転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア

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第304話 [機王文殊Ⅱ。]

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ドラウが機体を取り出したと思ったら50㎥有るであろう正六面体の何かを取り出した。

「デ、デケェ・・・。」

「確かに治療院ぐらい有るんじゃないか?」

「あぁ、そのくれぇは有るよなぁ・・・コレが次の機体なのか?」

「確かにドラウが言ってた通りのサイズだけど、それにしたって大き過ぎないか?」

俺達がそう話しながら唖然としながら見上げているとドラウが話し掛けてきた。

「ソレは収納された状態だ。」

「あぁ、中に入ってるのか。」

「そうだよな!あんなデカさだと殆どのダンジョンに入れねぇもんな。」

「ん?勘違いしてる様だが、ソレが本体そのものだぞ。」

「「え?」」

「え?って何だよ。最初からSSランクの魔石を使う場合はどの程度のデカさになるか言っといただろ。」

「まぁ・・・そうだな。それでアレにはどうやって乗り込むんだ?」

「そりゃこのまま乗り込むんだよ。」

ドラウがそう言うと機王文殊が球体になって巨大な正六面体の上部から吸い込まれる様に中に入って行った。

「機王文殊毎、中に入るのか。」

「コックピットは造ってねぇし、なんつうか外装パーツとでも言ったらいいのか?まぁそのまま別のもんにするよりもこっちの方が効率的だし、操作性も上がる、その上戦闘力も圧倒的にこっちのが良いからな。」

「なるほどな。それでどの位強くなったんだ?」

「一応、想定では今のルーク達なら圧倒出来るスペックは有るはずだ。ただこの機王文殊Ⅱは二通りの変形しか出来ないのが欠点だな。」

「前の変形は出来ないのか?」

「強度と伝達の問題で出来ねぇんだ。」

「という事は空も飛べないし、狭い場所も自由に行動出来ないって事か?」

「それだけじゃねぇ。素早い行動も陸上だと出来ない。」

「陸上だと?空も飛べないんだよなぁ?」

「あぁ、見てもらった方が良いだろうな。って事で変形!」

ドラウがそう言うと機王文殊の時の様に球体になって震えると触手が生えてきて、とんでもない大きさの烏賊の様な蛸の様な軟体生物になった。

「クラーケンか。確かにそれなら陸上は速くねぇだろうな。」

「クラーケン?あぁ確か、海の怪物だったか。」

「シュウトも知ってんの・・・あぁあん時に戦ったのもクラーケンだが、このサイズの方が成体って言われてんぞ。ガレオン船すら海に引き摺り込む恐ろしい魔物だな。」

「確かにこの大きさなら簡単に沈没させるだろうな。それに海の中だとルーク達を圧倒っていうのも理解は出来るな。」

「ん?それだけじゃなく、陸上でもかなり強いと思うぞ。まぁ、遠距離攻撃は殆どねぇけどな。」

「ミサイルは放てるんだろ?」

「いや、水中用だから陸上ではミサイルとしては使えねぇ。まぁ、掴んで爆弾として投げるくれぇだな。」

「じゃあ水魔法で攻撃するのか?」

「いや、周りに水がねぇとそこまでの出力は出せねぇ。」

「じゃあ何だ?投石か?」

「他にも有るが概ねそんなところだ。」

「それで戦えるって言ってもなぁ。」

俺がそう言うとドラウは少しの沈黙の後に話し掛けてきた。

「ならルーク、戦ってみないか?」

「おう。どの程度なのか、俺が試してやるよ。」

ルークはそう言うと剣を2本取り出して構えを取った。

「ルークもその気なら分かった。アキトはどうする?このままだと午前中に荒野でする修行時間がなくなってしまうぞ。」

「だけどルークが戦うんじゃないの?」

「アキトもするのか?俺はどっちでも良いぞ、2人だけなら何の問題もねぇはずだしな。」

「ん?そうなのかい?」

「想定だと問題ねぇはずだ。」

「OK~そこまで言うならやろうか。」

アキトはそう言うと2本の槍を構えた。

「ヨッシャ、ってその前にシュウト!」

「ん?何だ?」

「魔宝玉を使った修行って事で良いのか?」

「どうなんだドラウ?」

「使っても問題ねぇぞ。」

「だ、そうだ。」

「ヨッシャ!じゃあ壊れても文句言うなよ!」

「問題ねぇ。」

「ほんじゃ行くぞアキト!」

「おう!」

2人はそう言うと魔宝玉を咥えてドラウが乗る機王文殊Ⅱクラーケンモードに突撃して行った。

その動きを察知した機王文殊Ⅱは触手を2人に伸ばして2人の攻撃を軽く捌いていた。

ほぅ~本当に全員で相手しても何とかなりそうだな。

俺がそう思っているとルークとアキトは目配せをして左右に別れたと思った瞬間、同じ1本の触手に狙いを定めて、斬撃を同時に当てて、その1本を斬ってしまった。

ルーク達は触手を切断すると他の触手に捕まらない様にその場を離れた。

「余裕ぶっこいてたみてぇだから斬ってやったぜ。斬れるのが分かったんだ他のも斬らせてもらうが良いか?」

「触手はそこまで強度は上げてねぇとはいえ、確かに斬れたが、強度を上げてない理由はそれなりに有るぜ。」

ドラウがそう言うと切断された触手が消え、切断された部分が再生された。

「何!?」

「え?そこまで真似てるの?」

「クラーケンにしたんだ。それくらいはするだろ。後もう1つ言えば切断された部分が消滅でもしない限り魔力が有れば無限に再生する様にしてあるぞ。まぁ、消滅しても同じ素材を俺が出しても同じだけどな。」

「なっ!って事は無制限に再生するのと殆ど変わりがねぇじゃねぇか!」

「そんな事はねぇぞ。今なら1万回くらい切断して消滅させれば再生出来ないぞ。」

「はぁー!?そんなん無理だろ!アキト、止めだ止め。俺達だけじゃまだ無理だ!」

「そうだね。斬る事は出来ても消滅させられないし、本体まで辿り着けないなら勝負は見えてるしね。」

2人はそう言うと武器を仕舞って両手を上げて降参のポーズを取った。

「2人共、随分あっさりと負けを認めたな。まぁ、無理は無い。ただ修行だとしてもその態度は如何なものかと思うぞ。」

「確かにそうかもしんねぇが引き際を見極めて命を粗末にしねぇって意味なら問題ねぇだろ?」

「そうだな。まぁ、今回はそれで良しとしよう。ただ全員での模擬戦の時は諦めは許さないからな。」

「わーてるって。そんな事したらシュウトとの地獄の修練が待ってそうだからな。」

「地獄かどうかは分からないが良く分かってるじゃないか。ドラウも2人との対戦で気を良くしてたら何時かコテンパンにされると思えよ。」

「そんな事しねぇよ。今回の対戦でも修正ポイントは有ったし、こっちも決定打になる様な攻撃も出来なかったしな。」

「それなら良い。じゃあもう1つのモードを見せてくれ。」

「おうよ。っとその前に戦闘で消耗した魔石を交換するから一寸待ってくれ。」

ドラウはそう言うと数秒間、機王文殊Ⅱの動きを止めた。

「良し、じゃあやるぞ。」

ドラウがそう言うとルークが手を挙げた。

「どうしたんだ?」

「ドラウ、変形したら忘れちまいそうだから聞きたいんだが、魔石の交換って戦闘中でも可能なのか?」

「何かと思えば、そんな事か。当たり前だろ、基本的には俺は中に居るだけなんだし、5個有る魔石を1つずつ交換すれば戦闘だって継続しながらでも可能だぞ。」

「やっぱ、そうかぁ~。」

俺はルークはそう言いながら天を仰いだので何となく意図は分かったが聞いてみる事にした。

「それがどうしたんだルーク?」

「いや、魔力切れって線もねぇのが分かっただけだ。」

「やっぱりそういう事か。」

「おう。戦略を考える上でも大事な事だからな。」

「まぁ、そうだな。」

「もう最後のモードに変形しても良いか?」

「ルーク、まだ何か有るか?アキトも今すぐ聞きたい事は有るか?」

「俺はねぇぞ。」

「僕も大丈夫だよ。」

「だ、そうだ。」

「じゃあ変形するぞ。」

ドラウがそう言うと機王文殊Ⅱは再び球体になり、今度は浮遊するデルタ十六面体を中心に四つのデルタ八面体がクルクルと回っている水晶の様な物になった。

「うわっ!最後はクリスタルゴーレムかよ。」

「ん?コレもルークは知ってるのか?」

「おぅ、1回戦った事が有るからなぁ。」

「強いのか?」

「正直分かんねぇ。」

「分からない?」

「あぁ、アレは古代遺跡のダンジョンに稀に居るゴーレムなんだが、魔物っていうより古代遺跡の防衛システムがダンジョンの影響で再稼働したってぇのが、主流な考えで同じ個体と思われるもんでも個体差が激しいんだよ。」

「あぁ民間施設を警備してるのと王族や軍事施設を警備してる個体で違うみたいな事か?」

「あぁ、そん中でもドラウの造ったやつは異質だな。恐らくは魔法も物理も殆ど効かねぇタイプの上にあの周りのは見た事はねぇが何かヤバい感じがするしな。」

「普通は無いのか?」

「俺の知る限りねぇな。」

俺とルークがそう話をしているとドラウが話し掛けてきた。

「流石、ルークだな、コイツの本物まで知ってんのか。」

「まぁな。親父達が遺跡好きってのも有るがな。」

「あぁ、そんな事も言ってたなぁ。」

「ドラウ、それでどんな機能が有るんだ?」

「ルークも言った事だが、ある程度の魔法や物理は効かねぇな。」

「それはどの程度効かないんだ?」

「さっきルーク達が触手を切断した時くれぇなら何もしなくても効かねぇぞ。後、魔法はハッキリとは言えねぇが大抵の魔法なら反射出来るな。」

「・・・ルーク、お前達の攻撃って全力に見えたけど、実際どうなんだ?」

「俺もアキトも全力だったぜ。なぁアキト?」

「そうだね。でもルークとの合わせ技をもっと上手く出来れば威力を上げる事は出来そうだけどね。」

「確かにな。まぁそれでもアレには効かねぇだろうがな。」

「まぁそうかもね。」

「そうか。全員との模擬戦には丁度良さそうだな。」

「模擬戦か・・・。」

俺が模擬戦の話をするとドラウが少し渋い表情で返事をしていた。

「どうしたんだ?」

「いや、ルークやアキト、サスケならクリスタルゴーレムモードの通常攻撃にも耐える事は出来るとは思うが、残りのメンバーだと難しいかと思ってな。」

「そんなに威力が有るのか?」

「SSランクの魔物くらいなら貫通出来る程度には威力が有るぞ。」

「それ程の威力なら確かに厳しいな・・・威力を下げる事は出来るのか?」

「出来ねぇ事もねぇが、機体への負担がデカいからなぁ。」

「そうか・・・どんな攻撃なんだ?」
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