルークが弓を渡してきたので引いてみると確かに普通ではない事がわかった。
「硬ぇだろ。その弓は周りの魔力に反応して魔力が濃ければ濃い程、剛性と反発力が強くなって威力が上がる分、今までのレベルだと使いもんにならなかったんだ。」
「で、どうせなら使いたいと?」
「ダメか?」
「良いんじゃないか?どうせなら楽しんだ方が強くなれると思うしな。」
「だよな!」
そう言いながらルークは次々と武器を回収していった。
一通り見て回収した俺達は部屋を出ようとするとルークに声を掛けられた。
「シュウト、知ってたらで良いんだけどよ。武器を2つ見て欲しいんだけど、練武場に行かないか?」
「あぁ良いけど、特殊なのか?」
「すまねぇ、じゃあ行くか。」
練武場に行くとルークは人型の的を幾つも用意して、一振の剣を取り出した。
「何だ?剣じゃないか、剣術スキルなら持ってるだろ?」
「あぁ、これは普通に使うなら剣なんだけど・・・。」
ルークはそう言いながら見事な剣術を披露した後に剣の柄を弄ると剣が小さい刃をワイヤーで幾つも繋いだ様な形状になった。
「こうなると上手く使えないんだよ。」
「おぉ、蛇腹剣か。知ってるは知ってるけど、見るのは初めてだなぁ。」
「知ってるのか!?じゃあなんで使えないか分かるか?」
「多分だけど、その形状になったら鞭術になるんじゃないか?」
「鞭術?・・・鞭か、なるほど、確かにそうかも。じゃあコレは?一応武器って紹介されたんだが短剣に縄が付いてるってだけなんだよ。」
ルークはそう言いながら縄鏢を取り出した。
「あぁ流星錘の派生武器だな。」
「リュウセイスイって何だ?」
「縄の先に重りが付いた武器だよ。」
「使い方は?」
「流星錘も縄鏢も基本は同じだな。一寸見てろよ。」
俺はルークから縄鏢を受け取ると昔観たアクション俳優さながらの動きで、次々と的を破壊していった。
「凄いな。まさに変幻自在、始めの攻撃の体勢とは思えない状態からの突き・・・いや、投擲か、そして引き戻したと思ったら遠心力を使った斬撃、戻ってきた短剣部分を受け損なったかと思ったら、足で蹴り飛ばして、初見であんな猛攻掛けて来られたら俺も防げるか分かんねぇな。しかし、投擲した後で向きが変わったり、斬撃になってたりしたけど、あれはシュウトがスキルで動かしてたのか?」
「いや、あれは技術というか、手首のスナップでやってただけだぞ。分かりやすく言うなら鞭の要領だな。」
「なるほど、やっぱおもしれぇな。なるほどなぁ投擲と斬撃の武器かぁ。」
「忘れてるようだけどコレは暗器の一種だ。通常は馬車の荷台に荷物を固定する荷紐として使われていた物だから絞め殺したり、動けない様に縛ったりって事も出来るぞ。」
「なるほどなぁ。やっぱおもしれぇなぁ。」
「あっそうだ。もう1つの戦法を教えてやるからコイツを防いでみてくれ。」
俺がそう言うとルークは嬉しそうに前に躍り出た。
「じゃあ行くぞ。」
「こい!」
ルークがそう言った瞬間、先程見せた猛攻を繰り出し、槍で防がせてルークがギリギリ追い付けるスピードまで持っていくとルークが縄鏢の短剣に集中し出したところで、短剣に槍が当たる瞬間に縄部分を激しく動かし、槍に絡め、動かない様に固定した瞬間、大量のカードを投げた。
ルークはこのまま槍を持っていては拙いと思ったのか、急いで手放すと脇に備えていた剣でカードを叩き落として回避した。
俺はそれを見て、絡め取った槍を遠くへ飛ばし、またも縄鏢での猛攻を繰り出した。
ルークはその猛攻に堪らんと思ったのか、近くにあった蛇腹剣を取り、その二振りで猛攻を何とか防いでいた。
俺はそれを見て、今度はギリギリ外した様に見せかけた攻撃をするとルークがニヤっと笑みを浮かべた。
俺はそれを見て、投げ短剣の方を壁に突き刺し、またも縄部分を激しく動かし今度は腕に絡めると縄を踏みつけて固定し、縄が斬られ無いようにカードを投げつけ、もう片方の短剣部分で腕を切り落とそうとする直前で、念動力で止めた。
「参った!かぁ~疲れた!なんちゅう攻撃だよ。しかも俺の限界スピードに合わせてただろう。」
「そうじゃないとどんな戦法か分からないだろ?」
「まぁな。ってか、アレで縄術のスキルねぇんだよなぁ。」
「そうだな。頑張っても習得出来ないからな。」
「無いのに出来るって可笑しいだろ。」
「そう言われてもなぁ。」
「捕縛術もねぇんだろ?」
「あぁ。」
「アレでスキルを手に入れたらどうなんだよ。」
「・・・剣術の時はかなり使いやすくなったなぁ。」
「元の状態からプラスされるって事か。」
「そうだな。」
「考えるだけで恐ろしいな。一体どれだけの武術をスキル無しで身に付けてんだ?」
「ん・・・家は武芸百般を知る事で全てを征するって教えだからな。知り得る武術は全て身に付けさせられたぞ。」
「無茶苦茶だなぁ・・・ところで
武芸百般って何だ?」
「全ての武術の総称とでもいえばいいかな。因みに馬術も含まれるぞ。」
「なるほどな。戦いで使える物は全てって事か。あっ、そう言えば1つ面白い事が分かったぞ。」
「何だ?」
「シュウトがギリギリの模擬戦してくれたお陰でスキルレベルが上がったぞ。槍術はもう上がらないと思ってたんだけどな。」
「槍術って幾つだったんだ?」
「15から16に上がった。」
「それは凄いのか?」
「当たり前だろ。俺はもう限界だと思ってたんだぞ。それに剣術も6から8に上がったし、双剣術なんて2から5に上がったんだぞ。普通はどれでも1上げるのに1年は使い続けなきゃいけねぇって言われてんだぞ。」
「へぇ~良かったな。・・・っていうか、悪かった。」
「ん?何がだ?」
「そんなに追い込んでるつもりは無かったからな。」
俺がそう言うとルークは絶句していた。
「ア、アレでか?」
「いやいや、追い込むならもっと真面目にするって、何冗談言ってるんだよ。」
「・・・。」
「ん?どうした?」
「いや、何でもない。」
「そういえば他は無いよな?」
「何がだ?」
「使い方が分からないってやつだよ。」
「あぁそれなら問題ねぇ。流石に後は分かるぞ。」
「ならもういいか?そろそろ晩御飯だと思うんだが、行かないか?」
「もうそんな時間か。すまねぇ遅くなっちまったな。」
「良いよ別に。しっかり準備しとかないとまた戻る結果になりそうだしな。そういえば、弓だけしか入れてなかったけど、矢はどうするんだ?」
「アレか?アレなら問題ねぇぞ。周りの魔力を吸収して矢になるからな。」
「へぇ~それいいな。」
「だろ。だからオークションで競り落としたんだよ。」
「アレってオークションだったのか、幾らだったんだ?」
「ん・・・確か白金貨30枚だったっけ?」
ん!?えぇぇと白金貨1枚が10億・・・300億ぅ・・・阿呆だ。
俺達はその後もくだらない事を話しながら食事をして離れに戻ると一寸、子供達も帰ってきたので、その日はそのまま就寝する事にした。
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